確証の少ない考察についてはチェックボックスで分離しています。

黒岩涙香版江戸川乱歩版灰色の女

幽霊塔について



コミックス表紙などに表記があるとおり、本作品の翻案元となったのが黒岩涙香版「幽霊塔」
こちらは著作権切れになっているため青空文庫などで無料で読むことが出来る。

黒岩涙香版「幽霊塔」はそもそも
アリス・マリエル・ウィリアムソンの小説「灰色の女」を翻案したものであるが
新聞小説として掲載していた都合上か原作名を誤魔化していたため(諸説あり)
長らく同作品の翻案元は判然としないままであった。
2000年になってようやく上記作品が翻案元と明らかになり
2008年に日本語訳本が初めて刊行される運びとなった。

涙香のファンであったとされる江戸川乱歩は黒岩涙香版を元に同題名で翻案
後々、「時計塔の秘密」と題した少年向け作品にも翻案している。

最終巻で言及された西条八十版など、その他「幽霊塔」に関係する作品についてはこちら

黒岩涙香版との共通点


  • 丸部道九郎、輪田お夏、(浦谷)浦子、ポール・レペルなどの登場人物名
  • 老婆殺しの養女
  • 正体不明のヒロイン

テスラやQなどの人物名は乱歩由来と思われるものもある。

幽麗塔各巻あらすじ(小学館HPより)

1巻 犯人は、幽霊なのか、人なのか・・・・・・
時は昭和29年、舞台は神戸。
ニートの天野は、幽霊塔と呼ばれる時計塔で、
白い何者かに襲われ死の寸前、謎の美青年・テツオに救われる。
テツオは曰く「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」。
しかしテツオの正体は、男を装う女であり、その名も偽名であった・・・・・・・・
2巻 殺人鬼の正体は死んだはずの麗子なのか。
顔の見えない殺人鬼「死番虫」との対決を決意した、天野。
「死番虫」の正体かもしれない、死んだはずの麗子。
天野は麗子の写真を手に入れるため、
テツオと共に瀬戸内のとある島へと向かう。
しかし、一見平和なその島で
天野達が見たものは、
古来受け継がれる秘密の因習。
今も繰り返される悲劇の掟・・・・・・
その真相に触れてしまった天野達に、
島民は、本性をむき出しにする・・・・・
3巻 麗子現る。死者として生者として誰として。
死んだはずの麗子が現れた。
自らの義母を磔(はりつけ)にして殺した、麗子。
事件後、神戸港で遺体として見つかった、麗子。
その麗子が、何故・・・・・・
その存在は、何・・・そして、誰・・・
麗子、「死番虫」、そして麗子の元婚約者・本城志郎。
この3者の関係が見えてくるほどに、
そして幽霊塔の謎が明かされるほどに、
「死番虫」の殺意は膨張し、天野らに向けられる。
4巻 テツオは、死んだはずの麗子だった。
炎に包まれた幽霊塔の地下迷宮は
殺人鬼「死番虫」を下敷きにして崩れ去った。
しかし、その遺体が見つからない。
迷宮で「死番虫」が犯した無差別殺人の罪は、
幽霊塔から姿を消した天野とテツオに着せられる。
当局に手配された二人は、
天野が女装し、夫婦を装い身を隠す。
女が男に・・・男が女に・・・へんてこな偽装夫婦。
そんな二人が潜伏先の宿で出会った、一冊の小説。
それは、幽霊塔の謎につながる驚愕の内容だった。
5巻 解き明かされる、幽霊塔の謎・・・
幽霊塔の秘密を知る小説家・不変木は、沙都子の実の母だった。
丸部に性的虐待を受けてきた沙都子は、丸部家を出て、実母と暮らす道を選択する。
実母は、共産主義を信奉する活動家で、同胞を日本から北朝鮮に移住させる計画を進めていた。
何もかもが違う生活に戸惑う沙都子・・・
冷めたごはん、ぬるくなった味噌汁、暗い家。
そして・・・・・・
そこにもまた「死番虫」が現れる。
天野、テツオ、活動家グループ、「死番虫」、バトルロイヤルの幕が切って落とされる!!
6巻 変態丸部・・・エスカレートする権力者!!
丸部により軟禁された、天野とテツオ。
ご主人様の丸部は、もう好き放題。
変態丸部に弄ばれつつも、
天野とテツオが、その恥辱に耐えられるのは、
互いへの信頼があるから。
親友がいるから。

しかし、
ワケありの隠し事が、
二人の友情に亀裂を生む。
亀裂は修復されぬまま
二人は、幽霊塔へと足を踏み入れる。
7巻 死の財宝探しゲーム!始動!!
二人一組で幽霊塔の財宝を探す命がけのゲーム。
勝ったペアには財宝の半分が与えられる。
天野・山科ペアは、落ちてくる天井トラップをなんとかクリア。
一方、テツオと丸部は、死の絶壁トラップに苦戦し、絶体絶命。
しかしその状況下で、丸部はテツオを口説きはじめる。
テツオの運命は・・・・・・!?
8巻 「死番虫」はアイツだった・・・・・・
幽霊塔内部、12枚の扉に囲まれた円形の部屋。
その扉のどれか一つが
財宝の隠し部屋につながっている。
天野が選んだ扉の先にあるものは・・・・・・
そして、「死番虫」との決着は・・・・・・

覚悟を決めた天野は、
もはや、かつての天野ではない。
かといって運命は、
そう都合のよいものではない・・・・・・
9巻 天野がテツオに告白すること
「死番虫」を撃ち殺し
財宝探しの勝者となった、天野。
一方テツオは、
脳交換手術によって、丸部と体を交換し
男として生まれ変わろうとする。

しかし天野には
その前にテツオに伝えたい想いがある。
ドレスをまとい、直視できないほど美しいテツオ。
天野はその美にたじろぎながらも
テツオに、ある告白をする。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます