131 名前:着替え 1/5[sage] 投稿日:2008/11/23(日) 01:46:22 ID:ag+gZj72
132 名前:着替え 2/5[sage] 投稿日:2008/11/23(日) 01:47:49 ID:ag+gZj72
133 名前:着替え 3/5[sage] 投稿日:2008/11/23(日) 01:48:58 ID:ag+gZj72
134 名前:着替え 4/5[sage] 投稿日:2008/11/23(日) 01:50:39 ID:ag+gZj72
135 名前:着替え 5/5[sage] 投稿日:2008/11/23(日) 01:52:01 ID:ag+gZj72

「まったく…… なぜ僕が君なんかの愚痴に付き合わなきゃならないんだ?」
ぼくだってきみなんかと食事とは、あんまり本意じゃないけど。
どういうわけかぼくの周囲は女の子ばかりでね…… 話の性質上きみしかいないんだよ。
「まあ、僕は日頃君にだいぶ無理難題をぶつけているからな。たまにはいいさ」
一応自覚はあったんだね。何よりだ。
「だが、君が愚痴とは珍しい…… よっぽどおもしろい話なんだろうな」
それは知らないが、まあ聞いてくれ。この前野暮用でなのはの居室に行ったんだが、彼女は出てこない。
仕方なく、鍵が開いていたから入っていったんだけど……
「ちょっと待て」
どうかした? 何か変かな?
「……いや、いい。続きを」
そうしたら、まあその、タイミングの悪いことに、彼女は着替え中だったわけだよ。
「おいおい、何だよそのタイミング。このラッキースケベ。淫獣」
そこまで言わなくてもいいじゃないか。
「で、どこまで見た?」
双曲線ってのは、まったくもって不思議な図形だよね…… 
えっへん、そんなことはいいんだ。問題はその後だよ。
当然、ぼくは動揺した。彼女に咎められると思った。非難を浴びると思った。
……でも実際にはこうだった。

『あ、ユーノ君。頼んでたもの持ってきてくれた?』
『……うん』
『じゃ、そこに置いてもらっていいよ。じゃあね』
『……わかった。じゃあね……』

こんな具合さ。どう思うよクロノ。
「……なんも言えね」
実際ぼくもリアクションに困ったんだが。
「普通は、『キャー、ユーノ君のエッチ! バカ! 淫獣!』とか言って、
 アクセルシューターの1つや2つ飛んできてもおかしくないようなものだが」
それも恐ろしいけど…… 今回はあとからじわじわ来たね。
結局のところ…… あなたは飼い猫の前で着替えるとき、羞恥心をおぼえますか? ってことだよね…?
「飼いフェレットか……」
それ以上ぼくに打撃を与えないでくれ。
「いいじゃないか。これからもお咎めなしに見放題。役得だな」
待てよ。これでもぼくは真剣なんだ…… ふざけないでもらえるかな?
「……わかったよ」
で、ぼくはどうしたらいいんだ……
その点を、貴官にうかがおうと思ったわけです、提督閣下。
「閣下はよせ。気持ち悪いんだよ」
いえいえ、妻帯者かつ子持ちでいらっしゃる。
わたくしめのようなチェリーからすれば神や聖王様にも等しく……
「待て。淫獣などと言ったのは悪かった。謝るからそんな卑屈な言い種はよしてくれ」
……ふう。一応ぼくは自分が男の子だというつもりなんですけど。
「要は、彼女が実際のところ、そう思っているのか、知りたいわけだろ?」
まあ、そういうことかな。
「それならいい方法がある」

それでぼくは、友人の言ったようにしたわけだ。
なのはが無限書庫に、ぼくが貸したものを返しに来る。
そのときに……
「ユーノ君いる〜? 入るよー」
ほら来た。
「このまえ借りたもの返しに来たよ…… と……」
彼女の動きが止まった。当然だろう。
このときぼくは『着替え中』だったのだから。

友人の彼が言うには……
『君も彼女の前で脱いでみろ』
何を言っているんだ?
ぼくは、エース・オブ・管理局員にわいせつ罪の現行犯で逮捕してもらうつもりはないんだが。
『まあ聞け。君のときと同じく、着替え中を演出するんだよ。
 彼女が乙女であるのなら、
 彼女が君を男の子と思っているのなら、
 何らかのリアクションがなされることだろう』
なるほど。この際、なのはが「乙女」であることに疑いは挟まないことにしよう……

そういうわけで、ぼくは彼女の反応に注目。
「びっくりした〜」
これは…… いけるか…?
「なんだユーノ君か〜」
……『なんだ』って、なんだ。
「女の子が着替えてるのかと思って、焦っちゃった」
おーい、ぼくは男の子ですよー。
「よかったー、ユーノ君で」
何がよかったんだろう…… 全然わからないや♪
「これ返すよ。置いとくね。じゃあね」
……じゃあね。

そういうわけだよ提督閣下。
「……本日はスクライア大先生に、小官から一杯おごらせてください」
一杯で足りるかな…… 今日のフェレットの胃袋は、見た目より大きいかもしれないからね。


著者:◆hZy29OoBJw

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