槇村さとる/著

　漫画『半熟革命』…ハナちゃんがアンジーという女の子にジェラシーを感じるというシーン。
　アンジーのことを心配し、怒ったジロさんが平手打ちをくらわしちゃう。それを見ていたハナちゃんが「私もジロさんの平手をくらいたい…」と思う。っつう感じのネームで、そこでO担当の「ちょっと待った」が入った。「このハナちゃんの気持ちは屈折してますね。」
　ポカン……私は何を言われているか解らず、O担当に一生懸命シーンの説明をしたんだが、どうやらポイントが違うようで……O担当いわく。
　「愛していたら『抱かれたい』と思うのではないでしょうか。『なぐられたい』ではなくて」
　ガア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!
　そっ……そうか……そうなのかあっ!　知らなかったよオ　そうなのか〜〜〜〜〜〜!!

　筆者が実父からの暴力、性的虐待というトラウマから、いろんなきっかけを経て自己を見つめ、新しい自分をつかんでいく。
　そして回りを見つめ、明日のある子供（もう大人だとしても癒されない子供をかかえこんでいる人も）を励ましたいと思い大ヒット作『イマジン』の連載を始める。
　漫画家・槇村さとるの１回復の記録です。