確証の少ない考察についてはチェックボックスで分離しています。

・時計塔の「動かし方」「止め方」を知るものについて
・スカラベの秘密と所持者の推移
・麗子とされる死体について
・「麗子」と「死番虫」の共通点と動向
・「殺人は人を変える」
・死番虫が殺そうとした者、殺そうとしなかった者


「お夏」「たつ」「麗子」は屋敷の住人として物語開始時点で両方を知っていた。
「本城志郎」は盗み見て「動かし方」は知っており、死番虫も彼から聞き及んでいた。

屋敷でお手伝いとして働き、スカラベの秘密を解いた段階で財宝の獲得を目論んだ浦子に関しては
時計塔の内部の話もある程度把握していることから知っていたと考えるべき?

丸部が時計塔の「動かし方」を聞き出せと太一を強請った場面では
「止め方」も含めた時計の操作全般を指していると考えるのが妥当、「動かし方」「止め方」共に知らず?

テツオが太一に時計塔の動かし方(止め方を含む)を記した紙を渡した場面について
太一が破ったメモを復元して丸部は両方を知り得た。
またこの時鑑識に依頼したため、死番虫が「止め方」を知り、ひとまずスカラベを嵌めその後脱出した?


迷宮の入り口を開くにはスカラベを嵌める必要がある。
(※テツオがスカラベを模した木製のもので試したが罠が発動して無駄だった)

スカラベを外すと扉が閉まり、再び扉を開けるにはスカラベの箱が必要(丸部談)
最深部からの脱出時にも箱が必要。

お夏→浦子→死番虫と所持者が移り、死番虫の上着に入っていた小箱で太一達は脱出。
(小箱は一時、死番虫に先んじて土蔵の壁から文が見つけ出すがまもなく奪い返される。)

死番虫が警察の死体安置所から見繕った死体で麗子の死を偽装したとテツオは推測している。
たつの死亡が確認され犯人として終われる麗子と
彼女が警察に事情を話してしまい真犯人に自分に嫌疑が及ぶのを嫌った死番虫の利害が一致した形?

遺書の件などで丸部は依然疑問視している様子だが、その後のテツオの独白やその表情から察するに
「結果的に義母を殺してしまったことで死ぬつもり」だったことは本当らしく
男として生まれ変わり生への執着を再び感じることになった、東京での出来事に繋がるシーンか?

※原作でも真犯人が麗子役の死体を準備している


突き詰めれば2人は「藤宮たつ」の殺人犯として、今までに触れたことのない重い十字架を共に背負った。
前者は助けられた人間を「見殺し」にし、後者は「拷問」が行き過ぎたという形の違いはあれど。

それ以来、麗子は身を隠す意味でも「男装」をし、死番虫は「愚を演じ」て期を待ち続けた。
両者はともに自分を偽った。

※度々死番虫が「俺と組まないか」と誘いかけるが、時計の動かし方さえ聞き出せば彼が殺めた他の人物同様
麗子をポイ捨てしたかどうか。「怪物」と成り果てた苦悩を共有する仲間として共存しえたのかもしれない。

※時計塔内部で丸部達と死番虫が相対するシーン。テツオを盾にする丸部に、死番虫がたじろぐ様子がある。
 時計塔への侵入は成し遂げ鍵となるスカラベ一式も持ち合わせる死番虫が銃を撃つことを躊躇する点からも
 時計塔攻略への「手段」の1つという以上に、「パートナー」としての彼女を見出していたのか。

度々作中では上記の台詞に似た言葉が繰り返される。
「殺人は、人を永久に変えてしまうよ。」(テツオ)
「俺は殺しだけはやらない。殺しは人を永遠に変えてしまう・・・」(丸部)

本作では多くの「殺人」が起こったが、その犯人と被害者を列挙すると以下のとおり。

死番虫(藤宮たつ、花園恵、本城志郎、坂井浦子、山科その他ry)
麗子(たつ)
太一(死番虫)
丸部(死番虫)

本城志乃(分家の和雄)
本城美智子(夫の愛人)
田中源三(崇)
久米(万次)
文(妹)
浦子?(お夏)


※便宜的に丸部の浦子への復讐は自身の手を汚さなかったこと
 文は死体撃ちとあるが自身の手で肉親を撃ってでも生き延びようとしたことから分類


初めて人を殺めた「藤宮たつ」殺しに関しては、拷問にかける意図しかなかった。

それ以来自身がことをなすために邪魔な分子は徹底して排除しようとする。

口封じのために「藤宮麗子」「本庄志郎」を狙い
時計塔周辺を捜査しやすくするための撒き餌として「太一」や「花園」を磔にし
財宝獲得のライバルとなる「浦子」を筆頭にした共産主義者達を惨殺、時計塔内部での無差別な殺戮を行い
犯行を置いかぶせる役として側に置き、いよいよ財宝獲得の障壁となった「山科」を殺める。

※麗子に関しては、花園殺しが麗子と勘違いして行われたとの推察もあるが
 死番虫が作中で積極的に麗子に共闘を求めている部分などもあるので真偽は不明

それ以外では本城志郎と対面した際、彼を逃がさないようにするために「太一」のモモを切りつけ
屋敷地下ではテツオの他人を見捨てられない甘さを見抜き「子供」を磔にし、本城志郎殺しを優先した。
(母に関しては、子供への執着で必死にもがく姿を見ていっそ楽にした?)
部下であった「原田」には致命傷を与えずじまい。

・死番虫のアリバイについて

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