アルラン二次創作投稿所

またまたお久しぶりです。
短いですが楽しんで貰えると幸いです。





「オータムシーズン」　ＢＹアヤ




ＳＭＳのエースアタッカーであっても。
超時空シンデレラであっても。
学生である以上は、学校に通う。
勿論、制服で。
美星の校門を潜れば、科によってカラーは違えど、同じ制服に身を包んだ学生が談笑しながら校舎に向かっていく。
課題を忘れた、昨日のテレビ番組の俳優がイケメンだの、学生らしく平和だ。
ランカやアルト、シェリルやブレラ達、何時ものメンバーも同じ。
常春だったマクロスフロンティアの時と同じ、半袖の制服が陽の光に輝いていた。
しかし、ココはもう船ではなく、惑星なのだ。
地球と同じ様に四季がある。
そんなフロンティアに、秋が来た。



「ぶえっくっしょん！！」
肌寒いと思ったと同時に、盛大なくしゃみをかましてしまった。
「アルトくん、大丈夫？」
「ちょっと、アルト！風邪うつさないでよね。」
「・・・・。」
ランカが差し出してくれたハンカチで、急いで口周りを拭った。
「風邪じゃ、ねえよ。」
「あ〜ら、そんなの分からないじゃない。」
そう言いながら、シェリルは数歩離れた。
たった一度のくしゃみで、この態度。
「スキャンしたが、問題ない。」
「ブレラ。勝手にスキャンするな！」
「それにしても、アルトくんもお兄ちゃんも上着無かったの？」
昨日の夕方から急に涼しくなって、これが季節かぁ、なんて思ったくらいだ。
防寒なんて、頭になかったからな。
「俺には、必要ない。」
そりゃサイボーグには必要無いだろ。
「二人とも、見ていて寒いのよ。」
「お前らは用意周到だな。」
シェリルは身体のラインに沿った、カーディガン。
ランカは少し大き目な、お尻まですっぽり丈のカーディガン。
それぞれ制服カラーに合わせたラベンダーとベージュをチョイスしていた。
ランカの大きめカーディガンから覗くスカートが可愛い・・・。
「女の子に冷えは大敵なんだよ。」
ね〜、なんて二人で笑っている。
しかしなぁ、ＳＭＳのジャケット着てくるワケにもいかないし。
そんな事を考えていると、もう一発。
「へっくし！」
「やだっ！近寄らないでよね、アルト。」
シェリルはまた、数歩離れて行った。
酷い扱いだと思わないか？
「アルトくん。本当に風邪引いちゃうから、学校行く前に何とかしうよう？」
ああ、ランカは優しい。
「え〜、でも授業始まるわよ？」
「シェリルさん！あの・・・。」
ランカはシェリルの耳元で、何事かを囁いた。
その瞬間、シェリルの瞳が輝いた。
「行くわよ、アルト！ブレラもよ！」
「はぁぁ？」
「午前中くらいサボッても平気よ！」
さっきまで授業が始まるとか、言っていただろうが。
「否、俺は・・・。」
「良いから！」
シェリルはブレラの腕に自分のそれを絡ませると、学校とは反対方向に歩き出した。
「私達も行こう？」
俺の腕にはランカが。
まあ、仕方がないかと笑い合って、俺もランカと歩き出した。



ショッピングモールの一角にあるメンズ専門店。
早く来ていた店員に頼み込んで、開店前に店に入れて貰った。
まあ、銀河の妖精と超時空シンデレラに頼まれて、断れる奴はいないだろう。
ここはアイドル二人のチョイスに任せた。
ランカと同じ様なダボッとしたグレーのニットカーディガン。
シンプルだが、撫ぜると肌触りの良いものだった。
何より暖かい。
代金はさすがに自分で支払ったぞ。
「どお？」
「ああ、いい感じだ。ありがとな、ランカ。」
笑うランカの頬を撫でると、ランカの頬が赤く染まった。
「ところで、気になってたんだが。何でシェリルは買い物に付き合う気になったんだ？」
「ああ、それは・・・アレだよ。」
指さす方を見れば、シェリルがブレラのカーディガンの裾をちょこんと摘まんで、ご満悦な様子。
「男の子の上着の裾に捕まるのって、女の子には良いシチュエーションですよね？って言ってみたの。」
シェリルは見事に喰い付いたらしい。
シェリルも普通の女の子と、何ら変わりないって事か。
「だけど、ニットは伸びるんじゃないか？」
「じゃあ、私はこっち。」
長い袖から出た指先を絡ませて、俺達は手を繋いだ。
ＳＭＳもアイドルも関係なく、ただの学生カップルって感じがこそばゆい。
「おう。・・そろそろ学校行くか？」
「うん！」
シェリルとブレラから少し遅れて、俺達も歩き出した。



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