司法的解決 
・常設国際司法裁判所(PCIJ)、国際司法裁判所(ICJ)
・中米司法裁判所（解散）、ヨーロッパ共同体裁判所、ヨーロッパ人権裁判所、米州人権裁判所
・中米司法裁判所（解散）、ヨーロッパ共同体裁判所、ヨーロッパ人権裁判所、米州人権裁判所
| 国際裁判 | 仲裁裁判 | 司法裁判 |
|---|---|---|
| 裁判の設置 | 臨時に設置 | 常設 |
| 裁判官 | 合意で選定 | 予め選定されている |
| 適用法規 | 柔軟に適用 | 厳格に適用 |
国際司法裁判所(ICJ)
国際司法裁判所(ICJ)は、国際法に基づく裁判によって国際紛争を平和的に解決することを任務としている。ICJは国連の「主要な司法機関」(憲章92条)として、国家間の争訟事件の裁判や、法律問題について勧告的意見を述べることが出来る。ICJは地域的な国際裁判所と異なりすべての国連加盟国がICJ規程の当事国となること、また国際法上のすべての問題を付託できることから、唯一の普遍的な国際司法機関である。ICJの判決や意見には高い権威が認められ、国際社会では統一的な立法機関は存在しないため、国際法解釈を通じて国際法の発展に与える影響は大きい。
◆ICJの紛争解決手続の流れ
根拠法： 国連憲章第14章、ICJ規程、ICJ規則
� 々餾殃響茲糧�生
�◆�ICJに管轄権が生じる
�� 紛争当事国がICJに訴えを提起する
�ぁ＼莊菘�抗弁、仮保全措置の実施
�ァ�ICJ審理
�Α“酬�
判決は当事者間において、かつその特定の事件に関してのみ拘束力を有する(規程59条)。国連加盟国はICJの判決に従わなければならない。一方の当事国が判決の義務を履行しない場合、他方の当事国は安保理に訴えることが出来る。安保理は判決を執行するために勧告・とるべき措置の決定をすることができる(国連憲章94条)。
◆ICJの紛争解決手続の流れ
根拠法： 国連憲章第14章、ICJ規程、ICJ規則
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判決は当事者間において、かつその特定の事件に関してのみ拘束力を有する(規程59条)。国連加盟国はICJの判決に従わなければならない。一方の当事国が判決の義務を履行しない場合、他方の当事国は安保理に訴えることが出来る。安保理は判決を執行するために勧告・とるべき措置の決定をすることができる(国連憲章94条)。
ICJの管轄権
すべての国連加盟国は、当然にICJ規程の当事国となる(憲章93条1項)。国連加盟国でなくとも安保理の勧告に基いて総会が定める条件の下でICJ規程当事国となることができる。国連非加盟国かつICJ規程当事国でなくとも、安保理が定める条件の下で紛争をICJに付託できる。
◆任意管轄の原則
国内裁判所と異なりICJは強制管轄権を持たず、管轄権は国家が裁判を行うことに合意した時にのみ生じる。従って一方の紛争当事国がICJに紛争を付託しても、他方の当事国が同意しない限り司法判決を下すことは出来ない(竹島、北方領土など)。これは一般に国際法が国家の合意によって定立されるという原則に基いている。
ICJは以下の4つの場合に管轄権が生じるとしている。
� ”嫗�合意 ：国際紛争が生じたとき、紛争当事国の間でICJによる解決を合意した場合に管轄権が生じる。
�◆（響莢魴莨鮃燹 Ь鯡鵑傍�定されている紛争解決条項や、議定書などの別個の裁判条約において、ICJに付託するという規定がある場合に管轄権が生じる。ジェノサイド条約など。
�� 選択条項 ：ICJ規程36条2項に従って、国際紛争をICJで解決するという意思を相互に宣言している場合に管轄権が生じる。日本は1958年に選択条項（強制管轄権）受諾宣言をしている。
�ぁ￣�訴管轄 ：一方的に提訴された訴訟に対して応じる場合に管轄権が生じる。
◆先決的抗弁
先決的抗弁とは、訴訟を開始する際に、訴訟開始の手続き的な要件を満たしていないとして、裁判の開始を阻止しようとすること。
【コルフ海峡事件】
1946年、英国軍艦が無害通航を理由にアルバニア領海内のコルフ海峡を強行通過している途中、機雷に接触して大破した。安保理はイギリスとアルバニアにICJに付託することを勧告し、イギリスは請求を一方的に提起した。アルバニアは、裁判所の強制管轄権を受諾していないこと、安保理勧告は拘束力を持たないことを主張し、イギリスの請求は受理不能とする先決的抗弁を提出した。
国際司法裁判所は、アルバニアの先決的抗弁を否定し、受諾を確認したとした。管轄権の受諾は付託合意によって事前に共同で行われる必要はない。
ICJは、アルバニアの書簡が応訴管轄として成立するとし、先決的抗弁を否定してICJに管轄権が生じていると示した。
◆任意管轄の原則
国内裁判所と異なりICJは強制管轄権を持たず、管轄権は国家が裁判を行うことに合意した時にのみ生じる。従って一方の紛争当事国がICJに紛争を付託しても、他方の当事国が同意しない限り司法判決を下すことは出来ない(竹島、北方領土など)。これは一般に国際法が国家の合意によって定立されるという原則に基いている。
ICJは以下の4つの場合に管轄権が生じるとしている。
� ”嫗�合意 ：国際紛争が生じたとき、紛争当事国の間でICJによる解決を合意した場合に管轄権が生じる。
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�� 選択条項 ：ICJ規程36条2項に従って、国際紛争をICJで解決するという意思を相互に宣言している場合に管轄権が生じる。日本は1958年に選択条項（強制管轄権）受諾宣言をしている。
�ぁ￣�訴管轄 ：一方的に提訴された訴訟に対して応じる場合に管轄権が生じる。
◆先決的抗弁
先決的抗弁とは、訴訟を開始する際に、訴訟開始の手続き的な要件を満たしていないとして、裁判の開始を阻止しようとすること。
【コルフ海峡事件】
1946年、英国軍艦が無害通航を理由にアルバニア領海内のコルフ海峡を強行通過している途中、機雷に接触して大破した。安保理はイギリスとアルバニアにICJに付託することを勧告し、イギリスは請求を一方的に提起した。アルバニアは、裁判所の強制管轄権を受諾していないこと、安保理勧告は拘束力を持たないことを主張し、イギリスの請求は受理不能とする先決的抗弁を提出した。
国際司法裁判所は、アルバニアの先決的抗弁を否定し、受諾を確認したとした。管轄権の受諾は付託合意によって事前に共同で行われる必要はない。
ICJは、アルバニアの書簡が応訴管轄として成立するとし、先決的抗弁を否定してICJに管轄権が生じていると示した。
ICJの審理
◆裁判官
・ICJの法廷は15名の独立・公平の裁判官で構成される。任期は9年、5名が3年毎に改選。再選可能。
・裁判官は「徳望が高く、且つ、各自の国で最高の司法官に任ぜられるのに必要な資格を有する者又は国際法に有能の名のある法律家」から国籍を問わず選挙で選ばれる。裁判官は指名名簿の中から総会・安保理が個別に選挙する。
・裁判の当事国は、自国出身の裁判官がいない場合、臨時に自国の推薦する人を裁判官として加えることができる。これは「特任裁判官(アドホック裁判官)」と呼ばれる。
・ICJ裁判官を経験した日本人は、田中耕太郎(1961-70)、小田滋(1976-2003)、小和田恒(2004-現職)の3人。
◆仮保全措置
判決がなされるまでには時間がかかり、その間に事態が悪化してしまったり、訴訟の目的物が毀損されたり処分されたりしてしまう恐れがある。仮保全措置とは、
・ICJ規程41条1項「裁判所は、事情によって必要と認めるときは、各当事者のそれぞれの権利を保全するためにとられるべき暫定措置を指示する権限を有する」
・仮保全措置の法的拘束力については、ICJは拘束力を持つと判示している（【ラグラン事件】）。学説では肯定説と否定説がある。否定説では、管轄権の存在が確認されていない場合であっても拘束力を生じることは任意管轄権の原則に反すると主張される。
・仮保全措置の要件は、�（歔瓦梁仂櫃慮⇒�が裁判の主題をなし、��緊急性を要することの２つがある。
・ICJの法廷は15名の独立・公平の裁判官で構成される。任期は9年、5名が3年毎に改選。再選可能。
・裁判官は「徳望が高く、且つ、各自の国で最高の司法官に任ぜられるのに必要な資格を有する者又は国際法に有能の名のある法律家」から国籍を問わず選挙で選ばれる。裁判官は指名名簿の中から総会・安保理が個別に選挙する。
・裁判の当事国は、自国出身の裁判官がいない場合、臨時に自国の推薦する人を裁判官として加えることができる。これは「特任裁判官(アドホック裁判官)」と呼ばれる。
・ICJ裁判官を経験した日本人は、田中耕太郎(1961-70)、小田滋(1976-2003)、小和田恒(2004-現職)の3人。
◆仮保全措置
判決がなされるまでには時間がかかり、その間に事態が悪化してしまったり、訴訟の目的物が毀損されたり処分されたりしてしまう恐れがある。仮保全措置とは、
・ICJ規程41条1項「裁判所は、事情によって必要と認めるときは、各当事者のそれぞれの権利を保全するためにとられるべき暫定措置を指示する権限を有する」
・仮保全措置の法的拘束力については、ICJは拘束力を持つと判示している（【ラグラン事件】）。学説では肯定説と否定説がある。否定説では、管轄権の存在が確認されていない場合であっても拘束力を生じることは任意管轄権の原則に反すると主張される。
・仮保全措置の要件は、�（歔瓦梁仂櫃慮⇒�が裁判の主題をなし、��緊急性を要することの２つがある。
勧告的意見
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