296 名前:二つの未来 44 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/09/14(日) 22:32:23 ID:x8Ndqqvi
297 名前:二つの未来 45 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/09/14(日) 22:33:18 ID:x8Ndqqvi
298 名前:二つの未来 46 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/09/14(日) 22:34:01 ID:x8Ndqqvi
299 名前:二つの未来 47 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/09/14(日) 22:34:49 ID:x8Ndqqvi
300 名前:二つの未来 48 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/09/14(日) 22:35:34 ID:x8Ndqqvi
301 名前:二つの未来 49 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2008/09/14(日) 22:36:57 ID:x8Ndqqvi

「嘘でしょ…ナーノまで…。」

帰ってきたジェイル=スカリエッティの送り込んだ怪人によって…ナーノまでもが
意識不明の重体(別の意味で)にされてしまい…なのはは愕然とするしか無かった。

クアットロとヴィヴィオに運ばれて来たナーノを診察した医師から、なのはは
ナーノの容態について知らされる事となる。

「身体的には何ら外傷の類はありません。問題なのは精神面です。」
「精神面…?」
「そうです。あえて例えるなら…死んだ方がマシ…とでも思える様な凄く恥かしい体験を
してしまったとか…そういう心の傷のせいで彼自身の心が目覚める事を拒んでいるのです。」
「そんな…先生! ナーノは…ナーノは目を覚ますんですか!?」
「申し訳ありません…身体的な外傷ならば何とかできますが…心の傷までは…。
もはや…ナーノ君自身が自分の力で立ち直る事を祈る他はありません…。」
「………………。」

医師から申し訳無さそうに頭を下げられ…なのはは何も言う事が出来なかった。

そして、病室で未だ目を覚まさぬユーノの隣のベッドで寝かされたナーノを
なのははイスに座った状態でただただ見つめていた。

「ティアナ達やユーノ君に続いて…ナーノまで…どうして…こんな…。」

なのはは涙するしか無かった。自分の周囲の大切な人が次々と意識不明の重体に
されていく現実に…とても耐えられる物では無かったから…。

「ナーノ…一体どんな…どんな恥かしい目に遭ったと言うの…?」

なのはは未だ意識を取り戻さぬナーノに優しく語り掛けるが…なのはは知らなかった。
ナーノが意識不明の重体(別の意味で)されてしまった理由…。帰ってきたジェイル=スカリエッティの
送り込んだ改造人間『ガチホモ怪人・あべオトコ』の巨根によって穢れ無き尻菊を深々と掘り込まれ…
さらには射精の勢いでペットボトルロケットのごとく宙を舞ったと言う事実。ナーノの尻菊の
奥へ発射されたあべオトコの濃い精液はナーノの体を逆流し…口の中まで真っ白に汚す程の
凄まじい物だったと言う。だが…本当にナーノにとって恥かしかった事…それはヴィヴィオと
クアットロと言う二人の女性に、下半身裸の自分がM字開脚された状態であべオトコに尻を掘られる…
その様な光景を目の当たりにさせられてしまった事…それがナーノにとって耐え難い程恥かしくて…
自ら心を閉ざす最大の原因となっていた…。

「ナーノを病院に運んだのはヴィヴィオと…何故かクアットロと聞いたけど…
私の背後で腹立てたくなる位ニヤ付いてるクアットロは別として…ヴィヴィオは
一体何処へ言ったのかな…。」

なのははふとヴィヴィオの事が気になった。ナーノを病院まで運んでくれた事について
礼を言いたかったし、何より今と言う状況ではヴィヴィオもまた標的にされてしまいかね無い。
だからこそヴィヴィオの事が心配なのだったが…

「陛下なら〜もう帰っちゃいましたよ〜? 何でもなのはさんにあわせる顔が無いんですって〜!」
「もしかしてナーノを助けられなかった事について責任を感じてるとか? そんな事無いよ。
ナーノを病院に運んで来てくれただけでも礼を言いたい位なのに…。って言うかヴィヴィオの事
陛下なんて呼んじゃダメだよ!」

なのははやや困り顔で言うが…クアットロは態々なのはの正面に回りこみ、
腹が立つ程の笑みを向けて…言い放った。

「いや〜? そういう事じゃありませんよ〜? だって〜陛下はナーノ君の事を
疎ましく思ってて〜なのはさんの見て無い所でこっそり苛めてたんですよ〜?
私が止めなかったら〜陛下はナーノ君を大怪我させてたかも〜。」
「そういう冗談はやめてくれないかな? ヴィヴィオはそんな事しないよ。」
「それがしてたんですね〜ハイ〜。陛下はなのはさんと血が繋がってないから
ちゃんと血の繋がったナーノ君の存在が面白くないんですって〜。」
「やめて…。」
「自分は血じゃなくて心で繋がってるから〜って陛下は自分こそ正統ななのはさんの
子供だと〜まだ幼いナーノ君に暴力振るって追い出そうとしたんですよ〜?」
「いい加減にして…。」

やや俯きながら小声で言うなのはだが…クアットロはそんな悲痛ななのはの
姿が面白おかしくて…さらに真実を告げ続けるのである。

「陛下ったら〜もう背だってなのはさんをとっくに越しちゃった位に立派な大人なのに〜
まだなのはママなのはママって〜お笑いですよね〜。でも〜そんな事知られたら〜
なのはママがお怒りになるのは陛下だって分かってらっしゃって〜だからこの通り〜
ここにも顔を出さずに何処かに逐電しちゃったってワケ〜。」
「いい加減にしてって言ってるの!!」

なのはは思わず怒鳴り、右足で強く音が鳴る程にまで床を叩き踏んだ。

「冗談はいい加減にして! ヴィヴィオはそんな酷い事する様な子じゃない!」
「冗談じゃありませんよ〜本当ですよ〜。」
「うるさいうるさいうるさい!!」

病室では静かにしなければならない事をすっかり忘れ…なのはは大声で叫び続けた。
なのははクアットロの言う事が信じられなかった。いや…信じたくは無かった。
確かになのははユーノとの間にナーノを産み…大切に育てた。しかし、だからと言って
ヴィヴィオの事を疎かにした覚えは無い。ナーノは確かに大切な子だが…
それはヴィヴィオも同様。ヴィヴィオもまた立派な我が子として愛していた。
少なくともなのはは…

「もう帰って!! 貴女みたいな酷い女はもうここには来ないで!!」
「酷い女なんて〜。それ私にとっては褒め言葉ですよ〜? でも〜私がさっき言った事は
全部真実ですからね〜。陛下はナーノ君の事が邪魔なんですって〜。そこだけは
忘れないで下さいね〜?」

なおも腹が立ちそうな笑みを浮かべ、クアットロは去って行ったが…
なのははやるせなかった。

「そんな事無い…ヴィヴィオはナーノを邪魔に思ったりする様な…そんな酷い子じゃない…
そうだよね…そうだよね…ヴィヴィオ…。」

なのははヴィヴィオを信じた。なのはが血の繋がりに関係無くヴィヴィオを愛した様に、
ヴィヴィオもまた血の繋がりに関係無く弟のナーノを大切にしてると…
クアットロが言う様な、ナーノに嫉妬する様な心の狭さは無いと…信じた。

一時した後、ナーノ意識不明を知ってかクロノやヴァイスを初めとする管理局の男性陣が
病室に駆け付けて来た。

「スカリエッティの送り込んだ怪人にナーノが意識不明にされたと言うのは本当か!?」
「う…うん…。」

クロノの問い掛けになのはは気不味い顔で頷き、クロノ達は静かに怒りの炎を燃やしていた。

「フェレットもどきならともかく…こんな小さな子まで狙うなんて…許せん…。」
「ナーノ君の仇は俺達が必ず討ってやりますよ!」
「ありがとう…そんなにまでナーノの事を想ってくれるなんて…ナーノは幸せだね…。」

なのははクロノを筆頭とする男性陣がこの上無く頼もしく思えた。
夫であるユーノが目を覚まさぬ今、頼りになるのは彼等しかいないから…
そこでヴァイスがなのはに訪ねた。

「所で…ナーノ君は本当に目を覚まさないんですか?」
「う…うん…。」

なのはは気まずい顔で頷く事しか出来ない。なのははナーノがどの様な経緯で意識不明になったのか
分からないし、意識を戻す方法も分から無いからだ。しかし…

「ナーノを目覚めさせる方法なら…ある!」
「え!?」

そう言ったのはザフィーラだった。そして普段見せている狼としての姿から人間の姿へと変身する。

「あれがザフィーラの人間形態…初めて見る…。」
「中々良い身体してますね…。」
「ウホッ…。」

ザフィーラが人間の姿にもなる事が出来ると話には聞いていても、それを直接見た事が無かった
ヴァイスやヴェロッサ、グリフィスは驚くばかりだったが…ザフィーラはゆっくりと
ナーノの眠るベッドへ歩み寄る。

「本当に…本当にナーノを目覚めさせる方法を知っているの!?」
「無論だ。古代ベルカの守護獣たる私を信じろ。」
「………………。」

ザフィーラの力強い言葉に誰もが緊張し、黙り込んだ。そう、彼は古代ベルカの時代から
幾多の主に仕えて来た守護獣なのだ。だとするならば、今のナーノを目覚めさせる方法を
知っていてもおかしく無い。だからこそ…皆はザフィーラを信じた。

「…………………。」

皆が緊張の眼差しで見つめる中…ザフィーラはナーノへゆっくりと顔を近付け…その唇に…

「ちょっと何をしてるの!?」

嫌な予感を感じたなのはは思わずザフィーラを突き飛ばしていた。

「何をする!?」
「何をするって! そっちこそ何をする気だったの!? ナーノにキスするつもりだったでしょ!?」
「何!?」

ザフィーラの行動を知ったクロノ達もまたザフィーラを睨み付ける。

「違う! これこそナーノを目覚めさせる方法だったのだ! ほら…良く言うでは無いか。
眠り姫を目覚めさせるのは王子様のキスしか無いと…。」
「馬鹿―――――――――――!!」
「うごぉぉぉ!!」

なのはの怒りの鉄拳がザフィーラを壁まで吹飛ばしていた。まさに母は強しである。

「まったく…古代ベルカの守護獣が聞いて呆れますよ。今はそんなふざけている場合じゃ無いでしょうに。」
「そうだそうだ。ヴァイスの言う通りだ。」

真面目にザフィーラを注意するヴァイスに皆も賛同するが、今度はヴァイスがナーノに唇を近付け始め…

「そもそも眠り姫を目覚めさせる王子様は俺みたいないい男で無いと…。」
「ふざけるなぁぁぁ!!」

今度はなのはの鉄拳が届く前にクロノ・ヴェロッサ・グリフィスの三人がヴァイスを引き放していた。

「ふざけるな! こんな時に何を馬鹿な事をやってるんだ!」
「そうだそうだ! クロノ提督の言う通り!」
「ナーノを目覚めさせられるのは僕のキス以外には…。」
「クロノ君まで!?」

今度はクロノがナーノにキスしようとし…なのはは絶望した。しかし…それはまだ序の口だった。

「クロノ提督ふざけないで下さい! ナーノ君を目覚めさせるのは僕のキス以外にあり得ません!」
「いえ! 僕ですよ!」
「そんな…二人まで…。」

ヴェロッサやグリフィスまでもがナーノにキスしようとし始め、なのはは恐怖を通り越して呆れてしまった。
そして初めて気付く。クロノ達男性陣が駆け付けて来たのはナーノが心配しての事では無く、
この様にナーノに対して下心があっての事だったのだと。だが、なのはがこうしている間にも
クロノ達はナーノの取り合いを始めてしまっていた。

「ナーノの唇を奪うのは僕だ!」
「いえ! 僕ですよ!」
「僕は提督だぞ! この中で一番階級が上なんだぞ!」
「そんなの関係ありませんよ!」

もはや今となってはその場にいる全員が敵同士だった。それだけナーノが彼らに好かれている事を
意味しているのだろうが…なのはには気持ち悪くて仕方が無かった。ナーノは確かに父ユーノ同様に
女性的な顔をしているが、あくまでも男の子だ。それなのに…同じ男のクロノ達がナーノに
狂った様に迫るのが…信じられなかった。

「なら俺はナーノ君のケツを狙い撃ちさせてもらいますよケツ!」
「負けるか! ならば私はナーノのチ○ポを嘗め回す!」

挙句の果てにはヴァイスとザフィーラまでもが蘇生し、ヴァイスは尻を掘ろうと、ザフィーラは
フェラチオをしようとナーノの穿いていたズボンとパンツを下ろそうとする始末。
もうなのはは我慢出来なかった。

「いい加減にしてぇぇぇ!!」

なのはは叫んだ。病室では静かにしなければならないのだが…その規則を忘れてしまう程…
なのはは怒りに狂っていた。そしてナーノに纏わり突いていた男達からナーノを引き剥がし、
力一杯抱き締める。

「みんないい加減にして! 一体何を考えてるの!? ナーノは皆の性欲を満たす
人形なんかじゃないんだよ! それにナーノは男の子なんだよ!
なのにどうして…どうして同じ男のクロノ君達がナーノにそんな事するの!?」

なのはは未だ目を覚まさぬナーノを抱き締め、涙をボロボロと流しながら叫んだ。

「それにクロノ君! 貴女にはエイミィさんがいるじゃない! なのに…なのに…。」

既に妻子がいるクロノまでもがナーノに嫌らしい事をするのがなのはには悔しくて悔しくて
仕方が無かったが…

「なのはは知らないだろうが…これは管理局の宿命なんだ。」
「え…?」

真面目な表情で語り始めたクロノになのはは思わず黙り込む。

「僕は…今のナーノと同じ位の歳の頃に…グレアム元提督にケツ処女を奪われた。
ナーノの父親のフェレットもどきも…本格的に無限書庫に勤める様になった初日に…
歓迎会と称して既にいた男性司書達からの乱交を受けている。」
「え…。そんな…ユーノ君…まで…?」

なのはの顔は真っ青になった。ナーノだけじゃない。クロノや夫ユーノまでもが
男同士の愛を受けた経験があったと言う事実に…

「他の皆もそうだ! 昔君が僕の義妹と百合っていた様に、男同士でも色々あったんだ!
これが…これが管理局の古くからの伝統なんだよ!」

クロノは力強くそう訴えるが…

「クロノ提督…俺…そういう経験無いんですけど…。」
「それはお前に男としての魅力が無いからだ。」
「そ…そんな…。」

ヴァイスはクロノやユーノと違って他の男からそういう事をされた経験は無かったらしく、
それがまるで悪い事の様に言われて戦意喪失してしまっていた。

「分かったか? 確かにナーノがこんな事されてしまっては母親としてショックだろうが…
それだけナーノが魅力的と言う事なんだ。それは母親として誇っても良い事なんじゃないか!?」
「こんな形でナーノが持てたって…私は嬉しく無いよ!! もう皆帰って!!
二度とナーノに近寄らないで!! 皆ナーノの前から消えてぇぇぇぇ!!」

なのははレイジングハートを構え、クロノ達に向けた。なのはは悔しかった。
例え男同士の愛情が管理局の伝統だとしても、ナーノに嫌らしい事をして良い理由にならない。
それも今のナーノは意識を失っている状態なのだ。もしナーノが正気なら…絶対泣いている。
泣いてなのはに助けを求めている。だからこそ、なのはは母親としてナーノを守る。
ナーノをホモレイプしようとする男達から…何としても守るつもりだった。

「帰って! みんなナーノの前から消えて! じゃないと撃つから! 私が撃つからぁ!」
「うわ! やめろなのは! 落ち着け! 落ち着けぇぇぇ!!」

クロノ達を病室から追い出した後も…なのははレイジングハートを構えたまま仁王立ちしていた。

「ナーノは私が守る…私が絶対守ってみせるから!」

                      つづく


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目次:二つの未来
著者:◆6BmcNJgox2

このページへのコメント

なんかとんでもない展開なんですが、それでも最後まで見たいって感じました。

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Posted by 時代遅れの追随者 2009年09月17日(木) 22:41:19 返信

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