251 名前:にたものおやこ[sage] 投稿日:2008/10/14(火) 18:34:23 ID:m5RqM/3j
252 名前:にたものおやこ[sage] 投稿日:2008/10/14(火) 18:35:37 ID:m5RqM/3j
253 名前:にたものおやこ[sage] 投稿日:2008/10/14(火) 18:36:10 ID:m5RqM/3j

「はぁあ〜」
金髪美女がため息をつく。
「どうしたの、フェイトちゃん」
「これ」
差し出されたのは薄くてバーコードの付いていない冊子。
「何これ、エリオと……キャロ?微妙に頭身高いし、やたら目がキラキラしてるけど……」
「冬の新刊」
「冬?あーなんだっけ、いべんと?とか言うのに出すの?」
本場出身のくせして疎いなのはにため息をもう一つ。

「そのつもりだったんだけどー……見て、これ」
今度は写真が出てきた。こちらも被写体は同じ。
「わぁ、デート?」
「うん……なぁんかあー、おつきあいってやつぅ?してるんだって、っさー」

妙に投げやりなフェイト。頬は赤い。足元には高町家のお中元『清酒・魔王の涙』の空き瓶。
「えと……酔ってる?フェイトちゃん」
「はーい、酔っ払いですよーっだ」
やたらハイだが、付き合いの長いなのはには分かる。この後ぐんと下降一直線なのが。
「……うう、キャロぉ、エリオ〜。恋人なんてっ、デェトなんて、二人には早いよぉ〜」
ぐすぐすと泣き出す。予想通りの展開だ。

「まあまあ、フェイトちゃん落ち着いて、ね?」
「10歳の頃からユーノといちゃこらいちゃこらしてた人に言われたくありませーん」
「ふえっ?わ、私いちゃこらなんてしてないよ!?」
「してたもーん。お兄ちゃんだって母さんだって皆知ってますー」
「ええぇぇえー!?」
それからしばらくは、悪乗りフェイトさんによるなのは言葉攻めが続いていた。
言いたい放題で少し落ち着いたのか、フェイトはぽつぽつと語り出した。

「……別にね、二人がおつきあいしてるのはいいのよ?むしろ嬉しいんだよ?ほんとだよ?」
「うん、そだね」
「でも……やっぱり早いと思うの……っ」
膝の上に置かれた手が、きつく握り締められた。
「まあ、まだ子どもだしね」
「そうだよ。せめてもうちょっと大きくならないとキャロにも負担おっきいと思うし」
「……ん?」
「それに、多分お月のものも来てないでしょ?」
「え?」
「まぁエリオのもそこまで大きくないけど、やっぱり心配だし」
「うん、ちょっと頭冷やそうかフェイトちゃん」
落ち着かせようと、フェイトの両肩に手を置いた。
けれでも火のついたフェイトさんは止まらない。

「だから!お突きあいなんて早すぎるよおぉぉーーっ!!」

明らかにニュアンスが違っていませんかテスタロッサさん。

「……どういう意味かな」
「だって、だっておつきあいでしょ?」
「いやー、多分そういう意味じゃないと思うよ」
「でもクロノはそう言ってたもん!実践教育されたもん!!」
「ちょっとクロノ君とお話してくる」

クロノ君危機一髪?
さて、一方話題の彼らはというと。

「エリオ君は、私の彼氏なんだよね?」
突拍子のない彼女に振り回されていた。

「え、うん。そうだよ?」
「お願いがあるんだけど、いい、かな」
「もちろん」

ぽっと頬を赤らめ、もじもじとするキャロ。
「あの……も、もっとこいびと、らしいこと、その。してほしい、の」
ひどくたどたどしい、けれどなんとも魅力的なお誘い。

「キャロ……無理しなくていいんだよ?」
「し、してないよ!」

嬉しいのは事実。だけどキャロでは……。

「ちょっと小さ……はっ」
心の声がうっかり駄々漏れになってしまった。

「ちいさい……」
「あの、キャロ?」
「小さい、かぁ……。そっかそっか、分かったよエリオ君!」

がばりと立ち上がり、その瞳は熱く燃えていた。

「私、頑張るから!頑張ってフェイトさんに負けないぼいんちゃんになるからねー!!」
「きゃ、キャロー!?」

砂埃を上げ走り去るキャロ。残された少年は、あらぬ誤解を招いた己の失言を少しばかり悔やんだ。
「……胸じゃなくてもっと下の部分の話なんだけどなぁ……」
エリオは美乳派だった。


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著者:86スレ141

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