488 名前:キャロVS謎の美女!? 1 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/04/29(水) 23:00:39 ID:K.5rrymQ
489 名前:キャロVS謎の美女!? 2 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/04/29(水) 23:01:34 ID:K.5rrymQ
490 名前:キャロVS謎の美女!? 3 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/04/29(水) 23:02:44 ID:K.5rrymQ
491 名前:キャロVS謎の美女!? 4 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/04/29(水) 23:04:09 ID:K.5rrymQ
492 名前:キャロVS謎の美女!? 5 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/04/29(水) 23:07:44 ID:K.5rrymQ

 キャロ=ル=ルシエは20歳の時に、無限書庫司書長ユーノ=スクライア29歳と結婚した。
それに至るまで苦難の連続だったが、キャロはやっとの事で自分なりの幸せを手に入れたのであった。

 そんなある日の事、キャロの所にエリオとルーテシアのモンディアル夫妻がやって来ていた。

「キャロ! 大変! 大変だよ!」
「あら、エリオ君にルーちゃん。二人ともまだ離婚して無かったんですか?」
「離婚って…。」

 エリオとルーテシアとしてはキャロに大切な用事があったらしいが、キャロから
返って来た返事のせいで気まずい雰囲気に包まれてしまった。

 今でこそキャロはユーノの妻、無限書庫司書長夫人の座に付いているが、それに至るまでの
道のりは決して平坦な物では無かった。まだ彼女が幼い若手魔導師であった頃、共にチームを
組んでいたエリオの事が好きで、いずれエリオの妻になる事を前提とした花嫁修業に
明け暮れていた時期が彼女にはあった。しかし、肝心のエリオはかつてとある事件をきっかけとして
出会った女性・ルーテシア=アルピーノに惹かれており、やがてエリオとルーテシアは結婚。
キャロの努力は全て徒労に終わってしまった…

 幸いキャロは、花嫁修業中に問題が発生した際の相談相手としてちょくちょく出会い話す様に
なっていた無限書庫司書長ユーノとの間に新たな恋を見付け、今と言う名のまた違った
幸せを手に入れていたのであったが…エリオに捨てられた事について未だにかなり根に持っていた(笑)

 キャロは表情こそ優しいが、その目だけはかなり暗黒にイッてしまっている様にしか見えない…
そんな顔でエリオとルーテシアの二人を見つめていた。

「エリオ君もルーちゃんも、ちゃんと夫婦生活上手く行ってるなんて凄いですね。
私の見立てではとっくに喧嘩別れしてると思ってたのに…。」
「酷い…どうしてそういう事言うの?」
「だってエリオ君って…。」
「今はそんな事言ってる場合じゃないでしょ! とにかく大変なんだよ!」

 キャロとルーの間に何か昼メロばりのギスギスした空気が流れようとした所を
エリオが本来の話題に引き戻していた。

「キャロ! 僕は見たんだ! ユーノ先生が他の女の人と一緒に歩いてる所を!」
「そう! そうだよキャロ! 私達本当驚いちゃったから! とにかく凄い美人と
ユーノ先生が仲良く一緒に歩いてたんだから!」

 エリオとルーの発した爆弾発言。何とキャロの夫であるユーノが他所の美人と不倫をかましていた!?
しかし…それを聞かされても、キャロは意外に冷静だった。

「またまた…どうせ私とユーノさんの仲を裂こうとする為に誰かがでっちあげたデマでしょ?
もうこのパターンは飽き飽きですよ。」

 キャロが未だにエリオに捨てられた事を根に持っていた様に、キャロにもまたユーノと結婚した事を
快く思わない敵が多かった。田舎世界出身かつ捨て子も同然だった一魔導師に過ぎないキャロが
無限書庫司書長夫人などけしからんと考える者もいれば、密かにユーノを狙っていたと言うのに
横からかっさらって行ったキャロけしからんと考える者もいた。その為、二人の仲を裂こうと
様々な策が講じられる事も度々あった。今回もその一環だとキャロは考えていたのである。

「どんなデマや誹謗中傷を受けようとも私は負けません。それが例え相手がなのはさんでも
私は断固戦う決意です。」

 キャロの意思は固かった。エリオとの恋は成就する事は無かったが、やっとの頃で手に入れた
ユーノとの幸せ。それまで壊されるわけには行かなかったのである。

「仮にユーノさんが他の女の人と歩いていたとしても、それはあくまでも仕事上の付き合いとか
そういう物でしょ? 無限書庫にも女性の司書は沢山いますし、ユーノさんは無限書庫での
お仕事以外にも外部で講演会に出たりなんて事もありますから。」
「いや…そんなんじゃないんだよキャロ!」
「そうよ! もっと危機感を持って! 本当にユーノ先生が別の女の人…それも凄い美人と
仲良く一緒に歩いていたんだから! これは絶対不倫だよ!」

 エリオとルーテシアは必死に訴えかけていたが、キャロはまるで聞く耳を持たなかった。

「言っておきますけどユーノさんは不倫なんて事する人じゃありませんから。確かに普段は
頼りなさそうな所ありますけど、芯は強いんですよ。ルーちゃんと言う永遠の愛を誓った
相手がいながら、こっそり彼方此方で色んな女の子と付き合ってるなんて女の子なめてるとしか
言い様の無い事してるエリオ君とは違うんです。」
「ちょっ! キャロ!」

 キャロがさり気無く言った言葉にエリオは思わず青くなり、直後ルーテシアに睨まれた。

「貴方…それは本当なの…?」
「そんなわけ無いじゃないか! キャロ! 変な冗談言わないでくれよ!」
「ちなみに…エリオ君がこっそり付き合ってる女の子達は皆貧乳です。エリオ君分かり易いですね。
その内小さい子にまで手を出しそうで私は怖いです。」
「キャロォォォォォ!!」

 キャロの言っている事が事実であるか否かは別として、とりあえずエリオは貧乳萌えであった。
フェイトそんやシグナムを筆頭とする巨乳女性に囲まれた少年時代を反動で、巨乳に魅力を
感じなくなってしまっていたのである。それ故にかつてキャロと同じチームで共に過ごし、あんなに
仲が良かったと言うのにボンッ! キュッ! ボーン! なエロけしからん肢体に育った途端に掌返し、
比較的貧乳もといスレンダーな肢体に育っていたルーテシアと付き合い始め、結婚するに至っており、
エリオのそんな所がキャロは未だに気に食わなかった。

「キャロ! 今はそんな変な冗談を言ってる場合じゃないんだ! とにかくユーノ先生が…。」
「それよりも貴方…さっきキャロが言った事に付いて話し合いたいのだけど…。本当に
私に隠れて色んな女の子と付き合ったりしてるの?」
「ちょっ! ルー! 待って! そんな冗談信用しないで! ちょっと! 待ってぇぇぇ!!」

 と、エリオはルーに耳を引張られ、何処へと連れ去られてしまった…。
果たしてキャロの言った事は事実なのか…単なる冗談なのか…。真相はキャロの明らかに
暗黒の世界にイッた目のみぞ知るである。

 それから一時、元の優しい瞳に戻ったキャロはユーノの帰宅に備えて夕食の材料の買出しに勤しんでいた。

「まったく…エリオ君とルーちゃんも困った人達だよね…。変なデマをでっちあげて
私とユーノさんの仲まで裂こうとするんだから…って………………。」

 直後…キャロは硬直した…。

 キャロは見た…。見てしまった…。恐るべき光景を…。それはユーノが他の女性…それも絶世の美女と
共に仲良く歩いている光景…。エリオとルーテシアの言っていた事は本当だった…。

「う…うそでしょ…そんな…。」

 キャロの目から一条の涙が頬を滴り落ちる…。信じていたのに…ユーノだけは
絶対にキャロを裏切らないと…信じていたと言うのに…裏切られた…。

「私…また捨てられちゃった…。エリオ君だけじゃない…ユーノさんにも捨てられちゃった…。」

 そして同時にかつて彼女が経験した忌わしい記憶…エリオに捨てられた記憶が脳裏を駆け巡る…。

『僕は君みたいな牛女よりスレンダーなルーの方が好きなんだ。バイバイキャロ…。』
『さようなら…。』
『あ! 待って! 待ってよエリオくぅぅぅぅん!!』

 キャロの心に未だに完全には癒えぬ大きな傷を残した忌わしい思い出…。今の光景は
まさにそれと被って見えた。きっとこの後でユーノから分かれ話を持ちかけられるに決まってる…。
自分は再び…独りぼっちになる…。そう思うと…キャロの心は苦しくて…苦しくて…

「アハハハハハハハハハハ!! アァァァァッハッハッハッハッハッ!! ヒィィッヒッヒッヒッ!!
ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!! アァァァッシャッシャッシャッシャッ!!」

 キャロは狂った様に笑った。笑うしかなかった。もう目がイく程度で済まない。
キャロの心は………もはや崩壊寸前の所まで来ていた………。

「ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
「キァ…キャロ! 一体どうしたんだ!?」

 狂いのたうつ様に笑い続けるキャロに驚いたユーノは、共に歩いていた謎の美女と共に駆け寄るが
キャロの笑いはもはや止め様が無かった。

「アァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッ!! 裏切りやがった…! エリオ君のみならずユーノさんまで
私を裏切りやがった…! ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」
「裏切ったって…僕が何をしたって言うんだい!?」
「うるさいうるさい! そこの女が何よりの証拠じゃない! 私はもう要らない女なんですね!?
アァァァァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」

 なおも狂った様に奇声を上げ、笑い続けるキャロであったが…

「あの…僕…男だけど…。」
「アヒャ…。」

 謎の美女…と思われた者の口から発せられた衝撃の発言にキャロの笑い声は止まった。

「いや〜本当良く間違えられるんだよね〜。女顔で申し訳ない。」

 彼女…もとい彼は女性に見間違わんばかりの外見をした男性だった。その事実の発覚により
ユーノの不倫疑惑は晴れ、彼の身の潔白が証明された。しかし…

「アァァァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!」
「キャロ!? 今度はどうしたと言うんだい!?」

 何とキャロはまた笑い始めてしまったでは無いか。それは一体何故かと言うと…

「ユーノさんが…ユーノさんが…ガチホモに堕ちちまいやがぁぁぁぁ!!
ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」
「ええええええええええ!?」

 ユーノと一緒にいた者が男と知ったら、今度はユーノがガチホモに堕ちてしまったと
変な方向に解釈し始めたキャロにユーノは驚愕。

「よりにもよって野郎に寝取られるなんて…もうお笑いダァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」
「キャロ! 落ち着くんだ! 落ち着いてくれよ! 彼は僕の弟で、ヨーノって言うんだ!」
「え…弟…?」

 ユーノの口から知らされたさらなる衝撃の事実に、キャロの笑いは止まった。
そして彼は自己紹介をした。

「はじめまして…。ヨーノ=スクライアって言います。」

 ヨーノ=スクライア27歳。ユーノと直接的な血の繋がりは無いが、スクライアの里で
ユーノと兄弟同然に育った故、実質ユーノの弟と呼んでも差し支えは無かった。
なお、先に説明されている通り、女性と見間違われんばかりの容姿をしていた。

「な…な〜んだ〜…ユーノさんの弟さんだったんですね。私勘違いしちゃって…心臓止まる所でしたよ〜…。」
「そ…そうですか…。して…貴女は兄さんとはどないなお関係で?」
「私はユーノさんの妻で、キャロと言います。」
「兄さんが結婚したって話は聞いてたけど…と言う事は僕の義姉さんになるんですね?」

 キャロが義姉と言う事を知った途端に敬語になるヨーノであったが、その後でユーノの方へ向いた。

「でも兄さん…この人さっき凄い狂った様に奇声上げてたよね…?」
「ああ…キャロは僕と結婚する以前、ある事で大きな心の傷を受けててね…それでたまに
ああしてスイッチが入っちゃうんだ…。でも…決して悪い人間じゃない事は僕が保障するよ。」
「ほ…本当にそうなのかい…?」

 先程のイッた目で奇声を上げていたキャロと、今の通常に戻ったキャロのギャップに
戸惑うヨーノであったが、改めてキャロに質問をした。

「え〜っと…義姉さんは随分お若い様に感じられますが今年で何歳になるんですか?」
「20歳ですけど…。」
「え…20歳…。それ何てエロゲ?」
「えええろげ!?」

 突然意味不明の言葉を発したヨーノにキャロは戸惑うが、彼は真剣な目でこう説いた。

「だってそうじゃありませんか! 兄さんが29歳で義姉さんが20歳ですから…
二人の間には9歳の歳の差があると言う事になるんですよ! 確か昔、兄さんが
事故で管理外世界に散らばったロストロギア回収の為にスクライアの皆の所から一時
離れた事があったんですけど…その時の兄さんの年齢が確か9歳の頃でしたから…
その頃の義姉さんはまだ生まれていないか、生まれてもまだ0歳だったんですよ!
ユーノ兄さん! 貴方って人は…もうロリコンってレベルじゃねぇぇぇぇ!!
この犯罪者がぁぁぁぁぁぁ!!」
「えええええええええええ!?」

 ヨーノの超絶理論にキャロのみならずユーノまで驚愕する。しかし、ヨーノは気が気では無かった。

「畜生! 畜生! 兄さんはロリ嫁貰ったってのに……僕もロリ嫁欲しいよぉぉぉぉぉ!!」
「ちょっと待て! ヨーノ落ち着け! 20歳は全然ロリじゃないだろ!?」
「だから兄さんが9歳の頃、義姉さんはまだ赤ん坊だったんじゃないか! このロリコン兄貴がぁぁぁ!」

 キャロの前に姿を現した年上の義弟、ヨーノ。エリオ・ルーテシア・キャロがそれぞれ
凄い美女と勘違いした様に、黙っていれば凄い美しいのだが…号泣しながら変な事を叫ぶ
彼の姿には美の欠片も感じられなかった。

 しかし、彼がこの後…とんでもない事をしでかす事になろうとは…この時キャロは
まだ夢にも思わなかった…。

                 とりあえずここで一時終了


著者:◆6BmcNJgox2

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