359 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/05/11(火) 23:47:27 ID:BF.UeqfU [3/4]

「竜の王様」


 私は六歳の時に、家族と一緒に住んでいた村から追い出されました。そして、お父さんとお母さんにも捨てられてました。
今はフェイトさんと一緒に暮らしています。
 施設で知り合ったお友達みんなは、家族と一緒に色んな所へバカンスに行ったと教えてくれました。
フェイトさんはお仕事を頑張っているので、お休みがあまりとれません。
 だから、私はどこにも行くつもりがありませんでした。
 でも、私は竜の王様に会う事ができました、

 ある日、竜の王様からフェイトさんにお手紙が来たのです。
 キャロちゃん、一度遊びにおいで。とお手紙には書いてありました。
 行きたいと私が言うと、フェイトさんはとても喜びました。そしてお弁当を作ってくれて、お小遣いもくれました。地図も書いてくれました。

 次の日は、朝早く起きて家を出ました。フリードはおとなしくお留守番です。
 大きなターミナルから列車に乗ります。
 私は何時間も列車に乗っていました。そしてついた終点駅は、もう竜世界の入り口でした。
 私は列車を降りて、歩き始めました。
しばらく歩くと、竜世界の商店街があったので、地図の通りに、その中をまっすぐ歩いていきました。
 竜のお店がいっぱいあります。
 途中でお腹が減ったので、お店に入って温かいスープと飲み物を買って、フェイトさんの作ってくれたお弁当を食べました。
 商店街が終わったところで、今度はバスに乗りました。
 バスに二時間くらい乗っていると、竜の王様の住む町に着きました。
 竜の王様は、立派なお家に住んでいました。まるで、ホテルアグスタみたいでした。
 ホテルのボーイみたいな人が門番でした。
 門番の人に案内された部屋の前では、竜の女王様が待っていました。
 女王様は「良く来てくれたわね」と歓迎してくれました。
 部屋の中では、王様がテレビのニュースを見ていました。
 君がキャロちゃんかい? と王様は尋ねたので、私ははい、と応えました。
 竜の王様と女王様はとっても喜んでくれたので、私も嬉しくなりました。
 いっぱいお話ししました。私が独りぼっちでいた事。だけど、今はフェイトさんがいる事。もうすぐ、エリオという男の子と会う事。
 王様と女王様は、良かった良かったと言って、泣きそうになってしまったので私はとてもビックリしました。
 その日の晩ご飯はご馳走でした。
 私の好きなモノばかりが出てきました。デザートもたくさん出てきました。
 お腹一杯になると、こんどは女王様と一緒にお風呂に入りました。
 その夜は、三人で一緒に寝ました。大きなベッドで、おと……王様と女王様に挟まれて寝ました。
 おか……女王様はとても良い匂いがして、温かかったです。

 目を覚ますと、ベッドには王様も女王様もいなかったので私は慌てて探しました。
 女王様は朝ご飯の準備をしていて、王様はテレビのニュースを見ていました。
 三人で一緒に朝ご飯を食べました。
 そして、帰る時間になってしまいました。
 王様も女王様も、また会おうね、いつでも待っているからね、と言ってくれました。
 フェイトさんにもよろしく、と王様は言って、お土産に竜の牙で作ったというブレスレットを三つくれました。
 私は、一つを自分のモノにして、一つをフェイトさんにプレゼントしました。
 エリオ君に会ったら、最後の一つをあげようと思います。

 私は、竜の王様と女王様に会ってきました。これは、本当のお話です。


著者:野狗 ◆NOC.S1z/i2

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