最終更新: nano69_264 2010年03月04日(木) 20:19:26履歴
817 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/01/20(水) 21:00:10 ID:owFMmpEQ
818 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/01/20(水) 21:01:14 ID:owFMmpEQ
819 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/01/20(水) 21:02:01 ID:owFMmpEQ
ガリューとお話がしてみたい。
それが、ルーテシアの密かな願い。
そりゃあ、ガリューの召喚主なのだから、ガリューの言いたいことはわかる。というか、何となく想像できる。
だけど、それだけじゃあ駄目なのだ。
ルーテシアは、ガリューの言いたいことがわかるようになりたいわけではないのだ。それならとっくに達成している。
ルーテシアは、ガリューと「お話」がしたいのだ。
いっぱいお話がしたい。そしてお礼を言いたい。
「ありがとう」と。
「守ってくれてありがとう」と。
「一緒にいてくれてありがとう」と。
そしてお話を聞きたい。
ゼストのこと。アギトのこと。メガーヌのこと。ナンバーズのこと。ドクターのこと。
そして、ガリューのこと。
「お話……できたらいいのに」
ガリューはいつものように何も言わず。だけど、ルーテシアの横にしっかりと立っている。
見上げるルーテシア。
と、その身体が宙に浮く。
ルーテシアは、自分の身体が持ち上げられていると知った。そして、ガリューの肩に乗せられる。
「うん」
しっかりと、ガリューの頭を抱きしめるルーテシア。
ごつごつとした、甲殻類の頭。血の通わない冷たい殻のはずなのに、何故かガリューは温かい。
ルーテシアにとっては、ガリューはとっても温かい。
ガリューとお話がしてみたい。それが、ルーテシアの願い。
だから、エリオは頭を捻っていた。キャロも一緒に考えている。
キャロにもルーテシアの気持ちはよくわかるのだ。ただし、キャロ自身はフリードとは会話ができる。
ルーテシアは高レベルとはいえ一介の蟲召喚士だが、キャロは龍の巫女である。タダの龍召喚士とは違うのだ。
どちらかと言えば、ルーテシアの気持ちがわかるのはエリオのほうかも知れない。
エリオはフリードの言いたいことが何となくわかるが、会話ができるわけではないのだ。
ところが三人の望みは、ひょんな方向から叶う事になる。
「バグリンガル?」
それは、ユーノが持ってきたロストロギアの名前である。
「第19管理世界サナダムの遺跡で発見されたモノでね。蟲タイプの生命体との会話が可能になるコミュニケーションツールらしいんだ」
「そんなモノがあったんですか」
「それでね」
と、ユーノを連れてきたフェイトが会話を続ける。
「実験をしたいんだけど、高レベルの蟲召喚士が管理局にはいないんだ」
蟲召喚は微妙である。ルーテシア、あるいはメガーヌレベルならいざ知らず、低レベルでは使えないことこのうえないのだ。
そのため、自ら望んで蟲召喚士になる者は殆どいない。生まれつきの適正を持った者ですら、避けようとするのが現状なのだ。
「それでね」
今度はなのはが話を引き取る。
「ルーテシアに協力をお願いできないかと思って」
「エリオたちからルーテシアに頼んでみてくれないかな」
渡りに船とはこのことである。エリオとキャロは一も二もなく頷いた。
なのはとフェイト、ユーノ。そしてエリオとキャロがルーテシアの自宅を訪れる。
ルーテシアは通信一回であっさりと協力を申し出た。
……ガリューとお話できる!
もちろん、他ならぬエリオとキャロからの依頼なのだから、よほどの無理でない限りはほぼ協力を申し出ていただろう。
だというのに今回はさらに自分の望みまで叶うのだ。これで協力しないわけがない。むしろ、協力させて欲しいと言いたいくらいだ。
だからルーテシアは二つ返事で協力することにした。
「久しぶりだね、ルーテシア」
「……ハラオウン執務官」
「今日は執務官じゃなくて、エリオたちの保護者として来てるの。だから、フェイトで良いよ」
「あ、フェイトちゃんだけずるい」
「なのはは、無限書庫長のユーノの護衛でしょう? お仕事お仕事。ね、高町一等空尉」
「ぶぅ」
頬を膨らませてみせるなのはに、思わずルーテシアは笑ってしまう。
それが緊張を解く手段だとわかっても、騙されたという想いはない。それだけ、フェイトとなのは、そしてエリオ、キャロ、ユーノを含めだ一行の関係は自然だった。
エリオとキャロがこれだけ信頼している相手なら、ルーテシアが信頼できないわけはないのだ。
「じゃあ、バグリンガルをセットするよ」
ルーテシアの指示でガリューはおとなしくしているというものの、それでもユーノはややおっかなびっくりの様子で首輪をセットする。
「ルーテシア。これで、ガリューの話す言葉がこの画面に出てくるんだ」
首輪に繋がったディスプレイをユーノは示す。
ルーテシアは、緊張した面持ちで一歩ガリューに近づいた。
最初は何を話すべきか。これが、最初の第一声なのだ。ガリューとの初めてのお話の。
「あの……」
どうしよう。何を話せば良いんだろう。
「……ガリュー」
そうだ。緊張なんていらない。今までだって話しかけてきたはずなのに。
だから、一番聞きたいことを素直に聞けばいい。
ルーテシアは自分に言い聞かせていた。
そのとき、首輪に繋がったディスプレイに文字が浮き上がる。
『主……?』
瞬間、ルーテシアは反射的に尋ねていた。
「ガリュー……ずっと……一緒?」
『主が望む限り、我は主と共に』
「……ありがとう……ガリュー」
フェイトとなのはは顔を見合わせ、どちらからともなく頷く。
ユーノはうんうんと何度も頷く。
エリオとキャロは、まるでわがことのように喜んでいた。
ガリューは、ルーテシアと共にいたいと言う。
そしてルーテシアは、これまでの空白を取り返そうとでも言うように、ガリューにたくさん話しかけていた。
これまでも話しかけたことはあるのだろうが、ちゃんとした返事が返ってくるのは初めてなのだ。
「ねえガリュー」
なのはは、エリオとキャロがルーテシアを祝福する隙に、ガリューに話しかけていた。
ガリューとルーテシア。
ただの主従ではない、それくらいは見ていてわかる。ガリューの献身は、ただの主従を越えている。
その関係は、フェイトとエリオやキャロ、はやてとヴォルケンリッター、それとも、自分とヴィヴィオのような?
「ガリューは、ルーテシアと一緒にいたいんだよね」
『そうだ』
「何のために?」
主だから? それとも友情? 娘のように思っているとか?
『我の望みは……』
「うん」
ガリューの視線が、ルーテシアに向けられる。
『主との交尾』
「ディバインバスター!!!!!!!!!!」
その後、
「酷いよ、なのは。ガリューの気持ちも考えてあげて。面倒を見てた小さな子が成長したら手を出したくなるのは仕方ないよ。
むしろ、手を出すために面倒見るよ。大きくなるまで待ちきれないよ! ……違うよ? エリオの事じゃないよ?」
フェイトさんもディバインバスターを喰らいました。
著者:野狗 ◆NOC.S1z/i2
818 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/01/20(水) 21:01:14 ID:owFMmpEQ
819 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/01/20(水) 21:02:01 ID:owFMmpEQ
ガリューとお話がしてみたい。
それが、ルーテシアの密かな願い。
そりゃあ、ガリューの召喚主なのだから、ガリューの言いたいことはわかる。というか、何となく想像できる。
だけど、それだけじゃあ駄目なのだ。
ルーテシアは、ガリューの言いたいことがわかるようになりたいわけではないのだ。それならとっくに達成している。
ルーテシアは、ガリューと「お話」がしたいのだ。
いっぱいお話がしたい。そしてお礼を言いたい。
「ありがとう」と。
「守ってくれてありがとう」と。
「一緒にいてくれてありがとう」と。
そしてお話を聞きたい。
ゼストのこと。アギトのこと。メガーヌのこと。ナンバーズのこと。ドクターのこと。
そして、ガリューのこと。
「お話……できたらいいのに」
ガリューはいつものように何も言わず。だけど、ルーテシアの横にしっかりと立っている。
見上げるルーテシア。
と、その身体が宙に浮く。
ルーテシアは、自分の身体が持ち上げられていると知った。そして、ガリューの肩に乗せられる。
「うん」
しっかりと、ガリューの頭を抱きしめるルーテシア。
ごつごつとした、甲殻類の頭。血の通わない冷たい殻のはずなのに、何故かガリューは温かい。
ルーテシアにとっては、ガリューはとっても温かい。
ガリューとお話がしてみたい。それが、ルーテシアの願い。
だから、エリオは頭を捻っていた。キャロも一緒に考えている。
キャロにもルーテシアの気持ちはよくわかるのだ。ただし、キャロ自身はフリードとは会話ができる。
ルーテシアは高レベルとはいえ一介の蟲召喚士だが、キャロは龍の巫女である。タダの龍召喚士とは違うのだ。
どちらかと言えば、ルーテシアの気持ちがわかるのはエリオのほうかも知れない。
エリオはフリードの言いたいことが何となくわかるが、会話ができるわけではないのだ。
ところが三人の望みは、ひょんな方向から叶う事になる。
「バグリンガル?」
それは、ユーノが持ってきたロストロギアの名前である。
「第19管理世界サナダムの遺跡で発見されたモノでね。蟲タイプの生命体との会話が可能になるコミュニケーションツールらしいんだ」
「そんなモノがあったんですか」
「それでね」
と、ユーノを連れてきたフェイトが会話を続ける。
「実験をしたいんだけど、高レベルの蟲召喚士が管理局にはいないんだ」
蟲召喚は微妙である。ルーテシア、あるいはメガーヌレベルならいざ知らず、低レベルでは使えないことこのうえないのだ。
そのため、自ら望んで蟲召喚士になる者は殆どいない。生まれつきの適正を持った者ですら、避けようとするのが現状なのだ。
「それでね」
今度はなのはが話を引き取る。
「ルーテシアに協力をお願いできないかと思って」
「エリオたちからルーテシアに頼んでみてくれないかな」
渡りに船とはこのことである。エリオとキャロは一も二もなく頷いた。
なのはとフェイト、ユーノ。そしてエリオとキャロがルーテシアの自宅を訪れる。
ルーテシアは通信一回であっさりと協力を申し出た。
……ガリューとお話できる!
もちろん、他ならぬエリオとキャロからの依頼なのだから、よほどの無理でない限りはほぼ協力を申し出ていただろう。
だというのに今回はさらに自分の望みまで叶うのだ。これで協力しないわけがない。むしろ、協力させて欲しいと言いたいくらいだ。
だからルーテシアは二つ返事で協力することにした。
「久しぶりだね、ルーテシア」
「……ハラオウン執務官」
「今日は執務官じゃなくて、エリオたちの保護者として来てるの。だから、フェイトで良いよ」
「あ、フェイトちゃんだけずるい」
「なのはは、無限書庫長のユーノの護衛でしょう? お仕事お仕事。ね、高町一等空尉」
「ぶぅ」
頬を膨らませてみせるなのはに、思わずルーテシアは笑ってしまう。
それが緊張を解く手段だとわかっても、騙されたという想いはない。それだけ、フェイトとなのは、そしてエリオ、キャロ、ユーノを含めだ一行の関係は自然だった。
エリオとキャロがこれだけ信頼している相手なら、ルーテシアが信頼できないわけはないのだ。
「じゃあ、バグリンガルをセットするよ」
ルーテシアの指示でガリューはおとなしくしているというものの、それでもユーノはややおっかなびっくりの様子で首輪をセットする。
「ルーテシア。これで、ガリューの話す言葉がこの画面に出てくるんだ」
首輪に繋がったディスプレイをユーノは示す。
ルーテシアは、緊張した面持ちで一歩ガリューに近づいた。
最初は何を話すべきか。これが、最初の第一声なのだ。ガリューとの初めてのお話の。
「あの……」
どうしよう。何を話せば良いんだろう。
「……ガリュー」
そうだ。緊張なんていらない。今までだって話しかけてきたはずなのに。
だから、一番聞きたいことを素直に聞けばいい。
ルーテシアは自分に言い聞かせていた。
そのとき、首輪に繋がったディスプレイに文字が浮き上がる。
『主……?』
瞬間、ルーテシアは反射的に尋ねていた。
「ガリュー……ずっと……一緒?」
『主が望む限り、我は主と共に』
「……ありがとう……ガリュー」
フェイトとなのはは顔を見合わせ、どちらからともなく頷く。
ユーノはうんうんと何度も頷く。
エリオとキャロは、まるでわがことのように喜んでいた。
ガリューは、ルーテシアと共にいたいと言う。
そしてルーテシアは、これまでの空白を取り返そうとでも言うように、ガリューにたくさん話しかけていた。
これまでも話しかけたことはあるのだろうが、ちゃんとした返事が返ってくるのは初めてなのだ。
「ねえガリュー」
なのはは、エリオとキャロがルーテシアを祝福する隙に、ガリューに話しかけていた。
ガリューとルーテシア。
ただの主従ではない、それくらいは見ていてわかる。ガリューの献身は、ただの主従を越えている。
その関係は、フェイトとエリオやキャロ、はやてとヴォルケンリッター、それとも、自分とヴィヴィオのような?
「ガリューは、ルーテシアと一緒にいたいんだよね」
『そうだ』
「何のために?」
主だから? それとも友情? 娘のように思っているとか?
『我の望みは……』
「うん」
ガリューの視線が、ルーテシアに向けられる。
『主との交尾』
「ディバインバスター!!!!!!!!!!」
その後、
「酷いよ、なのは。ガリューの気持ちも考えてあげて。面倒を見てた小さな子が成長したら手を出したくなるのは仕方ないよ。
むしろ、手を出すために面倒見るよ。大きくなるまで待ちきれないよ! ……違うよ? エリオの事じゃないよ?」
フェイトさんもディバインバスターを喰らいました。
著者:野狗 ◆NOC.S1z/i2
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