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あえかなる世界の終わりに

あえかなる世界の終わりに

ヒロインは5人、共通部分も多いが何回もやるとわかるようになるところもあるので丁度いいかも

固有名詞が多すぎて説明しにくいので末尾に説明を補足してます

▼導入部
時代背景は近未来、地上が戦争や環境汚染で住めなくなったので、セドナと呼ばれる巨大地下シェルターに移民して何十年か経過している。
このセドナと呼ばれる地下シェルターは日本に35存在し、それぞれをリニアで行き来することも出来る。
AI技術が発展し、家電製品などはTDテクノロジー社によって作られたNAIPと呼ばれるAIによって一戸単位で統括されており、NAIPを自宅サーバーにインストールすることはほぼ必須となっている。
NAIPはマスター登録された人間の命令により家電の操作や管理を行い、NAIPに命令するにはマスター登録された人間が登録時に設定した行動をとる必要がある。(指を鳴らす、等)そのため勝手な判断で行動することは無い。
また法令遵守も徹底されており、違法な命令は実行しない。

主人公、木ノ崎なつめは三年前にAIの誤動作により起きた災害(暗黒の三時間:ブラックスリーアワーズ)で両親と妹を失った学生。なぜか厄介ごとに巻き込まれやすい体質。あだ名は「誘蛾灯」。
現在は幼馴染の長谷川柚子や俵坂竜平、斑鳩虎太郎という親友、CQショットのライバルNagiらと平穏だが刺激の無い日々を送っている。

AIによっておきた災害で家族を失ったなつめはAIを嫌い、NAIPを導入していないため無駄に多機能な家電をマニュアルで操作するという不便な暮らしを営んでおり、友人からは変人呼ばわりされることもある
親の残した遺産はあったものの、食い扶持を稼ぐため、才能があったCQショットで生計を立てていた。しかし実際は回りくどく型にはまった戦術を取るAIよりも自分の優れた感覚や経験を生かして戦うので、AIを提供し、その戦闘データを集めるスポンサー(=TDテクノロジー社)はほとほと困っている。
特に、なつめに直接繫がっている吉住明というTDテクノロジー社の社員は、開発部から文句を言われることが多い。しかし、吉住も元CQショットの選手であったため、なつめの気持ちもわかるという板ばさみ状態になってしまっている。

そんな折、巷で義賊のようなことをする青薔薇(ブルーローズ)と呼ばれるスーパーハッカーがTDテクノロジー社を狙うと宣言する。
しかしなつめは周囲の盛り上がりをよそに自分にはかかわりの無いことだといつものように過ごしていた。
ある日、なつめは幼馴染の柚子に宿題を肩代わりした代償として近江千冬のボディーガードを依頼される。
話を聞くと千冬は一人暮らしで最近ストーキングされて困っている、と言うが、何かを隠している様子。
宿題の恩があるので、なつめはヤバくなったら警察に行くことを条件に仕方なく警護をすることを承諾。
その後いつものように夜の公園でトレーニングしていた折、セドナのシステムに異常が発生し、なつめの居た公園は急に真っ暗になってしまう。
そこに突然奇妙な格好をした少女が現れる。その幻想的な光景に見とれそうになるなつめだったが、あまりの非現実的な光景に少女に声をかける、しかしそこに誰かが近付いてきた。
少女は「ちょっと借りるぞ。」と言い突然消えてしまった。
近付いてきたのは、前にも会ったことのあるパトロール中の警官で。何か不審なものを探せと言われてパトロールしているらしい。なつめが何も見ていないと答えると愚痴をこぼしながら警官は去って行った。
あっけに取られるなつめがふと携帯端末を見ると、TDテクノロジー社から支給されている最新型であるためにデータ許容量もかなりのものであるはずが、容量がほぼ埋まってしまっていた。
少女は名をリップルと言い、人間ではなく、データの集合体、すなわちNAIPであった。自分の持つNAIPのイメージとは似ても似つかない少女に戸惑うなつめ。
するとリップルはなつめに礼を言いふっと消えてしまった。
なつめは妙に人間くさいNAIPだったな、と思い帰宅する。

翌日、青薔薇の起こした騒ぎのおかげで学校が休みになり、千冬、柚子の気晴らしにつき合わせられるなつめ。
そして出かけた先で竜平、虎太郎と遭遇する。(実際は竜平からなつめは誘われていたが、なつめはメールを読まずに破棄していた)
その時、ストーカーが尾行しているのに気づいた竜平と小太郎にストーカーの件を問いただされ、半ば無理やりに協力することを承諾させられる。
その後、安全のために千冬は柚子宅で生活するようになる。
やはり面倒事か、とため息を漏らすなつめだった。

帰宅後、自宅で不可解な現象が発生し、家電が勝手に動いたり照明が明滅を繰り返し始めた。機械に疎いなつめはどうすることも出来なかったが、しばらくすると謎の現象は収まった。
そこに先日公園で出会ったリップルが現れた。
リップルは潜伏先を探しており、NAIPが居ない上にシステムが生きている家に無理矢理入り込んでみたら、そこはなつめの家であったらしい。
AI嫌いではあるが、妙に人間くさい発言と行動をするリップルにしぶしぶ一晩だけ留まるることを許可するなつめ。

次の日の朝、なつめは聞こえるはずの無い人の声で目を覚ます。
リップルが一晩中システムを自分のやりやすいように設定していたのだった。
朝のニュースで青薔薇事件の報道を見たリップルがセキュリティが固かったと言った。
まさかと思ったなつめは話を聞くと、なんとリップルはその青薔薇であり、公園で起きたシステムの異常もリップルの仕業であるという。
なつめは一晩だけ泊めてやったんだからこれ以上の厄介事はごめんだとすぐに出て行くように言うが、二度と青薔薇として行動しないから居させてくれ、というリップルに押しきられて、リップルはなつめの家に定住することになる。

こうしてなつめの日常は少し面白くなった。

リップルを置いて学校に行くのは不安だったが、ただでさえ成績が芳しくないなつめは不安を残したまま登校する。放課後、ボディーガードに乗り気ではないなつめだったが、なつめ、柚子、千冬、竜平、虎太郎の5人で千冬の自宅に荷物を取りに行くと、そこで侵入していた謎の男と鉢合わせする。
逃走する男を追う小太郎と竜平だったが逃げられてしまう。
千冬に盗まれたものをチェックしてもらうと、金品はおろか何もなくなっておらず、ただマジックパラダイスというネットゲームが操作された痕跡が残っているだけであった。
次は捕まえると意気込む虎太郎と竜平だったが、イレギュラーな事態でありながら痕跡をほとんど残さず、NAIPのセキュリティをあっさり破った男の手際の良さになつめは不安を覚える。

ある日、美少女が転校して来る、という情報が竜平からもたらされる、いやな予感がなつめを襲う。
その予感は的中し、リップルが西宮香月という人物に偽装して転校して来る。(ホログラムのためバレることはない、体調不良の際は自宅からの出席が可能なシステムを利用、通称「ヒキコモリ登校」)
なつめは糾弾しようとするが、完璧にネコを被るリップルに怒る気もなくなってしまった。
さらに自分が動きやすくするための措置として、パーツの換装を要求され、しぶしぶ承諾する。

千冬の家に調査に来たなつめ、虎太郎、竜平は調査の途中で誰かに見られていることに気づく。
竜平と虎太郎はなつめの静止も聞かずにその人物をを追っていってしまう。
一人千冬の家に取り残されたなつめは、操作されていたマジックパラダイスが気になり操作を試みるが、機械音痴には無理な話であった。そこで勝手についてきていたリップルが手を借してマジックパラダイスをプレイする。
そこでSunというプレイヤーキャラと出会いマジックパラダイスの中で流れている不穏なうわさを聞く。
それは「レベルがMaxのプレイヤーキャラが大人数で何時間もかけて倒す強いモンスターが落とす超レアアイテムを手に入れた人間は現実世界で起きている失踪事件の被害者になるのではないか?」というものであった。
いやな予感を覚えるなつめ。Sunに礼を言いマジックパラダイスを終了させる。
結局捕まえられなかった竜平と虎太郎が戻って来て、なつめがマジックパラダイスを操作していたと勘違いした二人は驚愕する。なつめは腹を立てるがリップルのことを言えない手前不機嫌を顔に出すだけであった。

明くる朝、虎太郎がやるきねこランドという最新のテーマパークで遊んで気晴らしをしないか?と提案をするが、人ごみに出かけるのは危険と言う事で中止になった。しかしこのままでは埒が明かないので捕まえようと提案する竜平と虎太郎。その作戦は千冬を囮に使うという危険なものであったため、なつめは反対するが千冬は危険を承知でこれを承諾する。
翌日、やるきねこランドに集合する5人、なんとなく見られている気配がするので、気づいていない振りをするため普通に遊ぶ5人。
なつめは端末の容量が変わらず、リップルが付いてきていないのを確認する。しかし虎太郎がなつめの端末に地図データが送ると、エラーになってしまった。二度目はあっさりと成功したが表示されている容量が増えないのを不審に思ったなつめはリップルが勝手についてきているのを確心する。
日も暮れ、パレードが始まる。
なつめはやるきねこのきぐるみを着せられてこっそり千冬のボディーガードをするが、スタングレネードを使った陽動に引っかかり、千冬を見失ってしまう。
スタングレネードの音と光で会場はパニックとなり、手分けして探しても千冬は見つからない。
そこでなつめはやむを得ずリップルの手を借りて千冬を捜索する。
西宮香月がいきなり現れて混乱する柚子、虎太郎、竜平の3人を尻目になつめはリップルの特定した千冬の居場所へと走る。ホラーハウスの中では、まさに千冬が男に詰め寄られているところであったが、間一髪男を撃退することに成功する。

ここで千冬はストーカーを警察に言えなかった理由、自分が新進気鋭のミステリアスな歌手、CHIFUYUであることを告白する。CHIFUYUのファンであるなつめはどう反応していいかわからず、ただ警察に言えないのを納得するだけであった。
そしてリップルのことも仲間へと説明し、ストーカー事件は一段落ついたのであった。
当分は襲ってこないだろうと確信する一同であったが、男の右腕に握られていた黒光りする銃になつめは不安をぬぐい去る事は出来なかった。

▼中盤
ストーカー撃退の次の日には、CQショットのクラス昇格をかけた大事な試合が控えていた。
しかし、TDテクノロジー社からはサポート用AIが届かず不戦敗になりそうだったが、リップルが厳しい規定をごまかし、サポートAIとしてなつめの端末に入り、試合をすることとなる。
今までのAIとは違い相手の行動を観察し、合理的且つ柔軟な戦術を指示するリップルになつめは戦法を全て任せ、自身の集中力を高めていく。なつめはそこで世界が遅く、白くなっていくような錯覚を覚える。その結果古豪の選手を相手に鮮やかな勝利を収める。試合後、ライバルのNagiが『上のステージで待っている』と伝えに来る。

集中力を高めすぎたのか、なつめは発熱が続いていたため、学校を早退して休養し、次の日の昼まで寝続ける。
すっかり回復したなつめは、竜平と虎太郎のおせっかいにより千冬と二人きりで商業区に出かける。
しかしそこで、当分は来ないと思っていたストーカーの気配がついて来ていた。
逃げるなつめと千冬は、セキュリティが厳しいが、なつめがその穴を熟知している学校へと逃げ込む。
(好感度次第で選択肢・千冬ルート)

逃げる際に校章を落としてしまったなつめは校章を探しに行き、逃走する際に使った人通りの無い道で偶然死体を発見する。それはやるきねこランドで千冬を襲ったストーカーであった。
死体を目にして思考のまとまらないなつめは、いつの間にか背後に居た大柄な男に銃を突きつけられていた。
一瞬で相手の力量を感じ取ったなつめは敵うわけがないと感じて、男の質問に素直に答えていく。男は殺し屋であると確信するが、こちらに害を加えるつもりは無いようである。
男は低い声で言った。

『境界線をまたぐなよ。お前はまだ戻れる。』

その意味を聞き返そうとした時、謎の機械兵器が二人に襲い掛かった。
男は手にしたでかい拳銃でその機械を撃ち落し、なつめに逃げるように命令する。
なつめは無我夢中に走り、自宅へとたどり着くと、謎の兵器に傷つけられたなつめを見て驚いたリップルが事情を聞くがなつめは答えずに眠ってしまう。

翌日、ストーカー犯、平井宗太郎が殺されているニュースが流れるも、すぐに報道規制が敷かれる。
リップルはなつめにこの件から手を引くように忠告するが、なつめはこれを拒否する。
虎太郎が集めた情報によると、平井は半年前まで銀行員として働いており、エリート街道まっしぐらであったが突然退職し、その後行方をくらませていた。
なつめが気になっていたゲームのことについて尋ねると、平井の弟がマジックパラダイスをプレイしており、かなりのゲーマーであったらしいことが判明する。しかしその弟は一年半前に失踪していた。情報が入り乱れる中、虎太郎と竜平は事件は終わった。とするがなつめは納得できていなかった。

帰宅後、殺し屋のことについて調べていると、リップルが手を引け、と再度忠告するが、なつめはまたもこれを拒否する。リップルはなつめを心配しての発言だったが、なつめには冷たい発言に聞こえたため、喧嘩となり、リップルは出て行ってしまう。
その後も慣れない自宅の端末を使って調査していたところ、自宅の電源が落ち、そして先の機械兵器がなつめを殺そうと襲いかかってきたのだった。
辛くもこれを破壊したなつめは、柚子と千冬が家に向かっていると知って、すぐにその場を離れようとするが見つかってしまう。
心配するなと言い残し、ゴルフクラブを片手に夜の街を歩くなつめ。
その間、なつめは違和感の正体がストーカーが二人いた事だと気づく。平井は千冬を狙っていたが、もう一人はなつめを狙っていたのだ。明らかな殺意を持って。
人気の無い方へと歩いていくと、先のものと同じ兵器に誘導され、町外れの人気の無い貯水用水路に着いた。中にはもう一人のストーカー、なつめを狙っていた方の犯人が居た。
どうやらその男は千冬の部屋で鉢合わせた男であったらしい。なつめは男を問いただすが、質問に答えている暇を殺人兵器がくれるはずも無く、殺し合いが始まってしまう。死闘の末、機会兵器を全て撃破するも、男が油断して致命傷を負う。
なつめもガンシュートの時に感じた白い世界に入り込んで戦ったため、疲労は頂点に達していた。
しかし、その世界に居たからこそ、背後に迫っていたいつかの大柄な殺し屋を感じ取り銃を向けられたが、なつめの意識はそこで遠のいていってしまった。

(ここでOPムービー)

▼後半
なつめが目を覚ますと、そこは汚い部屋だった。
どうやら大柄な殺し屋、アーティストと名乗っているらしい、の棲家のようである。
致命傷を負っていた男は死んだらしい。名を久瀬孝弘、影(シャドウマン)と呼ばれる殺し屋で、アーティストの標的であったらしい。
なつめは礼を言う気にもなれずにその棲家を後にする、しかし自宅には銃弾の跡などは残されておらず、破壊した兵器も残ってはいなかった。このままここに居るのは危険と判断として、アーティストの棲家に戻るなつめ。

『言っただろう?境界線は踏み越えるなと。』

なつめはもう戻れないところまで踏み込んでしまっていた。
落ち着いて話を聞くと、先の兵器はTDテクノロジー社が開発中の軍事兵器「CARDS」シリーズの一つ「ジャック」であることがなつめに伝えられる。なつめは自分の戦闘データが使われている兵器に命を狙われていたのだ。
しかし、横流しという可能性がある以上、敵の正体は不明のままであった。

なつめは生き延びるため、アーティストの依頼の助手をすることとなる。
人殺しの片棒を担ぐつもりは無いなつめではあるが、人殺しは無い仕事ということなので仕事を始める。
与えられた仕事はTDテクノロジー社の会長、霧ヶ崎重蔵の一日のスケジュールを調査すること。
会社の中には入れないので出社、帰宅の時間だけ調査であるが、そこで遇然Nagiと出会う。
CQショットの昇格戦の話題を振られるが、なつめにはどこか遠くの世界の話のような気がするだけであった。

あまり成果の上がらなかった調査だったが、アーティストの同居人、ひまわりが調査に協力してくれることでかなり細かいスケジュールを知ることが出来た。
しかし、その調査に使用した端末『System D』は、なつめにはとても体に害の無いようなものには見えなかったため、その使用を極力避けるようひまわりに促した。

霧ヶ崎重蔵の調査を進めるうちに、重蔵がやるきねこランドに定期的に通っていることが判明し、ひまわりとともに調査を命じられる。
そこには灰色のコートを着た男と密会する重蔵の姿があった。
写真を撮って帰宅する二人。
すると、アーティストの棲家に手紙が届く。
それは重蔵のより細かいスケジュールであり、この後のことも書いてあった。

次の密会にアーティストと共に調査に行くことになり、なつめはついCQショットの試合が近いなどとボヤく。
境界線を踏み越えてしまった事を強く自覚させられるなつめだが、希望を捨てきれないなつめは、ヒキコモリ登校で久しぶりに学校へと行くが、さすがに事情を察している柚子と、誘蛾灯としてのなつめを知っている竜平には隠し切ることは出来なかった。
竜平は独自に調べたことをなつめに伝える。その内容は、マジックパラダイスを作成した会社と、過去に集団意識不明事件を引き起こしたMRSPというオンラインゲームを作った会社の資金元が同じであるというのだ。
その会社とはTDテクノロジー社である。

それぞれがつながり始めたなつめであったが、オンラインゲームでの行方不明事件の中心に居る千冬や首を突っ込んで危険な目に遭いそうな柚子に忠告しに一旦自宅へと戻るなつめ。忠告するだけのつもりだったなつめだが、買い物に付き合えと言われてつい目の前にある日常に戻ろうとしてしまう。買い物を終えて変える途中、なつめ達は平井が殺されていた場所で、平井の婚約者=赤松さよりの死体を発見する。
そしてあたりに響く小さな駆動音がジャックの存在をなつめに告げていた。友人をかばいながらジャックと戦うなつめだが、心配して戻ってきた柚子に気を取られ、徐々に不利に追い込まれていく。死を覚悟し始めたなつめを救ったのは、気まぐれな野良NAIPであった。そしてなつめはいつかの試合のように白い世界へと変わっていく光景を感じ、ジャックの破壊に成功する。
日常へと戻ろうとすることで大切な友人たちを傷つけてしまったなつめは、決別の弾丸を友人に向けて放つ。
その弾は地面をえぐったが、なつめと友人たちの心をもえぐっていったのだった。

棲家にリップルを連れ帰ったなつめだったが、翌朝、リップルとひまわりの口論で目を覚ます。
高度なコンピュータ技術をAIで行うか人間で行うかが違うだけの二人は相容れない存在のようである。
しかし、二人の天才ハッカーの情報収集能力はすさまじく、次第に真実が明らかになっていく。

話を切り詰め、調査していくうちになつめは瑠璃垣みなもという1人の天才プログラマーにたどり着く
彼女はNAIPの製作者であり、キューブ構造という独自のプロテクトの開発者だった
NAIPはこのプロテクトにより守られており、NAIPによって発展したTD社は現在このプロテクトがある限り絶対的なNAIPへの指令、操作が出来ないようになってしまっている。
裏ルートから入手したMRSPとマジックパラダイスには共通点が非常に多い事実。
以上のことから、このゲームの中にNAIPを操作できるようにするためのコード『神の名』を知るための鍵があると推測され、さらに千冬の情報からオンラインゲーム内に誰も到達できないフィールドとそこにいるMinamoの名前からMRSPもマジックパラダイスも同じで瑠璃垣みなもに会うためのゲームだったのではないか、と結論付ける
瑠璃垣みなものヒントからついに扉が開く。そして映像として主人公達の前に現れるみなも
彼女は数年前に死んでいるはずが、今でも生きているという。

真偽はともかくみなものプライベートエリアへアーティストと一緒に潜入するなつめ。
そこに居たのは瑠璃垣みなも本人であった。そこで神の名はリップルの中に隠されていることを瑠璃垣みなもに告げられ、動揺するリップル。神の名を開放する瑠璃垣みなもだったがそこへ招かれざる客が登場する。
吉住明、TDテクノロジー社となつめのパイプ役を務める平社員であったはずの男であるが、実はアーティストの弟で、この兄弟は瑠璃垣みなもの幼馴染であった。
吉住は神の名を手に入れ、世界を混乱へと導こうとしていた。そこで聞かされた真実に怒りを覚えるなつめとアーティスト。さらにみなもは試験管で脳だけ保管されて生かされている姿を見せられる。今にも発砲せんとした時に轟音が響く。外には『キング』と言われる戦車型の兵器が待機していたのだ。拳銃のみでそれに立ち向かうなつめ。なつめをかばい、砲撃で負傷した体で吉住と相対するアーティスト。
しかし吉住はCQショットで『教授(プロフェッサー)』と呼ばれる凄腕の選手であったこともあり、アーティストは致命傷を負う。ひまわりのサポートを得て、なんとかキングを行動不能状態にしたなつめが見た光景は、腹から鮮血を流すアーティストが、最後の力で瑠璃垣みなもの試験管を破壊している姿であった。

神の名を入手したリップルを奪った吉住は退却する。アーティストの最期を看取ったなつめは、棲家へと戻り、ひまわりに吉住のこと、神の名のこと、アーティストが死んだことを全て伝えた。ただ一緒に住んでいるだけ、そんな淡白な関係であったはずなのに、無感情な少女が流した涙は誰よりも痛く、重くなつめの心にのしかかる。

なつめはリップルを取り戻すべくTD社へ向かう


→ひまわり
アーティストが死んで、行き場をなくしたひまわりに俺の家に来いと言うなつめだが、ひまわりはこれを拒否する。
理由を問うなつめに、ひまわりはあるデータを見せる。そのデータには、なつめの両親がSystem Dの開発に関わっていたことが記載されていた。実はなつめはSystem Dの適合者(=ダイバー)の失敗作であり、ひまわりは成功例であった。このSystem Dには、適合者である確率を高めるため、ダイバーの精子と卵子を使って作られた試験管ベビーであるため、二人は兄弟である可能性がある、故にそんな風には出来ない、と言うのだ。
しかしなつめはそれを気にもせず、ひまわりもなつめを受け入れて晴れて結ばれる。そしてNagiとともにリップルを救出に行くなつめだったが吉住を殺すも、吉住が仕掛けた爆弾でTDテクノロジー社のビルが倒壊しそうであった。
リップルはなつめを助けるために神の名を開放し、その後行方不明となった。
なつめは負傷しつつも生還し、ひまわりとは親戚と言う名目で一緒に暮らしている。
※補足※ひまわりは序盤のマジックパラダイスで話を聞いたSunである。

→リップル
NagiとともにTDテクノロジー社へと乗り込むなつめ。負傷しつつも吉住を退けるが、リップルの周りには『クイーン』と呼ばれるサイバー兵器が設置されており、リップルを助けようとケージと呼ばれる防護壁を取り除くとリップル自身がクイーンに侵食されてしまう為、助け出すことが出来ない。
そこで吉住の仕掛けた爆薬が作動する。こんな死に方も悪くないと考えるなつめだったが、リップルは自らケージを破棄。クイーンに侵食されながらも、神の名を使ってなつめを救った。
半倒壊したビルの瓦礫の上で慟哭するなつめであったが、自宅の設備を入れ替えた時におまけとしてついてきた超小型端末にリップルが逃げ込んでおり二人ともが生還することが出来たのである。
なお、リップルはその端末に入るために自らの容量を大分削ったため、神の名は永遠に葬り去られることとなった。
(リップルは擬似体感プログラムと部屋全体をホログラムのスクリーンとして使用する技術を使用してなつめと性行為をする)←ちょっと不明です。

→柚子
リップルを救出に行く前にいろいろなものと決別すべく自宅の様子を見に行くなつめ。そこには学校にも行かずなつめの帰りを待ち苦手な料理も頑張っている柚子の姿があった。その光景に胸が痛むなつめは、必ず戻ってくると約束しTDテクノロジー社へと乗り込んでいった。(以下は倒壊するところまで同じ)
なつめの日常には2つのものが追加された。一つは妹であるひまわり。もう一つは恋人となった柚子の姿である。
こうしてなつめの平穏で刺激はないが幸せな日常は始まった。

→ナギ
Nagiの本名は「霧ヶ崎凪」、TD社の現社長の娘であり会長の孫娘と言う立場であったが、「暗黒の三時間」がダイバーの実験で起こったことを知り、霧ヶ崎家と縁を切ることを決意する。
最後はなつめと一緒にTDテクノロジー社へと乗り込み、なつめと見事な連携で、光学迷彩を搭載した軍事兵器『エース』を破壊、吉住を葬り去った。
その後は、行く当てもないのでひまわりと共に木ノ崎家に住むことになる。そのうちになつめと恋仲になる。

★用語のおおまかな解説★

  • 暗黒の三時間(ブラックスリーアワーズ)
数年前、なつめたちの住む第三セドナにて発生した事件。セドナのシステムがほぼストップし、セドナ始まって以来の大惨事となった。しかし死傷者はそれほど多くなかったが、なつめの家族は運悪く巻き込まれ命を落とす。
原因は不明とされているが、実はSystemDの実験中のダイバーが暴走してしまったことが原因であった。
キャラメルBOXの「やるきばこ2」というファンディスク的なもので、じつは人為的に起こされていたものだと発覚する。

  • CQショット
AIにサポートさせながら、決められたフィールドの中で行うガンシュート競技。リーグごとでランク分けされており、なつめはC,ナギはBランク。専門チャンネルで映像配信もされている。
使う武器は光線銃で、当たってもしびれる程度で殺傷能力は無い。しかしスタングレネードなどを使ったトラップを使用したり、近接格闘戦になるので荒々しいことには変わりが無い。そのため柚子はなつめがCQショットのプロになると言った時は猛反対した。

  • 青薔薇
電脳盗賊(サイバーシーフ)として巷で話題のハッカー。正体はリップル。
時折義賊としてマスコミなどに扱われる青薔薇だが、本人は暇つぶしで金を貧しい人達に供給したり、悪事をばらしたりしているだけである。行動が派手なので若年層に人気が高い。TDテクノロジー社への潜入予告は国のHPをハッキングして行ったため、国家とTDテクノロジー社が総力を決して迎え撃った結果、ヘマをやらかして失敗してしまう。その逃走途中でなつめと出会う。

  • マジックパラダイス
大規模なネットゲームで、世界中でプレイされている。操作が意外と難しいらしい。虎太郎と千冬(ひまわり)がプレイしている。千冬は、3人がプレイしているサーバーではかなりの有名人。大規模なおかげで不穏な噂もあり、ある連続失踪事件と密接な関係があると言われている。運営元はTDテクノロジー社のダミー会社である。
このゲームは、瑠璃垣みなもの遺した神の名を解き明かすためのシステムをゲームに仕立てたものであり、条件を満たすと瑠璃垣みなものプライベートエリアへと招待される。
これを手に入れるために高レベルのプレイヤーで、条件を満たせそうなプレイヤーをTDテクノロジー社が拉致、調査を行っていたため、これが連続失踪事件となる。

  • ヒキコモリ登校
自宅から登校できるシステム、体調不良の時や遠隔地からの登校も可能になる。
ゲーム中ではその場に居るような扱いであるが、自分の意識をその場に飛ばしたりするようなことではなくネットワークを介してその場の状況が把握できているだけ。

  • やるきねこランド
やるきねこというマスコットをテーマにした最新のテーマパーク規模も大きく、他のセドナからも客が来る。
やるきねことはこのゲームを作っているキャラメルBOXのマスコット。しばし鈍器を振り回したり、可愛さをアピールしたりする不思議なマスコット。
余談ではあるが、同社にはキャラ、メル、ボックスという妖精のようなマスコットがいたはずなのだが…

  • 平井宗太郎
ストーカー犯。千冬からマジックパラダイスに関する情報を聞き出すためにストーキングを行っていた。
千冬の部屋で会ったストーカーと千冬とのデート中以外のストーキングはこの男。
弟がマジックパラダイスの連続失踪事件の被害者で、表向きに被害者を救う会を立ち上げた後、裏向きの調査のため行方をくらませていた。

  • 久瀬孝弘
影(シャドウマン)と呼ばれる殺し屋、依頼としては神の名に近付いているものの調査および失踪事件の真相を明かそうとする要因の排除だった。平井宗太郎を殺したのはジャックだが平井をマークしていたのはこの男。

  • アーティスト
本名は流雄志(みずゆき ゆうし)。軍隊経験を生かして殺し屋として生きる。
瑠璃垣みなも、吉住明とは幼少のころからの知り合いであるが、瑠璃垣みなもが病死したとされて以来、少しずつTDテクノロジー社の裏の顔を調べていた。

  • CARDS
TDテクノロジー社が開発しているセキュリティーロボットである。CARDSという名の通り、トランプになぞらえられており、とくに絵札(ピクチャーカーズ)と呼ばれる「ジャック」「クイーン」「キング」「エース」は軍事用として開発されている。

  • ジャック
直径40センチほどの大きさの小型自立起動兵器。装備は連射可能な銃とブレード。ダイヤ、スペード、ハート、クラブの4つがセットになっている。索敵を主に光学、熱源探知によって行っており、隠密行動が基本。
装甲はそこそこ硬く、普通の拳銃では倒せないはずなのだが、作中では驚異的な存在でありながらも、電子レンジでチン、バカでかい銃で撃たれる、ゴルフクラブの柄で貫通、駆動部に銃弾を浴びせられ水中へ、という多彩なやられ方を見せる。

  • クイーン
実体を持たないコンピュータウィルスのようなサイバー兵器。
NAIPなども侵食するので、リップルにとっては天敵といってもよい存在。

  • キング
戦車のような大型自立機動兵器。主砲とマシンガンを装備しており、主に制圧用として使われる。
基本的に車輪で移動するが、車輪を変形させて、足のようにする事で悪路も走破できる。

  • エース
光学迷彩、光学兵器を使う兵器、制御にはなつめによって得られたデータやAIの思考パターンを使っている。
局地戦に適した兵器で、宙に浮かんでいる上に光学迷彩を使うので室内の対人戦では無類の強さを誇る。

  • System D
NAIPに代わってシステムや情報をすべて人間の手によって制御しようとするシステムであったが、生まれついての適正が必要であったため人体実験がTDテクノロジー社によって秘密裏に繰り返されていた。適性を持った人間をダイバーと呼ぶ。ひまわり、なつめはダイバーの実験体の一人。ひまわりは成功例、なつめは失敗例。なつめはダイバー適性が無い代わりに発達した身体能力と空間認識能力を獲得している。

  • MRSP
過去に死亡事故を引き起こしたオンラインゲーム。運営開始当時、専用筐体を使用して脳波でコントロールするというシステムで話題を呼んだ。これがSystemDの類似系であり、また不具合によって死亡事故を引き起こしてしまう。中身はマジックパラアヂスと同じく神の名を解く為のシステムをゲームに仕立てたもの。
なつめ達は出資者が同じであること、マジックパラダイスと似た風景があること、minamoというキャラが隠しエリアにいるという共通点から、マジックパラダイスと関係があることに気づく。

  • 瑠璃垣みなも
天才プログラマーで、NAIPの生みの親でもある。身売りのような形でTDテクノロジー社に入社し、専用のエリアを与えられてプログラムの開発を行う。生まれつき病弱で。10年前に死亡したことになっているが、ビーカーの中で生き続けてさせられていた。

  • 神の名(ゴッズネーム)
NAIPにかけられているプロテクトを解く為のキーワード。リップルの深層データ内に解析不可の情報として眠っていた。

  • 神の名計画(ゴッズネームプラン)
神の名を解く為のプロジェクト。マジックパラダイスやMRSPなどを使って神の名をユーザに解かせようとする計画。
2008年07月23日(水) 17:38:19 Modified by ID:4bByplr8BQ




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