686 〜闇の隻眼〜(1/4) sage 2008/03/21(金) 21:53:16 ID:lVmE8zQB
687 〜闇の隻眼〜(2/3) sage 2008/03/21(金) 21:53:48 ID:lVmE8zQB
688 〜闇の隻眼〜(3/3) sage 2008/03/21(金) 21:54:10 ID:lVmE8zQB

 管理局随一のアウトレンジスナイパーことヴァイス・グランセニックは、晴天下の遊園地で大きな生あくびを抑えきれなかった。
季節は日差しの暖かさが心地良い頃ではあったが、一応手の平で口元を隠す彼は、適当なアーミー柄の上下の服装に身を包んでいた。
昨日は夜勤明けで、バイクの調整と睡眠で潰してしまい、挙句徹夜明けの反動で11時間以上寝ているのだから当然であろうか。
そして、休暇の2日目はといえば――向こうの方から2人分のアイスを持ってとてとてとやってくる、妹――
ラグナに引っ張り出されて遊園地に付き合わされていたのであった。
緑の上下と内側の黒が若干大人びて見えるものの、一応実際の年の頃は14ぐらい。
薄い小豆色のショートボブでにっこりと――力を失った色の痛々しい片目は何も変わっていなかったが――微笑んだ。
「はい、お兄ちゃん、アイス買って来たよ〜」
「せんきゅーな」
そして嬉しそうに桜色のまあるい凍った菓子を幸せそうに舐める妹を見て、彼は心の底から仲直りできてよかったな、と想いを新たにしていた。
ヴァイスが彼女の目を誤射した過去と向き合って側にいられるようになったのは、実は、ほんのつい最近のことである。
奇跡の部隊、と呼ばれた機動六課に所属していた彼は、J・S事件で重症を負いかなりの長時間意識を失っていたものの一命は取り止め、
それをきっかけにしてその後の紆余曲折を経て、今こうしてようやくなんとかまともに妹の顔を見ることが出来ていた。
だが――失ってしまった過去に対する悔恨が全て消えてしまう、なんてことがあろうはずがない。
ラグナのこれからの人生を考えれば、勿論全く目が見えなくなったわけではないが、初対面の人に会うたびに違和感を抱かれる事は確実で、
彼のそれほど長いともいえない経験からしても、少なからず嫌な思いをしなければならないことは想像に難くなかった。
それでも隣で心から嬉しそうにしている彼女に、できることはなんでもしてやりたい、というのは紛れも無い本心であったのだが――
この日、この時以降に訪れる展開は彼の予想の範疇を果てしなくどこまでも裏切るものであった。

 すっかり遊び疲れて日も沈んで、お約束とばかりに隣り合って〆の観覧車の中、ぼーっとヴァイスは会話もなく夜景を見つめていたが、
そっとその肘をついていない方の手をラグナに取られた。
「ん?」
「お兄ちゃん、あのね……ありがとう」
「いや、礼を言われるようなことはしてねえって。このぐらいあたりまえだろうが」
視線を逸らして口調とは裏腹に照れているヴァイスの横顔に喜びを感じながら、妹も短く答える。
「うん」
そしてそこで恥らうように頬を染める。
何かを言いたげにしたが、続きを言い澱んだまま俯いた。
「ん?なんだ?」
妹の奇妙な反応に釈然としない表情を浮かべる兄だったが、なかなか答が返ってこない。
「えと……その」
「いいたいことがあるならはっきりいえ。大概のことはしてやっからよ」
そう言って照れて背けられたままの視線に後押しされて、ようやくラグナは本題を切り出す。
「今日は……家に帰りたくない」
「ああ?いやまだ十分レールウェイもあるだろうが。泊まる必要なんざねえって」
腕時計を確認するが、日が落ちたとはいえまだ夕刻といっても差し支えの無い時間。
「うん、そうなんだけど……たまには……ね?」
「いや、いくらなんでももったいねえって」
「お願い、ね?」
じーっとおねだりの瞳で柔らかい声で懇願されて、厳しい拒絶のしようもない。
「う、ぐ……」
「お兄ちゃん……」
切なげな声で呼ばれて、さしものヴァイスも折れる。
元より仲違いの前後では、妹には激甘もいいところの兄であるから、当然といえば当然なのであるが。
「わーったわーった。ただし近場になかったら帰るからな?いいか?」
「うん!」

 果たして探してみれば娯楽施設の例に漏れず、歩いて数分の距離にホテルが存在したわけだが、
世間が連休ということもあり、クラナガン近郊とはいえさほど部屋に空きはなくダブルベッドの部屋のみであった。
兄はそこで当然の如く帰る案を再度持ち出したのだが、妹の今にも泣き出しそうな目に結局勝てず、素直に宿泊することとなった。
だがしかし、この偶然に見える限られた選択肢が計算され尽くしたラグナの目論見通りなどと、このときのヴァイスが夢にも思おうはずがない。
全てが算段通りに運び、片方が壊れた双眸にさらに壊れた光を宿しつつ、薄い小豆色の髪の少女はダブルベッドの上で大の字になっている
兄の隣にそっと寄り添うように腰を下ろした。
「ね、お兄ちゃん……」
「ん?」
そしてそっと顔を見下ろしつつ、どこか薄ら寒く微笑む。
「キスしよっか」
「ば」
慌てて体を起こしたヴァイスは、意味不明なことを言い出した彼女の顔をじっと観察する。
「なに、わけのわかんねーこといってんだ。疲れてんならさっさと寝ろ」
「私とじゃ、いや?」
「いやっつーかお前、実の妹とキスして何が楽しいってんだよ……さっきのアイスに何か変なものでも入ってたっつーのか?」
冗談も含めて誤魔化そうとした兄であったが、否定するように艶っぽく視線を返されて、
挙句壊れた方の瞳に囚われている自分に気づいてこちらは視線を逸らした。
「いや、その……なんだ」
「ね、私可愛くないかな?かな?」
「いや、そんなことはねーけど……」
「嘘だっ!」
「い、いいっ!?」
突然逆切れされてついていけない兄。
「可愛くないから、キスしてくれないんだよね?ね?」
「いや、だからおめー……」
「嘘でしょ?本当に思ってないからできないんだよね?」
「いあ絶対そんなことねーって……本当の本当だって」
「そう?じゃできるよね……?」
そういって瞼を閉じつつ、唇を重ねようとするラグナの肩を慌てて制して止める。
「いや、だからな。確かに何でもしてやりたいと思っちゃいるが、実の兄妹はまずいって」
「そんなことないよ。知らないの?97番管理外世界の日本って言う国は、実の兄妹の神様が交わって作ったんだよ」
「いや、そんな元六課の隊長さんたちの出身世界の話を持ち出されてもな」
「法律でだって禁止されてない。ね、愛して、お兄ちゃん」
「う……で、でもな」
ラグナは再度唇を近づけようとするが、まだ肩に添えられた手が一線を越えさせてくれなかった。
ただその力は先程に比べるとかなり弱っていて、もう一押し、とさらに妖しい輝きを増した瞳で兄を責める。
「ね、私の目、ちゃんと見て」
「う……」
そう言われて一瞬だけ視線を戻したヴァイスだったが、すぐに辛そうに直視できずに外した。
「ね、見て……」
顔を回り込ませて、おでこを合わせる。
否が応でも彼が傷つけた瞳が彼の視界に入った。
「う……」
「ほら……お兄ちゃんが、壊したんだよね。私の目。壊した責任があるよね?」」
「ぐ……」
何かを言おうとしたが声にならない。
しかも艶やかに浮かんだ如何わしい妹の笑顔に惹き込まれて目を閉じる事すらできない。
「でもね、嬉しいんだ。一生治らない傷を、お兄ちゃんは私に刻んでくれたの。私凄く幸せなんだよ。
だから、もっと壊して欲しいの。ううんお兄ちゃんには私を壊す責任があるの。何もかもぼろぼろにする義務があるんだよ。
そして、それが私の一番の幸せなんだよ」
そうして今度こそ瞼を閉じつつ重ねられる唇を終ぞ拒む事ができず、しっかりと唇が食まれた。
為すがままにされる兄は、さらに稚拙に舌を忍び込まされても抵抗すらできず、蹂躙されるがままに任せる。
何度目かの甘い吐息を合間に入れた深いキスが終わると、するすると服を脱ぎだすラグナ。
全裸になると、上目遣いで頬を染めながら、ゆっくりと兄の体を押し倒す。
物の怪に憑かれたかのようにその白く綺麗な裸体を呆然と見つめていたヴァイスに意思を確認することもなく、
ズボンの前の部分をむき出しにして少しだけ大きくなっているそれを取り出すと、遠慮なく薄い桜色の唇が貪りついた。
「く……あ」
いくら血の繋がった兄弟とはいえ、大事な部分をねっとりとした温もりに包まれれば、反応してしまうのも無理はない。
徐々に大きくなっていくそれを、満足げに何度も視姦しながら、何度も何度も妹は唾液を塗りつけていく。
これ以上ないまでに膨れ上がってきたのを確認すると、改めて覆いかぶさりつつ、ラグナは濡れた下半身をそっとそこに触れ合わせた。
そして眼下の兄に対して、全てを奪うように懇願する。
「ね、お兄ちゃん……私、もうこんなになってるんだよ……早く犯して欲しいな……」
「いや、だから……初めてとかそいうのは、好きな人と……」
「私の好きな人はお兄ちゃん、目を奪ったのも、優しくしてくれるのも、初めての人もお兄ちゃんがいい。ね?
私は不幸なんだよ?お兄ちゃんに抱いてもらえなかったら、どうにもならないんだよ。全部が終わっちゃうの。
他に考えられる幸せなんてないから、早く貫いて」
「ら、ラグナ……」
そしてしっかりと秘部をこすり合わせつつ、止めの台詞を甘く耳元で囁いた。
「お・ね・が・い」
「う……うああああああああ」
叫びつつ体の上下を入れ替えると、彼女の体の上で懺悔を繰り返す。
「おれ、おれは、取り返しのつかないことをして、それ、それで、お前の目も見てやれなくて」
「うん、それはもういいの。そんなのはもういいから、早く挿・れ・て」
病んだ罪を責める視力がない眼(まなこ)――病みの責眼――にじっと見つめられ、彼の意思はそこで刈り取られた。
「ああ……」
大切な妹の求めるままに、ゆっくりと中に押し入っていく。
「ぃぁあ……」
痛みすらぞくぞくとした快感に変えながらヴァイスの背中に手を回すラグナ。
「くふ、うふふっ、いたい、いたいよぉ、いいよぉもっとぉ!」
「ぐ……」
そして一気に最後まで貫いた瞬間に、一生に一度の破瓜の激痛に酔いしれて叫ぶ。
「あはぁあああああああっ!」
びくびくと震えながら、さらなる苦痛の愛欲を求めるラグナ。
「早く動いてえっ、もっと痛くしてぇ!」
「はぁ……はぁ……」
心にかかる負荷からか無駄とも思えるほど呼吸を荒くしながら、ただひたすらに彼女の求めるまま、ヴァイスは腰を振る。
「あひ、あひっ」
じゅ、じゅ、じゅ、じゅ……
愛液の絡み合う快感と繰り返される痛みの快楽の中、膣の中に精液を欲し白い肌の少女は上の人の腰を足で挟み込み、完全に逃げ場を奪った。
「なかに、なかにぃ!」
「う、あ……!」
「ああああああああああああっ」
「くおぉ……」
ラグナが果てると同時に、しっかりと繋がったまま体液が注ぎ込まれていく。
ひとしきり放出が終わって、ぐったりと意思を失ったままの瞳の兄の背に腕を回すと、悪魔のように耳元で囁いた。
「今夜は、ずっと一緒だよ」
「ああ……」

 ――うふふ、これでお兄ちゃんは私のもの。
執務官志望のツンデレ女は肉奴隷にでもなってもらおうかな。
生意気なヘリパイロットは2号にすらしてあげないんだから。
うふふ、あはははは、あはははは
お兄ちゃん、


ダ イ ス キ



著者:どっかのゲリラ兵

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