296 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 00:10:46 ID:lzfDSOIc
297 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 00:12:32 ID:lzfDSOIc
298 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 00:14:03 ID:lzfDSOIc
299 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 00:19:35 ID:lzfDSOIc
300 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA[sage] 投稿日:2008/08/26(火) 00:21:49 ID:lzfDSOIc

居心地の良い場所




JS事件からどれほどの月日が流れたのだろう

トーレはうっすらと目を開けた、視線だけ動かす
また床に座り込んだまま眠っていたらしい、体の各部をチェックする
問題は無い、人間のように簡単に硬直するような筋肉の作りではない、彼女の体は戦うためのみを目的に作られたのだ
が、それでも連中や妹達は体を大事にしろと連日煩い、まったくどいつもこいつもおせっかいだ…

独居房用のベッドを見つめる、粗雑に扱われていたわけでは無い、その洗ったばかりの清潔なシーツは
管理局の彼女らに対する扱いが公正である事を物語っている

「………」

戦闘用機人の中でも自分は特にこういう性分らしい
柔らかで居心地の良い場所よりも、冷たく硬い場所に安らぎを覚えてしまう
人間にしても好みがそうだ、同じく捕らえられたナンバーズであったが
個々の反応は明らかに差があった

未だに恭順の意思を示さないドクター、などには共感を感じる
管理局の奴らが言うようにただ洗脳されていたわけではない、自分の意思だ、とトーレは今でも思っている
かたくなな態度で彼ら差し伸べる手をを拒み続けるウーノの気持ちも良く解るし
ある意味、あのクアットロにでさえ共感する部分があったのだ、まったくあの意外な頑固さは新たな発見だった

トーレは当初、あの子なら作り愛想でもして一番に出て行くのだろうと思ったのだが、事実は未だに房の中だ
不器用なのは私と何ら変わらなかった、と言えば怒るだろうか
あの子クアは、それとも嘲笑うだろうか…微妙なところだな…そう思い苦笑した

…だが、だからと言って新しい世界に出て行った他の妹達の事がが嫌いなわけではなかった
ただあの子達は素直に人の親切に心を許せない自分にとってはいささかながら眩しかったのだ


そう今までは

『トーレさん面会の方がおいでになられました』


「……」

頭上から声が降ってきた、トーレは返事をしなかった

数分後

カツン、カツン、小さな足音が近づいてくる、そして彼女の独房の前で止まった

「…どういう風の吹き回しですか?」
「…ああ、悪いな、どうも他に身元の保障を頼めそうな人が他に居なかったのでな」

済まないと思っている、そう言うとトーレは紫の髪を揺らして立ち上がり鋼鉄の境目に近づいた
今でも身に纏うのはあの頃と同じ戦闘用ボディスーツだ
対する女性は小柄な体に白いコートを羽織っていた、今は戦闘用ではない



「今更とは…言いませんが、何故また…急に」

チンクは当惑したように片の目で姉の表情を見上げた、正直姉の心境の変化は嬉しくはあるが
一方で今まで何度翻意を促してもまるで意思を変えなかった姉である
それゆえに警戒感もある、トーレの性格からすると表面を取り付くろいとりあえず出所した後
刹那的な破壊行動、もしくは元6課のメンバーに対しての復讐
…と言うのは考えにくいのではあるが
連絡を受け、突然出たいと言いだした彼女の目的をつかみかねていた

「ああ…」

トーレは穏やかな目で体をさすった

「ちょっと忘れていた事を思し出した、いや思い『出さされた』…かな…」
「……? 『された』」

チンクは聞き直した、外部との接触だろうか…制限されているはずだが…
トーレは伸びをした

「ああ、相当おせっかいな男だったよ…死んだ後までな…」

普段は無口なくせにな…、きゅっきゅっと手をさする姉を
チンクは怪訝そうな目で見つめていた








「あっ……はっ……ぁあっ!…」
トーレは逞しいその背中に爪を立てた

一瞬彼女の中のものが膨張したのが解った、と同時に自分も絶頂に達した

「うっ…ぐっ…!!…」

ドクン、びゅるびゅると熱いものが膣内にほとばしりトーレは呻いた
快感であるのか苦痛であるのか彼女本人にも不分明だった

「うぅっ…うっ…はっ…はっ…」

苦しそうに身じろぎするトーレのあごが上げられた、逞しくごつい男のあごに比べれば
トーレのそれは華奢ですらある

「…んふ…んっ…………」

ぴちゃ、くちゅ

男の舌は熱く蠢き、トーレの舌と絡みトーレはぼうっとした頭で考えた
(らしく…ないな)
普段男まさりで前線で妹達を叱咤する自分からは考えられない痴態
背も高く、トーレは自分を『女』として意識する事などなかった
いや無意識に避けていたのかもしれない
ウーノのような知的で優雅なわけでもない、ドゥーエのような男が皆振り向くような魅惑も無い
そんなコンプレックスから



「あっ!…」

トーレの中のものが再び硬さを増した、どっ、とうつ伏せにされると
後ろから貫かれ喘いだ

だが
この男、ゼストの腕に抱かれた時、そんなコンプレックスはどこかに行ってしまっていた
岩のように大きな肉体、丸太のような腕、太い腰の筋肉
彼女の水準よりかなり高い体を軽々と体重など無いかのように扱い
トーレは少女になったようだった、そして獣のように激しく犯された
体の中心を熱い鉄の棒が暴れまわるような感覚に酔った

「騎士…ゼ…スト…」

ああ!
ひときわ激しく腰がうちつけられ再度熱い白濁を最奥に感じてトーレは白い体を逸らせた






いつからこうなったのか
確かドクターに最初は単独で勝手な行動ばかりするゼストの監視を命じられたのだったか

それがトーレの生来の戦闘に対する興味から、ついこのSランク騎士に手合わせを申し出
そして負けた
何度も負けた、何度も何度も、何度挑んでも
話にならないぐらい彼女とぜストの間には実力に開きがあった、そして訓練を願い出るたび
打ち倒され、ついにゼストに手当てされる事も多くなった

それが男女の関係を持つようになるまでに
さほど時間はいらなかった


「騎士ゼスト…」

トーレはオーガズムの余韻の残る火照った体をゼストの逞しい胸に背をあずけていた
彼の体も灼熱の溶岩のように熱い
だが不快ではない、背にゼストの心音を感じる
彼にも自分の鼓動が聞こえるだろう、太い腕がトーレにかけられていた

「…ん?」
ゼストは声を漏らした、トーレが自分の掌を取り、そっと胸の辺りに当てている
豊満で弾力性に富む、グローブのような大きな手のゼストでも『揉み応え』のある見事な大きさ胸だと言える
それでいて上を向いても形の崩れない
ゼストはチャラチャラした軽い女よりも
トーレのような飾りの無い性格の女性が好きだったし均整の取れた肉付きのよい肉体も好きであった

トーレがいつか自嘲的に「自分は女らしくない、そのような魅力が無い」などと言った
ゼストは一笑に付して
無言で、その体に直接諭した、『お前の体は充分男にとって魅力的である』
ととりわけ自分のような不器用な男にとっては

「騎士ゼスト…」

トーレはゼストの掌を自分の胸に導いた
ゼストはされるがままに任せた、トーレの掌がゼストの掌に重ねられている

「…ゼスト…ゼスト…私は…この…大きな胸が嫌いでした…」
「…………」

ゼストは唐突なトーレの言葉を黙って聞いた、いちいち返事を必要とする類の話ではなさそうだ
たまにこんな事がある、トーレは妹達の手前もあり内に秘めている思いも多いのだ、それがゆえふいに口をつき
独り言のように噴出して話始める事がある
今までは言う相手もいなかったのだろう、相手に選ばれたのは光栄な事だ
言葉に耳を傾ける


「…私はこの無駄に大きなな乳房…が戦闘の邪魔になるたびにドクターに願い出ました…
 『いっそこの邪魔なものを取り払って欲しい』とドクターはいつも笑って却下されました…
              『トーレ、君も大事な私の母体の一つなのだよ』と…」


「………」
「ドクターが…もし死亡なされた場合…」

トーレはとつとつとゼストにスカリエッティの秘密を打ち明けた
あるいはこれはゼストの身の上は知っていたし危険な事かもしれない

だがこれをゼストに聞かせていいのかという迷いより彼女がゼストに話したい衝動が勝っていた
また、おそらく自分はドクターのバックアップとしての重要度は最底辺であろう事
ドクターの想定している『母体』としての候補はウーノ姉かクアットロ辺りであろう事があった

前線で戦う彼女は姉妹の中でも保存先としては危険が多く、破損の可能性が高かったことも手伝った
つまり、…もしこれでゼストに討たれてもドクターにとって私は大した損害ではない




「…だから、ドクターの言う事が形式に過ぎないのが解りました、だからそれからも…ずっと
 依然として私はこの胸が嫌いでした…私がこの胸の機能を『使用』できる日は永遠にこない事が解っていましたから…
  必要の無い…」
ぁっ…

知らず知らず、自嘲的に沈んでいたトーレは小さく声を上げた
ゼストがトーレの胸を柔らかく包みゆっくりとリズミカルに揉み、、乳首を軽く摘んだ

「ぅっ……あの…ゼ…スト」
「…が少なくとも今は役に立っている…少しは好きになれたか?」

しばらくゼストが面白そうに乳房を弄ぶのをトーレは黙って耐えていたが
ふいに振り向きゼストを見上げた、視線が合う、ぴたりとゼストの手の動きが止まった
「貴方は…?」

ゼストはこの男にしては珍しく少しばかり「…む」と言葉を詰まらせた、やがて咳払いするかのように答えた

「…ああ好きだぞ」
トーレは微笑んだ

「…はい、だから今は「これ」を少しだけ好きになれました…だから、たくさん使用して下さいね…無駄にならないように」
「ああ…そうだな…では無駄にならないようにしよう…」

二人は唇を重ねた

「…で…では…その…」

チンクは絶句して姉を見つめた
トーレはチンクを見て、済ました顔でお腹に手を当てた

「ああ…私も迂闊だったんだが…どうもこの中にあの男が居るらしい、先日検査で解った」

まったく親子揃って無口だ、居るなら居るで何とか言えばいいのだが、とか
どうやらドクターが生きてる場合避妊機能は働かないようだな、などとぶつぶつとと言っている

絶句しているチンクがようやく
「…あ…その…何と言うか…おめ、おめでとう…ございます…申し…申し遅れましたが…」
と言った

くっ…
それを見てトーレは噴出し、くくくと耐えかねたように大きく笑い出した、先ほどまで沈みがちに見えた人物とは思えない
やがて笑いを収めると
憑き物が落ちたようなすっきりしたような顔で、ああ、とまたお腹の辺りを撫でた
チンクもまじまじと珍しそうに、未だ妊娠の兆候が外見からは解らない姉の腹部を見た

「で、…まぁそんなわけだ…そういうわけならいつまでも引き篭もっている訳にもいくまい…
  どうやら私は『母』になったらしい、ここの機能も使う事になりそうだ…」

と胸をぽんぽんと叩いた、形のよい大きな胸がぷるんと揺れる、一瞬チンクは微妙な顔つきになったがトーレはそれには気が付かなかった









「ではよろしく手続きを頼む」

「あ、…いや、はい…では早速ゲンヤ殿から所管の…いや…あっ…いや先に病院の手続きが…い、いや…しかし」
チンクはあたふたと軽くパニくっている

これから忙しくなるだろう、トーレはまるで関心の無かった事なので妊婦に対する知識は皆無だった
本を買って、それからセミナーを受けるよう、ギンガだったか…指導教官どのにも面倒をかける事になるだろう
他にもたくさん…む、と、ふと気が付いた

「ん…お前はもう少しそこに居てもいいぞ、聞くところによると…生涯で一番居心地が良い場所だそうだからな」


小さな騎士どの、とトーレは少し笑って付け加えた

トーレは自分のお腹の中で小さなゼストがむっつりと頷いたように見えた

ああ、気の済むまでそこにそこに居るがいい、いざとなれば私が引っ張り出してやるから

鉄格子を見た


私は出よう、もうここから…




おわり


著者:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA

このページへのコメント

トーレさん、お幸せに……。

0
Posted by 時代遅れの追随者 2009年09月17日(木) 21:29:18 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

メンバーのみ編集できます