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壊れた脳、生存する知

 山田 規畝子/著

 うつ病って、脳の機能異常だと私は思う。この本は、うつ病の本ではないが、脳出血を2度も3度も経験した女性医師(整形外科医)の書いた本である。すさまじい人生である。著者は高次脳機能障害を煩っている。高次脳機能障害は、所謂痴呆とは違う。まだ若い。30代である。子供が一人いる。
 高次脳機能障害になると、知能の低下はそれほど酷くないが、色々できないことが出てくる。まっすぐ歩けない。時計が読めない(見えているけど、それが何を意味するのか?わからない)図形は見えるが、それが何を意味しているのかわからない。点線が線とは認識できない。記憶ができない。数を数えられない。

 でも暗くはない。病気を受け入れている。またいつ脳出血するかわからない、でも積極的に生きている。右脳が完全に死んで居るのだが、それをリハビリで克服しようとしている。鬱の症状も出てきている。でも前向きである。練習で何とかなると開き直っている。失敗してもいいと思っている。そしてリハビリで段々によくなっている。

 うつ病も一種の高次脳機能障害ではないかと私は思う。特に著者は「あくびが沢山でる」そうである。実は私も、落ち込んだり、疲れるとあくびが猛烈にでる。1時間くらいあくびをしている。そうすると落ち込みはなくなる。不思議だ。医者に言っても何も回答してくれなかったが、この著者もそうだと書いている。
 私がうつ病になったのは、本当に突然だった。阪神淡路団震災の翌週の金曜日の朝だった。脳内出血したんじゃないかと思った。立っていられなくなったし、自転車に乗れなくなった。フラフラした。バスに乗るとそのスピードが恐かった。映画を観ても、恐かった。

 著者は前頭葉がダメージを受けて元気がでなくなり、布団に入って、このまま命を終えてしまいたいと思ったそうだ。私もそうだった。私はMRIで検査して貰ったが、何の異常も無かった。大きな脳内出血があれば、MRIでわかるはずだが、それは私には無かった。でもMRIではわからないほどの脳内出血が私の脳の中で起きていたのかもしれない。

 いわゆる「うつ病の本」は沢山読んできたが、読んで病気がよくなったかというと、落ち込むばかりで、何もいい本が無かった。この本は「心の本」ではないが、脳という臓器の回復には、よい本である。著者の前向きな態度を見習いたい。

 
2007年03月30日(金) 19:42:30 Modified by ID:fi/n6DCAuA




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