い）元旦は田毎の月こそ恋しけれ 一茶
太陽の明るさと温もりを欲しいと欲張ってるのではありません。
元朝を迎えるに当り、「田毎の月」ほどの幸せを欲しいと願う。
田毎の月はどこにでも有るような月ではなく沢山の月の意です。
あるいは、田毎の月は、一人ひとりの守り本尊のような月です。
そしてそして、寒さ和らぐ春の訪れを報せる兆しであるのです。
ろ）元日は田毎の月こそ恋しけれ 芭蕉
芭蕉の生涯を想像すれば、道を求める風流人のごとく思われる。
極寒の雪も好い、暖春も好い、だが風流人には雅な春が似合う。
正月には太陽が似合うだろうか、それとも月が似合うだろうか。
それはやっぱり、普通の月でなく「人毎の月」が嬉しいだろう。
は）元日は田毎の日こそ恋しけれ 芭蕉
正月の厳しい寒さと言ったら、どなたもご想像なされる通りです。
そんな冷え込む新年を迎えたなら、暖かなお日さまが恋しくなる。
いつもの太陽でなく、何倍も暖かい眩しいばかりの太陽が欲しい。
欲を言えば「人毎の日」であるなら、申し分ないのかも知れない。
に）元旦は田ごとの日こそ恋しけれ 芭蕉
眩い元朝の太陽だけど「田毎の日」となれば何倍にも荘厳される。
「田毎の月」よりも「田毎の日」こそが元朝に相応しいと読める。
勿論「田毎の日」有れば、暖かな元朝に恵まれることは疑いない。
芭蕉は股火鉢などしなかっただろうけど、自分専用の火は嬉しい。
さて、
芭蕉の句。それに倣って一茶が詠んだ句。それらを比較しました。
両者の句への想いと味わい、私の目には異なるように思われます。
芭蕉は微妙に異なる三句を詠み、句作に悩んだ様子を後世に示し、
一茶は芭蕉の句とソックリだけど、句意は全く異なる句を残した。
二人が残した「田毎の月」には、それぞれの生き方が窺われます。
彼らは現場で詠まず、別の場所で・別の日に・別物と比べている。
「太陽の光」と「月の光」のどちらが好いかと比べているのです。
近江で詠まれた芭蕉の句も「蛍火」と「田毎の月」の比較でした。
・このほたる田ごとの月とくらべ見ん 芭蕉
すなわち、句に詠み込む題材として「田毎の月」は馴染みにくい？
それだからこそ「田毎の月」ならの魅力ある句を見事に詠みたい。
そうでなければ「田毎の月」は俳人にとって、なんの意味もない。
名月や月影などと同等の価値に高めなければ、なんと詰まらない。
まっ！私は句会の場が盛上る時計「田毎の月」が好きですけど…。
太陽の明るさと温もりを欲しいと欲張ってるのではありません。
元朝を迎えるに当り、「田毎の月」ほどの幸せを欲しいと願う。
田毎の月はどこにでも有るような月ではなく沢山の月の意です。
あるいは、田毎の月は、一人ひとりの守り本尊のような月です。
そしてそして、寒さ和らぐ春の訪れを報せる兆しであるのです。
ろ）元日は田毎の月こそ恋しけれ 芭蕉
芭蕉の生涯を想像すれば、道を求める風流人のごとく思われる。
極寒の雪も好い、暖春も好い、だが風流人には雅な春が似合う。
正月には太陽が似合うだろうか、それとも月が似合うだろうか。
それはやっぱり、普通の月でなく「人毎の月」が嬉しいだろう。
は）元日は田毎の日こそ恋しけれ 芭蕉
正月の厳しい寒さと言ったら、どなたもご想像なされる通りです。
そんな冷え込む新年を迎えたなら、暖かなお日さまが恋しくなる。
いつもの太陽でなく、何倍も暖かい眩しいばかりの太陽が欲しい。
欲を言えば「人毎の日」であるなら、申し分ないのかも知れない。
に）元旦は田ごとの日こそ恋しけれ 芭蕉
眩い元朝の太陽だけど「田毎の日」となれば何倍にも荘厳される。
「田毎の月」よりも「田毎の日」こそが元朝に相応しいと読める。
勿論「田毎の日」有れば、暖かな元朝に恵まれることは疑いない。
芭蕉は股火鉢などしなかっただろうけど、自分専用の火は嬉しい。
さて、
芭蕉の句。それに倣って一茶が詠んだ句。それらを比較しました。
両者の句への想いと味わい、私の目には異なるように思われます。
芭蕉は微妙に異なる三句を詠み、句作に悩んだ様子を後世に示し、
一茶は芭蕉の句とソックリだけど、句意は全く異なる句を残した。
二人が残した「田毎の月」には、それぞれの生き方が窺われます。
彼らは現場で詠まず、別の場所で・別の日に・別物と比べている。
「太陽の光」と「月の光」のどちらが好いかと比べているのです。
近江で詠まれた芭蕉の句も「蛍火」と「田毎の月」の比較でした。
・このほたる田ごとの月とくらべ見ん 芭蕉
すなわち、句に詠み込む題材として「田毎の月」は馴染みにくい？
それだからこそ「田毎の月」ならの魅力ある句を見事に詠みたい。
そうでなければ「田毎の月」は俳人にとって、なんの意味もない。
名月や月影などと同等の価値に高めなければ、なんと詰まらない。
まっ！私は句会の場が盛上る時計「田毎の月」が好きですけど…。
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