子育ての失敗を広く浅く、ゆるやかに追跡。

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『これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義』



目次

講座紹介 脳みそをわしづかみにする物理学の授業(ウォレン・ゴールドスタイン) 9

 世界中から愛されている
 身近な世界からその裏側にある法則を
 芸術ともいえる授業

第1講 物理学を学ぶことの特権 21

 知っているだろうか。遠方に存在する銀河は、光速を超える速度でわれわれから遠ざかっているのを。空の色はなぜ青いのだろうか?虹はなぜ七色なのか?極小の原子の世界から宇宙の果てまで、物理学の妙なる調べの美しさに感動すること。それがこの講座の目的だ。

 空を見上げてみよう
 水星の見つけかた
 見えないものに”触れる”
 マサチューセッツ工科大学へ
 今でもナチスに追われる夢を見る
 なぜ人間は悲劇に慣れることができるか
 ロケットが開けた宇宙の窓
 光速より速く遠ざかる銀河

第2講 物理学は測定できなければならない 49

 物理学の基本は測定にある。測定によって理論を確かめる。測定には不確かさがつきもので、それがどの程度の不確かさなのかが重要になってくる。動物はどれだけ大きくなれるかから、星と星の距離に至るまで、本講では測定とその不確かさについて考える。

 ひも理論は物理学か
 寝ているときに身長が高くなる?
 ガリレオの予想は間違っていた!
 星間距離を測定する
 未知の不確かさ
 宇宙は膨張しているというハッブルの発見

第3講 息を呑むほどに美しいニュートンの法則 71

 ニュートンの法則は美しい―息を呑むほど簡潔であると同時に、信じられないほど万能だ。非常に多くのことを解き明かし、きわめて広い範囲にわたる事象の仕組みをつまびらかにする。第3講では、ニュートンの4法則を学び、振り子の周期について実験する。

 ニュートンの運動の3法則の1
 第2法則
 第3法則
 体重計を足にくくりつけて飛び下りる
 万有引力の法則:ニュートンとりんご
 振り子について考えよう
 祖母と宇宙飛行士

第4講 人間はどこまで深く潜ることができるか 101

 シュノーケルの長さを5メートルにすれば、人間は5メートルの深さでも潜れるのだろうか。そのことを知るためには圧力について知る必要がある。本講では気圧や水圧などの仕組みを解明しつつ、飛行機はなぜ飛ぶことができるかまでを考えることにしよう。

 われわれは空気圧に取り囲まれている
 接する面積が大きいほど圧力は小さくなる
 ストローを使った手品
 10.4メートルまで水を吸い上げることができる
 シュノーケルでどこまで潜れるのか
 潜水艦はどこまで深く潜れるか
 途方もなく大きな力どうしがつりあっている
 飛行機はなぜ飛ぶのか
 5メートルの高さからジュースをストローで飲めるか

第5講 虹の彼方に―光の不思議を探る 127

 虹は見ようと思えば、庭のスプリンクラーでも見ることができる。太陽を背にして自分の影が落ちる角度の42°離れたところを見てみよう。なぜ虹の外側は暗く、内側は明るいのか。虹の外側にもうひとつの虹がかかるのはなぜ?ガラスの虹とは何だろう?

 ニュートンが解明した虹の秘密
 虹の三条件
 虹の見つけかた
 二重にかかる虹
 第三の虹はあるか?
 キャッチ・ザ・レインボー
 なぜ船乗りはサングラスをかけるのか
 光は粒子かそれとも波か
 ガラスの虹

第6講 ビッグバンはどんな音がしたのか 159

 音とはなんだろう?音楽とはなんだろう?宇宙のビッグバンのときにはどんな音がしたのだろうか?本講では、音がでる仕組みから始まり、共鳴、すべての物体には固有振動数があることを明らかにし、音でワイングラスを割る実験をしてみよう。

 振幅が音の大きさを決める
 宇宙における音波
 ビッグバンはどんな音がしたか?
 共鳴の不思議
 楽器の仕組み
 音が大きくなる仕組み
 倍音
 ひも理論への跳躍
 音でワイングラスを割る実験
 管楽器の音楽
 1リットルのペットボトルで実験しよう
 危険な共鳴
 (タコマナローズ橋の崩壊 1940年11月7日 On YouTube)

第7講 電気の奇跡 187

 冬場にドアノブに手をかけると、衝撃を受けるのはなぜなのだろうか。雷とはなんだろうか?本講では、電子が生み出す電気の仕組みを分子レベルから解き明かした上で、これらの現象を解明する。そのとき、ドアノブとあなたの手のあいだには、三万ボルトもの電位差がある。

 フランクリンの「電気流体」説
 人間が思考できるのも電気があるからだ
 電子をこそげとる
 櫛をつかった実験
 電子が動き、物は引きあう
 火花とは何か
 電流が人体に危険な理由
 稲妻は地表から空へも走る
 スニーカーを履いていても被雷する

第8講 磁力のミステリー 217

 電流が磁気を生み、磁気が電流を生む。われわれの生活のすべての基盤となっている電気の発生の仕組みは磁気の理解なくしては成り立たない。本講では、モーター作りの実験から磁気と電気は同じものだとした統一理論を完成させたマクスウェルの方程式までを学ぶ。

 オーロラはなぜ極地に現れるのか
 電流は磁場を生む
 電流を運動に変換するには
 モーターを作る
 磁力で空中浮揚を実現する
 磁力を使った高速鉄道
 マクスウェルの並はずれた偉業

第9講 エネルギー保存の法則 243

 振り子につけた15キロの鉄球は、反対側のガラスを粉々に砕く。その同じ鉄球を今度はわたしが標的になって離してみる。向こうに振り切った鉄球は、ものすごいスピードでわたしの顎めがけて駆け上がってくる。なぜその鉄球はわたしの顎を砕かないか?

 エネルギーは変換される
 なぜ鉄球はわたしの顎を砕かないか
 ジュールの実験
 エクササイズをエネルギー消費から考える
 それぞれのエネルギーを考える
 核融合ができれば最適の手段になる

第10講 まったく新しい天文学の誕生 271

 人類は長く、光によって宇宙をとらえようとしていた。が、光以外の波で宇宙をとらえようとする試みが1960年代に生まれる。X線天文学である。私は、その誕生に立ち会い、まったく新しい宇宙の姿を、この新しい天文学で見つけていくことになった。

 X線って何?
 X線天文学の誕生
 箱を狭める
 蟹星雲内に中性子星はあるか?

第11講 気球で宇宙からのX線をとらえる 287

 気球はロケットによるX線観測の欠点を補った。気球による観測は何時間も続けることが可能だ。しかし1960年代にこれを行うのは予算の確保から、そして落ちた機材の確保まで苦労づくしだった。そうした中、私たちはさそり座のX−1で大きな発見をする。

 空高くへ―気球、X線検出器、そして打ち上げ
 気球によるX線検出の仕組み
 データを回収する
 気球教授
 蠍座X−1からのX線フレア

第12講 中性子星からブラックホールへ 309

 一定の質量以上の恒星は、やがて重力の重みに耐えきれなくなって崩壊、爆発する。これがひときわ大きな光を放つ超新星と呼ばれるものだ。そして、超新星では、崩壊によってまったく新しい物体ができる。それが中性子星だ。そこからさらにブラックホールが。

 重力によって崩壊し最期を迎える星
 超新星の光
 自転する中性子星はパルスを発する
 ブラックホール
 ブラックホールにあなたが落ちたらどうなるか

第13講 天空の舞踏 333

 X線による天体の観測は、想像もできなかったような天体の姿を浮かび上がらせる。ひとつの星だと思っていたものが、実は連星であり、しかももうひとつの星は見ることができないブラックホールだということがわかる。わたしたちは連星の舞踏を観察したのだ。

 不可視の天文学
 恒星スペクトルからその星の大気がわかる
 青方偏移と赤方偏移から連星を特定
 シクロフスキーの予想
 白鳥座X−1からブラックホールを発見
 相次ぐ連星の発見
 ブラックホールを回る降着円盤

第14講 謎のX線爆発 351

 1975年オランダとアメリカの二つのグループが発見したX線の奇妙な爆発の連続、X線バースト。それがいったいなぜ起こるのかをめぐってハーヴァードとMIT、そしてソ連の科学者たちがそれぞれの理論を展開した。それはブラックホールによるものなのか。

 バースト源の謎をとく
 イタリアの女性天文学者の熱核モデル
 ソ連の科学者たちの解釈
 X線と可視バーストの連関を探す
 ふたつの種類のバースト
 厄介なバーストの秘密

最終講 世界が違って見えてくる 371

 わたしが物理以上に好きなもの、それは美術だ。ゴッホ、ゴーギャン、マティス、ドランの絵を知ってしまうと、誰も、もう今までと同じ目で色を見ることができない。物理もまた同じ。ニュートン、アインシュタイン、先人たちの理論を知ると世界が違って見えてくる。

 物理と美術
 物理学者と芸術家の共作
 それを知ったとき世界は違って見えてくる
 大切なのは箱のふたを開くこと

補遺1 哺乳動物の大腿骨 哺乳類の体の大きさになぜ限界があるのか 388
補遺2 ニュートンの法則の威力 地球の大きさを求める 390
謝辞 397

訳者あとがき 402

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