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『休日デート3』/ラミリア



(閑話休題)

TELLLLTELLLLTELL・・・ピ

「・・・あ、も、もしもし!?・・・う、うん。い、一応言われたようにやってるけどさ・・・こ、これ、やったらメチャクチャ恥ずかしいんだけど!?
あ、あんたに聞いた時は、よしって思ったけどさ!・・・え?う・・・それはその・・・。た、確かに・・・すごく幸せだった・・・。羨ましいって・・・嫉妬もした。
・・・うん。認める。でもさ・・・え?・・・え!?そそそそんなこと無理!無理無理絶対にないない!!こ、こんなのずっとなんて・・・!え?・・・そ、そうだね、そろそろ出ないと・・・って!?ちょっと待って!?た・・・!!」
ツーッ、ツーッ、ツーッ・・・

一方
ピッ
「・・・まっずいわね。少し気後れしだしてるわ」
「えー?そんじゃここにいるのヤバくない?」
「うん・・・でも、もう少し先までいくかも・・・なんだよね」
「それは見逃したくないけどぉ・・・」
「・・・ま、もう少しここで待機。もしもの時は・・・(ちら)」
「?なによ?」
「・・・デコイいるし・・・(ボソ)」
「あたしかよ!?」

その頃表では。

「俺は何も聞こえない俺は何も聞こえない俺は何も聞こえない・・・」
呪文のように繰り返しながら、俺は必死で耳を押さえていた。
女子の入っているトイレと扉一隔て。
よからぬ妄想が後から後から浮かぶのを、必死に頭から振り払う。
そうだ俺はHENTAIじゃねえ。
待ってろって言われたから待って・・・は!?
そのとき脳裏に浮かんだのは、さっきの櫛枝実乃梨。

『行っちゃやだよ』

うおおおおお!!
なんだあれなんだあれ!?可愛すぎるだろ!反則だろ!?一発レッドカードだろ!それともなんだ、神のカードか!?
跳ね回る心臓を意識しながらゼイゼイと息を切らす。
ただでさえ朝から心臓MAXヤバスなのに、このままじゃ俺の寿命今日で切れるぞ?
すまねえ泰子。
帰ってきた時、泣き崩れる現実に直面するかも知れねえ。
でも俺はきっと笑顔で逝ったはずだから・・・だから泣「お、おまたせ・・・」
「おわあ!?」
突如掛けられた声にきっかり10年は寿命が縮まった。
くそ。俺のライフは後いくつだ・・・?


「高須君?」
「お、おう!な、なんでもないぞ!」
なんでもないことなど微塵も無かったのだが、それでも必死に取り繕った。
「お、遅かったな?」
「!・・・」
その俺の言葉に、無言で俯く櫛枝。
どうしたんだ?何か俺、不味いこと言ったか・・・?
「あ」
不味いこと言ったよ!!
慌てて櫛枝を良く見ると耳まで真っ赤だ。バカか俺は!?
トイレに入ってた櫛枝に、『遅かったな』なんて・・・うわぁああ!!む、無神経過ぎだろ俺!?
「や、ち、違うんだ櫛枝!そそそう言った意味で言ったんじゃなくて、えとほらあれだその・・・!」
だああ!
う、上手い言い訳が出てこない!ど・・・どうする!?
「高須君」
え?
頭を掻き毟っている俺の目の前、
「・・・抱っこ・・・」
櫛枝が・・・両手を差し出していた。
ズクン!と、俺の心臓がまた跳ね上がる。
「・・・」
無言で少し屈むと、櫛枝が俺の頭を抱きしめた。
そのまま膝裏とお尻の下に手を入れて持ち上げる。
やっぱり軽いその身体を、また居間へと運ぼうとした。その刹那。
「高須君の・・・バカ」
耳元で囁かれて、思わず膝が砕けそうになる。
それでも櫛枝を落とすわけにはいかないと、必死で抗った。
「や・・・わ、悪ぃ・・・」
いまだ耳に掛かった吐息の感触が忘れられず、俺は真っ赤になっている顔を自覚しながら呟いた。



「あ、帰ってきた」
「おやおやぁ?なーんかお互いイイ感じじゃね?」
「うん、だね。このあと・・・ちゃんとやるかな、さっきの?」
「あんたが言ったやつ?どーっかなー?さすがに無理じゃねーの?」
「うーん・・・できれば欲しいんだよねー・・・」
「・・・あんたまだ『アレ』やってんの?」
「うん。すごい反響良いんだよ?主にソフトボール部」
「だろーよ・・・」

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