[245] またデートでプロレス見に行った編 1 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/09/12(水) 23:19:10 ID:4YLvJot1
[246] またデートでプロレス見に行った編 2 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/09/12(水) 23:20:28 ID:4YLvJot1
[247] またデートでプロレス見に行った編 3 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/09/12(水) 23:24:06 ID:4YLvJot1
[248] またデートでプロレス見に行った編 4 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/09/12(水) 23:26:18 ID:4YLvJot1
[249] またデートでプロレス見に行った編 5 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/09/12(水) 23:28:20 ID:4YLvJot1
[250] またデートでプロレス見に行った編 6 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/09/12(水) 23:31:09 ID:4YLvJot1
[251] またデートでプロレス見に行った編 完 ◆6BmcNJgox2 sage 2007/09/12(水) 23:33:48 ID:4YLvJot1

なのはとユーノは運良く同じ日に休日を取る事が出来た為、またデートに行く事になっていたのだが…
「ユーノ君! プロレス見に行こう!?」
「ええ!? またプロレス!?」
笑顔で二枚のチケットを見せるなのはに対し、ユーノの表情は大きく歪んだ。
以前もデートの際にプロレスを見に行って、そこでユーノが大変な目にあうと言う事件があったのだ。
「プロレスはもう勘弁ってこの間言ったじゃないか!?」
「ごめんなさいユーノ君! おねがい! 今回だけはおねがい! この通りだから!」
「ええ!?」
何と言う事か、突然なのはがユーノに土下座をしたでは無いか!
「お願いユーノ君! 今度のプロレスはスタン=ハンソン対アブドーラ=ザ=ブッちゃんって
言う大物レスラー同士の超好カードなの! この通りだから! この通りだからぁぁぁ!」
「なのはやめて! 他の人も見てるよ!」
なのはも余程今度のプロレス観戦に見に行きたいのだろう。周囲の目さえ気にせずに
なりふり構わない土下座をユーノに対して行い、ユーノも戸惑うしか無かった。
そして…周囲の視線が余りにも痛かった。
「おい…あれ見ろよ…。」
「高町一等空尉がスクライア司書長に土下座してるぜ?」
「一体何をやったんだ?」
と、彼方此方からその様な名無し局員の声が聞こえる始末。
「お願いだから! この通りだから一緒にプロレス見に行こうよぉぉぉぉぉぉ!!」
挙句の果てにはなのはが血の涙を滝の様に流し出す始末。もうこれにはユーノも
素直に聞いてあげるしかなかった…
「分かった…分かったよ…なのは…分かったから土下座はやめてよ…。」
「ありがとうユーノ君!」
「ええ?」
先程まで泣いていたのが嘘の様に笑顔になったなのはにユーノも呆れるが、
なのはは円満の笑みを浮かべながらユーノの手を掴んだ。
「それじゃあ明日○○時に△△で集合ね! 遅れちゃダメだよー! じゃあまた明日ねー!」
「う………うん………。」
ユーノは苦笑いしながら手を振るしか無かったが、そんな彼を憎らしい目で見つめる者がいた。

「フェレット男…なのはに土下座までさせるなんて…こんな外道は絶対に許せない…。」
それはフェイトだった。自分こそなのはにとっての一番と考えるフェイトは
なのはが一方的にユーノに土下座する光景をユーノがなのはに何か卑怯な事をやって
それでなのはに土下座させているんだと勘違いしていた。
「とりあえず明日も面白い事になりそうやな…。」
面白ければそれで良いと考えるはやてもフェイトに協力するつもりだった。

翌日、ミッドチルダ体育館になのはとユーノの姿があった。そこの体育館中心部に
リングが置かれ、そこで若手レスラー同士の前座試合が行われており、
例によってなのはとユーノは最前列の席に座っていたりする。
「うおおおおお!! ぶっころせぇぇぇぇ!!」
「前も言ったけどさ…なのはやっぱりキャラ変わってるよ…。」
既に人が変わった様に熱くなっているなのはにユーノは呆れるしか無かった。
過去にも一度二人でプロレスを見に行った事があるユーノであるが、
どうしてもプロレスに魅力を感じないユーノはなのはが何故こうも熱くなれるのか
理解出来なかった。だからと言ってなのはのプロレス好きを否定するつもりは無いが…。
と言うか、前座でここまで熱くなっているのならメインイベントが始まった時
一体どうなってしまうのだろうか…。ユーノはそこが怖くて仕方が無かった。


それから一時した後、ついにメインイベントの始まりとなった。
『さあさあ! 本日のメインイベント! 浮沈艦スタン=ハンソン対
黒い呪術師アブドーラ=ザ=ブッちゃんの試合が始まります!』
「待ってました! これを見る為に彼方此方頭下げて今日休みを取れるようにしたんだから!」
体育館中に響き渡るアナウンスと共になのはは両手をパンパン叩きながら熱狂していたが、
やはりユーノはそれに呆れていた。
「ねぇなのは…。そのハンソンとブッちゃんってそんなに凄いの?」
「凄いに決まってるじゃない! 私の口からはとても言い表せ無いくらい凄いよ!」
「そ…そんなに凄いの…?」
「とにかく見て入ればユーノ君もハンソンとブッちゃんの凄さが分かるって!」
「う…うん…。」
その時のなのはの目は実に真剣そのものであり、なのはをそこまで本気にさせる様な
凄いレスラーとは一体何者なのかとユーノも若干の興味を抱いていたのだが、
そこでついにハンソンとブッちゃんがそれぞれ花道を入場して来たのであった。
『スタン=ハンソンとアブドーラ=ザ=ブッちゃんが花道を入場して来ました!』
「ユーノ君! あのテンガロンハットを被ってるヒゲの人が浮沈艦の異名を持つ
スタン=ハンソン! パワーでこの人に右に出る人はいなって位のパワーファイターでね、
特にウェスタンラリアットの威力は凄いんだよ! でね、額に傷のある色黒でツルツル頭の
方が黒い呪術師の異名を持つアブドーラ=ザ=ブッちゃん! 凶器攻撃が得意な悪役レスラー
なんだけど空手も使える側面もあってね、相手の首筋目掛けて放たれる地獄突きの威力は
もう痛いとかそういうレベルさえ超えてるらしいよ!」
「な…なのは詳しいね…。」
なのはは妙にユーノに詳しくハンソンとブッちゃんについて教えてくれたが、
やはりユーノは少々呆れている様子であった。

そんなこんなで、ハンソンとブッちゃんがそれぞれリングに上がり、
試合開始のゴングが鳴った。
『さあ試合開始のゴングが鳴ったぁぁ! 両者リング中央で組み合います!』
大型選手同士のぶつかり合いは実に迫力があり、四角いリングが何時もより小さく
見えてしまう程だった。
「うおおおおおおおお!! ぶっころせぇぇぇぇ!!」
「わ! なのは落ち着いて落ち着いて! ってうあ!」
案の定なのはは人が変わった様に熱くなり、観客席とリングサイドを遮る柵から
身を乗り出しながら腕をブンブンと振り回し、思わず止めようとするユーノが
なのはの振り回す腕で殴られてしまったりと微笑ましいアクシデントがあったが、
ハンソンとブッちゃんの試合は普通に進められていた。
『出たぁぁぁ! ブッちゃんの頭突きが炸裂したぁ! ハンソンの額が割れて大流血だぁぁ!
しかしブッちゃんの額もまた大流血となっております!』
早くも双方の額から大量の血が噴出し、顔面が血まみれになっていた。
「なのは! あれショーなんでしょ!? 本当は血のりか何か使って血が
出たように見せかけてるんでしょ!?」
「何言ってるの!? ユーノ君! そんなワケないでしょ!? あれは本当に
流血してるんだよ!」
早くも流血戦となったこの試合にユーノは慌てていたが、逆になのはは燃え滾っていた。
「いけぇぇぇぇ!! 早くブッちゃんの凶器攻撃を見せてぇぇぇぇ!!」
「なのは…。」
ユーノは今のなのはが恐ろしかった…


『あーっと! 双方とも組み合いながらリング下へ落下! 場外乱闘に突入だー!』
大型選手の二人が同時にリングから物凄い音を立てて落下し、場外乱闘へ入った。
しかもそれがまたなのはとユーノの座る席のすぐ前でである。
「うわ! 凄い! 凄い場外乱闘だよこれ!」
なのはは感激の余り涙していたが、大男二人の激しい場外乱闘が直ぐ前で展開されている。
これは非常に危険だ。何しろハンソンもブッちゃんも目の前の相手を倒す事に
集中している上に、先程の大流血によって血が目の中に入って前が見えない状況にある。
これは下手をすれば観客を巻き込む惨事に発展してもおかしくない。そして案の定…
『あーっと! ハンソンとブッちゃんが柵を破って観客席に突入だー!』
「なのは危ないってうご!」
ハンソンとブッちゃんが突入して来た先にはなのはの座る席がある。このままでは
なのはが体重100キロを超える二人に押し潰されるのは必至だ。故にユーノは
なりふり構わずになのはを突き飛ばすが…次の瞬間にはユーノがハンソンとブッチャーに
押し潰されてしまっていた。
『あーっと! メガネの青年がハンソンとブッちゃんに押し潰されてしまったぞー!』
「ダァァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」
ユーノがハンソンとブッちゃんに下敷きにされてしまった直後、突然その様な笑い声が響き渡り、
その笑い声の主であるフェイトとはやてがリングサイドまでやって来ていた。
「ダァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッ!! フェ…フェレット男がぁぁぁぁ!!」
「おおおおお押し潰されとるやがなぁぁぁぁぁ!!」
「ダァァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」
「フェイトちゃん…はやてちゃん…。」
ハンソンとブッちゃんに押し潰されたユーノを指差しながら腹を抱えて大笑いする
フェイトとはやてになのはは失望と怒りの混じった感情を覚えた。
『ああっと! ハンソンがメガネの青年を持ち上げてボディースラムだぁぁぁ! これは痛い!』
「ダァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッ!! フェレット男がぁぁぁぁぁ!!」
「ボディースラムやてぇぇぇぇ!! ダァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!」
やはりフェイトとはやては大爆笑していた。だがそれだけでは無い。
『あーっと! 今度はブッちゃんがメガネの青年にボディープレスを仕掛けたぁぁ!」
「ダァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッ!! フェレット男がぁぁぁぁぁ!!」
「ボディープレスやてぇぇぇぇ!! ダァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!」
例によってフェイトとはやては大爆笑。ハンソンとブッちゃんも流血によって目の中に
血が入った故に目が見え無い状況にある(特にハンソンは元々から近眼)ので
未だにユーノをやっている事に気付いておらず、それぞれの対戦相手に技をかけていると
思ったままであるのだが、もうユーノは死んだように動かなくって板。
『いや〜この状況はこの間のアントニオ=猪樹対ティーガー=ジェット=シン戦で
起こった観客が試合に巻き込まれて半殺しにされちゃった事件を彷彿とさせ…
と言うかこの人って、あの時のメガネの青年と同じ人じゃありませんか!
ああ二度もこのような目にあうとは何と不幸な青年なのでしょうか〜!』
「ダァァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」
なおも腹を抱えて大爆笑を続けるフェイトとはやてになのはの怒りが頂点に達した。


「これ以上ユーノ君を笑うなぁぁぁぁぁぁ!!」
なのはは物凄い形相になり、フェイトとはやてにラリアットを仕掛けた。
『あーっと! メガネの青年と一緒にいた長髪の女性がリングサイドで大爆笑していた
金髪と短髪の二人の女性にダブルラリアットを仕掛けたぁぁぁ!』
だがそれだけでは無い。なのははさらに二人を自らの両腕に引っ掛けたまま大きく跳ぶ。
『そしてそのままジャンピング・ネック・ブリーカー・ドロップだ――――!』
これによってフェイトとはやては忽ち後頭部をしたたかに打ちった。
「うあああああああ!!」
『金髪と短髪の女性が後頭部を抑えてのた打ち回る―――! これは痛いぞー!
だが長髪の女性はその二人を情け容赦無くストンピングの嵐だー!』
「ユーノ君を笑う奴は…例えフェイトちゃんやはやてちゃんでも許さない!」
なのはは鬼の形相となってフェイトとはやてを何度も踏み付けた。
だがその間にハンソンは無理矢理ユーノをリングの上へ引っ張り上げていたのである。
しかも本人は対戦相手であるブッちゃんに対し行っていると思っているから性質が悪い。
『出たぁぁぁぁ! ハンソンが左腕のサポーターの位置をずらしたぞー!
これこそハンソンのウェスタンラリアットへのプレリュードだ―――――!!』
ハンソンの強靭な左腕から繰り出されるウェスタンラリアット。
これこそハンソンの代名詞であり、同時に必殺技でもある超荒技。
「デイィィィィィィィ!!」
「ギャ―――――――――!!」
『出たぁぁぁぁぁ!! ハンソンのウェスタンラリアットがメガネの青年の首を薙いだぁぁぁ!!
これは痛い! 余りにも痛い! 痛すぎるぅぅぅぅ!!』
体重は100キロを楽に超え、しかもプロレス界屈指のパワーを持つとされる
ハンソンのラリアットを受ければ軽量なユーノはゴム毬の様に吹っ飛ぶ。
しかもその吹っ飛んだ先にはブッちゃんの姿があったのである。
『あーっと! ブッちゃんが空手の構えを取った―――――!!
これは地獄突きへのプレリュードだ――――――――!!』
「シュビシュビシュビシュビ!! キャ―――――――――――!!」
「ギャウ!」
次の瞬間、ブッちゃんの地獄付きがやはりユーノの首筋に突き込まれていた。
『うあああ! メガネの青年にブッちゃんの地獄突きが炸裂! これはもう
言葉では言い表す事は出来ません! 誰にも出来ません!』
さて、その頃なのはがどうなったのかと言うと…
「行くよはやてちゃん! この間無限書庫で読んだ本に乗ってた技で死んでもらうから!」
「な…なんやこの体勢は…ごっつ恥かしいわ…。」
なのはははやての頭を左腕で捕獲し、同時に自身の頭をはやての左肩下にもぐり込ませ、
両腕の絡みを強固にして大地の巨木を引き抜く心構えではやての身体を高くさしあげ、
そして両内腿を押さえ、身体の自由を奪ってしまった。しかもこの状態で
リングの鉄柱の上まで登っていたのである。
「全力全開! ディバインバスタ―――――――――――――!!」
「これディバインバスターやあらへん! どう見ても額に肉の人の技やないか―――――!!」
『あーっと! 長髪の女性が短髪の女性にキ○肉バスターを仕掛けたー!』
はやてを掲げたまま鉄柱から高く飛びあがったなのははそのまま落下していく。
しかもその落下地点にはフェイトが倒れているのである。
「フェイトちゃんも一緒に死ねぇぇぇぇぇ!!」
「ギャフゥ!!」
「んぎゃぁぁぁ!!」
『長髪の女性が短髪の女性にキン○バスターを仕掛けたまま金髪の女性の上に落下したー!
これはこれで滅茶苦茶に痛すぎる―――――――!!』
なのはのディバインバスター(?)によってはやての首・背骨・腰骨・左右の大腿骨の
五箇所が破壊され、しかもなのはとはやての二人分の体重落下を一気に顔面に食らった
フェイトもまた何とも説明のし難い状態になっていた。

結局試合はグダグダの内に引き分けで終了するのだが…本当に大変なのはここからだった。


「誠に申し上げにくい事ですが…この方はもう目を覚ます事はありません…
言うなれば…植物人間になってしまわれた…と言うべきでしょうか…?」
「え? それひょっとしてギャグで言ってるの?」
なのはが直々に病院送りにしたフェイトやはやてはともかくとして、
ハンソンとブッちゃんの二大レスラーにやられたユーノのまた病院送りになっていたのだが、
そこで医師から言われた診断結果になのはは愕然としていた。
「失礼かもしれませんが…これはギャグではありません。真実です。
この方はもう目を覚ます事は無いでしょう…。」
「え!? そんな…何とかならないんですか先生!!」
「おわ―――――――――――!! 病院で卍固めはやめい!!」
ユーノの診断結果が衝撃的な余りなのはは医師に卍固めを仕掛けていたのだが、
医師は全身の関節をギシギシ言わされながら必死に叫んだ。
「本当なんですよ! ミッドチルダ最大の医師であるホワイトジャック先生(なんじゃそりゃ?)でも
サジを投げた程なんですよ! この私に卍固めを仕掛けてもどうにもなりませんよ!」
「そ…そんな…それじゃ…ユーノ君は…もう…。」
ハンソンとブッちゃんから受けたダメージは余りにも大きな物だった…。
ユーノはもう目を覚まさない…植物人間となってしまった…
この事実を受け入れざるを得ないなのはは…愕然とする余り
医師にコブラツイストを仕掛けていた…

なのははユーノの眠る病室の中で一人うな垂れていた…。
「ユーノ…君…。」
なのははユーノの名前を呼ぶ…しかしユーノは返事をしない…ただ呼吸音が聞こえるのみ…。
「わ…私が…悪いんだ…。私が…ユーノ君をプロレスに誘う様な事さえしなければ…。」
なのはの目には涙が浮かび、自身の罪の深さを痛感していた。
しかしいくら悲しもうとも…ユーノが元に戻るワケでは無い。それがますますなのはを苦しめた。
「ごめんなさい…ごめんなさいユーノ君…。」
なのはは何度も謝った。ユーノに対する自分の責任はどんな物よりも大きい。
だからこそなのははユーノに贖罪をしなければならない。そう考えていた時…
『(なのは、なのは聞こえるかい?)』
「(え? ユーノ…君?)」
『(良かった。思念通話は通じるみたいだ。)』
突然ユーノが話しかけて来た。思念通話を使って…
『(僕の身体はもう自分の力では動かせなくなってしまったけど…思念通話は通じて安心したよ。)』
「(ごめんなさいユーノ君…ごめんなさい…。私のせいでこんな事になって…ごめんなさい…。
こんな私なんか…恨んでも恨んでも足りないよね…。)」
なのはは再び何度もユーノに謝る。しかし、ユーノからは怒りの表情が見えなかった。
『(でも…なのはだって僕の為に頑張ってくれたんでしょ? そんななのはを恨む事は出来ないよ。)』
「(そんな事は無いよ。私がフェイトちゃんやはやてちゃんへの制裁に必死にならなくて
直ぐにハンソンとブッちゃんの間に割って入っていれば…ユーノ君だってこんな事には
ならなかったかもしれない…。いや…ハンソンとブッちゃんが場外乱闘になった時点で
私も逃げていればユーノ君が私を庇ってこんな事になる事も無かったかもしれない…
いやいや…そもそも私がユーノ君をプロレス観戦に誘わなければ…。)」
なのははますます涙を流しながら自分を責めていた。


『(なのはは自分を責めすぎだよ!)』
「(!)」
ユーノに怒鳴られたなのはは黙り込んだ。
『(なのはは何だって自分一人で抱え込みすぎなんだよ! 僕だって怒る時は怒るよ!
と言っても僕がこんな状態にされた事に怒ってるんじゃない! なのはがそうやって
何でも自分のせいにしようとしているから怒ってるんだ! 仮にあの時なのはが割って
入っていたとしても僕を助けられていたとは限らない! 逆になのはもやられて
一緒に植物状態にされていたかもしれないじゃないか! それにクロノだって言ってただろ?
世の中はこんなはずじゃない事だらけだって…。)』
「(ユーノ君…。)」
『(僕の事なら気にしないで…。植物状態になっても…思念通話を使ってあれこれ支持したり
出来るから無限書庫で働く上ではそこまで問題は無いと思うし…。)』
ユーノは自分の体にそこまでショックを受けた様な様子は見せず笑っていた。
しかし…心の底では耐え難いショックに耐えているに違いない。…と、なのはは考えた。
「(でもユーノ君…。何もしないんじゃ私が罪悪感に耐えられないよ! だから何かさせて…
ユーノ君の為に…何かさせて…私…何でもするから…。)」
なのははユーノの手を掴み、涙を流しながら言う。ユーノとしては別に無理して
何かしてもらわなくても良いのだが、なのはの本気を見る意味としてちょっと
お願いしてみる事にした。
『(本当かい? ちょっと無理なお願いかもしれないけど…聞いてくれるかい?)』
「(う…うん聞くよ…ユーノ君の為なら私…何だってするよ…。)』
『(なら…実はね…こうやって僕の身体は動かなくなってしまったけどね…。
一つだけ動かせる部分があるんだよ。)』
「(え? たった一つ動かせる所?)」
その時だった。突如ユーノの股間が盛り上がったのである。
「(え? これまさか…オチンチ…。)」
そう、ユーノの股間の盛り上がりは間違いなくユーノの股間に聳えるモノである。
しかもこれがかなり巨大で、思わずなのはは顔が真っ赤になっていた。
『(恥ずかしながら何故かここは自分で動かせてね…。とりあえず…やってくれるよね?)』
つまり性行為をさせろ…これがユーノがなのはにお願いしたい事だった。
「(う…うん…良いよ…。)」
もうこうなった以上なのはに拒否権は無いし、なのは自身拒否するつもりも無かった。
だからこそなのははユーノの目の前で服を脱ぎだし、その美しい裸体を露にした。
「(そ…それじゃあユーノ君…行くよ?)」
全裸になったなのははベッドの上で仰向けになって寝ているユーノの上に乗りかかり、
ズボンとパンツを下ろしてその巨大なモノを優しく掴んだ。
「(ユーノ君のオチンチン…大きい…。)」
なのははユーノのモノを軽くペロッと嘗めた。
『(アッ!)』
ユーノの身体は動かない。しかし思念通話によってユーノが感じている事が分かるし、
その巨大なモノもビクビク痙攣しているのがなのはにも分かった。
「(ウフフ…ユーノ君…可愛い…。)」
早くもノリノリになっていたなのははその勢いのままユーノのモノを跨ぎ、
自身のソレへと押し付けていた。
「(それじゃあユーノ君のお望み…行くよ!)」
実はなのはは怖かった。始めてのSEXが…。しかし…ユーノとはいつかこう言う日が
来ると信じていたし、ユーノの為を思えば怖い物も怖くない。本当なら結婚した後で
やりたかったけど…どっちにせよやると言うのなら…遅かろうが早かろうが関係ない。
なのはは一気にユーノのモノを下の口で飲み込んだ!
「痛ぁ!!」
破瓜と共に襲った激痛になのはは叫び、涙を飛び散らせた。ユーノの巨大なモノが
まるで鋭い凶器の様になのはのソレの中に突き刺さり、容易く貫かれた処女膜から
真っ赤な鮮血が流れ出ていた。


『(なのは大丈夫かい!?)』
「(大丈夫…大丈夫だよ…。ユーノ君こそ…きつくない?)」
『(うん…ちょっとキツイけど…なのはの中は温かくて気持ち良いよ。)」
「(そう…良かった…。)」
なのはは目に涙を浮かばせながら微笑み、少しずつ腰を動かし始めた。
初めての状態でユーノのモノを自身のソレの中で蠢かせるのは痛いし苦しい。
しかし…ユーノの受けた苦しみを思えば…何だって耐えられた。
「(ユーノ君…気持ち良い?)」
『(気持ち良い…気持ち良いよなのは…。)』
なのはの腰使いは徐々に大きく、激しくなって行く。そしてその時奇跡が起こった。
『(なのは! なのはぁぁぁぁぁぁ!)』
動かないと診断されたはずのユーノ手が動き出し、なのはの身体を掴んだ。
その時はなのはも自身の激しい腰使いによってユーノの身体も揺さぶられて
たまたまそれっぽい形になっていただけだと思っていたが…
『(なのはぁぁぁぁぁぁ!)』
今度は脚が動き出した。だがそれだけでは無い。次はユーノの腰が動き出し、
逆になのはの身体を大きく揺さぶり始めたのである。
「(え? ユーノ君!?)」
「なのはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
何と言う事か。ユーノの閉じられていた目が大きく見開き、なのはの目を
見つめると共に大声で叫んでいたのである。しかもその直後には
ユーノはなのはを押し倒し、逆になのはに覆い被さって激しく突きまくっていた。
「なのは! なのは! なのはぁぁぁぁぁぁ!!」
「あああ! ユーノ君凄い!」
誠に信じがたい事が起こった。とても植物状態と診断された人間とは思え無い。
五体満足ってレベルじゃねーぞって位に凄い事になっていたのである。
「奇跡じゃ! 奇跡が起こったのじゃ! 愛の奇跡じゃ!」
いつの間にか病室にいた医師が感動の涙を流しながらそう叫んだ。
確かにそうだ。過去にこの様な例は無い。だからこそ奇跡と言えたのである。
世の中こんなはずじゃない事だらけであるが、そのこんなはずじゃない事が
良い方向に働いたのである。ユーノのなのはに対する旺盛な性欲が起こした奇跡が…
まあ、その10秒後にはその医師の存在がなのはの気付かれて
「きゃあ! エッチィ!」
と叫ばれて吹っ飛ばされるワケだが。

ユーノはなのはとのSEXを通して本当に五体満足で復活し、翌日には退院していた。
しかし…その場になのはの姿は無かった。
「うう…ユーノ君の…馬鹿…あんな激しくするなんて…。」
余程ユーノの突きが激しかったのだろう。なのはは物凄い筋肉痛によって
その日、立ち上がる事が出来なかったと言う。」

数週間後…
「ユーノ君! お願い! 今度の今度で最後だからもう一度プロレス見に行こう!?
今度はジャイアント馬婆対オンドレ=ザ=ジャイアントの巨人対決なんだよ!」
「おねがいなのはぁぁぁぁ!! もうプロレスは勘弁してぇぇぇぇ!!」
そこには血の涙を流しながらなのはに土下座するユーノの姿があったと言う。
「おいおい見ろよ。今度はスクライア司書長が高町一等空尉に土下座してるぜ。」
「一体何があったんだ?」
と、周囲の名無し局員からもあれこれ言われる始末。
まあ結局また二人で見に行ったんだけどね…プロレス。

さて…フェイトとはやてがどうなったのかと言うと…
二人の恋路を邪魔する愚か者の屍拾う者無し。
「あのさ〜困るよ。こっちとしても慈善事業でやってるんじゃないんだよ?」
と、地獄の鬼からにさえウザがられていたそうである。

                    おしまい

著者:◆6BmcNJgox2

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