[673]真の悪魔… 1 ◆6BmcNJgox2 <sage>2007/08/28(火) 23:55:27 ID:CeNQ744H
[674]真の悪魔… 2 ◆6BmcNJgox2 <sage>2007/08/28(火) 23:56:43 ID:CeNQ744H
[675]真の悪魔… 3 ◆6BmcNJgox2 <sage>2007/08/28(火) 23:58:06 ID:CeNQ744H
[676]真の悪魔… 4 ◆6BmcNJgox2 <sage>2007/08/28(火) 23:59:30 ID:CeNQ744H
[677]真の悪魔… 5 ◆6BmcNJgox2 <sage>2007/08/29(水) 00:00:29 ID:CeNQ744H
[679]真の悪魔… 6 ◆6BmcNJgox2 <sage>2007/08/29(水) 00:02:23 ID:ax3l+km8
[680]真の悪魔… 完 ◆6BmcNJgox2 <sage>2007/08/29(水) 00:03:38 ID:ax3l+km8

「大変だー! スクライア司書長が…。」
「へ? ユーノ君がどうかしたの?」
「スクライア司書長が…事故で死んだ!」
「ふ〜ん…そうなんだ………………………って………えええええええええええ!?」

ユーノが死んだ…。珍しく無限書庫から出て、現場で遺跡発掘作業をやってる最中に
地盤が崩れ、落盤の下敷きになってしまった。不意の事故で防御魔法も間に合わなかったのだと言う。

なのはには信じられなかった。どうせ自分を驚かせる為の嘘なんじゃないかと思った。
誰か自分を良く思ってない人がユーノが死んだと言う嘘を付いて自分を困らせようとする企みでも
あるんじゃないかと思った。しかし…ユーノが死んでしまった事は事実だった…。

    「高町一等空尉ってスクライア司書長と付き合ってるって本当ですか?」
    「ハハハ、別に私とユーノ君はそんな関係じゃないよ。」

「私の嘘吐き…。」
ユーノがいなくなってなのはは初めて自分の本心に気付いた。
確かにそれまでだってなのははユーノの事が好きだった。しかし…それもあくまでも友達としての話。
そこまで浮いた関係では無い…………………と思っていた…。だが…心の底では違った。
なのははユーノを愛していた。この世の誰よりも…。恐らく今までユーノがいつも
すぐそこにいるのが当たり前な状況だったからこそなのはもその本心に気付かなかったのだろう…。
皮肉にもユーノが亡くなってしまった事がなのはにユーノを愛する本心を気付かせたのである。

「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…。」
「う…う…ユーノ君…。」
葬式の間…坊主のお経や木魚の音が鳴り響く中…なのはは涙が止まらなかった。
どうしてこの気持ちにもっと早く気付かなかったのだろうか…
なのはは自分が許せなかった。しかしそれももう遅い…
ユーノはなのはの手の届かない遠い遠い場所へ行ってしまった…

ユーノが亡くなって以来、なのはは抜け殻の様になってしまった。
訓練の時にもまるで死んだ様な目で明らかに身が入っておらず、
模擬戦の時にもスバル&ティアナに逆にやられてしまう始末…。
しかし…それだけダメージを受ければなのはだって撃ち返す…と思ったら…
そうする事無くその場に倒れ込むのみだった。

なのはが抜け殻の様になってしまった事は機動六課にとって大事件だった。
フェイトやはやて達が何とかなのはを元気付けようとしていたが全く上手くいかない。
なのは本人を除く機動六課の面々で良く話し合った結果…なのはに休暇を与える事になった。
休暇の中でゆっくり心の傷を癒してもらう…。長い間休んでいれば逆に仕事をしたくなるのでは無いか?
機動六課の面々はそう考えていた。だがそれは甘い考えでしか無かった。
ユーノがなのはにとってどれだけ大きな存在なのか理解出来ていなかったのだから…

「ユーノ君…。」
なのはは自室のベッドの上で蹲り続けていた…。そしてアルバムを手に取り、
ユーノの写った写真をじっと見つめるのである。その写真にはユーノがまるで
生きているかのように活き活きとした姿で写っている。だが…ユーノはもういない。
それがなのはにとって心苦しく胸が痛かった…。ユーノが恋しい…。
今までは別になんて事は無かったと言うのに…ユーノがいなくなった途端に
ユーノが恋しくなって恋しくなってたまらない…。しかしなのはがどんなに
恋しく苦しんでもユーノが生き返るワケが無い。それがなのはをますます苦しめた。

「そう言えば…ユーノ君と会ってもう10年にもなるんだよね…そう考えると長い付き合いだよね…。」
なのははユーノの写った写真に対してそう話しかける。そしてその10年前の事を思い出していた。
初めてなのはがユーノと出会った時、ユーノはフェレットの姿をしていた。
当時は言葉を喋る不思議なフェレットだと思っていただけに…実は人間だと知って驚いたのも良い思い出…
だが…そこでなのははある事を思いついてしまうのである。

「そ…そうだ…使い魔を作ろう! 可愛い可愛いフェレットさんの使い魔…。
そしてとびっきりユーノ君にそっくりに作るの!」

ユーノが亡くなってしまったショックで気が動転してしまったのだろう…
なのははフェレット型の使い魔を作ってそれをユーノの代わりにしようと考え付いてしまった。
だが、今の事を冷静に考えられなくなったなのはにとってそれが最も最良な事だったのかもしれない。
そうでなければユーノ禁断症状で気が狂ってしまうのだろう…。だが…

「違う…。顔も性格もユーノ君に似てるけど…やっぱり違う…ユーノ君じゃない…。」
なのはが作ったフェレット型使い魔は会心の出来だった。
フェレット型状態も人間型状態もユーノに瓜二つであるし、頭も良い。
なのはが作った使い魔のわりにユーノの様に支援魔法も得意だし、
プライベートにおいてもなのはを献身的に世話してくれる。
他の者からみれば悪い点など何処にも無い様に見えるだろう…
しかし…なのはには不満があった…
「やっぱり…これはユーノ君じゃない…。」

なのははあのプレシア=テスタロッサがフェイトに満足出来なかった理由…そしてその気持ちが分かった。
きっと…プレシアも今の自分と同じ気持ちだったに違いない…。あの時はフェイトの母親…
としか認識してはいなかったが…今考えると実に親近感が沸いて来ていた…。

なのははユーノそっくりのフェレット型使い魔に乱暴を振るい…虐待する様になった。
プレシアがフェイトの身体を鞭で打った様に…

「ハハハ! 今ならプレシアさんがどれだけフェイトちゃんを憎んだか分かっちゃうから不思議だよね!」

フェレット型使い魔がユーノにそっくりだった事がなのはには鬱陶しく、憎らしくなった。
ユーノであってユーノで無い存在…本物のユーノの存在を穢すフェレット型使い魔が憎い。
なのはの心の中にはもうユーノへの愛とフェレット型使い魔への憎悪しか無くなっていた。

なのははレイジングハートでフェレット型使い魔を何度も殴って殴って虐待した…
だが…フェレット型使い魔はなのはを憎む事は無かった。
自分が何かなのはを困らせる様なミスをしてしまったから怒っているに違いない…
だから今なのはがやっている事もそれを理由にしたお仕置きに違いない…
フェレット型使い魔はそう信じて疑う事無く、なのはの虐待を受け続けた。

なのはの暴力を…虐待を受けてボロボロになってもなおフェレット型使い魔は
なのはを憎む事無く献身的に身の回りの世話をし続けた…。
だが…それがなのはにとって鬱陶しく…憎らしかった。

しかしなのははフェレット型使い魔に対してどんなに暴力を振るっても…虐待をしても…
殺し…抹消する様な事は無かった。なのははフェレット型使い魔に怒りをぶつける事で
しか自我を維持する事が出来なくなっていたのである。
フェレット型使い魔がいなければ…きっと他の関係ない人を傷付けてしまう…。
今のなのはに辛うじて残った良心による物だった…。だが…それも長くは続かなかった。

「そうだ…アルハザード…。」
あのプレシア=テスタロッサも自身の娘であり、かつフェイトのオリジナルでもある、
アリシア=テスタロッサを蘇らせる為に生死さえ超越した技術を持っていたらしい
アルハザードと言う名の世界を捜し求めていた事をなのはは思い出した。
「アルハザードに行って…ユーノ君を蘇らせれば…。」
なのははそのアルハザードが何処にあるのか分からない。普通ならそこで諦めるのだが…
今の冷静な判断の出来ないなのはにはそこまで考えられなかった。

次の日…なのはは辞表を提出した…

「なのは待って! 落ち着いて! 今ならまだ間に合うよ!」
「そうですよなのはさん! どうしてなのはさんが辞めなきゃならないんですか!?」
機動六課の面々はなのはの管理局退職を必死に止めようとした。だが…止められなかった…。
「私にはやる事があるから…。」
「!!」
その時のなのはの目は今までの「優しいなのはさん」の目では無かった。
まるで何かに憑り付かれてしまった様な…「悪魔の目」になっていたのである…。

管理局を辞め…ミッドチルダからも離れたなのはは旅に出た…。
そしてありとあらゆる世界を放浪し…アルハザードへの道の手がかりになりそうな物…
もしくは命を蘇らせられる様な代物を探した…。途中、路銀が少なくなれば…
首に賞金のかけられている指名手配者でも得意の魔砲で倒し捕まえ…
その世界の政府から賞金を貰うと言う賞金稼ぎまがいの行為もやるようになった。
マフィアが経営する非合法地下ショーで魔法を披露して日銭を稼ぐ様な事もした…。
これらはかつてのなのはならば絶対に許さない事だったかもしれない。
しかし…今のなのはにとっては何でも無い事だった。全てはユーノを蘇らせる為なのだから…

中々手がかりは見付からず…放浪生活も楽では無かった。しかしなのはは希望を捨てなかった。
アルハザードを見つけて死んだユーノを蘇らせ…何処かの世界で静かに暮らす…。勿論子供も作って…
なのはの頭にはそれしか無かった。ユーノの為ならなのはは何だって出来た…。

「み…見付けた…これがあれば…きっと…。」
長い長い旅の果てになのはは見付けた…。アルハザードは相変わらず見付からなかったが…
とある無人の世界であのジュエルシードに匹敵するかもしれない強い力を持った
ロストロギアをなのはは発見したのである。このロストロギアの力ならば死者さえも
蘇らせる事が出来るかもしれない…。そうでなくてもアルハザードを見付ける為の
手がかりにはなるはず…なのはの心は胸躍った。

だが…そのロストロギアはあのジュエルシード同様に次元震を起こし得るリスクも抱えていた。
無論時空管理局もそれを嗅ぎ付けてロストロギアを回収に局員が派遣されて来るのだが…

「私の邪魔をするな…。」
なのははまるで悪魔のように冷徹に非殺傷設定をOFFにした魔砲で
ロストロギアを接収しようとした局員達を撃ち殺していた。
今までのなのはならあり得なかった事…。しかし今のなのはは違う。
相手が首に賞金のかけられた賞金首であるとは言え…既に何人も撃ち殺し…殺めて来たのだ。
今更人を撃ち殺す事に躊躇などしなかった。全てはユーノ復活の為に…
ユーノを蘇らせる為になのはは鬼となったのである…。

かつて時空管理局のエース・オブ・エースと呼ばれたなのはがロストロギア回収を妨害し、
あろう事か局員を殺してしまった事実は管理局を震撼させていた。

「それは本当になのはだったんですか?」
「ああ…随分雰囲気は変わっていたそうだが…確かにあれは高町なのはだったそうだ。」
「そんな…。」
とある名無し上級局員からの報告にフェイトは唖然としていた。
フェイトには信じられなかった。ある日突然管理局を去ったなのはが
まさか次元震を起こしかねないロストロギアを奪取して管理局に牙を剥くなど…
「どうして…どうしてなのはが…。」
「彼女も所詮は人の子だったって事だろう…誰だって強い力を自分の物にしたがるのは当然の事だ。」
「そんな! なのははそんな人じゃありません!」
「じゃあこの現状はどう説明すると言うのだ!? とにかく…高町なのはを逮捕して
裁判にかけなければならない。かつては管理局のエースと呼ばれた彼女も…
今では一犯罪者に堕ちてしまったのだからな…。」

管理局はなのはを逮捕する為に、武装隊の中でも特に名うての強者を選りすぐった
精鋭の高町なのは逮捕隊を組織して送り込んだ。が…彼等は帰って来る事は無かった。
何故ならなのは一人に皆殺しにされてしまったのだから…。

今のなのはは管理局にいた頃のなのはでは無い…。局にいた頃は…局の命令で
力を常に抑えておかなければならなかった。故に本来の半分の力も出せずにいたのだが…
今のなのはは違う…。自分の力を存分に振るう事が出来る。
だからこそ管理局の精鋭を集めた部隊だろうが何だろうが敵では無かった。

「どうして皆私の邪魔をするのかな…ただユーノ君を蘇らせたいだけなのに…。」
その後も管理局は次々武装局員を送り込んだが…その都度犠牲者が増えるだけだった。
だがそれでも管理局はなのはを野放しには出来なかった。今なのはの手にある
ロストロギアは次元震を起こして世界の一つや二つ楽に消滅させられ得る力を持っているのだ。

その後…様々な刺客が送り込まれたが皆なのはの敵では無かった。
管理局が裏で殺し屋を雇ってなのはを殺させようとした事もあったが…それも徒労に終わった。
死刑囚に「こいつを殺せば無罪放免で自由の身にしてやる」と丸め込んで
なのはに向かわせた挙句、結局殺されて死刑にする手間が省けた…なんて事もあった。

いい加減、力ではどうにも出来ないと悟った管理局は新たな手に出た。

『大人しく投降しなさい! 君のご両親も泣いているぞー!』
「なのはー! 一体何をやったのかは分からんが…とにかく自首するんだ!」
「なのはー! どうしてそんな事になってしまったと言うの!?」
管理局が取った手段はなのはの両親の協力を得た説得だった。
なのはの父、士郎と母、桃子が真剣に泣きながらなのはに問い掛けていた。
確かに自分の子供が犯罪者になるなど誰だって悲しむと言う物だ…が…

「うるさい黙れ…。」
次の瞬間、なのはの人差し指から放たれた魔砲が士郎と桃子のそれぞれの心臓を貫いていた…
なのはは自分の両親さえ殺した…。これは誰もが信じられない事だった。
流石のなのはも相手が家族ならば怯むかもしれない…その怯んだ隙を突けば勝機はある…
そう信じていた管理局にとって余りにも衝撃的な事実だった…。
なのはは表情一つ崩さず、悪魔の様に冷徹に躊躇無く両親を撃ち殺したのだから…。

ついに機動六課がなのは逮捕の為に動き出していた。
そして久し振りになのはと対面するのだが…かつての面影の欠片も感じさせない
悪魔のごとき変貌を遂げていたなのはの変わり様に愕然としていた…。
しかし…それでもフェイトはなのはに問い掛ける。
「なのは…何故…そんな事をするの…。」
「皆こそ放っておいてよ…私はこのロストロギアでアルハザードを見付けて…
ユーノ君を蘇らせて一緒に暮らしたいだけだから…。」
「な…。」
なのはの目的を知った時…誰もが声が出なかった…
「そ…それだけ…それだけの為に…一体何人の人が殺されたと思ってるの!?
それに…アルハザードって…。」
そう…それはフェイトにとって忌むべき記憶…。プレシア=テスタロッサも求めた場所なのだから…
かつてプレシアの野望を何とかする為に戦ったなのはがまさかプレシアと同じ道を
歩もうとする事にフェイトは信じられなかった…。特にユーノ一人を蘇らせると言うだけの
理由でこの様な事を起こしてしまった事が…
「なのは…たった一人の人間を蘇らせたいと言うだけの理由で…大罪人になろうと言うの!?」
「うん。」
「…………!!」
躊躇する事無くあっさり即答したなのはにフェイトは呆れと唖然の混じった顔になった。
そして信じられなかった。なのはにとってユーノの死はなのはをここまでさせる物だったと言うのか…。
なのはと最も親しい人間は自分だと信じていたフェイトにとって余りにも信じがたい事だった。
「もう放っておいてよ…私が何処へ行こうが勝手でしょ…?」
「それは出来ない! 何故なら私達はなのはを逮捕しにここまで来たのだから…。」
「そう…なら…死ね。」

機動六課はなのはに攻撃を仕掛けた。しかし…相手がかつては親しい仲であった事もあって
皆本気を出して戦えなかった。ここまで来てもなお説得を続けようとする者もいたのである。

「こんな事はやめて投降して下さい! 私はなのはさんを傷付けたくないから!!」
「おかしいな…どうしちゃったのかな…。私を説得したいのは分かるけど…
今の私は『優しいなのはさん』じゃないんだよ…。貴女達とは敵同士なんだよ…。
互いを敵として戦う様な状況になってもなお説得するような振りするなら…
戦う意味無いじゃない…。ちゃんと真剣に掛かってこようよ…。
ねぇ…私の言ってる事…私の考え方…そんなに間違ってる?
少し…地獄に堕ちてもらおっか…。」
「!?」
次の瞬間…なのはの眼前にまで銃を突き付けておきながら、説得しようとする
情けを見せてしまったが故に…ティアナは消し炭にされてしまっていた…
「ティアナァァァァァァァ!!」
周囲にスバルの悲鳴が響き渡った。

ティアナが殺された事でやっと皆は本気を出した。その中でも特に激怒していた
スバルがなのはに殴りかかった。
「なのはさん! よくも! よくもぉぉぉぉぉぉ!」
なのはが管理局を辞めた後も皆独自に技を磨いて来たのだろう…。
確かにあの時より格段に強くなっている…。だが…なのははそれ以上に強くなっていた。
そして…例えかつての仲間であろうとも…躊躇無く殺す事が出来た。

スバルが第二の犠牲者となった…。スバルの身体は忽ち鉄クズと化し…
頭脳であるAIチップも踏み潰されすり潰された…。

それはもはや戦いでは無い…一方的な虐殺だった…。
エリオとキャロは二人同時に串刺しにされ…フリードに突き付けられた挙句…
原型を留めない程グチャグチャに切り刻まれた…。

「見損なったぞ高町なの…うあぁ!!」
「それが…どうかしたの…? ヴィータちゃん…。」
「あああああ!! ヴィータぁぁぁ!!」
はやて&ヴォルケンリッターもやられた…。しかもはやてを潰せばヴォルケンリッターも
揃って消滅すると言うのに…逆にヴォルケンリッターの四人を一人一人潰して…
はやての心を挫かせた挙句にトドメを刺すと言う陰湿な物だった…。

「あとは…フェイトちゃん一人だけだね…。今思えば…こうして一対一で戦うのも…久し振りだね。」
自ら築いた屍の山の上で…なのはは最後に残ったフェイトの姿を横目で見ていた。
「も…もう許さないから…。い…いくらなのはが相手でも…。」
これだけされてフェイトが怒らないはずがない。ついに最後の戦い…。
どっちが泣いても笑おうともこれで最後なのである。

フェイトはザンバーフォーム全開でなのはに斬りかかった。
今のなのははフェイトであろうとも殺すだろう。本気の本気でかからなければ殺されるからだ。
しかし…なのははレイジングハートでフェイトの両腕ごとバルディッシュを弾き飛ばしていた。
「これで…お終い。」
フェイトが両腕を切り落された痛みを感じるより早く…なのはの指先から放たれた魔砲が
フェイトの首から上を消し飛ばしていた。が…
「あ…!」
次の瞬間なのはの心臓にバルディッシュの刃が突き立てられていた…
先程弾き飛ばされたのがブーメランの要領で戻って来てなのはの背中に刺さった様子だった。。

「あらら…私も死んじゃうんだ…。」
胸にバルディッシュが貫通されたままなのははその場に倒れ込んだ。
しかし…なのはは死を恐れていなかった。
「ユーノ君…もうちょっと待っててね…すぐにユーノ君の所に行くから…。」

こうして永遠の眠りに付くなのはだが…余りにも罪を重ねすぎた…。

「ユーノ君! 今行くよー!」

なのはは笑っていた。自分が地獄へ堕ちて行っている事も知らずに…


「…と、以上がミッドチルダ三大悪女の一人に数えられる高町なのはに関してです。
これ今度のテストに出ますよー!」
「ハーイ。」
                   おわり

著者:◆6BmcNJgox2

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