677 名前:狙撃主の目覚め[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 22:22:06 ID:jQlAPKHM
678 名前:狙撃主の目覚め[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 22:23:25 ID:jQlAPKHM
679 名前:狙撃主の目覚め[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 22:24:33 ID:jQlAPKHM
680 名前:狙撃主の目覚め[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 22:25:29 ID:jQlAPKHM
681 名前:狙撃主の目覚め[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 22:26:45 ID:jQlAPKHM
682 名前:狙撃主の目覚め[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 22:27:46 ID:jQlAPKHM
683 名前:狙撃主の目覚め[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 22:28:53 ID:jQlAPKHM
684 名前:狙撃主の目覚め[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 22:30:31 ID:jQlAPKHM

「シグナム姐さん、明日は給料日なんでどっか飲みにでも……」
「すまないがテスタロッサと食事の予定が入っている」
「ああ、そりゃまた失礼しました」



「なあティアナ、明日の休日なんだけど、できたらどっかに……」
「あ、ちょうどよかった。明日スバルと出かけるんでバイク貸してくれませんか?」
「…………別に構わないぞ」



「アルト、実は明日俺暇なんだけど……」
「ルキノ〜、明日のデートで相談があるんだけど」
「完全無視かよ!」




          ※




「…………ちくしょう。なんでうちの職場は同性愛者ばっかりなんだよ」

 翌日の夕暮れ、ヴァイスはとぼとぼと独り寂しくグラナガンの路地を歩いていた。

「きれいどころが揃っているっていうのに、どいつもこいつも女同士でいちゃこらいちゃこら……。世の
中絶対間違ってるだろ!」

 全員が全員そういうわけでもないが、少なくともヴァイスと多少なりとも縁がある機動六課の女性はみ
んな百合属性だった。
 それでも果敢にアタックを繰り返しているヴァイスだが、結果はいつも空振り三振。それも三打席連続
で。同僚の義兄が言ったという「世界はこんなはずじゃないことばかりだ」という言葉が心の傷口に染み
る。
 世界の理不尽を嘆くヴァイスに、相棒のデバイスが陽気な声をかけてきた。

『嘆くこたぁねぇぜ。俺様だって独り身だ』
「お前ら機械に慰められてもなあ」
『なめたもんじゃねえよ。俺様達の世界も好いたの惚れたの色々あるんだぜ』
「そうなのか?」
『おうよ。今一番ホットな話題は、レイジングハートとマッハキャリバーとクロスミラージュの三角関係』
「なんだその泥沼!?」
『クラールヴィントがこれまでの経緯をまとめた自主制作動画配布してからもう大人気』
「あの人デバイスまで創作活動してるのかよ!」
『昨日レイハの旦那のバルディッシュが殴りこんでご破算になったたけどな。詳しく聞きたいか?』
「いらん。聞いたらなのはさん達までまともな眼で見れなくなりそうだ」

 同性愛者だらけという時点ですでに充分まともでない気もするが。

『レイハお姉様、私は……私は先日の模擬線で貴方にバリアを打ち抜かれてからずっとあなたのことが忘
れられなくて……!!』
「聞かねえつってんだろ! 気色悪い真似すんな」
『いや、真似じゃなくてケリュケイオンが盗聴したののコピー』
「余計悪いわ!…………さて、いつまでもうだうだしてても仕方ない、っと」

 一つ頬を叩いてしょぼくれた気持ちを立て直したヴァイスは、繁華街から一本外れた通りに入る。
 途端に、通りの雰囲気ががらりと変わる。
 並んでいる建物は、ピンクのけばけばしいネオンにハートマークがやたらとついた看板を並べた店ばか
り。人影はそこそこあるが、全て一定年齢以上の男性ばかりである。
 ある意味では表通りに負けない華やかさを誇っているがどこか淫猥で、触れただけで色に染まってしま
いそうな怪しい雰囲気が立ち込めている。
 独り寂しく夜を過ごす男達が、一晩だけの快楽を求めて集う通り、風俗街である。

「今夜はヘルス『六花』のディアナちゃんでも指名するか…………ん?」

 慣れきった足取りで進むヴァイスだが、行きつけの店のだいぶ手前でふと立ち止まった。
 ヴァイスの記憶に無い風俗店が、そこにはあった。

「……こんな店、あったか?」
『さーあねえ。俺様だって店の一軒一軒まで覚えてるわけじゃねえし』
「しかしまたでっかい店だな。プレイコースもやたらあるし」

 敷地をたっぷり取った店構えで、『ソープナンバーズ』と書かれた看板も風俗店の水準からすればかな
り巨大で目立つ。
 だがヴァイスの眼を本当に引いたのは、店の大きさでも派手な看板でもない。
 ガラス越しに見える受付嬢。その美貌がヴァイスの足を止めていた。
 遠眼にも目立つ金髪は、ヴァイスの同僚の執務官のような輝く金色ではなく、ややくすんでおり重たげ
な色合いをしている。だがその色が、どこか冷たさを感じさせる表情と合っており、暗い色を漂わせてい
た。
 正面を見つめていた視線が、ヴァイスを見つけた。にこりと口元が笑って、どうぞ中へと手でいざなわ
れた時、ヴァイスの心は決まっていた。

「うし、当たりかはずれか分からないけど、今日はここにしてみっか。男に必要なものはチャレンジ精神
だっていうしな」
『チャレンジ精神発揮する場所、盛大に間違えてると思うぜ』
「やかましい。もうお前しゃべるな。雰囲気が壊れる」
『へいへい』

 それなりに素直なデバイスは完全に沈黙する。
 ヴァイスは軽く気合を入れて店へと入っていった。

「いらっしゃいませ」
「空いてる娘、どんなのがいる?」
「こちらになります」

 素早く、全身写真と可能なプレイコースが載ったカードが四枚手渡される。
 四人の姿を見たヴァイスは、内心驚きの声を上げた。

(うわ……すっげえ美人ばっかりじゃないかよ)

 ボーイッシュ系から大人の魅力のある女性、さらには法に触れているのではないかと思われる幼い肢体
の少女まで多種多様、それもみな外見はことごとく美人の部類に入る女ばかりである。
 正直な話、ヴァイスはこの店にろくな女の子がいなくてもおかしくないと思っていた。受付にいる美人
はいわゆる看板で限定会員でないと指名できず、他の娘はろくなのがいない。そういう店もよくある。し
かしこの店は掛け値なしに当たりであった。チャレンジ精神万歳。
 それでも一応ヴァイスは訊ねてみた。

「あんたを指名するっていうのはできないのか?」
「もうしわけないのですが、わたくしドゥーエは五回以上通っていただき会員メンバーとなってもらうま
では指名できないシステムになっていますので」
「そりゃ残念」
「けど私のプレイ」

 ドゥーエと名乗った女性の目が、すいっと細まる。

「一回やったら最後、男の人は病みつきになるみたいよ?」

 唇が弧を描き、ちらり赤い舌が覗く。
 たったそれだけの仕草と言葉遣いだけで、ドゥーエの雰囲気は受付嬢から夜の世界で生きる女のものに
変わっていた。

「……商売上手だなあ。破産するまで通っちまいそうだ」

 思わず惹かれかけたヴァイスだったが、はぐらかした笑みと言葉を口にすることでなんとか誘惑から逃
る。気が向いたらどうぞ、と態度を戻したドゥーエから改めて手元のカードに視線を落とした。

(しかしこれ…………本気で迷うな)

 職場が女だらけなくせに女日照りという理不尽な状況だけに、目の前に極上の美女をずらりと並べられ
ると本気で迷う。

(一回ロリに挑戦しとくのもいいが、こっちのディードってのもすげえおっぱい持ってるし…………ああ、
本気で悩んじまう)

 いっそのこと財布に無理をさせ全員指名をやらかそうかとまで考えつつあるところに、ドゥーエの細い
指がすいっと一枚のカードを指差した。
 カードに写っているのは、紺色のショートカットをしたやや眼差しのきつい女性だった。大柄な身体と
それに見合ったボリュームのある胸が特徴的だが、あまりこの手の商売では見かけない雰囲気の女でもあ
る。
 名前は「トーレ」とあった。

「お悩みのようでしたら、こちらの娘などいかがでしょう。当店一押しの娘で、ちょっと特殊なプレイが
出来るんですよ」
「特殊プレイって、鞭で叩いたりウォータープレイだったりするのか?」
「そこまでマニアックなものではありません」
「もっと具体的に言ってもらいたいんだけどな」
「あら、直前まで分からない方がお楽しみになれてよろしいのでは?」

 ヴァイスの問いかけを女は笑ってするりとかわす。

「もちろんお客様が拒めばしませんし、初回なのでオプション料金を払って頂くようなこともありません」
「ほんと、商売上手なお姉さんだな」

 ヴァイスは苦笑しながら頷いた。

「美人のお勧め断るってのも野暮だし、この娘にするよ。とりあえず、一時間コースで」
「ありがとうございました。では三番の部屋へ。ごゆっくりどうぞ……」

 優雅な仕草で頭を下げるドゥーエの前に数枚の紙幣を置いて、ヴァイスは期待に胸を躍らせながらプレ
イルームへと向かった。

          ※




(…………いまいち)

 プレイ開始から十五分、部屋に入るまで確かにあったヴァイスの高揚感はしぼみつつあった。
 ただし素っ裸になった身体の下半身は、気持ちと真逆でひどく張り詰めている。
 その肉棒を包んでいるのは透明な泡と、規格外と言ってよい大きさの乳房である。ボディソープの助け
を得た胸は、ひどく滑らかに幹をしごきあげていく。
 もちろん口も休んでいない。含まれた亀頭はぴったりと唇で覆われ、先の穴を舌がちょんちょんとつつ
く。
 未通女の初々しさなどというものは無い。しかし熟達した手管がもたらす快感は、青い果実の味わいと
は比べ物にならない。
 にも関わらず、ヴァイスの絶頂は遠い。腰がややむずむずする程度である。
 相手にもそれが分かるのか、愛撫の手を止めて女は顔を上げた。

「気持ちよくないのか?」
「そんなことはないぜ。そのまま続けてくれていい」

 首を横に振りながらも、ヴァイスは上目遣いに見上げてくる顔を見て内心ため息をついた。

(この顔なんだよなあ……)

 トーレというソープ嬢は、技術だけならこれまでヴァイスが抱いてきた風俗嬢の中でも一、二を争う技
量だと断言してもよい。
 しかしいかんせん、表情が良くない。照れや媚といったものが一切無いのだ。紹介カードに写っていた
顔そのままの、細めた鋭い眼差しと鋼を連想させられる硬い表情で見られればいかにもお仕事だから仕方
なくやっています、という感じがして興奮が削がれる。

(堅物っぽい女だけど、もうちょっとなんとか…………いや待てよ)

 ふとヴァイスの頭に、似たような雰囲気を持つ人物が思い浮かんだ。
 トーレと同じくとびきりの美女で素晴らしい肢体を有しておりながら、古武士のような鋭い雰囲気を持っ
ており性的なことを想起させない女性。
 烈火の剣聖、シグナムである。

(よし…………これはシグナム姐さんの胸。シグナム姐さんがおっぱいに挟んでしてくれてる)

 眼を閉じたヴァイスは、頭の中の空想を現実に落とし込んでいく。
 愛撫を受けながら他の女性を想定するなどというのはおっそろしく失礼なことだろうが、そこはお金を
払ってギブアンドテイクな関係である。罪悪感は薄い。
 下半身に感じる現実の動きにシンクロして、ヴァイスの脳内シグナムが胸の峡谷奥深くまでしっかりと
挟み込み、包みきれなかった部分は桜色の舌で愛していく。
 効果は中々に劇的であった。さっきまでより格段に興奮が増して、肉棒がなんどもびくびくと痙攣する。

「く、うぁっ……もっとそうやって乳首で……!!」

 尿道口を乳首でぐりぐりやられて、ヴァイスはうめく。トーレの頭に置いた手が、ぐっと濃紺の髪を乱
した。
 一度感じてしまえば、トーレの胸は素晴らしかった。肉感的な胸が隙間無く性器全体を覆いながら、柔
らかく締めつけてくる。
 シグナムの胸もこうなのかと思えば思うほど、吐精の気配が恐ろしい速度で湧き上がってくる。あまり
我慢することもなく、ヴァイスは放った。

「シ…………ぐぅっ!!」

 極限の瞬間、思わずシグナムの名前を呼びかけたヴァイスだったが、直前でなんとか唇を噛むのが間に
合った。
 言葉ではなく、白濁液が飛び出る。その間もトーレの手は休むことなく肉棒をしごき、最後の一滴まで
きっちりと出させた。
 出し残しが尿管をゆっくり通っていく気持ちよさに腰を震わせながらも、ヴァイスはこれからどうしよ
うかと考えていた。
 このまま本番もずっとシグナムを妄想しながらヤルというのも虚しい。かといって素のままのトーレを
抱いても、そこまで悦楽に浸れない気がする。

(どうせだから受付の姉ちゃんが言ってたあれ、やってみるか)

 完全に出し終えるのを見計らって、ヴァイスは口を開いた。

「そういえばあんたって特殊プレイが出来るって聞いたんだけど、どんなのなんだ?」
「…………」

 ヴァイスの問いにトーレは答えない。ただうつむいた顔の頬あたりに、これまで見えなかった含羞が漂っ
ているような気がした。

「……………………だ」
「なんだって?」

 さらに長い沈黙の後、ようやくトーレは聞こえるぐらいの、それでも小声で言った。

「………………後ろだ」
「後ろって、尻か?」

 トーレは下を向いたまま、小さく頷いた。

「そりゃ確かに特殊だな。さて、どうすっか……」

 そういうプレイの可能な店もあると聞いてはいたが、これまでヴァイスは行ったことは無い。やったと
いう奴の感想を聞いたことも無い。

(せっかくだし、体験してみるか。これもチャレンジ精神だ)

 一つ頷いて心を決めたヴァイスは、まだ恥ずかしそうにしているトーレに言った。

「じゃ、それで一つ頼むわ」
「了解した」

 くるりと後ろを向いて手足をついたトーレ。背中のラインをたどって腰の双丘まで視線を落としたヴァ
イスは、思わずごくりと唾を飲んだ。
 紹介カードでは正面からだったため、こうして全裸で向き合っても胸に気を取られていたため気づかな
かったがトーレの尻は実に立派なものだった。
 どっしりとした重みを感じさせる安産型の尻は、それでいてしっかりと引き締まっていて肉がだぶつい
ているということもない。つい手のひらにずっしりとした重みを確かめたくなるような魅力がある。

「最初だけ、指で弄ってくれ」
「あ、ああ!?」
「挿入れる時にお前が痛くなるといけないから。……すぐほぐれるはずだが」

 ついつい見呆けていたヴァイスは、トーレの声で我に返って言われるがままに指を伸ばす。
 他人様の肛門に触れるなどという行為は生まれてこの方やったことがないので、おっかなびっくり指を
挿入れるヴァイス。
 本当にちょっとだけ、爪の半分程度だけ挿入れてみた。
 途端、ずいぶんと艶っぽい声が上がった。

「ふあぁぁ……!!」

 思わずヴァイスは動きを止めてしまう。

(今の声、本当にこいつのか?)

 ここまでのトーレとギャップが有りすぎる。
 もう一度、今度はより深く指を進めてみた。さらにちょっと捻りを加えてみる。

「あ…………ひんっ!」

 やはりとんでもなく女らしい声が出た。
 そっと横顔を窺ってみると、トーレの頬にうっすらと赤みがさしていた。目尻もやや下がって潤みの気
配を見せていた。

「……お前、めちゃくちゃ尻弱いのか?」

 こくり、と弱々しい首肯が返ってきた。
 その仕草も表情も、最前までとは全く違う。鋼鉄の女がちょっと尻を弄られただけで、あっという間に
蕩けてしまった。
 ヴァイスの喉が無意識に鳴り、指はどんどん奥へと沈んでいき、回す角度は大きくなる。
 あまり女性を感じさせなかった女が、今はただの気弱で快感に震えるだけの女に堕ちたという事実は、
男の獣欲を満たして余りあった。
 これもソープ嬢のテクニックの一つか、と思考する脳の配線が急速に焼き切れようとしている。
 欲望の化身である肉棒も、はやく尻を食らわせろと先端から新たな涎を垂らしていた。

「……挿入れたいのか?」

 首を回してヴァイスの股間を見たトーレが言う。

「もうかまわないぞ」
「もうって……まだほとんどしてないぞ」
「これぐらいで大丈夫だ。……………それに私も」

 早くしてほしい、と唇だけでトーレは呟いた。

「分かった。そう言うんならやっちまうぞ」

 指と入れ替わりに、腰の照準を直に当ててつける。
 挿入の刹那、亀頭に覚えたのは衝撃的な強さ。
 だらしなく口を開けていた入り口が、雁首まで飲み込んだ途端にきゅっとまとわりついた。鈴口にまで
肉壁が入ってくるような気がするまでに、尻穴は男を迎え入れて歓喜していた。
 まだとば口にすぎないというのに、腰がはりきれんばかりの快感がヴァイスに襲いかかっていた。

「うっわ……尻、気持ちよすぎだろ……くぅ!」

 もう止まれない。
 ヴァイスはほとんど一息に肉棒全てを尻に侵入させた。
 暴虐な結合に、トーレが声にならない叫びをあげながら背を仰け反らせた。
 それが、男から雄に変わりつつあるヴァイスには不満だった。さっきの甘い声がもっと聞きたい。
 直腸を味わいながらも、ヴァイスは手を伸ばして揺れている乳房をぎゅっと掴んだ。

「くはぁん!?」

 ヴァイスの希望通りトーレの喉から搾り出される声は一オクターブ高かった。
 変わったのは声の調子だけではない。中までも、肉棒を食い尽くすかのように緩急つけて締めつけと緩
みを繰り返した。

「ほら、もっといくぞ!」

 胸も凄かったが、尻はもっと凄い。一回前後するのが、数十回のピストン運動に匹敵すると錯覚するぐ
らいの快感を与えてくる。
 前とはとろみの違う果汁もぬるりと絡まり、ヴァイスの理性を溶かしいく。
 秘裂からもおびただしい蜜が、垂れ流されるどころか飛び散っている。ヴァイスの精巣まで濡らしてい
るほどである。

「あくぅ!?」

 いきなりこれまでの最大の強さで締めつけられ、ヴァイスは危うく放ちかけた。
 必死でこらえたが、手を置いていたトーレの尻を爪痕がつくぐらい強く握り締めた。
 無意識下での行動が、意外な反応をもたらした。
 トーレの背が突っ張ったかと思うと、頭が何かに耐えるように激しく振られる。

「お前……こうやって揉まれるのも、感じるのか?」
「あはあっ……! そ、そうだ。お前のモノでも手でも、尻をめちゃくちゃにしてくれ!!」

 言われるがまま、遠慮なくヴァイスは尻を揉みしだく。ヴァイスの広い手でも掴みきれない大きさの柔
肉が指の間からはみ出しすぐらいに強く。
 呼応して、トーレの尻穴がまだこれ以上があるのかというぐらい強くヴァイスの分身を噛む。
 こらえるために閉じた瞼の裏がちかちかする。ヴァイスがどれだけ耐えようが、射精へのカウントダウ
ンは始まっていた。遅らせるためには、一度抜くか止まるかしなければいけない。
 しかしヴァイスは逆に腰を加速させた。自分自身とトーレに止めを刺すためのラストスパート。快楽の
時間の終わりには、長さよりも鮮烈さが欲しい。

「はあっ! ああああ!!」

 いっそう激しく突かれて、体勢そのままの獣の如き叫びをトーレが上げる。

「ぐああああ!!」
「あっっああっあああああん!!」

 訳の分からない叫びに続いて、腰から脳天を直撃する電流。それでようやく、自分が射精したのだとヴァ
イスは認識させられた。
 腰から精液どころか内臓まで出ているのではないかと思うぐらい激しい射精は、数回分に匹敵する量と
なってトーレの尻穴から零れ落ちた。
 それでも射精が止まった途端、またもやヴァイスは荒々しく腰を動かし始める。

「抜かないでいくぞ……!!」
「もっと、もっと突いて、抉って、出してくれ!!」

 トーレもよがり狂った嬌声で応える。
 二人の声が部屋中に響き渡り、混ざり、砕けて散る前に次の啼き声が上がる。
 その声は、いつになっても止むことは無かった。

          ※




「うへぇ…………太陽が黄色いぜ」

 朝日が昇って間もない時刻、ヴァイスはよろばいながらようやくにしてプレイルームを出た。
 初めてのアナルプレイは、夜の街でそこそこ遊んでいるヴァイスですら虜にさせた。延長に継ぐ延長で、
気がつけば朝までコースになっていた。
 ひっくり返りそうな身体を壁についた手で支えながら出口を目指していると、昨夜は受付にいたドゥー
エが隣の部屋から出てきた。

「あら、お客様。徹夜コースに変更されたんですか?」
「ああ……あの姉ちゃんの尻、凄かった」

 こちらもプレイが終わって身づくろいしたところなのか、バスローブ姿で髪の毛がしっとりと水気を帯
びている。素肌にバスローブ一枚羽織っただけなので、胸の谷間や白いふくらはぎがちらちら見え隠れし
ているが、出すだけ出しまくった今のヴァイスにはどうだっていいことである。

「それはよかった。あの娘、アナルで感じるよう徹底的に調教してあるんですよ」
「……どうりで」
「気に入られたなら、またのご来店をお待ちしております」

 愛想の良い笑顔に見送られて店を出る。
 ふらつく足取りで始発に乗り込み六課にまで戻ってきたヴァイスが眠気覚ましの熱いシャワーを求めて
共同浴室に入ると、すでに先客がいた。
 まさにシャワー室に入ろうとしていたのは、赤毛が目立つ少年。

「あ、ヴァイスさんおはようございます」
「お前は今日も早朝自主練か? 精が出るよな」
「まだまだフェイトさん達みたいに強くないですから。……眠たそうですけどヴァイスさんも早起きして
ヘリの整備とかしていたんですか?」
「…………そんなところだ」

 十歳児に夜遊びについて語る気はせず適当に答えるヴァイスだったが、シャワー室に入るエリオの後姿
を見た時に思わず息を呑んだ。
 ヴァイスの視界に入ったもの。
 すなわちそれはエリオの尻である。
 女性のように白い丸み。毛の一本も生えていないつるつるとした触り心地であろう肌。普段の訓練の賜
物か、きゅっと引き締まっている。
 真ん中の桃色をした穴に突っ込めば、きっとトーレとは違った瑞々しい味わいがするであろう。

(なっ、何考えてんだ俺は!! あっちは風俗嬢、こっちは同性のガキなんだぞ!?)

 しかし制止を訴える脳味噌は、同時に昨夜の快感までフラッシュバックしくさる。
 あっという間に出しまくったはずの下半身に勢いが戻ってきたうえに、不埒な考えは発展していく。

(………けど、シグナムの姐さん達だって女同士で色々やってるんだから、俺だって、俺だってヤッちまっ
てもいいじゃないか……!!)

 心に響く悪魔の囁きに導かれるまま、ヴァイスの手はエリオの背中に伸びかける。
 その誘惑から逃れるためにヴァイスが取った手段。
 それは腐った思考を垂れ流す頭を、奇声を上げながら風呂場の壁にぶつけることであった。

「うわああああああ!!」
「な、何やってるんですか!?」
「大、丈、夫、だ!! 俺は、俺と、お前の、ために、やってるんだから!!」
「意味分かりませんよ!?」
「煩悩退散煩悩退散煩悩退散!!!!」
「誰か! 誰か来てくださーい! ヴァイスさんが乱心してます!」




 駆けつけたグリフィスにより、頭蓋骨陥没一歩手前でなんとかヴァイスは事無きを得た。
 しかしこの奇行が六課中に知れ渡ったため、シグナム達どころか全女性隊員から不審者扱いされるよう
になり、ますます風俗店通いが加速するのであった。

「毎回私を指名してくれるのは嬉しいが、こうも頻繁に来て金は大丈夫なのか?」
「いいんだよ。お前は俺の人生色々と変えちまった女なんだから」
「そ、そういうことを真面目な顔して言わないでくれ!」

 そしてこの事が一つの縁を作るのだが、それは別の話。




          終わり


目次:ソープ・ナンバーズ
著者:サイヒ

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