122 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 12:59:52 ID:v8gLoR9A
123 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 13:00:40 ID:v8gLoR9A
124 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 13:01:28 ID:v8gLoR9A
125 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 13:02:32 ID:v8gLoR9A
126 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 13:03:33 ID:v8gLoR9A
127 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 13:04:37 ID:v8gLoR9A
128 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 13:05:34 ID:v8gLoR9A
129 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 13:06:35 ID:v8gLoR9A
130 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 13:07:44 ID:v8gLoR9A
131 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 13:08:51 ID:v8gLoR9A
137 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 00:33:01 ID:zXDCCr5c
138 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 00:34:00 ID:zXDCCr5c
139 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 00:35:02 ID:zXDCCr5c
140 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 00:36:46 ID:zXDCCr5c
141 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 00:37:46 ID:zXDCCr5c
142 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 00:38:48 ID:zXDCCr5c
143 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 00:39:48 ID:zXDCCr5c
149 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:34:42 ID:L2tJ1.bo
150 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:35:32 ID:L2tJ1.bo
151 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:36:47 ID:L2tJ1.bo
152 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:37:33 ID:L2tJ1.bo
153 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:38:29 ID:L2tJ1.bo
154 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:39:16 ID:L2tJ1.bo
155 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:40:11 ID:L2tJ1.bo
156 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:41:00 ID:L2tJ1.bo
157 名前:あばばばばばば!エリオキャロ徹底陵辱 ◆6W0if5Z1HY [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 07:41:52 ID:L2tJ1.bo

「はあっはあっ、はあっ、はあ……」

 真っ暗な森の中を、少女――キャロ・ル・ルシエは一人で必死に走っている。
いや、それは走っているというには程遠い速さだった。体力も、魔力も、ほとんど底を尽いていた。
何とか呼吸を整えようとしても、限界に近づいている彼女の身体は、それを許してくれない。
それでも、今の彼女は、少しでも遠くに逃げなくてはならなかった。

「あうっ!」

 足元の蔓に足を引っ掛けて、ベシャッと派手にすっ転ぶキャロ。

「う、う……」

 疲労のあまり、そのまま地面に張り付いてしまいそうになる身体を必死に叱咤し、立ち上がろうとする。
死の恐怖に後ろから追い立てられ、なんとかキャロは立ち上がった。
が、一歩踏み出した途端、脚がガクガクして動けなくなった。いよいよ限界だった。
膝が崩れ、傍に生えていた木に、身体を預けるようにして倒れ込むキャロ。

「ひあっ、はあっはあっ、はっ、はあ……」

 ぼんやりと霞がかった頭で、呆然と彼女は考えた。


――どうして、こんなことに……

 いわゆる『ジェイル・スカリエッティ事件』の後、それまで所属していた機動六課の解散に伴って、
キャロは自然保護隊へと移ることになった。
機動六課時代からずっと共に戦い、今では最も信頼できる少年、エリオ・モンディアルも一緒だ。

 自然保護隊とは密猟者の摘発や自然保護業務など行う部隊で、機動六課所属前のキャロはここにいた。
つまり、自然保護隊に復帰したわけだ。それに対して、エリオは自然保護隊の経験がない。
最初は仕事の要領がわからず、随分と戸惑うことも多かった彼だが、そのうち慣れてきた。

 そして――なんやかんやで3年が経って二人は13歳になり、今や自然保護隊のエース的存在である。

 その頃、キャロ達が管轄する森で大問題となっていたのが、密猟である。
今、キャロ達が管轄する森、と一口に言ったが、『森』はとてつもなく広い。
銀の龍の背に乗って上空から見渡す限り、森は森森森森森森森林森森森森森森森……。
管轄するキャロ達でさえ、その全貌を把握することなど不可能なほど、森は広く、深いのである。
そんな広くて深い森には、生態がハッキリと解明されていない、珍しい動植物がたくさん存在する。
ひとたび、真夜中の森に足を踏み入れれば、

「あひ゜ゃぁー」
「アバババハ ゙ババババ!!」

と、奇怪な鳴き声や物音が聞こえる。もっとも、真夜中に一人で森なんかに入ってしまったら人生終了だが。

 最近、森の珍しい動植物が密猟者達によって捕獲され、裏世界で高値で取引されていた。
エリオ・キャロ達は今まで何十という数の密猟者組織を突き止めては壊滅させていたが、
どうも今回問題になっている組織は、今までと比べてかなり大規模な組織らしい。

 さて、地道な追跡調査の結果、自然保護隊は組織のアジトがあると思しき範囲を絞ることに成功した。
この広い森の中に、動植物捕獲のための現場というか、最前線の拠点があるらしい。
そしてこの度、準備万端、いよいよ密猟者組織を壊滅させるために大掛かりな遠征が行われることになった。
自然保護隊のエース格であるエリオとキャロが同行しないはずはない。
 アジトがあると思しき場所まではかなり遠く、初日は森の中でキャンプをして一晩過ごすことになった。
そんな中、テントで一人、エリオは異様な感覚に襲われていた。

(この辺りの森……なんだか変な感覚がする……)

 言葉ではハッキリと言い表せないが、何か一つ感覚が抜け落ちるような、そんな感じがした。
機動六課解散から3年、エリオは以前にも増して、着実に実力を上げてきている。
その実力は、かつての保護者であり、時空管理局のエース級魔導師であるフェイト・T・ハラオウンに
勝るとも劣らない領域……とまではいかないが、それに近いレベルまで達していた。
そして、このレベルになると、小手先の技術だけではなく、いわゆる『第六感』的な感覚が、
戦いにおいて非常に大きなウェイトを占めてくることになる。

「…………」

 その第六感が、夕方辺りからどうも無くなってしまったような、変な感じが続いている。

「ね、エリオ君、ちょっといい?」

 釈然としない感じのエリオのテントに、夕飯を終えたキャロが訪ねてきた。

「き、キャロ、どうしたの?」
「ん、ちょっと……」

 少しドキドキしながらも、ランタンの薄暗い明かりに照らされたテントにキャロを迎え入れる。
この3年間でキャロは美しく成長していった。それは間違いなく、『女の子』から『女性』への成長だった。
2ヶ月差とはいえ、歳上であることもあって、少し前までは妹みたいな感覚だった。
だが最近、まだ幼いながらもキャロが見せる女性としての仕草に、エリオは何度もドキッとさせられた。

 さすがに以前のような過剰なスキンシップや、一緒にお風呂に連れて行かれるということはなくなったが、
キャロは昔とあまり変わらない態度でエリオと接していた。
それが、エリオにより一層、『女性としてのキャロ』を意識させることになった。
もっとも、キャロの方はエリオのそんな事情には気付いていないわけだが。

 紛れも無い、キャロへの恋心は、エリオだけの秘密である。

「えっと、その……エリオ君は何か変な感じがしない……?」

 テントに入ってきたキャロが開口一番、こう言った。

「え……? キャロも?」

 違和感を感じていたのは自分だけではなかったらしい。
なんだか一つ感覚が抜け落ちるような……、そんな感じだよね……、などという
結論の出ない会話がしばらくの間続いたが、結局違和感の原因はわからずじまいだった。

 自然保護隊のキャンプが密猟者組織の奇襲攻撃を受けたのは、その日の真夜中のことである。

 エース級の二人を擁していたにも関わらず、自然保護隊は壊滅して散り散りに敗走した。
寝込みを襲われるという、全くの不意打ち。真っ暗闇の中での戦闘、混乱、同士討ち。
だが、魔導師の質で圧倒的に勝る自然保護隊が敗れた決定的な理由は、他にあった。

――戦闘用の魔法を、ほとんど使うことができなかったからだ。

 エリオとキャロが感じた違和感は、彼らの勘違いでもなんでもなかった。
自然保護隊が足を踏み入れたエリアは、磁場の激しく乱れた場所であったのである。
AMF、という技術がある。かつて、ジェイル・スカリエッティ事件を機に世界中に流出した技術だ。
平たく言えば、AMFは魔法の力を弱体化・無効化させる技術である。
自然界にもごく稀にだが、磁場などの影響でこのAMFに近い環境が発生することがある。
自然保護隊のキャンプは、そんな魔の場所に足を踏み入れてしまったのである。

 もちろん、密猟者組織の奇襲部隊はそのあたりの事情を織り込み済みで襲ってきたのである。
森こそがメシのタネなのだから、あるいは彼らは自然保護隊以上に森のことを知っているのである。
密猟者、というよりはむしろ戦闘のセミプロ集団でもある彼らは(密猟だって危険な生物相手で命懸けだ)、
魔法に頼らない武器を持ち出して縦横無尽に暴れまわり、エリオ達を敗走せしめた。

(エリオ、君……)

 いつも自分のことを守ってくれた少年は、暗闇での激戦の最中、はぐれてしまった。
彼は無事なのだろうか、それとも……。頭によぎった最悪のシチュエーションを、キャロは必死に否定した。

(フリード……)

 使役竜・フリードリヒとは途中まで一緒に逃げてきた。フリードも、無事ではなかった。
辛うじて飛翔はできる状態だが、身体中からボタボタと真っ赤な鮮血を噴き出させていた。
とても、キャロを乗せて一緒に飛んで逃げられる状態ではない。
だからキャロは、最後の望みをこの使役竜に託した。私のことはいいから、一人で飛んで逃げて、と。
自分から離れようとしないフリードを半ば追い払うかのようにして行かせるまで、相当時間がかかった。

 とにかく、自然保護隊の本部に誰かが逃げ戻ってこの状況を伝え、救援を要請する必要がある。
もちろんフリードは人間の言葉など喋れないが、仲間の元へ辿り着きさえすれば――

 がさっ

「――――ッ?!」

 心臓が止まるかと思った。音のした方向を弾かれるように振り返るキャロ。見つかったのか。
歯が、ガチガチと鳴った。怖くて怖くてたまらない。それでも、必死に息を詰めて気配を絶とうとする。
だが、予想に反して、音のした方向からは真夜中の森の静寂が伝わってくるだけだった。
ふうっ……と、キャロが安堵のため息をついて肩の力を抜いた、その瞬間だった。


「 み ー つ け た 」


 耳元で、低く、甘ったるい声がした。

「…………!!」

 蛇のような視線――それも、一つや二つではない――に背後から晒され、金縛りにでもあったかのように、
キャロは動くことができない。血の気が引いていくのが、はっきりとわかった。

「鬼ごっこはもう終わりだぜ?」
「おいおい、女じゃねぇか。こりゃあ『らっきー』だな、フヒヒ」

 捕まったら、殺される……。逃げなくては……。頭ではそうわかっているのに、身体が動いてくれない。
この状況から逃れる手を考えなくてはいけないのに、頭が真っ白で何も考えることができない。
冷たい汗が、背中を伝っていく。

「それじゃ、お嬢ちゃん。俺たちと一緒に 来 て も ら え る か な ぁ ? 」

 へたり込んでガタガタ震えているキャロの肩を、猫なで声の男が掴んだ。
途端、恐怖が最高潮に達し――キャロの中で何かが弾けた。


「……いっ……いやああああアアァァアアァ――――ッッッッ!!!!」

 かつてない恐怖が、キャロの身体をバネのように勢いよく突き動かした。
逃げようとした。が、この状況でそれが叶うはずもなく、あっさり地面に押し倒される。
パニック状態に陥ったキャロが、手足をバタつかせながら絶叫した。

「いやあああっっっ!!やめてぇっ!放してえっ!!」
「鬱陶しいな。おい、大人しくさせろ」
「はいはいっと、ほれ」

 男達に押さえ付けられて大暴れするキャロの身体に、何かが押し当てられた。

「!!ぁぎゃっ……!!」

 ばぢ、という嫌な音と共に、キャロが普段の可愛らしい声からは想像もつかないような濁った叫び声をあげる。
一瞬ビクッと強張った身体からは力が抜け、白目を剥き、一瞬で気絶するキャロ。
気絶してしまったキャロを抱きかかえてアジトへと戻っていく男達の顔は、これから行われる『宴』への期待で、
そのどれもが醜い欲望丸出しの下卑た笑いを浮かべていた……。

      ※                        ※

(……………………)

(……う……?…………ここ、は……)

 鈍痛の残る頭で、キャロはうっすらと目を開ける。灰色の無機質な天井が目に映った。
どこかの部屋の中に仰向けで寝かされているようだ。湿気を帯びた埃っぽい空気が気持ち悪い。

「よぉーやくお目覚めかい? お・嬢・ちゃん♪」
「……ぅぁ……?」

 その声のする方向に首を動かして視線を向けるキャロ。
そこには――自分をいやらしい目でニヤニヤと見下ろす男達の姿があった。
男の一人が唇の両端を吊り上げ、これ以上ないであろう下卑た笑みを顔一杯に浮かべて言う。

「 よ う こ そ 、 我 々 の ア ジ ト へ 」
「……え……! あ、ああああっ?!」

 気絶する前の出来事。意識を取り戻してみれば、見知らぬ部屋に見知らぬ男が大勢というこの状況。
全てを悟ったキャロの表情が、一瞬にして恐怖に染まる。この男達に、捕まった……。
そう、ここは密猟団のアジトの地下室で、時折催される『宴』の開催地でもあった。

「……ッ! ――えっ?!」

 思わず逃げようとして身体を動かそうとしたが、それができないことに、キャロはようやく気が付いた。
パイプベッドの上に仰向けに寝かされた彼女の身体は、四つの手錠で拘束されていた。
両手首と両足首、それぞれに嵌められた手錠が、ベッドの四隅のパイプにしっかりと繋がれている。
つまり、キャロは仰向けX字の状態でベッドの上に拘束されているというわけだ。

「……ッッ!! ぐぅっ! なにっ、これぇっ!」

 力ずくで手錠を引き千切ろうと全力で手足をバタつかせた。
が、そんなことで千切れるヤワな手錠があるわけないだろ、常識的に考えて……。
男達は、そんな『獲物』の様子を実に楽しそうな目でじっくりと眺めている。
続いて、キャロは魔法で手錠を破壊しようと試みたが……

(……っ?! な、なんで……?)

 キャロの意図に気づいた男達は、ニヤニヤと笑いながら、からかうような口調で教えてやった。

「魔法は無駄だぜ、お嬢ちゃん」
「その手錠は特注品でな、嵌められた人間の魔法の力を無効化しちまうのよ。クカカカッ」

 そう、ご想像の通り。この手錠には、AMFの技術が使用されていた。
魔法の力を無効化されたキャロなど、ただの無力な少女でしかない。逃げられない……。
そう悟った途端、初めて男達のゾクリとするような視線が身体中に突き刺さっていることに気が付く。

「……っ!…………っ!」

 指一本、動かすことができない。急速に喉がカラカラになり、声も出せない。
全身から嫌な汗がジワジワと噴き出すのがわかった。

「お〜? なんだなんだぁ、ガタガタ震えちゃって。カワイイねぇ」

 その時、ギィィィィ……という重い音を立てて、部屋の扉が開いた。

「おい、連れてきたぜ」

 後ろ手に手錠――無論、AMF仕様の――を嵌められた誰かが、引きずられるようにして部屋に入ってくる。
その人物を見た途端、キャロは我知らず叫んでいた。

「――――!! え、エリオ君?!」

 それは間違いなく、キャロがもっとも身を案じていた少年だった。
キャロのその声に反応したのか、エリオがゆっくりと顔を上げる。
死んだかもしれない、と思っていたエリオが、生きていた。少しだけ、希望が見えた気がした。

「ぅ、ぅぁ、あ……キャ、ロ……? ――ッッ!! ぅぐあ……!」
「エリオ君?! エリオ君どうしたの!!」

 だが、ホッとしたのも束の間。エリオの声は、苦痛に満ち満ちていた。
酷い暴行を受けたのだろうか、顔は真っ赤に腫れ上がっている。
バリアジャケットはボロボロになり、剥き出しになった肌には痛々しいアザがいくつもできていた。

「このガキ、何にも答えてくんねーから、ちぃーっとお仕置きしてやったんだわ」
「ぷはっ、これでちぃーっとか」
「おう、ちーっとな。ま、今のやりとりでこのガキ共の名前はわかったな」

 名前を知られたから別にどうなるわけでもないが、自分達の情報が相手に知れ渡ってしまったような気がして、
エリオとキャロはさらに精神的に劣勢に追い込まれた。
エリオの脇に立っていた男が、エリオの前髪を乱暴に掴んで顔を上げさせる。

「さぁて、エリオ君に来てもらったのは他でもない。ぜひ、見てもらいたいものがあってなぁ」
「見てもらいたいもの、だと……?」
「ああ。『男』の君なら、きっと喜んでくれると思うがね。……さて、始めちまってくれ」

 目で合図を受け、ベッド脇に立っていた男が懐から立派なナイフを取り出す。
ニタニタしながら怯えるキャロの頭を押さえ付け、左の頬に浅く刃を突き立てた。
キャロの身体が一気に硬直した。その光景に、自分の身体の痛みも忘れ、エリオは獣のように叫ぶ。

「お嬢ちゃん可愛いねぇ。でもさ、赤ぁ〜いお化粧してあげたら、もっと可愛くなるんじゃないかなぁ?」
「なっ?! キャロに手を出すな!! やめろっ、やめろおおぉぉ――――ッッッ!!」
「ひっ?!ひぃぃっ!!痛っ、痛い!やめてぇ!」
「くそおぉっ! やめろっ、やめグブウッ?!」

 絶叫するエリオに、たちまち数発の鉄拳が見舞われた。
スーッと滑るようにナイフが引かれ、糸のように引かれた傷から、真っ赤な血液が溢れ出す。
目を固く閉じ、恐怖に震えるキャロを見て、男達の嘲笑が室内に渦巻いた。

「あーあ……もう嫁にいけねぇわ、このコ」
「けっこう可愛い顔なのに、キズモノじゃあな〜貰い手がいないだろ」
「でもよ、それだったら……」


「 俺 ら が 嫁 に も ら え ば い い ん じ ゃ ね ? 」



「……となると、嫁にする女にすることなんざ、決まってるよなぁ?」
「……え? あっ?!いやあああぁぁあっっ?!」

 ざくっ

 ナイフの男が、薄汚れたキャロのバリアジャケットに刃を入れ――一気に切り裂いた。
強固なバリアジャケットがこんなもので切れるはずはない。
おそらく、魔法を使って刃に何か特殊な加工を施しているのだろう。
男達が数人で、キャロの手を、脚を、頭を、ガッチリと押さえ込んだ。

「いやだっ、ぃゃあっ!!やめてやめてぇ!!やめてェェ――――ッッッ!!」

 バリアジャケットを切り裂かれて素肌を剥き出しにされる度、キャロは泣き叫んだ。
いつの間にか溢れ出した涙が、ボロボロと目尻から落ちていく。
バリアジャケットの残骸がベッドの周りにばらばらと散らばり、比例してキャロの肢体が顔を覗かせる。
男達の期待と股間が、爆発的に膨らんでいく。
ついに、キャロの大事な部分を守る、最後の砦に手が掛けられた。

「そこはっ、そこだけはやめてぇ……お願い……!」
「さぁて、一番最後のここはどうなってるのか、なっ!」
「――――ッッ!」
「……おおお、このコのアソコにはうっすらと毛が生えてるぜ!」
「髪の毛と同じピンク色だわ。ぴ・ん・く・い・ろ。ひゃっはー、萌えるなぁオイ!」

 鉄拳制裁で悶絶しているエリオに聞こえるように、男達はわざと大きな声で言う。
振り乱されたピンクの髪が汗と血で頬にぺったり張り付くと、それはまた男達の欲情を爆発的に煽った。
13歳の、子供から大人へと成長しつつあるキャロの若々しい肢体に、男達の手が一斉に伸びた。

「ヒッ!?やだぁっ、やめてぇっ!!助けてぇ!助けてエリオ君!」

 ごつごつした手が、無遠慮にキャロの身体を蹂躙していく。
発育途上でまだ硬い乳房を乱暴に揉みしだかれ、薄桃色の乳首に歯を立てられ、苦痛に喘ぐ。
誰にも穢されていない聖なる茂みを、乱暴に掻き回される。
女の子らしく真っ白でむちむちした太腿は、涎でべとべとに汚された。

「ああああちくしょう、もう我慢できねえ! 今日は俺が一番手だったよな?!」
「クソッこんな可愛いコ、俺がヤりたかったのによぉ」
「おいおい、てめーはこの前トップバッターだったろ?」
「あんときゃひどい『ハズレ』だったじゃねぇか」

 そう言いながら、『一番手』の男は穿いているものを脱ぎ捨てる。

「――――ッ?!い、いやあっ!」

 男性器への認識が『ちんぽ』ではなく、未だに『おちんちん』であるキャロは、目の前の光景に恐怖した。
もうキャロはお子様ではない。男性器が持つもう一つの顔を、知識では知っている。
だが、実際に目にしたことなどない。初めて見る、知らない、ということがキャロの恐怖心をさらに煽った。

「た、助けて……!」

 90°以上の角度でそそり立って腹にピッタリとくっつき、先端からは粘液が溢れている。
女の淫液を吸い尽くし、どす黒くなっているそれは、まるでビール瓶が股間にそびえ立っているようだった。
この槍でキャロを串刺しにし、突き殺すまで男は満足しないだろう。

「ぐ、はっ……ちく、しょう……キャ、ロ……!!」

 キャロが助けを求めて泣き叫んでいるのに、エリオは地べたに這い蹲って見ることしかできなかった。
その声でエリオの存在を思い出し、ふと悪魔の業を思いついた男がエリオの下半身に手を掛ける。
バリアジャケットを、強引に引き摺り下ろす。驚きの声が上がった。

「なっ?! 何をするっ、やめろおっ!!」

 抵抗むなしく、数秒後にエリオは下半身を全て曝け出されていた。そこには――

「ハッハッハ、おい見てみろ! このナイト君の槍はなかなか立派なもんだぜ!」
「うっわすげえなあ! いっちょまえにおっ勃ててやがる、クカカカカ!」

 悲しいかな、大好きな少女が目の前で裸に剥かれて悲鳴を上げているという状況にも関わらず、
エリオの下半身は三大欲求の一つである性欲に忠実であろうとしていたのである。

「あのコのハダカ見て興奮してんだろ? なあそうだよなぁ!」
「ち、違う!」
「ひでぇなあ! 仲間の女が素っ裸に剥かれて助けてぇ〜って泣いてんのに、それ見てチンポデカくしてんのか」
「違うッッ!! やめろぉっ……!」

 エリオが今までで一番苦痛に満ちた声を上げた。確かに――キャロの裸体を見たくなかったといえば嘘になる。
キャロの泣き叫ぶ声を聞いて興奮しなかったといえば、それも嘘になる。
だがそれは、全てキャロへの裏切りであった。
そして、そんな裏切りを無情にもキャロに知られた瞬間――エリオの心に修復できない決定的なヒビが入った。
信じられない、といったキャロの視線に気付き、エリオは目を逸らして必死に叫んだ。

「……ッ! 違うんだキャロ! 違う……っ!」
「ははっ何も違わねぇよガキィ! てめーはこのコが俺達にヤられるところ見て興奮してんだよ!」
「マジ最低だわコイツ。同じ男の風上にも置けねぇ……なーんてな、な〜んてなぁ。アヒャヒャ」

 必死に首を横に振り、違う、違うと力なく繰り返していたエリオだったが、やがてがっくりとうなだれた。
心が、砕けたのだ。男達に暴行を受けて体力を失い、弱気になっていたこともある。
が、それ以上に、キャロに自分の裏切りを知られたという精神的ダメージの方が大きかった。
エリオとキャロ。お互いを支える心の絆が一つ、崩壊した瞬間だった。

「そんじゃあ全然濡れてないところ悪いけどよぉ、早速挿れさせてくれよなあ!」

 行為をしやすくするために、キャロの足首の手錠を外すや否や、男は獲物にむしゃぶりついた。
身体をこすりつけ、汗ばんでしっとりとした幼い肌の感触をしばし楽しむ。
褐色と白の肌のコントラストが、なんともいえない卑猥さを醸し出していた。

「ひいぃっ?!」

 男がキャロの割れ目に肉棒の先端をあてがった。
必死に身体をよじり、上へ上へと逃げ、なんとか肉棒のロックオンから逃れるキャロ。
その様子を面白がり、男は逃げるキャロの割れ目を執拗に追い回し、タテスジを肉棒で上下になぞる。
その感触にキャロが再び悲鳴を上げ、身体をよじって上に逃げようとする。男はそれをまた追いかける。
キャロの割れ目と男の肉棒の鬼ごっこが、しばらくの間続いた。

「いやっ!」
「ほれほれっ、このままじゃ俺のちんぽがグサリ! だぜ。クククッ」
「やあっ!」

 キャロを拘束している手錠が、ジャラジャラと目障りな音を立てる。
なんとか手錠を外そうと必死にもがくキャロの両手首には、痛々しい傷が次々と刻まれ、赤く染まっていく。
しばらくすると、キャロが動かなくなってしまった。抵抗を諦めたのか、それとも純粋に体力が尽きたのか。
はあはあと息を切らせてぐったりしたキャロの様子に、いよいよ男が犯る気になった。

「クヒヒ。さぁて、そろそろ挿れるか」
「さっさとフィニッシュしてくれよ。後がつかえてんだからよぉ」
「あーはいはい、わかってますって」

 キャロの太腿をがっしりと力を込めて握り直し、男は腰を一気に押し進める。
もう逃がすつもりは無い。太すぎる亀頭が、キャロの未知の領域をグイッと押し拡げる。
股間に押し当てられた熱い肉の感触に、キャロは裏返った悲鳴を上げた。

「あ、いやあぁ……っ!」

 反射的に、助けを求める視線を必死に向ける。
だが、視線の先の少年は、虚ろな瞳でこちらを見ているだけだった。

「みっ見ないでエリオ君ッ!! 見ちゃダメえええェェ――――――ッッッ!!」

 もう犯されるのが避けられないと悟ったキャロが最後にした抵抗――それは、自分の大好きな少年に、
自分の犯される姿を見ないでと叫ぶことだった。
キャロの絶叫と共に、男の肉棒がキャロの割れ目を強引にめくり上げ、ピンクの茂みへと埋没していく。
ずぢゅっぐぢゅうっという粘着質な音を立てて、そそり勃った剛直がキャロの胎内にめり込んだ。

 め゛りっ

 その瞬間――キャロは自分の身体が真ん中から引き裂かれる無惨な音を、確かに聞いた。



「あっあ゛あっ?!!いやああっ!ぐぎゃあぁあァアア゛ァア゛ァ――――ッッッッッッ!!!!!!!」

 未知の領域を、侵される。まだピッタリと閉じていた割れ目を無理矢理こじ開けられる、激痛。
一気に押し寄せる、圧倒的な圧迫感。キャロにできることは、泣き叫ぶことだけだった。

「いたい!!やめっ?!ぎぃぁあぁぁあぁぁ――――ッッ!!」

 大きく身体を仰け反らせ、一際甲高い悲鳴を上げるキャロ。紅い純潔の証がゆっくりと流れ落ちていく。
キャロの、処女喪失の瞬間……。一糸纏わぬキャロの素肌には、脂汗が滲んでいた。

「ひぎゃっ!!は、うっ、っはあー……っはあー……」
「奥まで全部入ったな。よし、動くぞ」
「ひっ、いやぁ!っあ、がぎゃ、痛いいッ!ひぎゃあぁッ、やべでぇっ!!!抜いて゛っ、がああぁ……!!!」
「っおっうおぉぉっ、すげっ、さすが……っ、ガキのまんこはよく締まるっ……!」

 ぱん、ぱん! ぬぢゅっ、ぐじゅっ! キャロの狭い処女の膣道を抉る、無惨なピストン運動が始まった。
そこには愛情など欠片も無く――あるのはただ、男側が欲望を満たすためだけの一方的なセックス。
結合部がたちまち赤く染まっていく。胎内に肉槍を串刺しされる度に、キャロの膣は血の涙を吐き出した。
その血が新たな潤滑油となり、男の蹂躙をさらに誘発する。
あまりの激痛に、獣じみた、といったら獣の方が気を悪くしそうな濁った叫びを上げるキャロ。

「はぐぅあぁあっ、いぎゃっ!!いやっ、あがあぁああ!!」
「ははっすげえな! ぶってえチンポがよぉ、キャロちゃんの中をぐちゃぐちゃに掻き回してんだぜ!」
「むっちり太腿がプルプル震えてんのがそそるなぁ!」
「身体中汗だくになってよお、女の匂いがぷんぷんするわ!」

 もはや抵抗する気など完全に失せているエリオにも、容赦なく卑猥な言葉が浴びせられた。
エリオを嬲るため、男達はわざと大袈裟にレイプの実況中継を行う。
結合部から飛び散った血がベッドに赤い花を咲かせ、レイプショーと実況中継に彩りを添えた。
明瞭だったキャロの悲鳴が、次第に力なく途切れたものになっていく。

「………――……ぁっ!……が……ッ――ぁ……!!」
「やべっ……そろそろっ、出るッ!」

 切羽詰った男の声が、限界の近いことを如実に知らせていた。
肉棒が、キャロの一番奥深いところにグイッと突き込まれる。
その瞬間、多少慣れていた痛みが激痛として再認識され、キャロは白目を剥きながら声にならない叫びを上げた。

「――――……!!」
「うぐぉっ……!!」

 胎内の肉棒が大きく膨れ上がり――頂点を迎えた男は射精を開始する。
灼熱の白いマグマがキャロの胎内で一気に弾ける感触に、男は征服欲が心から満たされるのを感じた。

 ずぼっ

 キャロの胎内から、男の肉棒が引き抜かれる。破瓜の血と混ざり合ったピンク色の精液が、ごぽりと溢れ出る。
その光景に、周りで見ていた男達から歓声が上がった。この『女を汚した』という決定的瞬間がたまらない。
だが皮肉なことに、当事者であるキャロが、自分の胎内に注がれたものが何なのかをわかっていない。

「ハアッハアッ、ハァ、……ぅ、あぁ……なに、これ……あ、つい……」

 13歳だけに最低限の性知識は持っていたが、それと目の前の現実を結び付けられなかった。
知ってはいるが、わかってはいない状態、とでも言えばいいのだろうか。
キャロの戸惑ったような呟きに、男達は一様に、はあ? というような顔をした。

「おいおい、もしかしてわかってないのかぁ? 身体ン中に何を注ぎ込まれたのか」
「…………」
「ったく、親は何を教えてたんだか……。まあいい、教えてやるよ。それはなぁ……」
「…………」

 こりゃあいい、と男は密かに悦んで舌なめずりをした。
自分の胎内に注ぎ込まれたものの正体を知ったとき、この娘は一体どんな反応をしてくれるのだろうか。

「――精液だよ。わかんねぇかな、これで」
「せい……えき……? ……ッ!! それって、まさか……」

 見ていてはっきりわかるほど、キャロの困惑の表情が、みるみるうちに恐怖のそれへと変貌していく。
どうやら、自分の持っている性知識の中で思い当たるものがあったらしい。
そう認識したとき、男達は笑いがこみ上げてくるのを抑えられなくなった。

「もっとストレートに言ってやろうか? 赤ちゃんのもとだよ。子種だ」
「こ、子種って、そん、な……いっ……いやあああぁああぁあぁあああああああぁぁ――――――ッッッ?!!」

 見ている方が哀れになるぐらいの引きつった顔で、キャロは絶叫した。
胎内に溜まっているのが男の子種だと認識した途端、どうしようもない気持ち悪さと強烈な吐き気に襲われた。

(ぃゃ……気持ち、悪い……誰か、助け……)

 恐怖と絶望の余り、キャロの意識が急速に遠のいていく。
ブラックアウトする寸前、キャロの脳裏に浮かんだのは、目の前の赤髪の少年の笑顔と、そして――

『えっと、キャロ、その、そのっ……元気でねっ、元気で……っ!』

 もう随分前、別れの時、「あの人」は気丈に笑おうとしてたけど、結局泣いていたっけ……。
そんな懐かしい光景を思い出しつつ、ついにキャロはその意識を手放した――


 2日目。朝から容赦なく、キャロは男達に輪姦されている。

「――っ、げぅ、んぐぅ……!――ッ!」

 キャロの小さな身体は前後から屈強な男二人にサンドイッチ状態にされ。
とうの昔に処女を失った前の孔だけではなく、後ろの孔――尻穴までもが男達の毒牙にかかっていた。
二穴同時挿入……。薄い肉壁を隔てて、2本の肉棒が圧倒的な圧迫感を伴い、キャロの体内でぶつかり合う。

「んん゛っ、む、っ、ぅげぅっ……!」

 もう、キャロは自由に叫ぶことすらままならない。突如、強烈な吐き気を催した。
激しく勃起した肉棒がキャロの口一杯に押し込まれ、彼女の呼吸を著しく困難なものにしている。
空いている両手には強引に男のモノを握らされ、手コキを強要されていた。
キャロは、実に5本のちんぽを同時に相手させられていた――……。

「うぅ出るッ!」
「おっ俺もだ、うおっおっおっ……」
「ふぐうっ?!んっぐんんんんぅ――――っッ!!」

 キャロの前の孔と後ろの孔を犯していた2本が、同時に達した。
その先端から粘液が吐き出され、胎内に、腸内に、強制的に注ぎ込まれていく。
沸騰していると錯覚するような熱い白濁の感触に、キャロは目尻から涙を溢れさせて呻いた。

「んっんんんぅっ……!!」
「ははっ、涙が出るほど嬉しいか! そんなに喜んでもらえると、俺達も嬉しいぜっ!」

 続いて、手コキの二人も絶頂を迎える。肉棒をビクボクと震わせながら、キャロの身体中に粘液をぶっかけた。
髪に、肩に、背中に、尻に……容赦なく精液を浴びせかけられ、シャンプーボトルをひっかぶったような有様。
ピンク色のきめ細かかった髪の毛は、まるで糊でも塗りたくられたかのようにベトベトになっている。

「良かったなあいっぱいかけてもらって! おぅ、こっちもフィニッシュだ! 全部飲めよ雌犬!」

 最後のトドメといわんばかりに、膨れ上がったモノが無遠慮に喉まで押し込まれる。
その先端から、生温かい粘液が発射された。

「っぐぅ……ッげ、げぶうぅっ……!!」

 限界だった。もう、飲めなかった。ゼリー状の生臭いネバネバが喉に引っかかり、行き場を失う。
呼吸困難に陥ったキャロは、げぅっげぅと喉を鳴らしながら、たまらず男の精を吐き戻した。
唇の端の僅かな隙間から、精液が零れて床に落ちていく。

「ハアハアッハアッ、ハアッ……きゃっ?!」

 ようやく口を解放されたキャロが必死に酸素を求めるのも束の間、
自分の精液のほとんどを吐き出された男が、目の前で鬼の形相になっていた。
乱暴に頭を掴んで、零れた精液の池へキャロの顔面を押し付ける。

「てめぇなに吐き出してんだ!! 舐めろやゴルァ!!」
「ぎゃぶっ?!へぶっ!あぶぅっ!やめっ……!なめっ、ッ、ます、からあっ……!!」

 まるで犬のように舌をペロペロと出し、必死になってキャロは床に溜まった精液を舐め取る。
その姿は、犬のように、ではなく、まさしく雌犬。男達の欲望を処理するだけの精液便所だった。
昼夜休み無く、キャロは一日中何組もの男達にマワされる。
永遠とも思える地獄の中で、彼女の限界は確実に近づいていた……。

 3日目、4日目……。ピンク髪の少女のレイプショーは際限なく続いている。
睡眠も食事もとらせてもらえず、与えられるのは男達の精液だけ。キャロは著しく衰弱していた。
そして、これはそこにいる全員が知り得ないことではあったが――なんとも残酷なことに、
キャロの胎内では既に新しい命が誕生してしまっていた。

「オラアッ」

 どぴゅっ どびゅっどびゅびゅるぅ……
今もまた、キャロの一番奥深い部分で、男の欲望が勢いよく弾けた。
膣内に収まり切らなかった精液が、白い飛沫を上げて結合部から溢れ出す。

「…………!」

 僅かに身体を震わせるだけのキャロは、もう呻き声一つ上げなかった。
溜まりに溜まった性欲を吐き出し尽くした男達は、ようやくキャロを解放する。
誰かが酒を持ち込み、車座を組んでいつしか酒宴が始まった。

「プハアッ、クウゥゥゥ――ッッ……ヤッた後の一杯はたまんねぇなあ!」
「あー疲れた。さすがにそろそろキツイな」
「俺もう、しばらくは一滴も出ねぇわ。クカカカッ」

 素っ裸の男達が、精液まみれの少女を肴に、笑いながら酒を飲み交わしている。
なんとも異様で、滑稽な光景であった。入り口から、仲間の一人がひょっこりと顔を出した。

「おうお前ら、楽しんでるなあ」
「遅かったじゃねぇか」
「こっちは仕事だぜ? お前らばっか先に楽しみやがって……。それじゃ、俺も早速ヤらせてもらうかな」
「もう下はガバガバだわ。口でしてもらった方がよさそうだぜ?」
「そうなの? ならそうするわ」

 男はズボンをいそいそと脱ぎ捨て、期待で既にそそり立っている肉棒を露わにする。
キャロの髪の毛を乱暴に掴み、フェラチオをさせようとした瞬間――男はギョッとしたように呟いた。

「お、おい……! こいつ、息してねぇぞ」
「はあ? なんだって?」
「いやいやいや……あー……マジで死んどるわ……」

 酒を飲んでいた男達が俄かにザワザワし始め、立ち上がってキャロの身体に群がる。
しばらくの間、頬をペチペチしたりして反応しないか確かめていたが、キャロの身体が動くことはない。
……4日間の徹底的な陵辱で、肉体的にも精神的にも、キャロは力尽きてしまっていた。

「あーあ、勿体ねぇなあ。もうちょっと楽しみたかったんだけどなあ……」
「さすがに死体じゃヤる気になんねぇわ。ハハッ。おい、誰か外に捨ててこいや」
「ちょい待ち」

 一人の男がニヤリと笑うと、部屋の隅で拘束されて転がされているエリオに近づいていく。
4日間、目の前でキャロが、自分の大好きな少女が犯されるところを、まざまざと見せつけられた。
自身も、苛烈な陵辱を受けた。散々嬲られ、男としての、人間としての尊厳をズタズタにされた。
希望。そんなものはとうの昔に潰えていた。

「起きろや」
「……ぐっ、ぁ……?」

 腹に蹴りを入れられ、エリオは呻きながら意識を取り戻す。

「おいおい、今さらコイツをどうしようってんだ?」
「俺達だけ楽しんだってのもこのガキに悪いからよぉ、最後に一回ぐらい犯らせてやろうじゃねぇか」
「うっわ〜お前マジ鬼畜だわぁ〜、ははははっ!」
「まっ、好きな女の子と一回もヤれないまま死ぬってのも悲しい話だろ」

 そういうことか、と理解した男達は、エリオを抱えてキャロの元へ運ぶ。
身体の節々から発せられる痛みに、苦悶の声を上げて顔を歪めるエリオ。
そんな彼に、男達は最も残酷な形の最後通告を突きつけた。

「最後にお前に一回だけヤらせてやるわ」
「…さい……ご、に……? キャ、ロは……?」
「死んだ」
「…………え?」
「……聞こえなかったのか? 死・ん・だ」

 この男は、一体何を言っているのだろう。キャロなら、目の前で、ちゃんと――……

「キャロ……? う、そだ、キャロおッ! キャロおおぉぉ――――ッッッ!!」

 キャロ“だった”モノが、光を失った半開きの瞳で、虚空を見つめていた。
吼えるように何度も絶叫するエリオ。だが、彼の呼びかけにキャロが応えることは、二度と、ない。

「いい加減やかましいわ。ほら、ちゃんと勃てろ」

 一人が、エリオのモノを乱暴にしごきだす。驚いて抵抗するエリオをものともせず。
それが男の悲しい性なのか、刺激を受けたエリオの肉棒がたちまち膨らんでいく。
少し勃ったエリオのモノを、無残に拡張してしまったキャロの膣内に強引に押し込んだ。

 めち゛ゅう……

「ふっ、ぐあっ?! やめろっ、くああぁぁ、やめ、ろおぉっ……!」
「はははっ、それそれイケイケ! ぎゃははははははは!!」
「童貞卒業おめでとう、エ・リ・オ・君♪」

 男達は、エリオの身体をキャロに押し付け、激しく揺さぶる。
まだ温もりが残るキャロの膣は、絡みつくようにエリオの怒張を責め立てた。
次第に、エリオの声が切羽詰まったものへと変わっていく。

「やめ、ろ、ッ、はっ、ぐっ、アアッ!!……ぁッ……――ッッ…!」

 エリオが今までとは違う呻き声を上げ、ブルッと身体を震わせる。
男達はそれを見逃さず、おっほぉーう!という歓声を上げながらキャロの中からエリオを引き抜く。
エリオの肉棒はビクビク震えながら、先端から白濁の欲望を吐き出している真っ最中だった。

「ハハッ、こいつもう出しやがった! 1分持たなかったじゃねぇか、早漏野郎」
「好きな女の死体でヌく気分はどうだ? あぁん?」
「も……やめ……!ぐぁっ……!!」

 エリオの蚊の泣くような懇願は、男達の歓声にかき消される。
エリオの絶望の表情を見て、男達は改めて盛大に笑う。悪魔のような、いや、悪魔の笑いだった。
――慌てふためく男が息を切らして地下室に飛び込んできたのは、その真っ最中だった。

「やっやべぇっ! 馬鹿お前らっ、何やってんだ!」
「はあ? なんだよ、どうした?」
「かっ管理局っ! 時空管理局の奴らがきやがっぎゃああぁぁああああっっっ?!!」

 部屋に飛び込んできた男が、突然の血しぶきと絶叫を上げながら床に崩れ落ちる。

「管理局?!」
「おい! なんなんだよ!」

 事情がよく飲み込めない状況で、目の前の仲間が血しぶきをあげて倒れたのだ。
それは、強制交尾に興じていた男達を我に帰らせ、恐怖と混乱に陥れるには充分だった。
抱きかかえていたエリオを放り出し、慌てて身構える。
そこに現れたのは――大鎌のようなデバイスを掲げる、黒いバリアジャケットを身に纏った金髪の女性。
……そう、エリオとキャロのかつての保護者で、時空管理局が誇るエース魔導師、
フェイト・テスタロッサ・ハラオウンその人だった。

「エリオ! キャ――」

 そこまで叫んだフェイトは、部屋に充満する牡の匂いに、うっと顔を歪ませた。

「ロ……?」

 視線の先には、力なく無造作に転がされているエリオ。そして……全身白い粘液まみれのキャロ。
全員が混乱して喚いている中で、二人だけが死んだようにピクリとも反応しない。
そして――大人の女性であるフェイトには、この部屋で何がされていたのか、はっきりとわかった。

「…………っ!!」

 フェイトの背筋を、悪寒が貫いた。ブルッと身体を震わせたかと思うと、彼女を取り巻く空気が、変わった。
今まで感じたことのないどす黒いものが、たちまちのうちにフェイトの中に充満していく。
フェイトの中で、何かが音を立てて――

  こ  わ  れ  た 

「くそっ……このやろっ!」

 フェイトに背中を斬られて悶絶していた男がノロノロと立ち上がり、背後から彼女に襲い掛かる。
……だが、次の瞬間――男は世界が回転するのを見た。
跳ね飛ばされた『それ』は、悪趣味な偶然によって、切断面を床にして綺麗に着地した。

「……へ……?」

 噴水のように血を噴出させ、あさっての方向にヨロヨロと倒れ込むのは、自分の身体だった。
パクパクと口を開いていたが、その唇はたちまち真っ白になり、やがて目を閉じて男の生首は絶命した。

「――…………」

 しばしの沈黙――。首が、飛んでた。崩れ落ちるダンサーのように、仲間の身体が紅を纏って倒れ込んだ。
フェイトに襲い掛かった仲間が、首を斬り飛ばされて殺されたのだとようやく理解した男達は、
揃いも揃って一様に絶叫した。

「……う、ぅわ…ぁ…!!!うわぁあぁぁあああぁあああああああああぁああああぁああああああ!!!」

 もとより、部屋の中にいた男達は全員素っ裸だ。当然、武器など持っているはずもなく――……

      ※                        ※

 その日、高町なのはは親友であるフェイトが拘置されている一室へと足を向けた。
なのはを案内しているのは、彼女の機動六課時代の教え子で、現在は執務官になったティアナ・ランスター。
救出隊に同行していたティアナから、なのはは事の顛末を全て聞かされた。彼女は、耳を疑った。

 あの後――フェイトはその場にいた男達を全て――一切の躊躇無く――殺した。
ティアナ達がアジトの上部を制圧して部屋に踏み込んだときには、全てが終わっていた。
血の匂いと男のむせ返る匂いが溢れた地下室で、フェイトは立ち尽くしていた。
今まで一度も血に染まったことの無いバルディッシュが真っ赤になって、彼女の手に携えられていて……。

 いくら犯罪者といえども、法にかけずに皆殺しなどということはあってはならない。
それが法治社会というものだ。当然――フェイトには処分が下されることになった。

 ティアナに案内されて訪れた部屋は無機質で薄暗く、フェイトはその部屋の片隅にうずくまっていた。
ここまで案内してくれたティアナに、ありがとう、と声を掛けて下がらせる。
部屋には、なのはとフェイトの二人だけになった。

「フェイトちゃん……」

 『あんなこと』をしてしまったフェイトの気持ちは充分理解できる。
だが同時に、フェイトが『あんなこと』をしたとは信じられなかった。
……会ってどうにかなるわけでもないが、それでもなのははフェイトに会わずにはいられなかったのだ。
が、結局、なのはは目の前のフェイトに掛ける言葉が見つけられないままだった。

「フェイトちゃ――」
「あのね、なのは」

 顔を伏せていたフェイトから、唐突に低い声が発せられ、なのははビクッとした。
ゴクリ、と息を呑んだ一瞬の後、なのはは努めて冷静に聞き返す。

「なに?」
「今回の事でね、私、よくわかったんだ」
「……何が?」
「この世の中にはね、死んで当然の人間がたくさんいるんだって」

 フェイトの口から何の躊躇もなしにサラリと発せられたその言葉に、なのはの身体が凍った。
フェイトがゆっくりと顔を上げる。そこにあった彼女の表情は――

「……っ!!」

 そこには聡明な執務官の澄んだ表情などなく――明らかな狂気の光が真紅の瞳を濁らせていた。
その瞳に恐怖を覚えたが、なのはは退きたい気持ちをグッと堪え、奥歯を噛み締める。
怯んで押し黙ってしまったなのはに、抑揚のない口調でフェイトがベラベラと喋り始めた。

「あのねぇ、なのは。あいつらね、酷いんだよぉ。フフッ、キャロを殺してね、キャロを殺して。
 エリオが、フギッ、! キャロの死体で、ハアッ、犯させて、それをッ見て笑ってたんだって!!
 そんな奴、死んで当然だよね?! 当然だよね? あいつらは死ねばいいんだよね?!!」
「フェイトちゃん!!」

 怒っているのか、笑っているのか、泣いているのか――フェイトの目は、完全にイッてしまっている。
そんな彼女の表情に耐え切れなくなったなのはが、フェイトの両肩を掴んで激しく揺さぶった。

「フェイトちゃん! フェイトちゃんっ、落ち着いて!」
「命乞いッ、してきたのお! キャロを、ッ、殺したくせに自分はッ、死にたくないんだってぇ! あははは!!」
「フェイトちゃんもうやめて!!」
「ッうるさいぃぃぃ――――ッ!!」

 うずくまっていたフェイトが何かに弾かれたように立ち上がると、猛烈な勢いでなのはの首を鷲掴みにした。
勢いそのまま、フェイトはなのはを壁に叩きつける。ものすごい音と共に、なのはの悲鳴が上がった。
濁った真紅の瞳から溢れ出る涙を撒き散らしながら、フェイトはなのはの首に爪を食い込ませる。

「ぐ、……が……! フェ、ィ……!」
「死ね、死ね!死ね死ね死ねえぇっっ……!!」
「……ッ!……!ゃ、め……!」

 フェイトを押し返そうとするなのはの手が、空しく空を切る。
 室内の異変に気が付いたティアナ他室外の数人が飛び込んできて、必死に二人を引き剥がした。
狂った咆哮を上げながら取り押さえられるフェイトの脳裏には、惨劇がフラッシュバックしていたに違いない。
やがてフェイトは糸が切れた人形のようにぷっつりと動かなくなった。

「はあっはあっ、フェイ、ト……ぢゃ……」

 ひゅーひゅーと喉を鳴らしながら酸素を求めるなのはの目は、怯えていた。
あの大人しくて優しかった親友が、目の前で信じられない豹変を見せたのだ。
……いや、もしかしたら、これが争えない血の宿めだったのかもしれない。
先ほどのフェイトの表情に、なのはは記憶から薄れつつある13年前の女性の姿を見た。
死んだ我が子を蘇らせようとして狂気に走った、フェイトの母親・プレシア・テスタロッサを……。

「……クク、ハハハ、あは、あはははっ! アハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

 ひとしきり狂った笑いをあげた後、フェイトは力無い眼を虚空に惑わせ――おそらく、
彼女にはそこに自分の殺した男達の彷徨う姿が見えていたのだろう――薄ら笑いで呟いた。


「……ざまあみろ」



BAD END


著者:ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY

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