トピック解説レポート ４
「パソコン嫌いの人に」
嶋村譲
CIMとは，情報システムを活用して，企業内の情報を統合的に管理しようとするシステムです。このようなシステムを効果的に活用するためには，従業員の情報リテラシーが重要です。情報リテラシーとは，コンピュータの働きを理解し，操作できる能力のことで，従来の企業における読み・書き・そろばんの能力に相当します。情報システムに対する興味の有無，および情報システムに対する適応力の有無，という2つの基準で従業員を分けた場合，次のような４つの分類が出来ると思います。
まず最初は，興味も有り，適応力も有る人々です。このような人々は，マニュアルを与えたり，簡単な講習会を実施して，基礎的なことを理解してもらえれば，後は放っておいても自分で修得していくので，心配はありません。
2番目は，興味は有るが適応力が無い人々です。このような人々に対しては，丁寧な講習会を実施したり，職場でアドバイスをする人がいるような環境を作ってあげることにより，時間はかかりますが，情報システムを使いこなせるようになるでしょう。
3番目は，興味は無いが適応力が有る人々ですが，このようなことは有り得ないと思います。問題は
4番目，すなわち，興味も無く，適応力も無い人々です。このような人々をパソコン嫌いと呼びます。
なぜ，パソコン嫌いになったかという理由は，年齢，性格，経歴，能力などいろいろ考えられますが，それはどうでも良いことです。重要なことは，このような人々とCIMとの関わりをどうしたら良いかということです。
パソコン嫌いの人の扱いとしては，次の3つが考えられます。
１つ目は，パソコンを好きになってもらうことです。これは容易では有りませんが，時間をかけて少しづつ取り組みます。予算的に可能であれば，１人1台のパソコンを持たせるのが最も有効です。ノートパソコンでもかまいません。利用目的は特に制限せず，インターネットでもゲームでもなんでもさせることにします。
2つめは，嫌いでも使わなければならないようにしてしまうことです。１人に１台，あるいは，２人に１台のパソコンを導入して，電子メールや資料配布などに積極的に利用し，パソコンを使わないと仕事が出来ない環境を作り上げてしまうことです。さて，
３つ目は…，諦めることです。職種にも依りますが，パソコンはあくまでも仕事の補助手段ですから，要するに仕事ができれば良いわけです。例えば設計部門にCADを導入している工場で，ドラフターが並んでいる光景を見かけることがあります。このような状態を認めるということも場合によっては必要なのではないでしょうか。CIMとは，このような昔乍らの作業をも含むコンピュータ統合生産システムなのです。
2008年04月13日(日) 10:12:32 Modified by mifken