353 名前:決着! ユノジェイ百連発 1 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2010/03/25(木) 12:16:30 ID:i3a/OhLY
354 名前:決着! ユノジェイ百連発 2 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2010/03/25(木) 12:17:38 ID:i3a/OhLY
355 名前:決着! ユノジェイ百連発 3 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2010/03/25(木) 12:18:55 ID:i3a/OhLY
356 名前:決着! ユノジェイ百連発 4 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2010/03/25(木) 12:20:09 ID:i3a/OhLY
357 名前:決着! ユノジェイ百連発 5 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2010/03/25(木) 12:22:17 ID:i3a/OhLY
358 名前:決着! ユノジェイ百連発 6 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2010/03/25(木) 12:23:21 ID:i3a/OhLY

 天井の蛍光灯に照らされた小さな部屋の中に置かれた椅子の上に座る一人の若い男の姿があった。
彼の名はユーノ=スクライア。無限書庫と呼ばれる大規模書庫の司書長をしている男でもあるのだが…
彼が何故こんな所にいるのかと言うと………

「済まないね。君をこんな狭い所に閉じ込めてしまって。もっと立派な部屋を用意したかったのだが、
こちらも色々と事情があってね。」
「そんな事よりも、態々僕をさらった理由を聞かせて欲しいな。僕に君達が欲しがる様な物は
あるとは思えないのだけどね………ジェイル=スカリエッティ。」

 部屋の中に入って来た白衣の男、ジェイル=スカリエッティと相対するユーノ。
そう。ユーノがこの部屋の中にいたのはジェイルの一派に拉致されたからなのである。

 しかし、ユーノが考える通りジェイルのこの行動には疑問が残る。確かにユーノは
無限書庫の司書長を勤めたりと、優秀な魔導師の内の一人に数える事が出来るだろう。
だが、それもジェイルが評価する様な要因にはなり得ない。ならば何故彼を拉致したのであろうか…

「ふむ。それについてはだな…君に一つ聞きたい事があるのだよ。」
「聞きたい事?」

 同じく部屋の中にあったもう一つの椅子に座るジェイルの言葉にユーノは首をかしげた。
ユーノに聞いておきたい事とは一体どんな事なのだろうか?

「高町なのは君を私に譲ってはくれまいかね?」
「え…?」

 ジェイルの言葉にユーノは思わず首を傾げてしまった。一体何が目的なのかと思えば
何故そこでなのはの名前が出て来てしまうのかと。するとその直後、何とジェイルは
ユーノに頭を下げ始めたでは無いか。

「頼む! この通りだ! 私に高町なのは君を…なのは君を譲ってくれ!」
「ゆ…譲ってって…言われても…。どうしてそこまで…。」

 一体何が狙いなのか分からないユーノは戸惑うばかりであったが、辛うじて問う事にした。

「どうして君はなのはを欲しがるのかい? なのはは確かに優れた魔導師だけど、
君が評価し得る様なレアスキル等の類は持ってないはずだけど…。」
「確かにその通り。しかし、本来リンカーコアを持たぬ種族の出身で、しかも普通の両親の間に
生まれた身でありながら、あそこまで優れた魔導師になるに至ったと言うのは明らかに普通では無い。
そこを調べる事が新たな可能性になり得るのではと思って色々とデータ調べていたらな…その…ほら…なんだ…。」
「ん?」

 当初は余裕たっぷりで語っていたジェイルが突然頬を赤くし始め、言葉も口ごもる様になってしまった。
これにはユーノも不信感を抱いていたのだが、その後で突然ジェイルは二人の間に置かれていた机を強く叩いた。

「良いからなのは君譲ってくれよ! 金なら幾らでも払うから譲ってくれよ!!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 明らかに恥ずかしさ全力全開と言わんばかりで顔を真っ赤にしながら叫んでいたジェイルであったが、
ユーノには何故そこまで必死になるのかが分からなかった。しかし、彼にとっての返答は決まっていた。

「悪いけど僕になのはをどうこうする権利は無いよ。」
「嘘を言いたまえ! 君がなのは君の婚約者である事は既にこちらで掴んでいるんだぞ!」
「はぁ!? 何それぇ!? 誰だよそんな事を言ったのは!」
「え…?」

 初耳と言わんばかりの顔で呆れるユーノに、ジェイルは困惑してしまった。

「そ…それは…本当かね? こちらで手に入れた情報と全く違うんだが…。」
「本当だよ。皆勘違いしてて、勝手に何か期待してるみたいだけど、僕となのははただの友達で
皆が考えている様な事は無いんだ。」
「な…なんと………し…しかし君の目を見ればそれが嘘を付いている事では無い事は分かるが…。」

 ジェイルの情報網では、ユーノはなのはの未来の夫で結婚も秒読み状態に入っている程の関係となっていた。
だからこそジェイルはなのはを手に入れる為にまずユーノを拉致したのであったが、それは周囲が勝手に
勘違いしている事を鵜呑みにした結果であり、実際はこの通りドライな物であった。

「だから僕がなのはをどうこうする権利なんて無いよ。」
「そうか…君の返答次第では君と決闘をしてでもなのは君を手に入れる覚悟をしていたと言うのに…残念だ。」
「け…決闘って…。」

 何か凄くションボリするジェイルにユーノはやや困惑していたが、そこでジェイルは何かの装置の操作を行っていた。

「では…私がなのは君を手に入れてもOKと言う事だな?」
「うん。なのはがそれで良いと言うのなら……ええ!?」

 部屋中にユーノの驚きの声が響き渡った。一体何があったと言うのだろうか?
何とジェイルが先程の装置を操作した際に部屋の壁が忍者屋敷の様に回転し、そこから横たわるなのはが現れたのだ。

「な…なのは!」
「安心しろ。薬で眠っているだけだが傷は付けていない。」

 いきなりベッドに横たわるなのはの姿を見せられて困惑するユーノだが、ジェイルは
なのはの眠るベッドへ歩み寄っていた。

「では…今日からなのは君は私の妻…と言う事で良いのだな?」
「え!?」

 ジェイルはなのはの眠るベッドの上に乗りかかり、そのままなのはの太股を掴んでM字に大きく広げると共に
強く抱きしめようとしていた。

「フッフッフ…これでなのは君が目を覚ました時…どんな反応をするか…見物だな…。」
「ちょっ…ちょっと待てぇぇぇぇぇ!!」

 ユーノの怒りの叫びが部屋中に響き渡った。これにはジェイルも思わずユーノの方を向く。

「一体どうしたのかね? 君になのは君をどうこうする権利は無いのでは無かったのかね?」
「そう…その通りだよ。なのはが皆から離れて君と共に生きる事を選んだと言うのならば
僕は何も言うまい。けれど…君がやっているのはなのはの了解を得ない…ただのレイプじゃないか!
そんな事僕は人として許す事は出来ない!」

 ユーノはジェイルに掴みかかり、そのままなのはから引き剥がしてしまった。
しかし、ジェイルは自分のやろうとしていた事を邪魔されたにも関わらず笑っていた。

「はっはっはっ…これだ…これだ…。私はこの展開を求めていたのだ。やはり君とは決着を付けておかねばならない。
ここで君を倒してこそ私は名実共になのは君の夫として君臨出来るのだ! そして子供も沢山作って
NEWナンバーズとして編成するのだ! はっはっはっはっはっはっ!」
「だからそういう事はなのはの了解を取ってからじゃないとダメじゃないか!
強引になのはをレイプしたってなのはを悲しませるだけだと何故分からないんだ!?
なのはが自分の意思で決めた事なのならば、君と何をしようが僕は何も言わない!
けど実際はなのはの意思を無視したただのレイプじゃないか! そんなの許せない!
僕は許せないんだよ!!」

 ジェイルの笑い声が部屋中に響き渡るが、ユーノは真剣に怒っていた。
彼の言う通り、なのはが自分の意思でジェイルとの結婚を決めたのならば
ユーノは何も言わなかっただろう。しかし実際は薬で眠らせた隙に犯すと言う
非人道的な物であり、ユーノは人としてその行為を許す事は出来なかった。
無論、こうしてユーノが真剣に立ち上がった事がジェイルにとっても
ユーノとの優劣を付けて、自分の方がなのはに相応しい男だと知らしめる事が出来る為に
好都合である事は言うまでも無い。

「行くぞ! 私はこれでも君との対決に備えて毎日腹筋と腕立てを十回ずつやっていたのだ!」
「そんなの関係無い! なのはがその口で直接どうするか答えるまで僕は認めないぞ!」

 こうして部屋の中でユーノとジェイルが激突した。しかし、二人ともに戦士では無いのだから、
大の男の決闘とは程遠い取っ組み合いとなってしまうのも無理も無い事だった。
しかし、ジェイルには対ユーノの為に考えていた一つの手があった。

「これでも喰らえ!」
「うわっ! コショウだ!」

 そう。ジェイルはユーノの顔面にコショウを投げ掛けたのである!
そうすればコショウのせいでユーノはクシャミはするし、目に入ったコショウが目潰し効果になって
ユーノは視界を封じられてしまった。しかし、ユーノもこのままやられてしまう程低い男では無い。

「ならばこちらはこうだ! 照明魔法!」
「う! まぶしっ!」

 スクライアの皆の所にいた頃は、灯りも何も無い真っ暗な遺跡や洞窟内部を探索する事も多々あった。
その時に松明代わりに使用していたのが、魔法で照明を作り出す照明魔法。勿論ただの灯りなので
殺傷力は無いにも等しいが、至近距離から放てば目潰し効果は充分にあった。

「くそ〜…目が見えん…。しかし…私はまだ諦めんぞ〜…。」
「そんな事は僕がさせない! 何処だ! 何処にいるんだ!」

 二人はお互い視界が封じられ、手探り状態で部屋を彷徨い始めた。

「何処だ! 何処だ! 何処にいるんだ〜!」
「くっ! 何故だ!? 何故手にも触れんのだ!?」

 手を左右に振り、手探りしながら恐る恐る部屋の中を徘徊するユーノとジェイルと言う光景は
非常にシュールな物ではあったが、決して笑ってはならない。二人も必死なのだ。
そしてそのまま戦況は互いに相手の体に触れる事も出来ずに膠着状態が続くと思われたが、
双方が視覚以外の感覚を研ぎ澄ませ彷徨い続けた結果、ついに二人は再び激突した。

「それ捕まえたぞ! ここで一気に畳み掛けてやる!」
「そうはさせる物か!」

 再びユーノとジェイルのもみ合いが始まった。しかし、組み付いてはいても
未だ視覚は回復していないのであるから、双方共に他の感覚を頼りにした戦いである。
そして二人は激しく抱き合い組み合いながら部屋中をゴロゴロと転がりもみ合って行く。

 一見大の大人同士の決闘とは思えない子供の喧嘩の様な光景であるが、二人は真剣である。
必死かつなりふり構わずに激しくもみ合って行く内に二人は次第に汗だくになり、
衣服も少しずつ少しずつ脱げて行くのである。

「くぬぅぅ!!」
「このこのぉぉぉ!!」

 既に衣服の大半が脱げ、ほぼ半裸状態になってしまった二人の余りの激しく熱いバトルに、
ユーノとジェイルの二人の体からは汗が蒸発して水蒸気となり、それが外気によって
冷やされて湯気になり部屋中立ち込めると言うと言う凄まじい事が起こっていた。

 トランクス一枚で汗だくになって肌を擦り合わせながらもみ合い続ける
ユーノとジェイルによって部屋中は既にサウナ状態となっていた。
そんな事が理論上可能なのか? は別として、それが二人の激闘の凄まじさを
物語っていたのは言うまでも無い事である。

「ん…こ…ここは…。」

 ここへ突然なのはが目を覚ました。どうやら彼女を眠らせていた薬の効き目が切れた様子である。

「え!? なっ何ここ!? 周りが良く見えないし…蒸し蒸しするし…何より変な匂いがする…。」

 目を覚まして相当になのはは周囲の状況を見て驚いた。無理も無い。周囲には湯気が立ち込め
霧の様になっていると言う明らかに普通では無い状況であったのだから。
そこからなのはは何とか両手を振って湯気を掻き分けながら周囲を見渡していたのだが…
ついに彼女はその光景を目の当たりにしてしまった。

「え……何……これ………。」

 余りにも衝撃的な光景になのはは思わず絶句せざるを得なかった。無理も無い事であった。
何故ならば…

「くぬくぬくぬぅぅぅ!!」
「これでもか! これでもか!」

 トランクス一枚のユーノとジェイルが汗だくになって抱き合い組み合い、全身の肌から汗を飛び散らせ
湯気を立たせながらもみ合っていたのであるから。これは…なのはにとって余りにも衝撃的な光景だった。

「これ…どういう事…? ねぇ…どういう事なの…かな……?」

 部屋中をゴロゴロと転がりまわりながら組み合い抱き合いもみ合う二人の姿を
なのはは呆然と見つめていた。

「どういう事…? 二人は…おホモ達だったって事…なの…? じゃあ…私は…どうなる…の…?」

 なのはの瞳から一滴の涙が零れ落ちた。
実はなのはも執拗にジェイルに迫られ、脅しもかねてユーノと決闘をする事も既に予告されていた。
その為、なのはの目の前でジェイルにユーノが首を刎ねられる等と言う悪夢まで見てしまう程だったと言うのに…
現実はごらんのありさま。ユーノとジェイルがトランクス一枚で抱き合ってもみ合うと言う凄まじい光景。

「ねぇ…私の事…欲しかったんじゃ…無かったの…? なのに…ユーノ君まで………。
私の立場って一体……ねえ……一体…何なの…?」

 なのはの負った心の傷はとても耐え難い物だった。これならば、まだ目の前でジェイルにユーノが
殺されてしまう光景を見せ付けられる方がまだマシ。何故ならば、それはそれでむしろ諦めが付くからである。
しかし、現実は厳しい。あれだけなのはの存在を求めていたはずのジェイルが、なのはそっちのけで
ユーノとトランクス一枚で抱き合いもみ合っている。もう自分はいらないと言うのか?
なのはがそう考えてしまっても仕方の無い事であった。

 そんな事は無い。ジェイルはユーノを打倒すれば、名実共になのはを手に入れ夫として君臨出来ると考え
真剣に打倒ユーノに燃えていたし、ユーノも本人の同意も得ずになのはを手に入れようとするジェイルから
なのはを助けようと必死で戦っていた。しかし…そんな二人の行動もなのはには、なのはそっちのけで
ホモホモする気持ちの悪い男達…の姿にしか見えなかった……。

「ア…アハ…アハハハハハ……。」

 余りにも大きすぎる心の傷。その為か、なのははむしろ笑顔になり、笑い始めた。

「アァァァァッハッハッハッハッハッ!! アァァァヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」

 なのはの目からハイライトが消えた目からは大量の涙が流れ落ち、手足をその場でジタバタと激しく
動かしながら大声で笑い始めた。もはや…末期症状…。

「アァァァァァッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!」

 なのはの奇声にも似た笑い声が、ただでさえ狭い部屋中に甲高く響き渡った。


 その後、フェイトを中心とした救出チームがなのはとユーノを救出する為に乗り込んだ時には…もはや……

「くぬくぬくぬ〜!!」
「このこのこの〜!!」
「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

 トランクス一枚で汗だくになって抱き合いもみ合うユーノとジェイル、そして両手両脚をジタバタさせながら
奇声にも似た笑い声を上げ続けるなのはと言う…もはや地獄絵図にも似た光景が繰り広げられ……
その場にいた誰もが呆然と立ち尽くしていた…………。

                     ―THE END―


著者:◆6BmcNJgox2

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