人身の自由 
第18条〔奴隷的拘束及び苦役の禁止〕
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
人身の自由は、精神的自由、経済的自由の基礎をなす重要な権利となっている。18条に奴隷的拘束からの自由を規定し、31条以下に適性手続の保障や被疑者の権利を規定している。また、憲法18条は私人間にも直接適用される。憲法の直接適用は、投票の秘密、奴隷的拘束の禁止、労働基本権、児童酷使の禁止の４つ。
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
人身の自由は、精神的自由、経済的自由の基礎をなす重要な権利となっている。18条に奴隷的拘束からの自由を規定し、31条以下に適性手続の保障や被疑者の権利を規定している。また、憲法18条は私人間にも直接適用される。憲法の直接適用は、投票の秘密、奴隷的拘束の禁止、労働基本権、児童酷使の禁止の４つ。
適正手続の保障
第31条〔生命及び自由の保障と科刑の制約〕
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
◆刑事手続・刑罰法規(31条)
法律の定める手続とは、手続自体が法律で定められていること（手続法の法定）を要求するに留まらず、法律で定められた手続が適正でなければならないこと（手続法の適正）、実体もまた法律で定められなければならないこと（実体法の法定）、法律で定められた実体規定も適正でなければならないこと（実体法の適正）も意味する。
� ー蠡核，遼…蝓 ┠沙�手続きが法律で定められていること。刑事訴訟法として法定されている。
�◆ー蠡核，療�正 ；法定された手続きが適正であること。告知・聴聞を受ける権利がある。
�� 実体法の法定 ；刑罰を法律で定めること、罪刑法定主義。刑法として法定されている。
�ぁー堕衙，療�正 ；刑罰法規が明確で罪刑の均衡が図られていること。
【第三者所有物没収事件】 「関税法に違反し第三者の所有物を没収する場合において、その没収に関して当該所有者に対し、なんら告知、弁解、防御の機会を与えることなく、その所有権を奪うことは、第三者に対し適正な法手続きによらないで財産権を侵害する制裁を科するに他ならないから、31条、29条に反する」
公権力の刑罰権濫用を抑止し、もって国民の権利自由を守るため、刑罰をするときは当事者にあらかじめ内容を告知し、弁解と防御の機会を与え、手続の内容を適正化しなければならない。
【徳島市公安条例事件】 「規定が明確かどうかは、一般人の理解において、適用基準が読み取れるかどうかで決定すべきである」
国民の人権を制限する刑罰は、国民の意思を反映した法律によるべきであり、刑罰の内容が不合理だと国民の人権が守られないため、刑罰の内容も適正でなければならない。
◆行政手続との関係
憲法31条は直接には刑事手続について定められたものである。しかし、行政の役割が増大した現代では、行政機関によって国民の人権が制約されることがありうる。従って、行政手続においても事前の手続を要求する場合がある。判例は、刑事手続でないという理由だけで31条の保障の範囲外とするべきでないとして、31条の保障の行政手続への準用を認めている。だが、行政手続への保障の準用を認めるが、必ずしも保障をしなければならないというわけではないとしている。
【成田新法事件】 「刑事手続でないという理由だけで、行政手続が憲法31条の保障の範囲外にあると判断すべきではない。もっとも、行政手続は多種多様であるから、事前の告知、弁解、防御の機会を与えるかどうかは、常に必要とするものではない」
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
◆刑事手続・刑罰法規(31条)
法律の定める手続とは、手続自体が法律で定められていること（手続法の法定）を要求するに留まらず、法律で定められた手続が適正でなければならないこと（手続法の適正）、実体もまた法律で定められなければならないこと（実体法の法定）、法律で定められた実体規定も適正でなければならないこと（実体法の適正）も意味する。
� ー蠡核，遼…蝓 ┠沙�手続きが法律で定められていること。刑事訴訟法として法定されている。
�◆ー蠡核，療�正 ；法定された手続きが適正であること。告知・聴聞を受ける権利がある。
�� 実体法の法定 ；刑罰を法律で定めること、罪刑法定主義。刑法として法定されている。
�ぁー堕衙，療�正 ；刑罰法規が明確で罪刑の均衡が図られていること。
【第三者所有物没収事件】 「関税法に違反し第三者の所有物を没収する場合において、その没収に関して当該所有者に対し、なんら告知、弁解、防御の機会を与えることなく、その所有権を奪うことは、第三者に対し適正な法手続きによらないで財産権を侵害する制裁を科するに他ならないから、31条、29条に反する」
公権力の刑罰権濫用を抑止し、もって国民の権利自由を守るため、刑罰をするときは当事者にあらかじめ内容を告知し、弁解と防御の機会を与え、手続の内容を適正化しなければならない。
【徳島市公安条例事件】 「規定が明確かどうかは、一般人の理解において、適用基準が読み取れるかどうかで決定すべきである」
国民の人権を制限する刑罰は、国民の意思を反映した法律によるべきであり、刑罰の内容が不合理だと国民の人権が守られないため、刑罰の内容も適正でなければならない。
◆行政手続との関係
憲法31条は直接には刑事手続について定められたものである。しかし、行政の役割が増大した現代では、行政機関によって国民の人権が制約されることがありうる。従って、行政手続においても事前の手続を要求する場合がある。判例は、刑事手続でないという理由だけで31条の保障の範囲外とするべきでないとして、31条の保障の行政手続への準用を認めている。だが、行政手続への保障の準用を認めるが、必ずしも保障をしなければならないというわけではないとしている。
【成田新法事件】 「刑事手続でないという理由だけで、行政手続が憲法31条の保障の範囲外にあると判断すべきではない。もっとも、行政手続は多種多様であるから、事前の告知、弁解、防御の機会を与えるかどうかは、常に必要とするものではない」
被疑者の権利
第33条〔逮捕の制約〕
何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
第34条〔抑留及び拘禁の制約〕
何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
第35条〔侵入、捜索及び押収の制約〕
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
２ 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
◆令状主義(33条)
令状主義は、警察や検察から独立し、公正中立の立場にある裁判官に事前にチェックさせることで、捜査当局による人身の自由の恣意的な制限を防止する狙いがある。
令状主義の例外として、刑事訴訟法に緊急逮捕が認められている。緊急逮捕は、重大犯罪について罪を犯したことを疑うに足る十分な理由が存在し、裁判所の逮捕状の発行を待つことが出来ないほど切迫している状態に令状なしで被疑者を逮捕することであり、憲法33条に反しないとされる。
何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
第34条〔抑留及び拘禁の制約〕
何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
第35条〔侵入、捜索及び押収の制約〕
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
２ 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
◆令状主義(33条)
令状主義は、警察や検察から独立し、公正中立の立場にある裁判官に事前にチェックさせることで、捜査当局による人身の自由の恣意的な制限を防止する狙いがある。
令状主義の例外として、刑事訴訟法に緊急逮捕が認められている。緊急逮捕は、重大犯罪について罪を犯したことを疑うに足る十分な理由が存在し、裁判所の逮捕状の発行を待つことが出来ないほど切迫している状態に令状なしで被疑者を逮捕することであり、憲法33条に反しないとされる。
- 不当に抑留・拘留されない権利（憲34）
- 捜索・押収（憲35）
被告人の権利
第37条〔刑事被告人の権利〕
すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
２ 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
３ 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
第38条〔自白強要の禁止と自白の証拠能力の限界〕
何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
２ 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
３ 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
第39条〔遡及処罰、二重処罰等の禁止〕
何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
・既に無罪判決のあった行為については再び刑事上の責任を問われない。
・起訴状の瑕疵を理由とする控訴棄却の後、同一事件を再度起訴しても39条に違反しない。
・検察官がいったん不起訴にした犯罪も、後日起訴したとしても39条に違反しない。
すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
２ 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
３ 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
第38条〔自白強要の禁止と自白の証拠能力の限界〕
何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
２ 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
３ 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
第39条〔遡及処罰、二重処罰等の禁止〕
何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
- 遡及処罰の禁止（憲39）
- 一事不再理の原則（憲39）
・既に無罪判決のあった行為については再び刑事上の責任を問われない。
・起訴状の瑕疵を理由とする控訴棄却の後、同一事件を再度起訴しても39条に違反しない。
・検察官がいったん不起訴にした犯罪も、後日起訴したとしても39条に違反しない。
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