FM同時送受信ができる144/430MHzの無線機を用意してください(ハンディ機、モービル機も可)。同時送受信ができない機種では、送信用にFM機1機、受信用にFM機1機必要になります。無線機は多少古くても結構ですが、「受信周波数ステップを最低ステップ(5kHz以下)にかえられるもの」、「受信のスケルチは開放できるもの」が必須です。現行機ではなくなってしまいましたがIC-911(IC-910も)は、FMの受信周波数がずれていくと自動的に追随してくれる回路が内蔵されており、FM衛星には使いやすい無線機です。
またFM衛星は「弱肉強食」の世界なので、可能であれば自局の免許の範囲内で最大出力が送信できる送信機を準備しておきましょう。
なおAO-51、SO-50は、地上のレピータ同様、アクセスするのに67Hzのトーンが必要になります。最近のFMハンディ・モービル機ではトーンがあらかじめ内蔵されて販売されていますが、一昔前の無線機ではトーンは内蔵されてなく、多くはユニットが別売りになっています(ヤフオクでたまに出品されますが価格も高めとなります)。自分の使用予定の無線機の説明書で、トーンの内蔵有無、トーンの設定について確認しておきましょう。
低軌道FM衛星による通信には「多エレメントのクロス八木、仰角ローテータが必要」なんてことは絶対にありません!
原則として送信用に1系統、受信用に1系統必要です。144/430MHzの2バンドGPや、ダイヤモンドのA1430S7、RadixのAY-207SAT、ナガラのDO-11、古くはマルドルのFOX727やマスプロのWH59などの共用八木を使用すれば、アンテナが1系統で済み運用は楽ですが、受信・送信能力ともに、個々に1系統要した場合と比較して劣ることは確かです。可能な限り送受信別系統のアンテナを準備しましょう。なお、受信側のバンドには、デュープレクサをハイパスフィルタの代用品として挿入すると、送信による受信バンド側への「かぶり」を軽減させることができます。(送信側に挿入する、あるいはデュープレクサを2段重ねにしても効果があります)
同軸ケーブルは、極力、太く短くで結線します。アンテナを高いタワーに上げている場合は、同軸ケーブルの損失を確認してみてください。
FM衛星だけが目標であるなら、条件がよければモービルホイップやGPでも交信可能です。より安定した交信には八木アンテナが必要ですが、144MHzは3〜5エレの八木、430MHzは5エレ〜10エレ程度で十分です。その際に「20〜30度の仰角」をつけておきましょう。仰角をつけることにより、天頂(真上)付近に衛星がいる場合を除いて、広い範囲の仰角に対応できます。この仰角のついたアンテナを方位ローテータ、あるいは「手回し」で回しても十分対応できます。ただし、QSBの谷間に陥ると聞こえなくなる場合もあります。仰角を計測するには、100円ショップダイソーで売っている傾斜計(下)が容易に入手できて便利ですよ!
水平偏波に設置できると、垂直偏波を使用しているトラッカー(ダンプやトラックで衛星通信バンドで不法に無線を運用する無法者のこと)の混信を軽減することができます。
衛星通信では、予め衛星の飛来してくる時間を計算して準備することが必要です。そのためにはパソコンが必要ですが、計算に使われているソフトウェアは、Windowsで動くものが主流ですので、Windowsをオペレーティングシステムにしたパソコンを用意してください。スペックは現段階の最高のものがあれば、他の用途にも使えて結構ですが、いささか古くなってしまったシステムでも十分使用できます。
使いやすい日本語の衛星軌道計算ソフトウェアについては、別ページで詳しく解説していますので、Step0:衛星通信の準備 《軌道計算ソフトウェア》をご覧下さい。また数はWindowsと比較して少ないですが、MacOSのソフトウェアやiOS(iPhoneやiPad)やAndroidで動くアプリもあります。
もちろんインターネットを使えば、さまざまな情報を得ることができます。このWikiからも参考になるサイトや、このWikiに協力いただいている衛星通信愛好家の掲示板やブログを衛星通信関連サイト集からリンクしていますので、そこで遠慮なく質問してみてください。
・プリアンプ・・・なくても交信できますが、あればより安定した受信ができるでしょう。市販のキットなどを利用して自作し、受信用の無線機に直結して動作させることも可能です。その場合、プリアンプの入力側に送信側の電波に対する保護回路が必要です。
・ヘッドフォン、イヤホン・・・ハウリング防止の為、受信ではヘッドフォン、イヤホンを使用しましょう。
・時計・・・・正確なものを準備しましょう。「電波時計」を推奨します。
・携帯電話・・・仲間同士の連絡に使えるほか、外出先からも可視時間を調べるにはSatellite Forecast 携帯版(JM1WBB)が便利です。スマートフォンならばアプリで軌道計算もできます。
・ボイスレコーダなど・・・慣れないうちは焦ってしまいメモもとれないことも多いので、あると役に立つかもしれません。珍しい局と交信できたときは記念にもなりますね。
〜 準備できましたか? FM衛星での通信は、あと少しの興味と勇気で、もうできたも同然です。次の項目へどうぞ。
・Step1:FM衛星を受信してみよう!
・Step2:FM衛星で交信しよう!
・国際宇宙ステーション(ISS)の交信を聞こう!
CW/SSB衛星には、当然のことながらCW/SSBが同時送受信できる無線機が必要です。現行機であればTS-2000、IC-9100、中古であればIC-911、IC-910、FT-847、TS-790、IC-821、FT-736などを入手されると良いでしょう。送受信が別の無線機でも問題ありません。VO-52では、送信FT-817単体、受信はTH-F7でもOKという実績もあります。弱肉強食のFM衛星と違い、CW/SSB衛星への送信は必要最小限のパワーで、そして高い受信能力が要求されます。
CWを運用される方は、メモリキーヤがあると便利だと思います。
送信側のバンドには、デュープレクサーをハイパス(ローパス)フィルタの代用品として挿入すると、送信時に受信側への「かぶり」を軽減させることができます。(受信側に挿入する、あるいはデュープレクサを2段重ねにしても効果があります)
古いV/UHFの無線機では受信感度が低下していたり、表示周波数がずれていたりする場合があります。可能であれば点検・調整するとよいでしょう。
SSB/CW衛星での交信については、詳しくは低軌道SSB/CW衛星で交信しよう!をご覧下さい。
このページへのコメント
ログベリデイックアンテナ5130の長さ教えてください。
高野さん、お久しぶりです。
うちの手持ちのアンテナは、ココの Wiki 内の“移動運用でアマチュア衛星通信!”でも紹介されている物と同一の物です。
他にも以下のページも参考になるかと思います。
JE1FQV 局 HP 内 サテライト移動局アンテナ集
http://www.je1fqv.com/j/mobile/mobile_ant.html
多くの方が色々な形で楽しんでいますので、高野さんにも出来る形が見付かるかと思います。チャンスだと思って(^^)色々試してみてください。
JO1FEF 村田さん、はじめまして
きこりさん、ご無沙汰しております。
超亀レスで大変申し訳ありません。
6月14日のきこりさんからコメントを頂いてから、今日10月5日までの間、こちらのサイトに訪問しなかったので、村田さんの6月16日のコメントに気付いたのが今日になっちゃいました(汗)
どうかお許しください。
村田さん、後ほどホームページにお伺いします。
今、固定のアンテナでは衛星通信が不可能に近いので、移動でチャレンジしたいと思います。
ありがとうございます。
http://dejl3crs.exblog.jp/
# 続きの2/2です。
アンテナですが、ログペリに関しては使用経験が無いためコメントできませんが、おそらく使用できることと思います。とりあえず仰角を付けずに設置してみて、どの範囲を聞く事が出来るのかを知るのも良いかと思います。
出来る範囲から始める事も出来ますからね☆
仰角のつけ方に関しては、うちの場合はアンテナ自体が軽い事もあり、塩ビパイプを使用して好き勝手に仰角をつけています。うちのホームページに掲載しています。
また、<a href="http://www.7n4iur.com/" target="_blank">7N4IUR局</a>はアルミプレートに穴あけて仰角をつけていました。よかったらご覧になってみてください。(リンクはれたかな? ^^;)
自分自身、最近QRVする機会が減ってしまっていますが、近い内に交信できる事を楽しみにしています。
http://www.geocities.jp/jo1fef/
JL3CRS高野さん
はじめまして。JO1FEF 村田と申します。
亀レスにて失礼します。
# 1/2です。
ハンディ機でフルデュープレクス対応の物は、私の知る範囲では、FT-728やTH-D7くらいだと思います。いずれも絶版機種になります。
現行のVX-7やID-91は2波同時受信は出来ても一方で送信をすると、もう一方の受信音は消える仕組みになっていたと思います。
つづきます、、、
http://www.geocities.jp/jo1fef/