石のゴーレムとなり、自然と調和し、岩で身を鎧おう!
ルークの過去を知るものはいない。しかし彼がいにしえの存在であり、自然と同化していることは誰もが知っている。彼は『明星の楽園』を統治している。ここはフラグストンの法の及ばぬ地であり、自由な思想や芸術への専心や科学研究を求める者たちの避難所となっている。彼は優しく、思慮深く、そして賢い。岩石の身体を持つルークは戦いにおいてはほぼ無敵である。しかしルークは他者を傷つけること自体には全く興味が無い。
ルークと彼の古い友人であるディグレイは、かつて政府が市民の自由を奪い取ってしまったときのことを知るほどに、齢を経た者たちである。あるときディグレイはルークに、バラバラな民衆を糾合させ、「人々は互いに相容れぬような差異などを持ってはいない」ということを皆に思い起こさせるために象徴的な"できごと"を起こそうと促した。その"できごと"こそが、格闘大会『ファンタジー・ストライク』なのである。
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ガルス・ルークとジェファーソン・ディグレイの2人は不自然なまでに高齢である。彼らはとても長い間友情を保ち、共に革命を跨いで生き抜いてきた。より正確に言えば、彼らはいま革命一つを跨ぎかけている。
彼らは平和の時に生きるとは何であるかを、市民が十分な個人的自由を得られるのはどこかを知っている。彼らは独裁者がそれを奪い去るということがどういうことかも知っている。彼らはサイラス・クインス、フラグストン領の長の手によりそれが再び引き起こされると見ている。そしてそれに対して何かをなさねばならぬと感じている。その結果ディグレイは市民的不服従を理由として獄に繋がれることとなった。ルークはディグレイの元を訪れ、獄の中で何をしているのかと問うた。「では君はこの外で何をしているのかね?」ディグレイは問い返した。
ルークは彼に何をすべきか問い、ディグレイは土地土地の民を一つにするような出来事を作らないかと提案した。それは競技の形をとるが、実際の目的は強き戦士たちを一つの場に集めそれぞれの土地にある不正義について互いに語り合ってもらうことだ。ルークは最終的に格闘大会ファンタジー・ストライクを作った。
ルークは最初から石の体を持っていたわけではない。しかし彼の変身についての詳細は殆ど知られていない。私たちが知っているのは、彼の石の体が彼の加齢を遅らせ同時に強靭な鎧を与えているようだということだ。ルークは常に自然を愛し自然を身近に感じていた、今は彼そのものが自然の力だ。大きく、強く、危険で、しかし優しく暖かい。
「ファンタジー・ストライクは続ける、たとえフラグストンが軍を、大会阻止のために送りこんだとしても」