子育ての失敗を広く浅く、ゆるやかに追跡。

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『巨匠(マエストロ)たちのラストコンサート』(幻冬舎新書)

 


目次

はじめに 9

第1章 音楽は止まったか―トスカニーニ 11
カラヤンを通してウルムのオーケストラの音を変える/代役から指揮者に/ラジオの第九に合わせて歌いだしたカナリアたち/衰え始めた記憶力/「これが最後のリハーサルなのか」/自らの運命と向かい合う三人の指揮者/指揮をやめ片手で両眼を覆った/二種類のラインでされた録音/<<マイスタージンガー>>の途中でステージを去る/NBC交響楽団解散/カラヤンによる<<フリーメイソンのための葬送音楽>>

第2章 第三楽章で止まった指揮棒―バーンスタイン 41
聴く前からすでに感動/「ボストン交響楽団とタングルウッドで」/タングルウッドでの”師”との出会い/イスラエル独立戦争では戦場に/ブロードウェイとクラシックの頂点に/全世界が本拠地/視覚で聴かせる指揮者/壁が崩壊したベルリンでベートーヴェン第九/呼吸困難に陥りながら臨んだベートーヴェン第7番/「コンサートからの引退」

第3章 何の事件もなかったコンサート―グールド 67
コンサートを否定した音楽家/シナリオに書かれていたかのような人生/「聴衆は、失敗するのを期待してホールに来ている」/バーンスタインへの電話/「バーンスタインはグールドを裏切った」/伝説的でない「最後のコンサート」/コンサートを次々とキャンセル/「聴衆の喝采」の誘惑を振り払う

第4章 交響曲史の「始点」と「終点」―フルトヴェングラー 89
「演出過剰」にしか聴こえなかった「深い精神性」/ドイツ・オーストリアで最高の地位/絶賛も酷評もなかった交響曲/七十歳目前とは思えぬ強行日程/紛失したフルトヴェングラー第2番のテープ/「ありがとう。みなさん、もう充分です」/「生きる意思のない患者を助けることはできない」/作曲家フルトヴェングラーの時代は来るか?

第5章 「ゴルゴダの丘に向かうイエス・キリスト」―リパッティ 111
三十三歳で亡くなった「夭逝の天才」/コルトーは抗議し審査員を辞任/EMIプロデューサー、レッグの讃辞/「一時的に回復したので録音して欲しい」/主治医も反対したブザンソンのリサイタル/弾けなかったワルツ第2番/録音されなかったアンコール曲/最後に聴いたラジオから流れるベートーヴェン

ボーナストラック 最後の指揮はフリーメーソンのために―モーツァルト 135
「モーツァルトが死んだ歳よ」/最後の指揮/最後のオペラ指揮/プラハでの「失敗作」/最後のピアノ演奏/無念の死

第6章 ブルックナーでピリオドを―カラヤン 145
最後の曲はブルックナー交響曲第7番/レコード録音がリハーサル/グールドとカラヤンの相違点/最後の一年/最後のベルリン・フィル指揮/完璧な人生の最後にふさわしい曲/ベルリン・フィル辞任/「まだ、今ではないのに」/壁と共に去りぬ

第7章 札幌・厚生年金会館にて―カラス 169
最初で最後の日本公演/スキャンダルの女王/コッソットによる「公開処刑」/引退同前の暮らし/ディ・ステファノとの日本訪問/”ドサまわり先の極東の島国”/歌手生命を賭けた恋の駆け引き

第8章 「俺を聴きたければ地の果てまでついてきな」―クライバー 193
スケジュール表が真っ白な人/父子ともに歴史的指揮者/「かわいそうに、『音楽の才能』があるらしい」/自分の海賊盤を見つけて嬉しそうに/ポストに就かないという生き方/「アウディ・コンサート」に大西洋上の島/「冷蔵庫が空になるまで仕事をしないんだ」/瞬く間に減っていったバックナンバー/ジェットコースター的な快感

第9章 ステージも客席も涙した『悲愴』―ロストロポーヴィチ 221
指揮者、チェロ奏者、それぞれの「最後のコンサート」/祖父が買った『収容所群島』/モスクワ音楽院教授、指揮者デビュー/カラヤンとソ連三大巨匠「夢の共演」/発表の場を奪われたソルジェニーツィン/「疾風のように現れた」/外国から持ち込んだ複写機/夫妻への包囲網/新聞への公開書簡/『1914年8月』が西側より出版/劇場指揮者解雇と新聞紙上からの抹殺/「あなたはダメになる」/国外追放処分/ブレジネフ書記長への直訴/涙したショスタコーヴィチ/ソヴィエト市民権剥奪/チャイコフスキー<<悲愴>>で凱旋/本当に「自由の戦士」だったのか?/東京で迎えた「最後のコンサート」/「反ソの象徴」を受け入れた人生

おわりに 265
興行の持ついかがわしさ/歌舞伎の「一世一代」/キャンディーズと山口百恵/カラヤン外伝として

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