771 なのはさんは黒光りするアレが苦手なのです sage 2008/04/25(金) 01:42:00 ID:wMrK5Gus
773 なのはさんは黒光りするアレが苦手なのです sage 2008/04/25(金) 01:42:43 ID:wMrK5Gus

 久しぶりに三連休という大型の休みが取れたなのはは、一日目は部屋の掃除をしようと張り切っていた。

「ママー、ヴィヴィオもお手伝いするー」
「じゃあママは掃除機掛けるから、ヴィヴィオはこれでパタパタやってくれるかな?」

 押入れからハタキを取り出し、ヴィヴィオに持たせる。

「わかったー♪」

 なのはが掃除機の電源を入れようとした、その時。

――ガチャーン

 何かが割れる音が隣の部屋から響いてきた。

「だ、だいじょうぶヴィヴィオ!」

 部屋に駆け込んだなのはが見たものは――

「マ、ママー」

 目に涙を溜めて駆け寄ってくるヴィヴィオと、割れたグラスの向こうへと恐るべき速さで走り去っていく黒い悪魔の姿
だった。

「キャーーーーーーーーー!」

 泣き出しそうになっていたヴィヴィオだが、なのはの余にも大きすぎる悲鳴に驚き、固まってしまっていた。

「どうしたの、なのは」
「どないしたんや、なのはちゃん」

 彼女の悲鳴を聞きつけ、フェイト、はやてを始め機動六課の全員がなのはの部屋に駆けつける。

「で、出たのアイツが!」

 なのははソレの名を呼ぶことすら嫌悪しているらしく、しきりにソファーの陰に隠れて『アイツが、アイツが』と繰り返
すのみであった。
 しかし、それで要領を得ろという方が無理な話であり、その場に駆けつけた皆は頭上にハテナマークを掲げている。

「アイツって何なんですか、なのはさん」

 ティアナが小さくなって震えているなのはに近付き、そう尋ねた瞬間。
 ブーンという羽音と共に、1匹のアイツがなのはの顔面に止まったのだ。

「あ、ゴキブリだ」

 スバルの言葉を皮切りに、その場の全員がズザザザザッとなのはから距離を取った。

「――――――――!」

 声にならない悲鳴を上げるなのは。
 同時に、室内の温度がわずかばかり下がったような、奇妙な感覚が全員を飲み込む。

「あ、あかん!皆早よぉここらから脱出するんや!」

 いち早く異変に気が付いたはやてがそう叫ぶが、時既に遅し。
 恐怖がピークに達したなのははその場で周囲の魔力を根こそぎ掻き集めると、首に下げたレイジング・ハートを起動
させ、小さく呟いたのだった。




 こうして、J・S事件を始めとする数々の凶悪犯罪を収めてきた機動六課のメンバーは全治2ヶ月の重症を負う事に
なったのだった。




―BAD END―



著者:ツンデレ王子

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