インテリジェンス 
◆インテリジェンス
インテリジェンスとは、次の政策の実施のために利用される「精製された情報」、または公開情報・秘密情報を収集・統合・分析・評価する「情報活動」を意味する。戦前の陸軍参謀本部は「秘密戦」と称していた。精製される点で「生情報(information)」とは異なる。情報活動は以下の４つがある。
� …喫鵝淵櫂献謄�ヴ・インテリジェンス） …情報収集活動のこと。秘密情報だけでなく、公開情報も収集する。この時、たとえ公開情報の収集であっても、どんな情報に注目しているか自体を秘匿する必要がある。日本の明石元次郎、ソ連のリヒャルト・ゾルゲなど。
�◆）苗機淵�ウンター・インテリジェンス） …外国の諜報活動（スパイ活動）に対抗し、活動を阻止すること。公安警察や外事警察が担う。
�� 宣伝 …情報操作や宣伝工作によって敵を混乱させること。
�ぁ）杜�（カバート・アクション） …敵を欺き、貶めること。「政府広報」「ロビー活動」と称することもある。
防諜は公権力を背景に捜査権を行使してスパイを摘発できるが、諜報は基本的に非合法活動であり警察の脅威に晒されながら活動を行う。
◆情報収集の手段
・ヒューミント(Human Intelligence) …人間関係を用いた情報収集。大使、外交官、駐在武官、「協力者」、スパイ、ハニートラップも含む。
・シギント(Signals Intelligence) …電子信号による情報収集。コミント（通信情報）、エリント（レーダー情報）など。
・イミント(Image Intelligence) …偵察機や偵察衛星による映像情報の収集。
・コリント(Collective Intelligence) …協力関係にある外国の情報機関と情報を共有すること。
インテリジェンスとは、次の政策の実施のために利用される「精製された情報」、または公開情報・秘密情報を収集・統合・分析・評価する「情報活動」を意味する。戦前の陸軍参謀本部は「秘密戦」と称していた。精製される点で「生情報(information)」とは異なる。情報活動は以下の４つがある。
� …喫鵝淵櫂献謄�ヴ・インテリジェンス） …情報収集活動のこと。秘密情報だけでなく、公開情報も収集する。この時、たとえ公開情報の収集であっても、どんな情報に注目しているか自体を秘匿する必要がある。日本の明石元次郎、ソ連のリヒャルト・ゾルゲなど。
�◆）苗機淵�ウンター・インテリジェンス） …外国の諜報活動（スパイ活動）に対抗し、活動を阻止すること。公安警察や外事警察が担う。
�� 宣伝 …情報操作や宣伝工作によって敵を混乱させること。
�ぁ）杜�（カバート・アクション） …敵を欺き、貶めること。「政府広報」「ロビー活動」と称することもある。
防諜は公権力を背景に捜査権を行使してスパイを摘発できるが、諜報は基本的に非合法活動であり警察の脅威に晒されながら活動を行う。
◆情報収集の手段
・ヒューミント(Human Intelligence) …人間関係を用いた情報収集。大使、外交官、駐在武官、「協力者」、スパイ、ハニートラップも含む。
・シギント(Signals Intelligence) …電子信号による情報収集。コミント（通信情報）、エリント（レーダー情報）など。
・イミント(Image Intelligence) …偵察機や偵察衛星による映像情報の収集。
・コリント(Collective Intelligence) …協力関係にある外国の情報機関と情報を共有すること。
各国の情報機関
◆アメリカ
＊国防省・国家安全保障局(NSA)
通信情報を収集するコミント機関。38,000人。全世界を網羅する通信傍受システム「エシュロン」を運用する。高周波通信の盗聴、衛星を用いたマイクロウェーブの盗聴、海底ケーブルやインターネットを通じた盗聴、暗号通信の解読を行う。エシュロンには英、加、豪、NZ、トルコ、他NATO加盟国、韓国、日本が加盟し情報共有をしている。
＊国務省・中央情報局(CIA) …15,000人。ヒューミント組織。
＊他に駐在武官を擁する国防情報局(DIA)、諜報・偵察衛星を運用する国家偵察局(NRO)、国家地理空間情報局(NGA)がある。
◆イギリス
＊外務省・情報局秘密情報部(SIS、MI6)
＊内務省・保安局(SS、MI5)
◆旧東ドイツ
＊国家保安省(シュタージ)
＊内務省・人民警察
◆旧ソ連・ロシア
＊国家保安委員会(KGB) …北朝鮮、ベトナム、キューバに通信傍受基地を設置。
◆中国
＊国務院・国家安全部、公安部
＊新華社通信
◆韓国
＊安全企画部
＊国防省・情報本部
◆日本
＊内務省・特別高等警察
＊国防省・国家安全保障局(NSA)
通信情報を収集するコミント機関。38,000人。全世界を網羅する通信傍受システム「エシュロン」を運用する。高周波通信の盗聴、衛星を用いたマイクロウェーブの盗聴、海底ケーブルやインターネットを通じた盗聴、暗号通信の解読を行う。エシュロンには英、加、豪、NZ、トルコ、他NATO加盟国、韓国、日本が加盟し情報共有をしている。
＊国務省・中央情報局(CIA) …15,000人。ヒューミント組織。
＊他に駐在武官を擁する国防情報局(DIA)、諜報・偵察衛星を運用する国家偵察局(NRO)、国家地理空間情報局(NGA)がある。
◆イギリス
＊外務省・情報局秘密情報部(SIS、MI6)
＊内務省・保安局(SS、MI5)
◆旧東ドイツ
＊国家保安省(シュタージ)
＊内務省・人民警察
◆旧ソ連・ロシア
＊国家保安委員会(KGB) …北朝鮮、ベトナム、キューバに通信傍受基地を設置。
◆中国
＊国務院・国家安全部、公安部
＊新華社通信
◆韓国
＊安全企画部
＊国防省・情報本部
◆日本
＊内務省・特別高等警察
日本の情報機関
◆情報収集・分析・共有
平成20年の情報機能の強化（閣議決定）によって、内政・外政・安保・危機管理担当の内閣官房副長官補が参加することとし政策部門を充実させた。また、関係省庁の代表を増やし、金融庁長官、財務事務次官、経産事務次官、海保長官も出席するようになった（拡大情報コミュニティ）。
内閣情報会議の役割は、政府の政策部門の情報関心を踏まえて情報部門全体で情報重点を策定し、合同情報会議で集約された情報を分析し（オール・ソース・アナリシス）それを報告する。
内閣情報会議で提示された政府の情報関心に基き、情報部門を持つ8省庁（情報コミュニティ）は情報を収集・分析する。内閣情報分析官は各省庁の情報を集約し、情報評価書を内閣情報官に提出する。合同情報会議において情報評価書を決定し、政府に提出する。
血のメーデー事件が発生した1952年に総理府に「情報室」が設置され、その後法改正により名称を「内閣情報室」「内閣情報調査室」と変えている。中央省庁再編に伴い、内閣情報調査室室長を内閣情報官と改称、2008年にカウンターインテリジェンスセンターを新設した。内閣衛星情報センターは情報収集衛星を管理・運用している。
�� 国際情報統括官組織
外務省に置かれ、国際テロ、大量破壊兵器、世界各地域の情報収集・分析を行っている。国際情報局を2004年に改称。ヒューミントは行われていない。
各国大使館に派遣される防衛駐在官は、外交の一元化を確保するため外務省への出向という形をとり身分も自衛官から事務官となる。防衛駐在官が得た情報は直接防衛省に送ることは出来ず、大使館・外務省を通じて送らなければならない。
�� 防衛省情報本部
防衛大臣直轄の約2400人を擁する日本最大の情報機関。陸海空３自衛隊の情報収集・分析が個別に行われていたことから、情報を統合する目的で０７大綱に基き1997年に設置された。
情報本部は総務部、計画部、分析部、統合情報部、画像・地理部、電波部の６つの部を持ち、電波・通信情報、陸自中央情報隊の情報、警察庁・外務省の情報、メディアの情報を収集・分析する。分析部は収集された情報を分析し、インテリジェンスを作成する。電波部は、通信所で収集された情報（コミント）を解析。無線電波傍受施設（「象の檻」）、電波傍受施設を用いて電波情報の収集（シギント）を行う。画像部は偵察機や地球観測衛星によって撮影された画像情報（イミント）の分析を行っている。内閣衛星情報センターの情報収集衛星、アメリカの「ランドサット」「イコノス」やフランスの「スポット」など。
陸上自衛隊の中央情報隊は、作戦情報・偵察情報・地理情報を統合し陸自部隊の作戦運用に用いるほか、海外派遣の際に先遣隊として情報収集・情報工作（ヒューミント）を行う。隊本部・基礎情報隊（外国資料の翻訳）・情報処理隊は市ヶ谷駐屯地、地理情報隊は東立川駐屯地、現地情報隊は朝霞駐屯地に置かれている。
他に、総務省総合通信局が日本国内の違法電波の監視目的で電波傍受施設を保有している。三浦電波監視センターは宇宙空間や国外発信の電波の監視・分析を行っており、98年の北朝鮮によって発射されたテポドンを分析した。
◆情報保全
�◆仝�安調査庁
法務省の外局の防諜組織。破壊活動防止法、団体規制法に該当する団体の情報を収集するが、公安警察と異なり強制捜査権や逮捕権を持たない。監視、尾行、工作（「協力者」の獲得・運営）など人による情報収集（ヒューミント）を行う。
血のメーデー事件のあった1952年に破壊活動防止法に基いて設置された。公安調査庁はオウム真理教に破壊活動防止法に基いて処分請求を行ったが、公安審査委員会に要件を満たないと判断され適用されなかったため、99年に緩やかな団体規制法が制定された。
現在、破壊活動防止法に該当する団体は日本共産党などの左翼団体、右翼団体、朝鮮総連など。団体規制法に該当する団体はオウム真理教（アーレフ、ひかりの輪を含む）のみ。
�� 自衛隊情報保全隊
防衛大臣直轄の防諜部隊。2000年のボガチョンコフ事件を契機に組織された。
- 内閣情報会議 −情報重点の策定
平成20年の情報機能の強化（閣議決定）によって、内政・外政・安保・危機管理担当の内閣官房副長官補が参加することとし政策部門を充実させた。また、関係省庁の代表を増やし、金融庁長官、財務事務次官、経産事務次官、海保長官も出席するようになった（拡大情報コミュニティ）。
内閣情報会議の役割は、政府の政策部門の情報関心を踏まえて情報部門全体で情報重点を策定し、合同情報会議で集約された情報を分析し（オール・ソース・アナリシス）それを報告する。
- 合同情報会議 −情報の集約・共有
内閣情報会議で提示された政府の情報関心に基き、情報部門を持つ8省庁（情報コミュニティ）は情報を収集・分析する。内閣情報分析官は各省庁の情報を集約し、情報評価書を内閣情報官に提出する。合同情報会議において情報評価書を決定し、政府に提出する。
- 内閣情報調査室
血のメーデー事件が発生した1952年に総理府に「情報室」が設置され、その後法改正により名称を「内閣情報室」「内閣情報調査室」と変えている。中央省庁再編に伴い、内閣情報調査室室長を内閣情報官と改称、2008年にカウンターインテリジェンスセンターを新設した。内閣衛星情報センターは情報収集衛星を管理・運用している。
�� 国際情報統括官組織
外務省に置かれ、国際テロ、大量破壊兵器、世界各地域の情報収集・分析を行っている。国際情報局を2004年に改称。ヒューミントは行われていない。
各国大使館に派遣される防衛駐在官は、外交の一元化を確保するため外務省への出向という形をとり身分も自衛官から事務官となる。防衛駐在官が得た情報は直接防衛省に送ることは出来ず、大使館・外務省を通じて送らなければならない。
�� 防衛省情報本部
防衛大臣直轄の約2400人を擁する日本最大の情報機関。陸海空３自衛隊の情報収集・分析が個別に行われていたことから、情報を統合する目的で０７大綱に基き1997年に設置された。
情報本部は総務部、計画部、分析部、統合情報部、画像・地理部、電波部の６つの部を持ち、電波・通信情報、陸自中央情報隊の情報、警察庁・外務省の情報、メディアの情報を収集・分析する。分析部は収集された情報を分析し、インテリジェンスを作成する。電波部は、通信所で収集された情報（コミント）を解析。無線電波傍受施設（「象の檻」）、電波傍受施設を用いて電波情報の収集（シギント）を行う。画像部は偵察機や地球観測衛星によって撮影された画像情報（イミント）の分析を行っている。内閣衛星情報センターの情報収集衛星、アメリカの「ランドサット」「イコノス」やフランスの「スポット」など。
陸上自衛隊の中央情報隊は、作戦情報・偵察情報・地理情報を統合し陸自部隊の作戦運用に用いるほか、海外派遣の際に先遣隊として情報収集・情報工作（ヒューミント）を行う。隊本部・基礎情報隊（外国資料の翻訳）・情報処理隊は市ヶ谷駐屯地、地理情報隊は東立川駐屯地、現地情報隊は朝霞駐屯地に置かれている。
他に、総務省総合通信局が日本国内の違法電波の監視目的で電波傍受施設を保有している。三浦電波監視センターは宇宙空間や国外発信の電波の監視・分析を行っており、98年の北朝鮮によって発射されたテポドンを分析した。
◆情報保全
- CIセンター
- 公安警察
�◆仝�安調査庁
法務省の外局の防諜組織。破壊活動防止法、団体規制法に該当する団体の情報を収集するが、公安警察と異なり強制捜査権や逮捕権を持たない。監視、尾行、工作（「協力者」の獲得・運営）など人による情報収集（ヒューミント）を行う。
血のメーデー事件のあった1952年に破壊活動防止法に基いて設置された。公安調査庁はオウム真理教に破壊活動防止法に基いて処分請求を行ったが、公安審査委員会に要件を満たないと判断され適用されなかったため、99年に緩やかな団体規制法が制定された。
現在、破壊活動防止法に該当する団体は日本共産党などの左翼団体、右翼団体、朝鮮総連など。団体規制法に該当する団体はオウム真理教（アーレフ、ひかりの輪を含む）のみ。
�� 自衛隊情報保全隊
防衛大臣直轄の防諜部隊。2000年のボガチョンコフ事件を契機に組織された。
インテリジェンスに関する事件
・金大中事件
・外務省機密漏洩事件
毎日新聞の西山太吉記者が情報の取得を目当てに外務省の女性事務官と性的関係を持ち、沖縄返還協定に関する機密を取得した。1972年、２人は国家公務員法の機密漏洩罪で起訴された。
・ボガチョンコフ事件
2000年、海自三佐がロシア大使館駐在武官のボガチョンコフ大佐（GRU:ロシア軍参謀本部情報総局に所属）に機密文書を渡したとして自衛隊法守秘義務違反で逮捕された。神奈川県警警備部外事課が発見し、警視庁公安部が摘発。事件後、３自衛隊に分散していた調査隊を統合し、防衛大臣直轄の情報保全隊（現在の自衛隊情報保全隊）を組織した。
・外務省機密漏洩事件
毎日新聞の西山太吉記者が情報の取得を目当てに外務省の女性事務官と性的関係を持ち、沖縄返還協定に関する機密を取得した。1972年、２人は国家公務員法の機密漏洩罪で起訴された。
・ボガチョンコフ事件
2000年、海自三佐がロシア大使館駐在武官のボガチョンコフ大佐（GRU:ロシア軍参謀本部情報総局に所属）に機密文書を渡したとして自衛隊法守秘義務違反で逮捕された。神奈川県警警備部外事課が発見し、警視庁公安部が摘発。事件後、３自衛隊に分散していた調査隊を統合し、防衛大臣直轄の情報保全隊（現在の自衛隊情報保全隊）を組織した。
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