521 名前:幸運不運 1 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 12:16:12 ID:cQ431YQ2
522 名前:幸運不運 2 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 12:17:30 ID:cQ431YQ2
523 名前:幸運不運 3 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 12:18:44 ID:cQ431YQ2
524 名前:幸運不運 4 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 12:19:41 ID:cQ431YQ2
525 名前:幸運不運 5 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 12:20:46 ID:cQ431YQ2
526 名前:幸運不運 6 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 12:21:45 ID:cQ431YQ2
527 名前:幸運不運 7 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 12:24:15 ID:cQ431YQ2
528 名前:幸運不運 8 ◆6BmcNJgox2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 12:26:06 ID:cQ431YQ2

 それは時空管理局のエース・オブ・エース高町なのはが時空犯罪者ジェイル=スカリエッティの一味に
捕まってしまった事から端を発した。

「さて、高町なのは君…エース・オブ・エースと呼ばれながら我々に捕まってしまったわけだが…
何故だか分かるかね?」
「それは私の実力が及ばなかっただけの事…簡単な話じゃない。皆は私の事をエースエースって持ち上げるけど…
実際はそんな器じゃなかったって事だよ…。」

 なのはの前に直接現れたジェイルに問われ、なのはは平静さを装いつつ悔しさの混じった苦笑いを浮かべていたが…

「違うな! 君の実力は決して我々に劣ってはいなかった。むしろ勝っていた! なのにこの結果…。
それは何故か…………答えは簡単! 君の運が悪かったのだよ!!」
「なっ………運!? そんな事で!? 貴方科学者でしょ!? その時の運に頼ってどうするのよ!」

 突然『運』を引き合いに出して来たジェイルになのはは困惑する。実力的に及ばなかったから
こうして彼等に捕まったと考えるなのはにとって、運が悪かったからとフォローを入れるジェイルの言葉が
逆に悔しかった。しかし…ジェイルの考え方は違った。

「フッフフ…。たかが運…されど運…。勝負は時の運とは良くぞ言った物でな…。『運』とは決して
侮れない物なのだよ。昔の人は、大切な戦の前には戦勝祈願を兼ねた運試しをやった物だ。
なのは君…君の出身世界でもその昔、ナスノヨイチと言う人間が敵側の船に立てられた扇を矢で射抜いたと
言う話があるそうだが…それもまた、そうする事によって運を自分達に呼び込もうとする行為だったのだよ。」
「そ…それがどうかしたの…? そんなのただのおまじないじゃない。やっぱり科学者が真面目に
考える様な事じゃないよ…。」

 なのはは苦笑いしながらも冷静にジェイルの考えを否定していたが…ジェイルの表情は変わらない。

「果たしてそうかな!? 例えば、物凄い実力を持った魔導師がいたとする。しかし大切な戦いを
前にして突然腹痛を起こしてしまい、その物凄い実力を発揮する事無く敗れてしまう事もあり得るだろう。
分かるか!? どんなに実力があろうとも…運が悪ければこの様な残念な結果になる事もあり得るのだ!
逆に…どんなに実力の無い無能者でも…運さえ良ければ天下を取る事もまたあり得ると言う事だ!
 金! 力! 頭脳! これらは例え劣っていようとも努力でカバーする事が出来る…
しかし運だけは努力ではどうにもならない! だからこそこの世で最も大切な物は運だと断言する!」
「運が大事と言いたいのは分かったよ…でもその話を私にして…何か意味があるの?」

 そう。そこが問題。ジェイルが突然『運』にまつわる話をなのはにし始めたのに関して
ジェイルにも別に何も考えていないわけでも無かった。

「その通り。実はな…私は君と運試しをしようと思ってな…。」
「運試し?」
「そうだ。私と君…どちらが運が良いのか勝負をしようと言う事だ。そしてもしも君が勝つ様な事があれば…
私は即刻武装を解除して管理局に自首する事を約束しよう。」
「そ…それは本当なの?」
「本当さ。もしこの運試しで負ける様なら私の運もその程度。管理局に挑戦した所で勝てはしないだろうからな…。」
「信じがたいけど…仮に私が負けた場合…どうなるの?」

 ジェイルがなのはに持ちかけた運試し。これでなのはが勝てばジェイルは自首をすると言うが…
もし逆になのはが負けた場合どうなるか…恐る恐る問い掛けるなのはであったが…

「ふむ…。君が負けた場合か…それはこれからやる運試しのお題目にかかって来るのだよ。」
「その運試しのお題目は…?」
「フフフフフ…それはな…これから私と君がSEXをして孕んだら私の勝ち、孕まなければ君の勝ちと言う勝負だ!!」
「な…何ですってぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 ジェイルに持ちかけられた勝負のお題目。それを聞かされたなのはは…顔が思わず真っ赤になってしまった。
無理も無い。一体何が悲しくてジェイルとSEXをしなければならないと言うのか………
と言うか、もし仮にこの勝負に負けてしまったら…なのははジェイルの子供を産まなければならないでは無いか。

 それから、なのはは与えられた部屋のベッドの上に不安な顔で座っていた…。

「わ…私が…ジェイルと…セ…SEX………。SEXって言ったらあれでしょ? 男の人のオチンチンが…
私の…おマ○コの中に……………そんな………。嫌だ…………嫌だよ……………。」

 なのはは自分の股間を両手で押さえ、悔しさと恥ずかしさの余り赤くなり…目から涙を流していた。

「嫌だ…嫌だよ………。あんな男とSEXするなんて………。だって私の初めての相手はユーノ君って
決めてたのに………何時かユーノ君と結婚してユーノ君の赤ちゃん産むって決めてたのに……………。
ユーノ君と同じ…翠色の瞳とブロンドの髪を持った赤ちゃんを………………。」

 自身の股間を両手で押さえながら蹲るなのはの脳裏に、想い人、ユーノとの思い出が走馬灯の様に蘇る。
しかし今ジェイルに捕まった身であるなのはは…それも叶わぬ望み…………。そしてついに、ジェイルが
部屋の中へ入って来たのである。

「初めてのお相手が好きな相手で無くて残念だったな? しかし、それなら私との勝負に勝てば良いじゃないか。
君が私の子を孕みさえしなければ、約束通り私は自首をする。一滴の血を流す事も無く事件が解決されるのだ。
そうすれば君の好きなそのユーノとSEXする事も子供を産む事も想うがままでは無いか。
あ、この場合、君が私とSEXをして処女を散らした時点で処女血が流れるわけだから無血とは言わないか…。
まあそんな事は良いんだ。とにかく私と君、どちらが運において優れているか…勝負だ!」
「んっ………!」

 次の瞬間、ジェイルはベッドへ飛びかかり、なのはを押し倒すと共にその唇を奪った!
そしてなのはの顔は赤くなる。しかし、これはジェイルとしても真剣勝負も同然だった。
一見冷静になのはの肢体を抱いている様に思えるジェイルも、もしなのはが孕まなければ
即刻武装を解除して自首しなければならなくなる。そもそもSEXをしたからと言って
必ず子供が出来るとは限らない。例えば、ゲンヤ=ナカジマと亡き妻クイントとの間にも
子供が出来ず、代わりにスバル・ギンガと言う養子を取ったりと…そういう例もある。
だからこそ、なのはだけでは無い。ジェイルにとっても緊張かつ真剣な勝負だったのである。

「プハッ!」
「んぁ………………。」

 ジェイルが唇を離し、全身の力が抜けて崩れ落ちる様に倒れこむなのはを優しくベッドへ寝かした後、
次になのはのスカートの中へ手を伸ばし、さらにパンティーの中へ指を潜り込ませた。

「あっ…嫌…………。」
「フッフフ…嫌と言っておきながら…君の女性器は私の指をこんなに締め付けているでは無いか。流石は処女…。」

 ジェイルの言った通り、なのはがどんなに恥ずかしがり必死に顔を背けようとも、彼女の処女は
異に反してジェイルの差し込んだ指をキュッと締め付けていたし、さらに愛液がドロドロと溢れ出てさえいた。

「たっぷりと濡らしておかねばな。君も痛いのは嫌だろう?」
「くっ……………………。」

 ジェイルはなおも指でなのはの股間をクチュクチュと弄くり、あろう事かクリトリスにさえ指でクリクリと
弄くり始める始末。だがなのはは歯を食いしばってそれに耐えた。本当ならば大声を張り上げて泣き出したい。
ユーノに助けを求めたい。しかし…なのはの管理局魔導師としてのプライドがそれを許さなかった…………

「さて、そろそろ行こうか?」
「あ………ああああ!?」

 なのはの膣口が愛液で濡れに濡れた事を確認したジェイルは、なのはの目の前でズボンとパンツを脱いだ。
そしてついに現れる。ジェイルの股間から空にそびえる鋼鉄の城の様に…長大で固められた…その一物!
 なのはの眼前にそびえ勃つ、ジェイルの巨大で黒い一物に流石のなのはも困惑する。 

「あ………あ………あ…………。」
「何を恐れている? これからこの私の男性器が君の膣内へ潜り込み、処女を奪う。つまり君の初めての相手となる
男性器なのだぞ。いや、この勝負の結果次第では生涯のパートナーとなる可能性もあるかもしれないのだぞ?」
「嫌! そんなの嫌! やっぱりユーノ君じゃないと…私の初めての相手はユーノ君じゃないと嫌ぁぁぁぁ!」

 なのはは本格的に泣き出した。例え管理局魔導師のプライドによって我慢していても、女としての部分が
好きでもない…むしろ憎い相手とのSEXを拒んでいたのである。

「だが、今と言う状況を見たまえ。もしそのユーノと言う男が君の運命の相手だったと言うのならば…
君はここにはいない以前に、私に捕まる事も無くその男と結ばれ、その子供を産んでいただろう。
しかし、現実はこの通り。所詮そのユーノと言う男は君の運命の相手では無かったと言う事だ!」
「な…何を………まるで自分が私の運命の相手みたいな言い草じゃない…。」

 なのはは悔しそうな目で必死にジェイルを睨み付けるが、ジェイルは逆に不敵な目でなのはを見つめていた。

「そう。その通りだ。私は君こそ私の運命の相手である事を確信している! だからこそ私は君を捕らえ、
ここまで来る事が出来た。つまり、運が私に味方をしている証拠!」
「そんなの私は認めない! 認めないよ! 貴方が…ジェイルが私の運命の相手なんて…。」

 なのはは目から涙を飛び散らせながら否定するが、やはりジェイルの表情は変わらなかった。

「ならば教えよう。何故私が君を運命の相手だと確信した理由を………。それは…君の存在が
私のある悩みを解消したからなのだよ。」
「え…?」

 なのはがジェイルの一体何を解消したと言うのか? 疑問が浮かぶ中、ジェイルは語り始めた。

「実は私は…生まれ付きインポだったのだよ。」
「インポ…?」
「インポとは…要するに男性器が勃起しない症状の事を言う。私は父・母の間から生まれた君と違い、
人工的に培養槽の中で人工的に生み出された。と言っても…特定の何者かのクローンと言うわけでも無く
科学者となるべくして遺伝子を操作された人に似て非なる人工生命体と表現しても可笑しくあるまい。
それ故なのだろうな…私の生殖能力は常人より低くなってしまったようだ。だからこそ…私は生まれ付き
男性器が勃たない…インポだった…。無論、如何なる美女やその裸を見ようとも…何の興奮も起こらない。
科学の力を駆使して強精剤を作り、それを服用したりしたが…効果は無し。私のインポは治らなかった。
そうだ。私がクローン技術の研究を進めていたのは、インポ故に普通の方法では子孫が残せないが故の
苦肉の策だったのだよ!!」
「な………何を馬鹿な………ジェイル…貴方のオチンチン……そんなに大きく勃ってるじゃない!
うあぁぁぁ…………まだ小さい頃、一緒にお父さんとお風呂に入った時に見たのよりずっと大きいよそれ…。」

 そうだ。ジェイル自身は自分がインポだったとカミングアウトしていたが、なのはの眼前には
そのジェイルの長大かつ固く勃起した一物がそびえ勃っている以上、説得力が無かった……が………

「そう。そこがポイントだ。インポであったはず私が…君の父親以上にまで男性器を勃たせる事が出来た。
それは何故か!? 全ては君のおかげなのだよ! 君のその美貌が…美しき肢体が……私のインポを治したのだ!」
「ええ!?」
「初めて君を見たのは、来るべき管理局との決戦の為に戦闘データを取っていた時だった。その映像の中に
チラリと映った君の姿………それを見た時……私は股間のふくらみを感じた。生まれて以来一度も勃った事の
無いはずの私の男性器が…勃起していたのだ! おまけにその日の晩は生まれて初めて…夢精した!
それどころか…君を映した映像や画像を見るだけで自慰行為さえ出来る様になった。そして私は確信した。
君ならば私の悩みを解消してくれると…君こそ私の運命のお姫様だと! 君こそ私の子供を産み得る女性だと!!」

 ジェイルの言っている事は無茶苦茶極まりない事だが…その目は真剣だった。ただ単純にスケベ心で
なのはに迫っているわけでは無い。真剣に…なのはこそ自分の持病だったインポテンツを治す力を持った
運命の女性であると確信し、その子供を産ませようとしていたのである。だが…なのはにとってそれは
迷惑この上無い。

「嫌…嫌だよ…私は認めない…ジェイルが私の運命の相手なんて…絶対認めない!」
「ならば私が認めさせて見せる! そのユーノとやらより私こそが君に相応しい男だと思い知らせてやる!」
「あっ! 嫌ぁぁぁ! そんなおっきなの挿るわけ無い………。」

 ついにジェイルの巨大なる一物がなのはの膣口に押し当てられた。なのはの映像を見ただけでもジェイルの
インポを治す威力があったのだ。生でかつ直接なのは本人と出会い、こうして交わろうとしている今のジェイルの
一物はそれ以上。もはやはちきれても不思議で無い程にまで怒張し、本当になのはの膣内へもぐりこむ事が
出来るのかさえ心配になる程だったが…………不思議な事に…徐々にではあるが…なのはの膣はそれを
受け入れていた………。」

「あ…挿ってる…ジェイルの固くて熱いカリが…私の膣内に…………痛ぁ!!」

 直後、なのはは強烈な痛みを感じた。ついにジェイルの一物がなのはの処女を奪ったのである。
しかし、ジェイルは構わず己の一物を奥までねじ込ませていた。

「くっ………………!」
「痛いかね? だが心配はいらない。直ぐに慣れる。では行くぞ!」
「あっ…あああっ!!」

 ジェイルの一物がねじ込まれたなのはの膣口からは真っ赤な処女血が流れ出ており……なのはが
必死に破瓜の痛みに耐える中…ジェイルは腰を動かし始めた。抜いては刺してのピストン運動だ。

「はっはっはっはっはっはっはっはっ!」
「んぁ! あっ! 痛! 痛いぃぃ!」

 ジェイルが突けば突く程、なのはに強烈な痛みが襲う。またそれだけでは無く、ジェイルは
なのはの豊満な乳房を両手で鷲掴みし、もぎゅっもぎゅっと揉み解し始めていたのである。

「あっ! おばいぃぃ! 嫌ぁぁぁぁ!」
「はっはっはっはっ! 流石はなのは君だ! 素晴らしい乳を持っているでは無いか!
我がナンバーズにもこんな素晴らしい乳を持った女はいないぞ!」

 ジェイルはなのはの膣を…子宮を激しく突き上げながら…豊満な乳房を何度も何度も揉み解した。
なのはは悔しかった。ユーノにあげるはずだった処女を…よりによって憎い犯罪者にささげ…
あろう事かこの様な恥辱を受ける等………。だが、それ以上に許せなかった事は………
そんなジェイルの一物を美味しそうに咥えこむ…自身の膣肉だった…………

「さて…そろそろ出すぞ! しっかり中で受け止めるんだぞ!」
「え!? 嫌! 嫌嫌嫌嫌嫌! 嫌ぁぁぁぁぁ!! ジェイルの子供なんて産みたくない!
嫌ぁぁぁぁぁぁ! ユーノ君! ユーノ君助けて! 嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

          ど び ゅ っ び ゅ っ び ゅ っ び ゅ び ゅ び ゅ っ

「あ…………。」

 ついに出た。一物そのものも巨大だったが…そこから発射された精液もまた大量かつ濃く、熱い物だった。
なのはが憎い犯罪者の精液によって膣と子宮を満たされてしまったショックで放心状態に陥る中…
ジェイルは満足げな顔でなのはの下腹を優しく摩っていた。

「さて…種は撒いた。後は私の精子と君の卵子次第だな…。」


 その日の晩…なのはは夢を見た。ユーノと結婚して…その子供を産んで母親となった………夢……。
この上ない幸せを噛み締め、赤ん坊を抱くなのはだが……………その子供は…金色の瞳と紫色の頭髪…
そして……ジェイルのごとき悪そうな目付きでなのはの乳首に吸い付いていた………………

「ああああああ!!」

 あまりの悪夢の余り、なのはは全身汗だくでベッドから飛び起きる程であり、心臓の高鳴りも止まらなかった。

「そんな…嫌だ……ジェイルの子供なんて…産みたくない……私が産むのはユーノ君の…ユーノ君の子供なのに…。」

 それからさらにしばらくの時が流れた。一応、なのはがジェイルの子供を孕めばなのははジェイルの嫁。
逆に孕まなければ、ジェイルは即刻武装解除して管理局に自首と言う勝負だったので、なのははジェイル一味の
アジトで暮らしていたのだが、その日もまた何時もの様にジェイルと一緒に食事を取らされていた。

「さて、なのは君。身体の調子はどうだね?」
「何も変わらないよ。残念だったね。今まで特に何事も起こらなかったと言う事は、私は貴方の子供を
孕む事は無かったって事! そもそも最初から無理があったのよ! 貴方は以前、人工的に遺伝子操作されて
生まれて来たって言ってたけど、まさにその通りだよ。人と猿って遺伝子的にはほんの少ししか違いは無いけど
双方の間に決して子供が生まれる事が無いように、私とジェイルの間にも子供が生まれる事は無かった。
つまりそういう事でしょう?」

 勝利を確信したなのはは立ち上がり、ジェイルの手を引張った。

「さあ約束通り、武装解除して管理局へ自首してもらいましょうか? それとも…約束を破るの?」
「確かに…約束だからな……君が私の子供を孕まなかったと言う事は…私の運も所詮はその程度。
やはりこんな状況で戦いを挑んだ所で…負けは確実…。分かった……即刻武装を解除して…………。」

                     と……その時だった…………

「うっ! うげぇ! うげぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「なのは君!?」

 突然なのはがその場に跪き、先程まで食べていた物を全て吐き出し始めたでは無いか。
それにはジェイルも戸惑う。

「うげ! うげっ! うげぇぇぇぇ!!」
「なのは君! しっかりするんだ! おいお前達何をボサッとしている! さっさとなのは君を病室へ運ばんか!」

 ジェイルはナンバーズに命令し、なのはを病室に運ばせると共に検査を開始した。なのはの体調管理は
しっかりと行っていたつもりだったが………何故この様な事になったのかジェイルも心配していたのだが………

「なのは君…………おめでただ………。」
「え………………。」

 ジェイルの発した言葉になのはは愕然とする。

「じょ…冗談でしょ? だって今まで特に何も起こらなかったのに…。」
「今まではな…だが、つい先程になってやっと妊娠したと考えればどうか? さっきの吐き気はまさにそれだろう?」
「…………嘘………………そんな…………じゃ…じゃあ…負けたのは……私……………そんな………
こんなはずじゃ…………こんなはずじゃ無かったのに………………そんな………………。」

 なのはが下腹に手を当てると、確かにかすかにリンカーコアの波動を感じる。それはつまりなのはの
卵子がジェイルの精子を受け止め、子宮に着床した事を意味する。と言う事は…なのはの運命の男性は…
ユーノではなくジェイルだったと言うのか…………

「あ…………………。」
「さて………そういう事だな。強き子を産んでくれたまえよ………。」

 ショックの余り…放心状態に陥るなのはの唇をジェイルが再び奪っていた…。

 勝負はジェイルの勝利となのはの敗北に終わった。敗者は大人しく勝者に従うのみ。なのはは屈辱に
耐えながらもジェイルの子供を宿した事実を受け入れ…ジェイルの嫁となった…………が………
二人のラブラブ(?)新婚生活も長くは続かなかった。

 なのはが自身の子供を孕んだ事によって勢いを付け、聖王のゆりかごを持って管理局に挑戦したジェイルだが…
なのはとの勝負で運を使い果たしてしまったのだろう。残念ながら聖王のゆりかごは堕ち、ジェイル本人もまた
フェイトに逮捕されてしまうと言う結果となっていた。

「ジェイル=スカリエッティ! 高町なのは一等空尉がお前達の手によって捕まっている事は既に知っている!
答えろ! なのはを何処へやった!?」

 なのはの親友であった執務官フェイトは、ジェイルを締め上げ問い詰めるが…ジェイルは不敵な
笑みを浮かべて答えた。

「高町なのは? ああこの間ガジェットが捕らえて来た管理局魔導師の事か…。何か使えるかな? と思って
洗脳処置を施そうとしたが…残念ながら洗脳に失敗して壊れてしまってね。後は適当に人体実験の材料に使って…
その後適当に処分させてもらったよ。ハッハッハッハッハッ!」
「わ………笑うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 凶悪な笑みを浮かべながら答えるジェイルの顔面を、フェイトは目から涙を飛び散らせながら殴り付けていた。
そしてフェイトは何度も何度もジェイルの顔面を殴った。親友であるなのはを人体実験の材料にした挙句に殺した
ジェイルを許す事は出来なかったのだから。しかし、そんなフェイトに何度も顔面を殴られながらも…
不思議とジェイルは笑っていた。

「(フフフ…これで良い…。なのは君…我が子を…頼んだぞ…。)」


『ここで番組の途中ですが臨時ニュースです。長年各世界で指名手配されていたジェイル=スカリエッティ年齢不詳が
ついに逮捕されました。』

 ミッドチルダのとある街のビルに作られた大型モニターからその様なニュースが報じられ、人々が様々な
反応を見せている中を歩く一人の女性の姿があった。

 全身を大きなコートで包み、サングラスをかけ、大きな帽子で頭を覆い、大きなトランクを引いて歩く一人の女性。
そして、彼女もまたビルのモニターに映ったジェイル=スカリエッティ逮捕の報道を見つめていた。

「ジェイルって…本当自分勝手で最低な男だったね……私を無理矢理孕ませて…結婚までさせておいて……
あんなあっさりと捕まっちゃうんだもん…………本当最低…………。きっと………私を孕ませた所で
運を全部使い切っちゃっただろうな……………全く………最低としか言い様が無いよ…。」

 その女性の正体はなのはであった。そう。ジェイルがフェイトに言った、人体実験の挙句に処分したと言うのは
真っ赤な嘘。全てはなのはを管理局の目から反らさせる為であり、ジェイルは自身が逮捕された時に備えて
なのはをこっそりと脱出させていたのだった。こうする事によって、時空管理局魔導師高町なのはは
ジェイル=スカリエッティによって殺されたと言う事になり、ジェイルの妻、なのは=スカリエッティは
人知れず脱出してジェイルの子供を産む事が出来ると言う事である。

「一緒にいた時は…あんなに憎たらしかったのに……何度も殺してやろうって思ってたのに………
いざいなくなると………こんなに寂しくなっちゃうのは何故だろう…………。」

 なおもモニターに表示されるジェイル=スカリエッティ逮捕と高町なのはの死を報じる報道を見つめ、
なのはの目からは涙が流れ出ていた。そして初めて気付く。自分は何だかんだで………ジェイルの事を
愛してしまっていたのでは無いかと……。

「ジェイルは最低な男だったけど………ユーノ君の事を放ってあんな男の子供を産もうとする私も最低な女だよね…。
今の私のこんな姿…皆には見せられない…。特にフェイトちゃんやユーノ君は……私の事を本気で憎むだろうね?
ならば…高町なのははあそこで死んだ事にしたままにした方が良い…。私は…なのは=スカリエッティとして生きる。
管理局に逮捕された夫…ジェイルに代わって…スカリエッティの姓と…その血を受け継ぐこの新しい命は…私が守る!」

 なのははコートの上からでも若干膨らんでいる事が分かる、ジェイルの子を宿した下腹を優しく摩った。
確かに最初は無理矢理孕まされたも同然の命…しかし…今ではなのはにとって唯一無二の愛する我が子だった…。

「この子もお父さんと同じ…最低な血を受け継いでるのかな? でも…お母さんも最低な女だから心配は要らないよ。
だからってわけじゃないけど……………何時の日か…お父さんみたいなマッドサイエンティストか………
はたまたお母さんみたいな悪魔って罵られる様な魔導師になったら…その時は…一緒にお父さんを迎えに行こう?」


 そしてなのはは………何時の日か、我が子と共にジェイルを取り戻す事を誓いながら……街の人込みの中へ消えて行った。


                       おしまい


著者:◆6BmcNJgox2

このページへのコメント

どんな女も孕ませちまえばオレのもの……とは言いますまい。この話のなのはさんの場合まだまだこの先の分岐が考えられます。続かないのでしょうが、やりようはあるかと。

0
Posted by 時代遅れの追随者 2009年09月13日(日) 16:24:02 返信

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