[227] はやてとレジアス、もう一つの可能性 sage 2007/12/28(金) 21:55:17 ID:1nMUHHiI
[228] はやてとレジアス、もう一つの可能性 sage 2007/12/28(金) 21:56:35 ID:1nMUHHiI

「あ、あの……」
怖い。
「はやてちゃんは何もしなくていいよ。僕達がリードしてあげるから」
「ハァハァ、あのはやてちゃんが目の前に…」
「フヒヒヒ」
ここはある高級ホテルの一室。
中にいるのははやてと数人の男達。
「か、勘忍して下さい」
「いいの?自分の部隊が欲しいんでしょ」
「一晩なら安いもんじゃないの?ハァハァ」
「フヒヒヒ」
泣きたい。やっぱり自分のような小娘が自力で部隊設立なんて無理なのだろうか。
「安心してね、優しくするから」「ハァハァ、たまらん」
「フヒヒヒ」
男の一人の手がはやてのスカートにのびる。

嫌だ。だけどここで守護騎士達を呼んだら全てが終わってしまう。でも嫌だ。
そんなことを考えていると男が服を引き裂き始めた。
「い、いゃっ!」
「ヒュー!やっぱり興奮するなぁ」
「はやてちゃん最高だぜぇ」
「フヒヒヒ」

自分の行為に後悔していたはやてだが
いきなりドアがぶち破られた。
「貴様ら…」
はやての位置からでは入って来た人が誰かわからない。
だがどこかで聞いた声だ…
「な…!?」
「げ…」
「フヒ?」
「自分達が何をやっているかわかっているのか?」
「「「レジアス中将!!」」」
「い、いえ、これは彼女が…」
「俺達は誘われて…」
「フヒヒ、サーセン」

「この期に及んで言い訳をするか―――少し、頭冷やした方がいいようだな」
次の瞬間、レジアスの右手は男の一人の顔面に刺さっていた。そして右手を引きそのまま回転し二人目に裏拳が決まる。
左手で三人目の男の襟首を掴み上げ、そのままぶん投げた。
「馬鹿者どもが…私は生涯現役だ」
「レジ、アス…中将!?」

何故この人がここにいるのだろう。そのはやての疑問に答えるようにレジアス中将は言う。
「八神・はやて、久しぶりに見かけたから様子を見ようと思っていたら……全く、グレアムが泣くぞ」
「え……グレアムおじさんをお知りなんですか?」
「知ってるも何も奴と私は犬猿の仲でな…私が現場で窮地に立たされた時には、
海と陸の住み分けも無視していつもでしゃばってきて私の手柄を掻っ攫っていきおる。
嫌な奴でな。そのうえ引退間際に姪を頼むときおった。私のホームグラウンドは陸だというのにな!
だが残念ながらゲイズ家は受けた恩は絶対に忘れん!そして偶然このホテルで見つけた、明らかに不安げな顔をしたお前を見に来たらこのありさまだ!!」
そういいながら士官服の上着を脱ぎ、はやてに差し出す。
いきなりそんなことを言われたはやてはほとんど理解出来ていない。
「あ、あの…これは…?」
「着なさい。年頃の少女が余り素肌を晒すものではない」
「ありがとうございます…」
いそいそと渡されたおおきな上着を着るはやて。
「さて、どうしてこんな売春紛いのことをしていたのか教えてもらおうか」
「わたしっ!どうしても、自分の部隊が欲しくてっ!」
「私利私欲のためということか…!」
「違います!今の時空管理局の体制じゃあ不完全なんです!急に現れたロストロギアにより迅速に対抗するためには、専門の部隊が必要なんや!」
興奮のあまり最後は思わず敬語を使い忘れてしまった。
「そのために、こんな連中にご機嫌取りか…こんな形で」
「それは……」
「もし、本当にミッドのために、世界のためになろうと思うなら覚悟を見せてみろ。そのための舞台はととえてやる」
「え……どないな意味ですか?」
「お前に部隊をくれてやるというのだ私は陸の人間だが…つてがないこともない」
あまりのことに、反応出来ない。
「事件などすぐに起きるだろう。それを解決して私に覚悟を見せてくれればいい」
「いいん…ですか?」
「ああ、お前なら…ここまで辿り着けるかもしれんな」
「え?」
「いや、何でもない。こちらの話しだ。来週までに上に話しを通しておこう。こいつらが起きるまでにここからでていった方がいい。では私はもう行く」
そう言いレジアスは出ていこうとする
「あ、あの!……ありがとうございます!」
「気にするな。私は私の正義を通しただけだ………八神・はやて、部隊を持っても楽しいことなどなにもない。その若さ故風当りも強く、女故に舐められる事も多いだろう……だがな、どんなことがあっても己の信念、理想を忘れるな」
そう言ってレジアスは部屋からでた扉を閉め

「信念や理想を履き違えて……私のようにだけはなってくれるな」
誰にも聞かれない呟きを残して歩いていった。

部屋の中ではやてはまだ混乱していた。
自分がこれからどうなるのかはわからない。レジアス中将が本気で言っていたのかどうかも。
だがこの服の温もりだけは確かな物だ。

そう思いはやてはぶかぶかな上着をにぎりしめた。



著者:41-340

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