[299] 38 ◆KHEtQ2j5Nc sage 2007/12/29(土) 22:01:04 ID:+693Xnen
[300] 38 ◆KHEtQ2j5Nc sage 2007/12/29(土) 22:02:19 ID:+693Xnen
[301] 38 ◆KHEtQ2j5Nc sage 2007/12/29(土) 22:03:00 ID:+693Xnen
[302] 38 ◆KHEtQ2j5Nc sage 2007/12/29(土) 22:04:01 ID:+693Xnen
[303] 38 ◆KHEtQ2j5Nc sage 2007/12/29(土) 22:05:06 ID:+693Xnen
[304] 38 ◆KHEtQ2j5Nc sage 2007/12/29(土) 22:05:58 ID:+693Xnen
[305] 38 ◆KHEtQ2j5Nc sage 2007/12/29(土) 22:06:27 ID:+693Xnen
[306] 38 ◆KHEtQ2j5Nc sage 2007/12/29(土) 22:07:17 ID:+693Xnen
[307] 38 ◆KHEtQ2j5Nc sage 2007/12/29(土) 22:07:49 ID:+693Xnen
[308] 38 ◆KHEtQ2j5Nc sage 2007/12/29(土) 22:08:44 ID:+693Xnen

スタート・ライン

「ユーノ、今日の分はこれで最後だよ」

そう言ってアルフが持って来た書類にユーノが目を通していると、急にアルフが口を開く。

「そう言えば、明日はやっぱり行くのかい?
「うん、休みも取れたし、毎年行ってるしね」

そう言ってユーノは微笑みを浮かべる。
と、そこに通信が入り、ユーノの目の前にウインドゥが開く。そこに映ったのは、クロノだった。

『……ユーノ、ちょっといいか?』
「……ねえ、クロノ。僕が明日休み取ってる事、なのは達と一緒に初詣に行くって事、知ってるよね?」

途端に身構えるユーノに、クロノは違う違う、と両手を振る。

『今日は別に調べてもらいたい事がある訳じゃない。
 ……実はな、明日休暇が取れたから、初詣とやらに行って見ようかと思ってな。
 待ち合わせはいつ何処でだ? フェイトが捕まらなくてな』

そう行ったクロノ。その顔は、何故か微かに赤い色に染まっていて。
ユーノは首を傾げるが、すぐに何かに気付き、にやつきながら言った。

「それは、みんな喜ぶとは思うけど……、行く神社に安産祈願のお守りってあったかな?」
『な、ユ、ユーノ!?』
『ち、ちょ、何で知って……っ!?』

途端に真っ赤になって慌てふためくクロノと、話を聞いていたのか、こちらも真っ赤になるエイミィ。
そんな2人を見て、ユーノは納得したように笑った。

「やっぱり、ね。クロノがわざわざ初詣に行くなんて、おかしいと思ってたんだ。
 神頼みなんて柄じゃないクロノが神頼みに行くなんて、こんな理由があるからとしか思えないよ」

そう言ったユーノに、クロノとエイミィはカマをかけられた事に気付き、撃沈する。
そんな2人を見て、ユーノは笑いながら口を開いた。

「武士の情け……って地球では言ったっけ? とにかく、明日クロノがちゃんとなのは達に言うんなら、僕はそれまで黙ってるから」

そう言って、ユーノは集合時間と場所を送って、通信を切った。



その頃、海鳴では。

「さーてようやくなのはちゃんが自覚してくれたんや、全力でくっ付けるでーっ!」
「「「おーっ!」」」
「に、にゃうう……」

やたらめったらにテンションが高いはやて、アリサ、すずか、フェイトの4人を、なのはは真っ赤になって見やる。

「……いやー、それにしてもロッサには本当に感謝やなぁ……」
「本当だよね……、ヴェロッサさんがいなかったら、少しでもぼかしてたら、なのは、まだ自覚してなかっただろうし……」

そうしみじみと呟くはやてとフェイト。
そこに、思い切り首を傾げたアリサとすずかが割って入った。

「それって、どう言う事よ?」
「私達、『なのはちゃんが自覚した』とは聞いたけど、『どうして』自覚したのかは聞いてないよ?」

そう言うアリサとすずかに、はやてはにっこり笑って、口を開いた。

「ああ、それはやな……」
「だ、だめーっ!」

そのままその時の事を話そうとしたはやてを、なのはは必死で止めに入る。
その顔は火を噴きそうな程真っ赤になっていて。

「え? な、何で止めるんや? 別にその時告白したとかじゃないやないか!」
「そ、それでも恥ずかしいもん!」

そう言って何とかはやてを止めようと、なのはは腕をぶんぶん振り回す。
と、そんななのはの背後にアリサが忍び寄り……、

「うみぃっ!?」

……なのはの頬を思い切り引っ張った。

「ひ、ひひゃいひひゃい〜!」

さっきまでとは違う意味で腕を振り回すなのはを無視して、アリサははやてに視線を送る。
あ、あはは……と乾いた笑みを浮かべるはやてに、アリサは命じた。

「……さあ、はやて。……話しなさい」



「ふんふんふんふんふ〜ん♪」
「……何だい? 随分とご機嫌だね、高町さん」

花歌を歌いながら、今にもスキップしそうな程ご機嫌ななのは。
と、そんななのはに声がかかり、なのはが振り向くと、そこにはヴェロッサが立っていて。

「あ、ヴェロッサさん! お久し振りです!」

そう言ったなのはに、ヴェロッサは微笑んで手を振る。
そして、ずいっ、となのはに顔を近付けて、もう一度言った。

「……で? 何でそんなにご機嫌なんだい? 高町さん」
「明日、久し振りに、ユーノ君と会えるんです!」

そう満面の笑みを浮かべて言うなのはに、ヴェロッサは目を丸くする。

「……え? それだけ?」
「そうですよ?」

目を丸くしたままそう言ったヴェロッサに、なのははそう言って、首を傾げる。
そんななのはに、ヴェロッサは呆れたように微笑んで、口を開いた。

「……高町さん、君はそんなにスクライア司書長の事、好きなんだね」
「うにゃあっ!?」

そうヴェロッサが言うと、なのはは奇声を上げて飛びあがり、ヴェロッサはもう一度目を丸くした。

「ん? 高町さんが言ったユーノだから、スクライア司書長だと思ったんだけど、違ったのかい?」
「ち、違わないですけど! す、好きってーっ!」

そう完全に真っ赤になって叫ぶなのはに、ヴェロッサは呆れたように言う。

「……あのねぇ……、あの喜びよう、どう見ても久し振りに恋人と会えるって感じだったよ?」
「こ……こいっ……こいっ……」

真っ赤になって口をぱくぱく開閉させるなのは。
そんななのはの肩を掴んで、ヴェロッサは口を開いた。

「……これは、人生の先輩としての助言だよ。
 ……人を好きになったら、出来るだけ早く告白した方がいいよ? 言えなくなる時も、あるから」



「……と、まあ、こう言う所やな」

そう言い切ったはやてに、アリサは怪訝そうな表情をする。

「……ちょっと待った。話聞いてる限り、はやてもフェイトも出て来てないんだけど」

この話、一体何処で知ったのよ? とアリサが聞くと、はやては微笑みながら答えた。

「なのはちゃんに自覚させたロッサ、な、私をちょこちょこ助けてくれたりしてくれる人やねん。
 ……やから、私とロッサって面識あるんよ。今回の話は、ロッサから聞いたって訳」

そうはやてが言うと、アリサは納得したように頷き……、
……自分がまだなのはの頬を引っ張ったままだと言う事に気付き、慌ててその手を離す。
なのはは痛みと恥ずかしさで頬を真っ赤に染め……、

「はやてちゃんだって、ヴェロッサさんとはどうなの!?」

反撃するように、そう言った。

「あ、あー、ロッサ? ……別に、どないもないで? うん」

……しかし、そう返され、なのはは思わず言葉に詰まる。
そんななのはに追い討ちをかけるように、はやては言う。

「……今んとこ、私にとってロッサは、お兄ちゃんみたいな存在なんやで?
 ……ちょうどクロノ君とフェイトちゃんの関係みたいなもんで、恋愛感情は、あらへん。
 ……なのはちゃんがユーノ君に抱いとるみたいな、感情はな♪」
「うにゃあああーっ!?」

そう見事までにカウンターの言葉を貰い、なのはは真っ赤になって飛び上がる。
そんななのはに、にこにこ笑いながら、すずかが口を開いた。

「なのはちゃん、頑張ってね♪」
「……にゃ? ……何を?」
「……やだなあ、告白に決まってるじゃない♪」
「にゃああーっ!?」

そう言われ、またなのはは飛び上がる。
すっかり3人のおもちゃになっているなのはを見て、フェイトははぁ、と同情の溜息を吐いた。



そして、元旦。

「ね、ねえ、お母さん。だ、大丈夫だよね!? ……変じゃないよね!?」
「ええ、大丈夫。いつも通り、可愛いなのはよ♪」

慌てふためくなのはに、そうにっこりと笑って桃子は言う。
それでも不安そうな表情をしているなのはの耳元に、桃子は唇を寄せ、囁いた。

「いつも通りのなのはで大丈夫よ。……それがユーノ君が好きななのはなんだから」
「……え?」

そう言われ、きょとん、とするなのは。
その顔にみるみるうちに血の色が昇るのを見て、桃子は自分が口を滑らせた事に気付くが、時既に遅し。

「え、え、えええええーっ!!」

そう叫んで飛び上がったなのはを見て、桃子は頭を抱えた。
と、その手をちょんちょん、と突付かれ、桃子が顔を上げると、

「ね……ねぇ、お母さん。私……、どうしたらいいの……」

そう、少し泣きそうになって言うなのはと目が合った。
その顔は、今にも火を噴きそうな程真っ赤になっていて。

「……どうするも何も、いつも通りにユーノ君と接すればいいのよ」
「い、いつも通りって、私どんな風にユーノ君と接してたっけ!?」

そう桃子が宥めるが、なのははパニックに陥ったまま。
と、インターホンが鳴らされて、なのははその場に飛び上がった。

「え、あ、あわわわわ……」
「……美由紀ー、悪いけど、出てくれるー?」

途端に、あわあわと意味も無く両手を振り回し始めるなのは。
そんななのはを見て、桃子はもう一度頭を抱えた。

「……ほら、なのは? まずは落ち付いて、深呼吸して、ね?」

しかし、何とか気を取り直すと、桃子はなのはを宥めに入った。

「久し振りね、ユーノ」
「あはは……、そうですね、美由紀さん」

一方、その頃居間では、ユーノと美由紀が話をしていた。

「ねえねえ、最近なのはとはどうなの?」
「な、なのはと、ですか? ……時々一緒に買い物に行ったりとかはしてますけど……」

そう、少し焦りながら言うユーノに、美由紀はにやにやと笑いながら詰め寄る。

「……ほほう。それはデートと判断していいのかね?」
「べ、別に僕はなのはと付き合ってる訳じゃないんで、デートじゃないですよ!
 と、言うか美由紀さんは、こんな事してる暇があるなら、まず自分の相手を見付けてください!」

美由紀の追及に、思わずユーノはそう叫ぶ。……叫んでしまう。
と、ぴたり、と美由紀の動きが止まり……、……その肩がぷるぷると震え始めた。

「……ユーノー?」
「あ、あわわわわ……」

そのまま地獄の底から響いて来るような声で名前を呼ばれ、ユーノはその殺気にがくがくと震える。
そんなユーノに美由紀は詰め寄り……、……その時、居間のドアが開いた。

「ごめんなさい、ユーノ君、待たせちゃったわね。……どうしたの?」

居間に入ってきた桃子は、居間の……、と言うか美由紀の纏っている殺気に目を丸くする。
と、桃子に気付いた美由紀が、纏っていた殺気を引っ込めた。
……その顔は膨れっ面をしていたが。

「……? ……まあ、いいわ。なのはー? そろそろ出てらっしゃーい?」

桃子は首を傾げるが、すぐに気を取り直すと、なのはを呼ぶ。
……しかし、なのはは現れずに。……いや、ドアの影からちらちらと何か布のようなものが見えていた。

「……なのは?」

それに気付いたユーノが声をかけると、その何かはびくっと震える。
……そして、観念したようになのはが扉の影から姿を現して……、

「……え?」

……ユーノは、硬直した。

桜色の下地に雪のように白を散らせた着物を身に纏い、髪をきっちりと結い上げている。
ただそれだけなのだが、それが凄く可愛らしく見えて。
ユーノは蜜に誘われる蝶のように、ふらふらとなのはに近付き……、

「ゆ、ゆーのくん!?」

……焦りまくったなのはの声に、我に返った。

「う、うわわわわっ! ご、ごめん!」

そう叫んで、ユーのは何時の間にか至近距離まで近付いていたなのはから飛び退こうとする。
と、なのはは、そんなユーノの手を掴んだ。

「……え?」
「……え、えっと……、に、似合ってる……かな?」

そう言ったなのはに、ユーノは思わず本心から頷く。そして、なのははそれを見て、嬉しそうに笑った。

「えへへ……、ありがとう、ユーノ君」

そう、ユーノとなのはが甘い空間を作っていると、

「……なのは、お熱いのはいいんだけどさ、……そろそろ時間なんじゃないの?」

……いきなり美由紀に声をかけられ、2人とも飛び上がる。
全て桃子と美由紀に聞かれ、そして見られていた事に気付き、2人は真っ赤になり……、

「そ、そそそそそ、そうだね! は、早く行かないとね!」
「う、う、うん! い、行こうなのは!」

……慌ててその場から逃げ出した。
居間に取り残され、桃子と美由紀は顔を見合わせる。
……その顔は、2人とも押さえ切れない笑みに包まれていて。

「ねぇ、お母さん。……気付いた?」
「ええ。……でも、なのは達は、向こうに着くまで気付かないんじゃないかしら?」

そう言い合って、桃子と美由紀は笑い合った。
……実際、ユーノとなのはは気付かなかった。2人が、手を繋いでいた事に……。



「……ぅぅぅ……」

みんなについて神社への道を歩きながら、なのはは真っ赤になって膨れる。
集合場所に着くまで手を繋いでいた事に気付いていなかったので、全員に散々からかわれていた。

「……ちょっと、やりすぎたかしらね?」
「……うーん……、そうかも」

そんななのはを見ながら、アリサとすずかがひそひそ話をする一方。

「……興味無いように見えて、やる事はやってたんだよな、このエロノ」
「や、やかましい!」

到着した時に散々弄られた腹いせか、ユーノがクロノを弄っているし、

「……私が……おばさん……かぁ……。……お兄ちゃんとエイミィとの間に子供が出来るってのが嫌なんじゃないよ?
 むしろ嬉しいよ? ……でも……、おばさん……かぁ……」
「フェ、フェイトちゃん、そないに落ち込まんでも……」
「……はやてはいいよね? ヴェロッサさんがいるんだから……」
「こ、この前ロッサには何にもそないな感情無いって言うたやん!」
「……あんな誤魔化し方で誤魔化せるの、なのはぐらいだよ、はやて」

おばさんになると言う事に落ち込んだフェイトが、何故かはやてを弄り出している。
そんな混沌とした状況の中で、メンバーの中で1番年上のエイミィが口を開いた。

「……ほら! みんな落ち着いて!」

その声に、その場の全員が我を取り戻す。
と、そのタイミングを見計らったのか、なのはがつつつ、とユーノの横に近付いた。

「……ん? どうしたの? なのは」
「え!? な、何でも無いよ!?」

ユーノがそう聞くと、なのはは飛び上がり、慌てて離れる。
しかし、しばらくすると、またつつつ、とユーノに近付いて行く。
そして、ちらちらとユーノの顔を見ては、その度になのはは顔を赤くする。
そんななのはに、ユーノは首を傾げていた。

そうこうしているうちに、8人は神社に到着する。
境内に溢れる人ごみを見て、クロノは一瞬げんなりした表情をして、口を開いた。

「……この人ごみじゃ、はぐれそうだな……」
「それなら、はぐれたらここに集合って事でいいんじゃない?」

そうエイミィが言うと、クロノはそうだな、と頷く。
そんな2人を見て、はやてがにやにやしながら言った。

「おー……、さすがに結婚しとったら、息の合い方も違うな……」
「……どーだ、恐れ入ったか!」

しかし、からかうつもりで言った言葉に素で返され、はやては言葉に詰まる。
そんな事をしながら、8人は人ごみの中に入って行き、

「……うにゃあっ!?」

……しばらくして、突然なのはのそんな悲鳴が聞こえ、ユーノは振り向く。
すると、なのはが別の方向へ向かう人の流れに捕まり、流されかけていた。

「……なのは!」

慌ててユーノはなのはの手を掴むが、そのままユーノも流れに飲み込まれる。
何とか抜け出そうとしばらくもがいていると、林の入り口で何とか解放される。
ユーノはほっと溜息を吐き、なのはを振り向き……、
……一瞬だけ凍り付き、慌ててなのはを林の中に引っ張り込んだ。

「ゆ、ゆ、ゆ、ゆーのくん!?」

そのユーノの行動に、なのはは何かを想像してしまい、真っ赤になる。
そんななのはを引っ張って、ユーノは林のある程度奥まった所まで行き……、
……何故か後ろを振り向かないまま、口を開いた。

「な、なのは。……ここなら、大丈夫だからさ。……その……、服、直して」
「にゃ?」

そう言われ、なのはは自分の身体を見下ろす。
……人ごみで揉みくちゃにされ、なのはの着物は、胸の先端がみえるかどうかまではだけていて。

「……き……、きゃーっ!」

そう叫んで、なのはは慌てて着物を整えた。

「……見られた……、見られたぁ……」

そう呟きながら、真っ赤になってへたり込むなのは。
以前温泉で1回全てを見せているのだが、それから5年も経つと、やっぱり恥ずかしさは違って。
しかも、ユーノが人だと言う事すら知らなかったあの時とは状況も大違いで。

「……ぅぅぅ……」
「な、なのは? ……えっと……その……」

何とかなのはを宥めようと、ユーノはなのはの肩に手をやり……、
……その瞬間、なのはが急に顔を上げ、ユーノは面食らった。

「……から」
「え?」
「ユーノ君に、せ、責任、取ってもらうから!」
「せ、責任って何っ!?」

顔を上げたと思うと、顔を真っ赤にしてそう叫んだなのは。
そんななのはに、ユーノは混乱しながらも、何とか聞く。
と、

「わ、私、もうお嫁さんに行けなくなっちゃったんだから! だからユーノ君に貰ってもらうのーっ!」
「ち、ちょっとーっ!?」

予想の遥か斜め上を行くなのはの叫びに、ユーノもパニックに陥った。
しかし、

「(……あれ? 待てよ? ……これって、ひょっとして大チャンス?)」

冷静になって考えて見れば、なのはの事が好きなユーノにとって、別に不都合な事は何も無くて。

「……いいよ」
「……にゃ?」
「……いいよ。責任取ってあげる」

そう言ってユーノがなのはを抱き締めると、なのはは飛び上がる。
そんななのはの耳元に唇を寄せて、ユーノは囁いた。

「……でも、なのは。本当にいいの? 僕が責任取って」
「……好……きじゃ……なかったら……、こんな事言わないよぉ……」

そう蚊の鳴くような声で言ったなのはが可愛くて、愛しくて。
ユーノはなのはを抱き締める腕の力を増した。



……その後、完全に存在を忘れていたフェイト達6人に、ユーノとなのはがたっぷり頭を冷やされたのは、また別のお話。



著者:38 ◆KHEtQ2j5Nc

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