リリカルマンモス&オメガ1話

超人界にマンモスマンとオメガマンと言う二人の超人がいた。
マンモスマンの超人強度は7800万パワーであり、オメガマンの超人強度は8600万パワー。
神の超人強度が1億パワーである事を考えた場合、この二人が超人界において
どれだけ凄まじい力を持っているかと言う事が分かるだろう。しかし、そんな二人も残念ながら
キン肉星王位争奪戦で己の存在についてを記述された預言書を燃やされ、その存在を消されてしまった。
しかし、同じく預言書を燃やされて存在を消されてしまったロビンマスクやネプチューンマンが
そうであったように魂は残り、二人は超人墓場に来ていた。
人間は一度死ねば二度と蘇る事は無いが、超人は戦いの中で死亡した場合に限り
超人墓場で一通りの労働を行い、その働きぶりを超人墓場を管理する鬼達に認められて
命の玉を4つ集める事で蘇る事が出来た。過去に死亡したはずの超人が
何の説明も無く蘇って再び現れると言うのはこれが原因だったのだが、
超人墓場の労働も楽では無い。早い者は半年で蘇る事も可能であるが、
下手な者は100年以上働いても蘇る事が出来ない。
故に働き者の超人は弱小であろうとも早く蘇るし、逆に強くても怠け者の超人は中々蘇れない。
これによってマンモスマンとオメガマンの二人も超人墓場から蘇るのに数十年以上も掛かってしまった。
ちなみに超人墓場にいる間は死亡者の扱いで歳は取らないので、数十年経過しても
二人は当時と何ら変わらない若々しい姿のままである。

「は〜、数十年ぶりのシャバの空気は美味えや〜。」
「まったくだ〜。」
マンモスマンとオメガマンの二人は地球に帰って来た。
そして二人が地球に帰って来て最初に行った場所が、たまたま手近にあった喫茶翠屋だった。
「いらっしゃ!! …い…ま…せ……。」
「おう、コーヒー頼む。」
「俺もコーヒーで。」
マンモスマンとオメガマンが入って来るなり翠屋の空気が凍り付くのは仕方の無い事だった。
無理も無い。突然身長は2メートルを超え、マンモスの毛皮を被った大男と
骸骨の様な顔面に大型のライフルを背負った大男が入店して来たのである。
本来女性客が多い翠屋との雰囲気と明らかに合わない二人に翠屋の誰もが愕然としていた。
勿論マンモスマンとオメガマンは特に何か悪い事をしようと言うワケでは無く、
普通に客としてコーヒーを注文しただけなのだが、皆はこの二人の様相や
雰囲気に完全に圧倒されてしまっていた。

「俺達が超人墓場で働いている間に世の中はすっかり風変わりしてしまったんだな〜。」
コーヒーを飲みながらマンモスマンとオメガマンはそれぞれ新聞を読んでおり、
現在の情勢と言う物をある程度知った。数十年も経てば当然世代交代も起こるわけで、
かつて二人が戦ったキン肉マンやロビンマスクと言った正義超人達は第一線を退き、
ニュージェネレーションと呼ばれる新世代の正義超人達が活躍していた。
そして新世代の悪行超人から地球を守る為に戦っていたのだが、
二人はそれらの戦いに介入する気にはならなかった。
「ま、俺は故郷に帰って、身体が鈍らない程度に休養を取った後で
宇宙各地の賞金トーナメント巡りでもしてみようかな?」
「じゃあ俺は宇宙ハンターの仕事に復帰しよう。」
コーヒーを飲み終わり、会計を済ませて翠屋を出た後、マンモスマンとオメガマンは
それぞれ新たな目的へ向けて分かれようとしていたのだが…そんな時だった。
突然一人の少女が飛び出して来てぶつかってしまった。
「あ! ご…ごめんなさい!」
「おいおい気を付けろよ。」
少女はすぐさま謝っていた故にその時は事無きを得ていたのだが、
そこでマンモスマンはある事に気付いた。
「あ、さっきの奴ハンカチ落としてるじゃないか。」
「おーい! ハンカチ落としたぞ…ってもうあんな所にいる。」
「とにかく追い駆けよう。」
何時に無く親切心を起こしたマンモスマンとオメガマンの二人は少女が落としたハンカチを
渡す為に少女を追い駆けた…のだが、ハンカチを落とした事に気付かない少女は
先程ぶつかった時の件で起こって追い駆けて来たのかと勘違いし、ますます逃げ出したでは無いか。
「キャァァァ! 怖い! 助けてぇ!」
「おーい! 待ってくれー!」
逃げる少女と追うマンモスマンとオメガマン。しかしまあ少女が逃げたくなる気持ちも分かる。
いきなり身長は2メートルを超え、マンモスの毛皮を被った大男とライフル背負ったガイコツ顔の
大男に追い駆けられるのである。これに驚かない方がむしろ異常だろう。
「嫌ぁぁ! 助けてぇぇ!」
するとその時だ。少女の手に杖の様な物が現れ、飛んだでは無いか。
「ゲェェェェ!! 人間なのに飛んだー!」
「とにかくこっちも飛んで追おう! じゃないとハンカチを渡せないぞ!」
超人が飛べて、なおかつ単独大気圏突入離脱も可能な事は当然だが、
人間が飛ぶ事ははっきり言って普通では無い。それ故にマンモスマンもオメガマンも
驚きを隠せなかったが、とにかくここは追いかけなければならなかった。
そして空を飛ぶ少女が大きなビルの屋上にまで飛び上がると、そこで突然魔法陣の
様な物が現れたでは無いか。
「ゲェェェェェ!! 何か魔法陣が出たー!」
魔法そのものは悪魔超人が使えるからそこまで驚く事は無かったが、目の前の少女は人間である。
それ故に二人が驚くのも束の間、少女はその魔法陣の中に吸い込まれて行ったでは無いか。
「ゲェェェェェ!! あの魔法陣はワープホールかー!」
「とにかく俺達も飛び込んで追わないとハンカチを渡せないぞ!」
何故ハンカチ一枚の為にここまでしなくてはならないのか意味不明であるが、
とにかくマンモスマンとオメガマンも魔法陣の中へと飛び込んだ。

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2007年08月04日(土) 18:37:29 Modified by beast0916




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