トピック解説レポート ７
｢グループ経営｣
金子孝也
企業グループの再編が盛んに行われています。景気低迷に伴って、戦線を縮小しコア事業に特化する手法は、昔から行われてきたものですが、特に注目すべきは、グループ企業全体を対象としての再編が行われているということです。それも他社との提携や他社への売却をも含んだ大胆なものとなっています。特に、業績が悪化している自動車メーカや大手電機メーカが積極的です。
これらの施策はグループの将来像に基づいて行われていると思われますが、自社（自グループ）をコアの事業領域でどう優位に持っていくかについてはどこまで考えているのか疑問に思っています。情報ネットワークの発展と同時に産業の切り目がなくってきており、バリューチェーンはかなり広範囲に亘ったものになっています。自動車会社と言っても、生産中心のバリューチェーンは当然としても、納入後のカーライフを含んだバリューチェーンを考えて、そこでどう競争優位を獲得するかが重要です。グループ経営は、自社の事業領域の中で、どう自社に優位なバリューチェーンを構築していくかという観点から考えなくてはならないと思っています。関連会社別の損益とか処遇とかが中心であったグループ経営は過去のものになり、グループでのバリューチェーンとそこでの優位性確保を考えるのがグループ運営の中心になってきている
ように感じています。
2008年04月13日(日) 10:25:32 Modified by mifken