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神樹の館

589 :神樹の館 :2005/08/29(月) 02:36:30 ID:/Bm1axcZ
本好きの主人公、工月秋成は卒論に必要な資料を探すために友人である四ッ谷麻子と共に、
四国の山奥にある彼女の親類の家の那越邸(通称、真珠邸)に赴いていた。
古めかしいがしっかりと管理された洋館でメイドの知里紫織に迎えられた2人は、
食事の際に館に住む双子の少女、大人しい伊美と活発な斎を紹介されるが、館の主人は姿を見せなかった。
その夜、夢の中で工月は鞠を手にした赤い目で銀髪の少女と出会う。


590 :神樹の館 :2005/08/29(月) 02:37:22 ID:/Bm1axcZ
双子シナリオ
館に滞在してから3日目、紫織に頼まれた工月は双子の勉強を見る事になった。
それをきっかけに打ち解ける3人。
その後、双子の態度や異常なまでの動作の同調の特異性を紫織に問いただした工月は、
彼女から館の閉鎖空間故の因習と近親婚についての話を聞く。
その夜、伊美の訪問を受けた工月は彼女から明日も勉強を教えて欲しいと頼まれてそれを承諾する。
翌日、起床した工月の目に一番に映ったのは彼を起こしに来た斎だった。
再び彼女達の勉強を見る事になった工月は伊美を指導した直後、能面のような表情で伊美を睨む斎に気がついた。
その夜、工月は何度目かの狼の遠吠えを聞いて就寝を取りやめ、あてどなく館を彷徨う。
妙な声を聞きつけた彼がその音源を捜して目にしたのは、拘束された斎を伊美が責めている倒錯的な光景だった。
5日目の朝、前夜の光景が頭から離れない工月の前で伊美が苦悶を浮かべながら倒れて、紫織に付き添われて部屋に戻る。
それにショックを受けた工月は気だるさと共に己の記憶が混沌としているのを自覚する。
翌日の朝、朝食に来ていた伊美は右手全体を包帯で巻いていた。
奇妙に思った工月が少し強引に包帯に触れると伊美の右手はまるで石膏の様に硬化していた。
一連の出来事の中で工月は己の頭の働きが鈍化していることを自覚、更に麻子がまるで無気力になってしまった事にも気がついた。
いつの間にか夜になった事に気がついた工月は自分の中から時間の感覚がなくなりかけている事に気がつく。
まだ頭の働きが明瞭なうちに何らかの行動を起こさなければ、と思い立って伊美を訪ねた彼は、
彼女の右手の形状が人間のそれとはかけ離れてしまったことに気がついた。
何かの終わりを予感しているような諦観を漂わせながら伊美は工月に、この屋敷から去った方がいいと告げる。
伊美の右手の変化や麻子の変貌など何かが起きていると感じる工月だが、それが何か分からない。
七日目の朝、食堂に来たのは斎と工月だけだった。斎から麻子と紫織の不在の理由を聞かされた彼は伊美の見舞いに行く。
だが伊美は部屋に鍵をかけ、弱々しい声で彼の訪問を拒絶する。
記憶がどんどん曖昧になると共に館から人の姿が消えていくことに気がついた工月。
屋敷を探索するうちに斎に出会った彼は、彼女に一緒にピクニックに行こうと誘われる。

591 :神樹の館 :2005/08/29(月) 02:38:24 ID:/Bm1axcZ

○誘いを承知する→バッドエンド?
ピクニックに行くために弁当を作っていた工月は、伊美の事を斎に問いただす。
しかし斎はきょとんとした顔で、何故ずっと昔に死んだ伊美の名前を工月が知っているのか不思議そうに言い返した。
衝撃を受けて蹲る工月に、斎は悲しい事は全て終わったと告げる。
(工月というパートナーを得た斎は自らが作り出した妄想を捨てて真実を在りのままに受け入れた)
館の外での記憶の大半を忘れた工月は斎と共にのんびりと館で暮らすようになる。
他の住人はいつの間にかいなくなるが、工月は彼らについて殆ど覚えていなかった。
さして疑問に思う事無く本に囲まれた生活を送る彼の脳裏には、時折斎にそっくりな少女の面影が蘇るのだった。

○誘いを断って伊美を気遣う
工月は斎と共に再度伊美の見舞いに向かうが、伊美の姿は消えていた。
2人は手分けして彼女を探すが、その過程で工月は廊下に起こった異変等で屋敷が変質してきた事を感じる。
彼は脅えた斎の懇願を受けていったん引き帰すが、その夜再び探索を開始する。


592 :神樹の館 :2005/08/29(月) 02:48:02 ID:/Bm1axcZ
●斎と2人で探索
脅えながら顔色も悪い斎を気遣いながら探索するうちに、2人は寂れた廊下へと辿り着く。
その中に在る扉の1つを開けようとする工月を斎は必死に押し留める。
彼女の懇願を聞いて扉を開けるのを止めた工月は、廊下の果てにある部屋の中で真っ二つに断ち切られた杯を見つける。
その瞬間、斎は悲鳴を上げて崩れ落ちた。意識をとり戻した彼女は杯の片割れを持って、工月と共に元居た場所に戻る。
その夜、工月を訪ねた斎は、伊美はもう戻らないと告げた。寂しげな声で彼を誘う斎に答えて工月は彼女を抱く。
その後、工月はここから出して欲しいと斎に懇願された。

◎それは難しいと言う→バッドエンド
伊美や朝子の事を放っておけないという彼に、斎は好きと告げて微笑んだ。
全ての住人が消えた館の中を朧げな記憶と思考を抱えながら、工月は人を探して徘徊していた。
毎日姿を変えていく屋敷の構造に翻弄されながらも、ある日彼はかつて半分の杯を見つけた部屋に辿り着く。
部屋の床には完全になった杯があり、それを見た工月は安堵に満たされて涙を流す。

◎斎の頼みを聞く→斎エンド
2人は屋敷を出るが斎は街の空気が合わず、工月の家から出なくなる。
彼女は次第に衰弱していき、ある日ついに消えてしまう。
残ったのは欠けていた半分が満たされて完全な形となった杯だけだった。
→双子エンドへ

593 :神樹の館 :2005/08/29(月) 02:48:42 ID:/Bm1axcZ
●1人で探索
伊美を探して長い長い渡り廊下に入り込んだ工月は耳に届いた咆哮により、近くに獣がいる事を知った。
駆け出した彼は間一髪のところで突き当たりにある部屋に入り込む。
その部屋の中には人形の様に横たわる伊美の姿が在った。
嘆き悲しむ彼女を無理に促して帰途についた工月だが、廊下は突如現れた壁に遮られていた。部屋に戻った工月は彼女を慰めながら抱いた。
その後、工月が斎の名前を出した瞬間、伊美は思い出したように工月に抱かれた自分を斎は許さないだろうと告げた。
再び聞こえた獣の咆哮に、工月は斎を連れて逃亡する。
廊下に出た二人は背後からの獣の声に急かされて逃げ回り、寸でのところで一室に逃げ込む。
それからほどなく獣は(伊美の親戚の)何者かによって撃退された。
帰途で交わした会話の中で、伊美は自分が本来存在しない人間なのかもしれないと告げた。
その直後、2人は血塗れの斎に出会う。殺気と獣の気配を漂わせながら間違った方を選んだと微笑む斎はどちらかだけを助けると言った。

◎伊美を助ける→バッドエンド
工月を喰らうことで3人は1つになれるという斎(彼女は狼の乳で育ったために獣になる事が出来る)。
伊美と共に彼女は工月を食べて3人は1つになる。

◎2人とも死ぬ→伊美エンド
工月の出した結論に斎は項垂れながら羨望と共に己の過去に犯した間違った選択を悔やむ気持ちを吐露した。
それを見た伊美は工月に自分達2人を同時に好きになって欲しいと願う。
それを受け入れた彼に微笑むと、二人は別離の言葉を残して消えてしまう。後には杯が残っているだけだった。
→双子エンドへ

594 :神樹の館 :2005/08/29(月) 02:56:09 ID:/Bm1axcZ
※双子エンド
いつのまにか屋敷のソファーの上で工月は思索に耽っていた。
元通りになった杯に触れるとかつてこの館で起こった事件の映像が浮かび上がってくる。
2人が10歳になったとき、双子は忌みべき存在であると思っていた大人達によりどちらかが間引かれる事を知った斎。
盗み聞きした彼女は斎という名が「生き」を、伊美という名が「忌み」をもじっている事を知り、近いうちに伊美が殺されることを知った。
彼女を助けたければ、自分が伊美の振りをして犠牲になるしかない。しかし彼女はその選択を選べなかった。
伊美を失う事も大人に逆らう事も選べずに悩み続けた斎は狂気に取り付かれ、「伊美はまだ生きている」という妄想を抱くようになる。
かつての映像を垣間見た工月は何故斎が伊美を具現化させる依代に杯を選んだのかを不思議に思う。
だがデンマークの心理学者が生み出した架空の酒器の事を思い出した彼は、
(本編のCGを見ないと分からないと思うが)杯による双子の鏡像に思い至り、
合わせ鏡となることで安定を望んだ斎の心境を理解した。(要するに自らを杯へと変えた斎は自らの半分を伊美に変えた)
そして今日も、館に留まる彼は元気に自分の元へやってくる双子の姿を楽しそうに見ているのだった。


とりあえず四分の一終了。
残りは後日に。

600 :神樹の館 :2005/08/29(月) 14:45:50 ID:tWryxZ+4
四ッ谷麻子シナリオ
麻子に頼まれて真珠邸に伝わる古い祭事の記録を調べに屋敷へと赴いた工月。
二日目の朝食後、二人で遊んでいた双子に工月は屋敷で雛人形が飾ってあるのを見たことがないかどうかを聞く
(ヒトガタを飾るのは古来より伝わる祭事の1つ)。
だが双子は彼の質問に沈黙をもって答え、居合わせていた麻子は何故か呼吸を乱す。
去り際の双子との会話から、工月は屋敷の中で人形の所有が禁忌とされているような印象を受けた。
彼は紫織や麻子と会話を交わすうちに、麻子がかつてこの屋敷に住んでいたらしいと感じ、
更に紫織の言葉から麻子が洋館のどこかにある和室のような場所で暮らしていたと推測する。
和室を求めて屋敷を探索する彼に、調度品が語りかけてきたり、サロンの内部がいつの間にか和室へと変貌したりなど、
次々と奇妙な出来事が襲い掛かる。
その夜、2人は紫織から渡された「那越家の節会暦」という和綴の本を調べた。
しかしその本の中には麻子の記憶にある人形が関係する儀式については書かれていなかった。
工月は麻子と記録に唯一残されていた流し雛(人の穢れを背負わせた人形を川に流す祭事)と、
それに関連する人形蔵について調査する約束を交わす。

三日目の朝、彼を起こしに来た麻子の言動と態度が子供のようになっている事に気がつく。
それが何らかの不安に根ざしたものである事を察知した工月だが、彼女の不安は何なのか分からない。
そして和室捜索を続けるうちに、彼は麻子がかまって欲しいという態度を隠そうともしない様子に困惑する。
夕飯の直前に、双子と紫織のちょっとした諍いから中庭の蔵にある蜂蜜を取ってくることになった工月に、
麻子は蔵へ通じる隠し扉の存在を教える。だが彼女は何故自分がそんな事を覚えているかを思い出せずに塞ぎ込んでしまう。
その夜、ふと館の一階に降りた工月は何処からともなく現れた手鞠に誘われて、
禁じられていた館の主がいるという部屋のまで銀髪の少女と出会う。
何か言葉を交わそうとした瞬間、少女はいつの間にか工月の背後に居た麻子におかえりなさいと懐かしげに声をかける。
彼女が去った後、動揺した麻子は少女は手鞠ではなく人形を抱いていた筈だと口走る。

601 :神樹の館 :2005/08/29(月) 14:47:00 ID:tWryxZ+4
四日目の朝、麻子は工月に帰りたいと告げた。工月は彼女の怯えを取り去ろうと禁じられた扉を開いた。
そこには廊下が続いていていたが昨夜工月が目撃したものとは様式を変えていた。
驚愕する彼に、麻子は館の構造が変化するのは珍しいことではないと告げる。
麻子の曖昧な記憶と不安の正体を明らかにするために昨日会った少女を探し始める2人。
彼らはビリヤード室で以前にはなかった扉を見つけて中に入る。
そこには和室があり、たくさんの人形が在った。
その人形に向かって紫織、斎、伊美の3人が謳い文句と共に人形遊ばせを行っている。
ここは『どこ』で、ここは『いつ』なのかを不思議に思う工月の前で麻子はふらふらと3人の輪の中に入っていこうとする。
彼は彼女の名前を叫んでそれを押し留めて、2人はビリヤード室に戻る。
夕食の席で彼が銀髪の少女の事を紫織に問うと麻子は彼女の名前が「竜胆」で、この屋敷の最古からの住人だと言った。
その夜、彼は階段の途中で落ち込む麻子を見つけた。

○麻子の持っている酒を飲まない→バッドエンド
翌日の朝、雨が上がった為に帰る準備をする2人だが、屋敷からは人が消えて、獣が徘徊した痕跡が色濃く残っていた。
館から脱出する2人。しかしそれから程なく麻子は体調を崩して大学を休み、工月の前からも姿を消す。
消息を絶った彼女の安否を確かめるために彼女の家を訪問した彼が見たのは、
誰もいなくなった部屋と襤褸布の塊で着飾っている日本人形が倒れているのみだった。
責任の所在も償う方法さえも分からずに彼はその場に立ち尽くすしかなかった。

○麻子と共に酒を飲む
彼女と語り合ううちに麻子は、自分が常に四ッ谷麻子として生きている己自身に違和感を抱えていたと吐露する。
消えたくないと呟く彼女を工月は夢中になって抱いた。
落ち着きを取り戻した彼女は雨が上がったら帰ろうという。

602 :神樹の館 :2005/08/29(月) 14:48:26 ID:tWryxZ+4

●彼女と共に帰る→バッドエンド
雨が上がり、帰る支度を整えた麻子に双子と紫織は今生の別れであるような口ぶりで挨拶する。
しかし大学に戻った麻子は程なく姿を消し、
彼女の家を訪れた工月は襤褸布を着た人形を見て彼女と会うことはもうないのだと悟った。

●まだ知らなければいけないことが残っている
麻子の曖昧な記憶、麻子を苛む不安の正体を知るために屋敷に残留することを決めた工月。
不安げな顔をする麻子に彼は何があっても離れないと約束した。
だが5日目の朝、彼が目覚めた時にはその左腕は人形のそれに変じていた。
着替えて麻子を起こしに行く途中、彼は館の中に獣の臭いが漂っている事に気がつく。
2人以外の人間は消えてしまい、2人は館を歩き回るが、
まるで狸に化かされたかのように行きたい場所にはどうしても辿り着けない。
2人はついに禁じられた扉を開いてその奥に向かうと、そこには板張りの和風の廊下が広がっていた。
その中を歩いていた彼は開いている襖を見つけて覗き込む。すると中には密談している調度品の姿が在った。
彼らの言葉を聞いた工月は、この屋敷の住人達は屋敷の何処かに留めている何者かの遊び相手をしているうちに、
その神気にあてられてヒトガタへと変じた事を知る。
次の襖の中には蔵の中で竜胆が人形に話しかけている光景があった。
彼女が抱き上げている人形は、昨日ビリヤード室の奥で3人が遊ばせていた人形だった。
その人形に向かって竜胆は「麻ちゃん」と麻子の名前を呼びかける。
その後、逃げ出すように先へ進んだ2人は不意に現れた紫織に出会う。
彼女は獣が「真口の神(狼関連の神様らしい)」である事を告げて、2人を座敷へと案内した。

604 :神樹の館 :2005/08/29(月) 15:14:03 ID:tWryxZ+4
六日目の朝、様子がおかしい麻子を見送ったまま二度寝してしまった工月は、起床後に彼女が消えていることに気がついた。
麻子を探すうちに紫織に出会った彼は、彼女からあの方への「お返し」が決まったから麻子の事は何も心配はないと告げられる。
双子にも彼女の事を尋ねる工月だが、2人も麻子があの子へ「お返し」になったと告げてどこかへ行ってしまう。
彼女を探し回るうちに、工月は昨日見かけた竜胆が囚われている蔵で薄化粧を施して和服を着せられた麻子を見つける。
彼女は夢現な様子で小さい頃にこの蔵で暮らしていたことや、竜胆に望みを吹き込まれて生身の身体を授けられたと告げた。
ぼんやりした様子で人間になれなかった自分はこの蔵に還るしかなかったと言う彼女を工月は抱きしめる。
心を通い合わせた2人だが、工月が一緒に帰ろうと彼女の腕を掴んだ瞬間、彼女の腕が肩口から「抜けた」。
悲鳴を上げて嘆いたのは刹那に過ぎず、吸う瞬で我に帰った麻子は諦観を漂わせながら工月に感謝と謝罪の言葉を述べて、
紫織、双子、狼に送られて彼女は館の奥へと消えていった。



605 :神樹の館 :2005/08/29(月) 15:17:22 ID:tWryxZ+4
7日目、目覚めた工月は板張りの廊下に水が流れている事に気がついた。
見ると目の前には例の手鞠が流れに逆らうようにして浮かんでいる。
それに誘われて進むうちに、工月は薦船とその中に横たわる麻子を見つけた。
その奥には紫織達やヒトガタになった住人達の姿が見える。
彼女達と言葉を交わした工月は、麻子が人間界での穢れを清めるために流し雛にされている事に気がつく。
薦船にしがみついて彼女を抱きしめた工月。船は流れに乗っていく。
ずっと一緒にいると告げた工月に麻子は泣きながら、
彼と出会ったから何も感じない人形だった自分は元に戻るのがこんなに苦しくて悲しくなってしまったと告げ、
それでも出会えてよかったと言って動かなくなる。
そして、慟哭する工月の乗る薦船は竜胆の前に辿り着く。
彼女との問答により詳細な事情を知るに至った工月。
竜胆は屋敷に囚われた自分に代わって外界で暮らす存在として、
お気に入りの人形だった麻子に命を吹き込んで館から送り出したのだ。
しかし神気によって命を吹き込まれた麻子の身体は外界の穢れによって傷つき、やがて解れて壊れて消える宿命にあった。
竜胆は穢れを清めた上で彼女を元の人形に戻すと宣言する。
麻子はもう何も知らない人形ではないと反発する工月に、竜胆は彼女の為に何をしてあげられるのかを訪ねた。

606 :神樹の館 :2005/08/29(月) 15:19:28 ID:tWryxZ+4
◎麻子と共にこの屋敷に留まる→バッドエンド「2つの人形」
麻子と共にずっと屋敷に留まる事を選んだ工月。
もはや温もりも柔らかさも失われた彼女の体を抱きしめる工月に、竜胆は歓迎の意を表す。
やがて幾ばくかの時が流れた後、竜胆は人形に戻った麻子と人形と化した工月に目覚めるように呼びかける。

◎やり直したい
慟哭の叫びと共に流されていく工月を見ながら竜胆は哀しそうに、また迷うのね、と言った。
そして場面は巻き戻り、記憶を失った二人は屋敷に辿り着く直前の瞬間に戻っていた。

◎麻子を連れて外に還る→麻子エンド「その後の2人」
無機物のカタに命を吹き込むには何らかの代償が必要である。
竜胆は外を見て、外を知りたいという望みを代償にした。
再び彼女に命を吹き込むために、工月は己の声を代償に麻子を蘇らせた。
大学に戻った二人は同棲するようになった。
真珠邸の出来事を論文にしようとする工月に麻子は笑いながら論文じゃなくて物語りになってしまうと言う。
そんな彼女に工月は筆談で、麻子との思い出を忘れてしまわぬように書くのだと教えた。

(注)
工月の左腕は外に戻って暮らすうちに直ったようである。
また麻子は外界の穢れと共に生きていた工月の息吹を受けて蘇ったので、人の世界の穢れに耐えられるようになったようである。

622 :神樹の館 3/4:2005/08/30(火) 01:38:19 ID:N+zDufPC
知里紫織シナリオ
卒論に必要な蔵書を求めて真珠邸に赴いた工月は真珠邸の蔵書室で紫織から数々の貴重な資料を見せられる。
しかしそこに彼が最も必要としていた本はなかった。
2日目、朝から件の本を探し始めた工月は少ない手掛かりからその本が和綴じ本だと知る。
彼は紫織の助力もあって目的の書物を見つけるが、それは何冊かの分冊であり、図書室に全てがあるわけでない事に気がついた。
欠けている分は邸内の何処かにあるだろうという紫織の言葉を信じた彼は、館の中の探索を開始。
サロンで、さり気なく話しかけてきた木椅子の言葉から、遊技場で綴じ本の欠けていた分を見つけていく。
そんな彼に対して紫織は時折本気とも冗談ともつかぬ口調で彼への好意を露にする。

3日目、雨漏りの修理を手伝う麻子と工月だが、バランスを崩した麻子は脚立から転落してすんでのところで紫織に助けられる。
それが切欠となって麻子は昔の事を思い出すが、そこには当時はいない筈の紫織の記憶があった。
その夜、水を飲みに一階に来た工月は聞き覚えのない声音の歌を聞く。
その声に誘われて、工月は開けてはならないといわれた主人の部屋の扉を開き、夢に出てきた銀髪の少女に出会う。
少女に話しかけている途中で突如明かりが消える。闇に放り出されて戸惑う工月だが、そこに紫織が迎えに来る。
彼女と肩を寄せ合いながら工月は、見覚えのある場所まで戻った。



623 :神樹の館 3/4:2005/08/30(火) 01:38:49 ID:N+zDufPC

4日目、少女や館の怪異が気になった工月は、紫織に主人の部屋の扉を開けてみたいと強引に主張する。
しかし扉を開けても昨夜見た妖しき空間は失せ、他と同じような作りの空間が広がっているだけだった。
彼は気を取り直して再び本の探索に取り掛かるが、急な眠気に襲われて倒れこんでしまう。
そして何故か、ぼんやりとしたままの工月は館の過去の映像を見ていた。
明瞭な思考を取り戻した工月は、ランプシェードに話しかけられたかのような感を持った。
その後、彼は導かれるようにして探していた書物のうちの一部を見つけ出した。
そこには、後世、失踪したと伝えられている著者(本の出版は50年以上前)が「那越邸に行く」という走り書きがあった。
残りの一冊の所在について思いを馳せた彼は、
紫織の図書室での本の入れ替え具合等から館の何処かに図書室とは別の書架があるのではないかと考える。
その事を彼女に問いただすと、紫織は真剣な口調で、もっと酒を飲まないと其処へは辿り着けないと告げた。

○飲まない→バッドエンド
翌日、雨が上がったので館を後にした2人。
けぶるように残留する未練を断ち切るように彼は握手を交わして紫織と別れ、そして二度と館を訪れる事はなかった。


○飲む
ついつい杯を重ねて酩酊する工月に寄り添う紫織。
なんともいえぬ空気が流れ、それに身を任せるようにふたりは身体を重ねた。
情事の後の心地よい気だるさに身を任せていた工月に、紫織はこのままずっと館に留まって欲しいと懇願する。


624 :神樹の館 3/4:2005/08/30(火) 01:39:33 ID:N+zDufPC
●彼女の頼みを受け入れる→バッドエンド(工月人形化)
その日から工月はだらだらと寝起きをして気の向くままに酒を飲んで紫織を抱く日々を送っていた。
資料を探す気も論文を纏める意欲も失った彼は次第に意識がどろどろと溶けていくのを感じていた。
そんなある日、彼は何処かに運ばれていく自分を感じた。人形になってしまった彼を紫織が車椅子で運んでいるのだ。
うれしそうに工月に語りかける彼女は彼を「旦那様」と呼び、ずっと傍にいて世話をすると言いながら、
彼を乗せた車椅子を主人が使う奥の部屋へと運んでいった。


●受け入れない
まだ自分に走りたい事があるからと曖昧な返事をする工月に紫織は何故かほっとしたような顔で、
気の済むまでこの館にいてくれと告げた。

5日目、目覚めた工月は自分の右腕が本の頁の様に変質してしまった事に驚愕するが、
館で体験した様々な事象から、ここに留まって酒を飲んだ結果なのだろうと諦観と共に落ち着きを取り戻す。
周囲を見回した彼は紫織の書き置きを見つけ、彼女が最後の一冊を取りに行った事を知る。
だが初めて見た紫織の筆跡は非常に見覚えのある物だった。何故ならその筆跡は探し続けていた本の著者の筆跡と同じものだったからだ。
数十年も前の研究者と彼女の筆跡の一致。
その奇妙な現象に虚を突かれた工月だが、部屋を出て、館の中から人の姿が消えた事に気がついた。
慌てて館を探索する工月だが、館は彼を惑わせて彼が行こうとした場所に辿り着くことを許さない。
結局、銀髪の少女に出会った場所へと通じる奥の扉を開いた彼は、またしても見覚えのない地下道へと続く廊下を目にする。
廊下の途中に在る部屋で彼は麻子を見つけるが、着物を着た彼女はぼんやりとして生気の欠いた様子だった。
麻子を残して次の部屋へ向かうとそこには同じく和服を着た双子がいた。
紫織の所在を尋ねる彼に二人は知らないと言って、掛詞を使った手遊びを始めた。
部屋の外に出て更に進む工月は、地下道に立ち入って以来監視の様に彼を窺っていた獣がいつの間にか至近に迫っている事に気がつく。
彼はそれ以上奥に行く事を諦めて他の場所を探すが、館の変容の理由も紫織の姿も見出せず、疲れきった彼は部屋に戻って眠りについた。

626 :神樹の館 3/4:2005/08/30(火) 01:54:38 ID:N+zDufPC

6日目、目覚めた工月は双子が元の部屋から出て行くのを見かけ、彼女達が地下道にある部屋からここに戻ってきたわけを尋ねる。
すると2人は真っ二つになった杯を彼に見せて、自分達は古い方の家に行くからこれを忘れないように取りに来たのだと告げた。
走り出した二人を追おうとした工月だが、またしても屋敷の変容に惑わされて結局厨房に到着してしまった。
途方にくれる彼の前に麻子が現れ、竜胆の元に戻ると告げた。
疲労と憔悴で項垂れながらも工月は紫織が自分のすぐ後ろにまで来た事を知り、何も言わずに去ろうとする彼女に声をかけた。
最後の一冊の在処を尋ねる工月に、彼女は改めて館の住人になって欲しいと懇願する。
館に惹かれながら己の全てを擲つ事に躊躇する工月は、紫織が彼同様に迷っている事を感じ取る。
再び身体を重ねて幸福感に満たされる2人。
だが館の主人の呼びかけによって紫織は工月から離れて主人の車椅子を地下道の奥へと運んでいく。
慌ててそれを追いかけるうちに工月は獣(真口の大神)のいる場所へと踏み込んでしまう。
今にも襲ってきそうな狼だが竜胆の言葉に従って彼の前から去っていく。
唖然としながらも問いただす工月に彼女は酒が足りないとだけ告げた。
厨房へ戻って酒を飲み干した彼は、昭和の初期に那越邸を訪れたある1人の女性が図書室で学究に励みながらも、
やがて奥の扉の向こうに行くようになっていつしか一冊の和綴じの本になっていく過程を見た。

627 :神樹の館 3/4 ラスト:2005/08/30(火) 01:55:07 ID:N+zDufPC
7日目、起床した彼は両腕が本の頁に変化した事を知る。
真実を知るべく獣の気配の消えた地下道を降りていった彼はやがて、もう1つの図書館、書架の連なる圧倒的な峡谷に辿り着く。
そこで彼は紫織と再会して那越邸の成り立ちについて聞く。
遠い昔から存在していた那越邸は意志を持ち、自ら姿を変えて屋敷が在り続ける事を願っていた。
その為には意志を持つ人間が必要で、人間もまた大きな屋敷という完結した閉鎖空間を求めて共生関係を築いていた。
そして人間が変じた調度品は自ら望んで姿を変えたのだと。
自分も那越邸に魅せられて迷い込み、遂には奥の図書室の中の和綴じの本(工月が探していた本)になる事を望んだのだと言う紫織。
彼女の言葉から迷いを感じた工月は彼女に屋敷から出るように促す。
しかし青褪めた紫織は屋敷を存続させるために必要な人間を誘惑しては駄目だと叫ぶ。
次の瞬間、工月は大神に襲われる(双子の手遊びを見ていないとバッドエンド)。
その鋭い牙が彼の身体を食らう前に問答を仕掛けた工月は、先読みと素早く編んだロジックによって大神を論破して九死に一生を得る。
大神を論破した熱と勢いに乗った彼は紫織に道を示した。


●彼女と共にここに残る→ノーマルエンド?
微笑みながらこの館でずっと傍にいると告げた工月に紫織は泣きながら抱きついた。
それから2人は地下の巨大な書庫で仲良く書庫の整理をするようになる。
日々、館を飛び回って新たな記録をつける工月(が変じた本)を愛しげに眺める紫織。
2人はこの館で幸せな日々を過ごしていた。


●自分と一緒に館を出るように説得する→紫織エンド
館に留まることを停滞と断じ、自分と共に外に出て新しい事を学ぼうと告げて紫織の手を取った工月に彼女は迷いを断ち切った。
書庫を出て地下道を登る途中で2人は竜胆に出会う。
彼女は2人の旅立ちを見送り、外の世界で見聞を広めるように言った。
外界に戻った工月は大学院に進み、紫織と同棲しながら勉学の日々を過ごしていた。

645 :神樹の館 4/4:2005/08/31(水) 00:03:38 ID:yYMyL9HE
竜胆シナリオ
他の3人のシナリオをクリアすると現れる最終シナリオ。
座敷の中で目覚めた工月は、三つシナリオの記憶を混在させながらも和服を着たヒロイン達と再会する。
ずっと昔から屋敷で過ごしていたような気分になった彼はあてどなく和室や廊下を歩くうちにあの手鞠を見つける。

2日目、気配を感じて起きた工月は彼の寝所に忍び込んだ双子が手鞠を持っていこうとしているのを見つけた。
鞠を持って逃げる二人を追う工月だが、館の複雑怪奇な構造のせいか一向に追いつけずに迷ってしまう。
けれど道を失って工月が途方にくれた時、竜胆が現れて巧みに彼を真珠の館の記憶や情景が眠っている隙間の場所へと誘った。
そこで工月は、麻子と関わって人形の悲しさに慟哭した記憶を、本と紫織を追って巨大な書架に迷い込んだ記憶を、
対となった双子の片方を選ばねばならなかった記憶を思い出した。
結末を迎えていたはずの物語は完結せずに、登場人物たちは再びこの館へと回帰していたのだ。
望めば彼女達と綴った物語の中へと立ち返り、その続きを紡ぐ事も出来る。
だが工月はそれを謝絶して手鞠を探して彼女の元に届けると誓い、
そんな彼に竜胆は館の中に停滞している四つの季節を順々に巡るようにと告げた。
いったん彼女と別れた工月が元の座敷に戻った時、既に住人達は姿を消していた。

3日目、「春」の間に入った彼は竜胆に迎えられ、彼女の酌を受けて杯を干した。
彼女と戯れながら、竜胆の望みを聞く工月に、分からないと告げた彼女は杯を二つに折った。
それに気を取られた工月が顔を上げると、竜胆の姿は消えてそこには双子がいた。
悲しそうに手鞠を竜胆に届けるのか尋ねる二人に工月は、
屋敷の人々の営みを影から眺めるしかなかった竜胆と、互いの存在だけを縁に生きていた双子とどちらかを選ばねばならぬ事を悟る。

646 :神樹の館 4/4:2005/08/31(水) 00:04:14 ID:yYMyL9HE
○手鞠を届けない→双子エンド
手鞠を手放した彼は終の棲家を選び、双子と共に館でずっと一緒に暮らした。


○届ける
彼女達と過ごした時間を、彼女達と作り上げた物語を振り払って手鞠を手に取った工月に2人は別れを告げた。
だがふとしたことから転がった手鞠は川に流れていってしまう。それを追おうとした瞬間、工月は眩暈に襲われて倒れる。

4日目、何時もの座敷で目覚めた工月は「夏」の間に足を踏み入れる。
そこに竜胆の影を見た彼は走り出してそれを追いかけるが、危うく川に落ちそうになる。
後ろから竜胆に抱きとめられて事なきを得るが、彼女は次の瞬間、麻子になっていった。
彼女の言葉によれば、那越邸を存続させるために竜胆はずっと館に閉じ込められてきたのだという。
工月なら館の在り方すら変える事が出来ると言いながら、麻子はそれでもずっとこの館で自分と一緒にいて欲しいと願う。


●麻子の願いを聞く→麻子エンド
双子エンドほぼ同じ。


●手鞠を受け取る
哀しそうに微笑みながら麻子は一人ぼっちの竜胆の事を彼に託す。
そして彼女はいつか何処かで自分を見つけて欲しいと言い、彼はそれを約束した。
だが手鞠を受け取ろうとした瞬間、麻子は紫織へと変化する。
困惑する工月に彼女は、竜胆も誰かの孤独ゆえに屋敷に囚われているのではないかと告げた。
彼女は子を想う母の慕情に触れながら、もう鞠は追わないでくれと言うと姿を消した。
彼女を追おうした工月の前に再び竜胆が現れ、川には麻子の人形が沈んでいった。
竜胆は泣きながらそれを見送り、初めて喪失と別離の悲しみを知ったと言う。



647 :神樹の館 4/4:2005/08/31(水) 00:06:30 ID:yYMyL9HE
5日目、「秋」の間に入った工月は、縁側の向こう側にある木の上に座っている竜胆と出会う。
麻子を失った哀切を刻んだ彼女を慰めた工月は、請われて竜胆の顔に化粧を施す。
彼女と交わした会話の中で工月は真珠邸の名前の由来が神樹邸から変化したこと、神樹とは竜胆の宿木である事を知る。
やがて、また会いたいと言いながら彼女は紅葉の中へ溶けていき、入れ替わるように彼の前に紫織が現れる。
彼女はその手の中の手鞠こそが全ての始まりだと彼に教えて、
竜胆に手鞠を渡す行為は手鞠が孤独を癒す世界(神樹邸)を奪う結果となってしまうとの警告をする。


◎手鞠を諦める→紫織エンド
双子エンドとほぼ同じ


◎手鞠を追い続ける
彼女から手鞠を受け取って背を向けた瞬間、工月は背後で紫織の本がばらばらに解れた音を聞く。
彼女の頼みからそれを見ないように背を向けていた彼に、突如大神が襲い掛かり、手鞠を奪って消えていった。

6日目、「冬」の間に入り込んだ工月は館の主人役を務めていた車椅子に乗った顔のない男と出会う。
かつて工月と同じように館に舞い込んだ人間だった彼は、工月に竜胆の正体を語った。
竜胆は長い歳を経て神格を獲得して神樹となった巨木を住処にしていた精霊の1人だったのである。
そして那越の家は人の手で建築されたのではなく、神樹がその力と竜胆の力でで形を変えながら成立していたのである。
構造は神樹の力で変化したとしても、人が暮らせる館としての機能を維持するためには住人達が必要であった。
また竜胆は遠い昔に「神樹よ、かく在れ」と強く願った者の想念に絡め取られてこの館に縛りつけられていたのだ。
説明を終えて手鞠を受け取った瞬間、主人の身体にひびが入り、彼は館を守る結界をどうするのかを彼に託した。

648 :神樹の館 4/4:2005/08/31(水) 00:07:05 ID:yYMyL9HE
7日目、四季のどれでもない季節、館の源である神樹の根元に降り立った工月は館が成立する根源の出来事を知った。
遠い遠い昔、飢えて疲れ果てた母親とその腕の中の赤子が竜胆の宿る神樹に憩いを求めた。
子供を残して川に食物を求めた母親はそこで息絶えて、その屍を食らったのが真口の大神だった。
狼はそれによって母の願いを取り入れて赤子の下へ辿り着くが、赤子は既に危篤状態だった。
赤子が絶命するまでの二晩の間、竜胆は赤子が泣きやむようにとあやすうちにその子に情が移ってしまう。
赤子は、絶息する寸前にあらん限りの願いを込めて、自分を抱き上げてくれる腕、自分を守ってくれる誰かを求めた。
その願いが竜胆を神樹に縛り付けて、館を成立させたのである。
だが世界各地を流れながら生きる精霊にとって長い年月を一箇所に囚われて生きるというのは苦しく退屈な時間だった。
自分はどうすればいいかのかを尋ねた工月に、竜胆はこの館で彼が紡いだ様々な物語が自分の無聊を慰めてくれたのだと感謝する。
これから先は工月自身が決めればいいと言う竜胆に、彼は彼女を妄執から解き放つべきだと感じる。
その一方で古来より伝わってきて、現代になって急速に失われていく自然の神秘、その象徴である館と竜胆が消え去って行く事を惜しんだ。
やがて竜胆は、館の力に負けず、他の全ての選択を振り払って彼女を想って彼女の元に辿り着いた工月に想いを打ち明け、2人は結ばれる。
その後、神樹の根元に戻った二人は、神樹から生まれた最初のヒトガタにして赤子の生まれ変わりである手鞠を手に取った。
手鞠を埋めてヒトガタであるその子を、新たな命として芽生えさせれば、神樹にかけられた赤子の願いは解き放たれる。


※埋めない→館エンド
竜胆を失うことを恐れた彼は手鞠を埋めることが出来なかった。
己のエゴを吐き出し、放心して泣き出した彼を慰めた竜胆は工月が館から離れられなくなった事を告げた。
彼女と共にある事を選んだ工月は屋敷の一部となり、館は再び静けさを取り戻して在り続けた。


649 :神樹の館 4/4 ラスト :2005/08/31(水) 00:08:24 ID:yYMyL9HE
※埋める→竜胆エンド
工月は神樹の根元のすぐ傍に手鞠を埋め、そこから新たに生まれてくる命に「みき」と名付けた。
その瞬間、解き放たれた命は芽生え、育ち、枝をつけて花を咲かせ、
結界の外から吹き込む清冽な風が館の停滞した空気を流し去っていく。
その風に乗って舞い上がる竜胆は別離を悲しむ工月に、またいつか会うのだと約束した。
やがて神樹はぼやけて消えていき、そこには新たな若木が神樹となるべく育っていく。
工月はその様を、そして花吹雪の中に那越邸が消えていくのを見届けた。

その後、帰還した工月は山々を歩き回って老人の間にのみ伝わるような伝承や伝説を取り続けていた。
それは何処かにある別の神樹を住処としている銀髪の少女を捜し求める巡礼の旅だった。
そして竜胆は工月が会いに来るのを待っていた。その胎の中に工月の子供を宿しながら。


(補足)
斎が狼になれるのは真口の大神の乳で育ったから。


長くなったけど紹介はこれで全部終わり。
文体は硬くても、イマに比べれば纏めるのは内容的にこちらの方が全然楽。
2006年12月06日(水) 16:37:39 Modified by luc001




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