マクロスFのキャラクター、早乙女アルトとランカ・リーのカップルに萌えた人たちのための二次創作投稿所です。

久しぶりで、なかなか文章がまとまりませんです。



「会いたくて」  BYアヤ





乾いた地面に水滴が落ちて、直ぐに染み込んでいく。
拭っても、拭っても滴る汗に、溜息を吐きながら空を見上げた。
真っ青な空は、広くて、太陽が輝いて。
すっと伸びた飛行機雲が空を割った。



アイドルの仕事は、分刻み。
雑誌の取材に新曲の宣伝、音楽番組の撮影にコンサート。
その他諸々のお仕事てんこ盛り。
この1ヵ月お休みなんてとれなくて、アルト君にも会えてない。
そこに、やっと訪れた半日オフ。
朝起きて、お兄ちゃん達が出掛けた後の部屋なんて、すごく久しぶり。
「おはよう。」
お兄ちゃん達がいない部屋で、自分の声が静かに響く。
さあ、今日は何しようかな?
気になっていた、オズマお兄ちゃんが散らかしたリビングをさっと片づけて。
ストレッチしながら夕方からの仕事のチェック。
好きな香りの泡風呂に入りながら、オオサンショウウオくんをギュッと握った。
メールを確認しながら、がっくりと肩を落とした。
アルト君とのメールのやり取りが3日前。
声を聴いたのは、5日前・・・。
いくらお互い忙しいからって、こんなの。
「ダメダメだよぅ。」
ぶくぶくとア泡風呂に沈んだ。



若干逆上せかけた体にバスタオル1枚の姿で、腰に手を当てお気に入りの冷たいお茶を飲む。
時計を見て、まだ時間があることを確認して。
お気に入りのワンピースに、いそいそと着替え始めた。
外はギラギラとした陽射しが,暑さを物語っているけど、行動しなくちゃ。
「よしっ。行ってきます。」
念入りに日焼け止めを塗って、帽子を被って外に飛び出した。



珍しく人気の無い海沿いをゆっくり歩く。
汗がほとほとと滴り落ちて、ちょっぴり外に出た事を後悔。
帰ったらまた、お風呂に入らなきゃ。
汗を拭いながら青い空を見上げると、飛行機雲がすっと伸びていた。
エンジン音を響かせながら、バルキリーが一機。
「わぁ。アルト君だ。」
思わず腕を伸ばして、バルキリーの形にした手を空にかざした。
機体がキラッと輝いたと思えば旋回し、回転し、また真っ直ぐに飛行機雲を伸ばす。
彼は、何時でも空に夢中。
アルト君を見つけて、ドキドキするのに。
「あれっ?何で?」
アルト君は、空にいるのに。
すごく寂しくて、会いたくて、会いたくて。
無理だと分かっていても、オオサンショウウオくんをギュッと握った。
「会いたいよ。アルト君。」




「ランカ!」
体育座りで座る私の視線に男物の靴が映って、はっと俯いた顔を上げた。
いつものSMSの制服姿で、汗を滴らせて。
アルト君は陽射しを背負って、私に影を落とした。
「こんな所で、何してるんだよ。」
「何でここにいる事・・・。」
「バルキリーから見えたんだ。」
まさか・・・!?
「パイロット舐めるなよ。」
ったく。って、言いながら私の前に胡坐をかいて座った。
「ガキじゃ無いんだから、寂しいからって・・。」
「ふぇ?」
「寂しかったんだろ?」
「・・・寂しかった。」
「俺も一緒だから。」
「アルト君・・・。」
体育座りの私に、彼が膝をずって近付いた。
そっと影が射して、唇に熱が触れた。
何度も啄む様に口づけて、暑いのにギュッと抱き合った。
アルト君の肩越しに見える海がキラキラと輝いて。
空は変わらず青くって、空に夢中なアルトくんはココにいて。
すごくドキドキして。
「元気でたか?夜中でも良いから、電話して来い。会いに行ってやるよ。」
俺もランカ不足だ。って、言ってくれて。
嬉しくて、溶けちゃいそう。
「暑い・・・。」
「おいっ。ランカ?」
バカッ!お前、何時からココにいるんだよ。
そんな声を遠くに聞きながら、背負われて揺られて。
アルト君のおかげで、涼しい自分の部屋で水分を取って、額には冷えピタ。
夕方からの仕事の時間には復活したけれど・・・。
超絶不機嫌なアルト君が、護衛の為に迎えに来た。
仕事の途中で駆けつけてくれて、私を背負って走って。
汗だくになってSMSに戻った時には、ヘトヘトで。
ついでに、ブレラお兄ちゃんとオズマお兄ちゃんに雷を落とされたらしく。
見るからにブスくれていて。
「アルトく〜ん。ゴメンってば。機嫌直してよぅ。」
仕事が終わった後に、あの手この手で何とか機嫌直してもらって。
ほっと胸を撫で下ろした。

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