491 :名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 02:43:21 ID:r4QNh3BN
2.
瓦屋根の上を器用に歩く狐面のくの一。
歩くたびに乳首が胸元を隠せないほど小さな胴衣に擦れ合い、その刺激からかコリコリに勃起している。
胸がある程度大きければ乳房の大部分が露出することになるこの衣装はもちろんわざとであり、
捕り方の油断を誘うためである。
しかし、今夜、彼女たちが対峙する相手はそんな甘い感傷など一切持ち合わせていなかった。

次なる屋根に飛び移らんと屋根の際まで寄った瞬間、くの一の右手首を強い力で下に引っ張られた。
「きゃっ」
突然のことに驚き、短く悲鳴をあげ落ちる。
鍛錬を積んだくの一ならば、この高さなら受け身をとればどうということはない。
瞬間的に彼女は態勢を空中でととのえようとする。しかし、彼女が地面に落ちた時は死体になった後であった。
突然、大きな乳房が上から蹴られたと思った刹那、彼女の首が太く温かいもので締められる。
「グファッ」
それは時雨丸の鍛え上げられた左足であった。鋼のような筋肉でグイグイと首元を圧迫されていくくの一。
彼女の狐面は足で絡めとられたひょうしにとれ、先にコトンと地面に落ちる。
露わになったくの一の苦悶の表情。赤黒く変色していく顔、クリっとした眼は大きく見開かれ涙を浮かべている。
口からはよだれをダラダラとこぼし、途切れ途切れにか細い呻き声を漏らす。
両手で必死で時雨丸の脚をひきはがそうと試みるが、彼女の細腕ではなんの効果もあげられない。
何とも驚異的な膂力を持つのは時雨丸である。
おのれと彼女の体重を、逆手に持った手だけでささえ、同時にその太股で彼女を締め上げているのだから。

手と足をバタつかせ、この苦しみからなんとか逃れんとするくの一であったが、徐々にその力が弱まっていく。
やがて手足をだらんとさせたかと思うと、白眼をむき舌を出した凄絶な苦しみの表情そのままに窒息した。
彼女の股間からは黄色い水が、むきだしの太股をつたい流れ落ちていく。
くの一が死んだと腿に伝わった感触で判断した時雨丸は、やっと締め上げていた脚をほどいた。
ドサッと自らの小便の中に落ちるくの一。
受け身もとらずグニャリと足をあらぬ方向にむけて倒れるくの一をみて屠ったことを確信した時雨丸は、
疲れもみせずに屋根の上をそろりと覗いた。


492 :名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 02:46:10 ID:r4QNh3BN
くの一の落下音を聞きつけたのか、そこにはあたりを見回す新たなくの一の姿があった。
「誰かいるの?」
面を被っているため、くぐもってはいるが可愛げのある声でいう。
もちろん、答える時雨丸ではない。
くの一はゆっくりと彼のもとに近づいてくる。
屋根から下を覗き込もうと彼女がした瞬間、時雨丸は一気に屋根によじのぼる。

「なにっ」そういって背中の刀に手をかけたくの一だがそれを抜くことはかなわなかった。
時雨丸は思いきり、押し倒すようにくの一に体当たりをしたのである。
もとから足場の悪い屋根の上、態勢を崩し後ろにガチャンと瓦にぶつかる音とともに倒れるくの一。
時雨丸はすかさず彼女に馬乗りになる。
「やめっっ」
裸に軽装の鎧、口元を隠した壮年の男に突然襲われ動転するくの一。
両手両脚、身体全体で必死に男を振り払おうとするが、男は冷徹な眼でくの一を見下ろしたままそれを捌き、
右手で刀を抜きながら暴れるくの一の右腕をもう一つの手で押さえつける。抜かれた刀が月光でキラリと光った。
「いやぁ、お願いぃっ死にたっっグヘェッ」
命乞いだったのだろう彼女の言葉が最後まで紡がれることなく、時雨丸の無慈悲の刃が声帯ごと首に突き刺さった。
瞬間、くの一の身体がビーンと硬直し、足が跳ね上がる。ついで口からは血反吐。
少しおくれて首から血の飛沫が馬乗りになった時雨丸の顔にかかるまで噴きあがる。
ビクンッビクンッと豊かな乳房を、そして全身を痙攣させる。
致命傷を負いながらなおも生に執着があるのか、
自由な左腕が虚空にむかってのび、まるで何かを掴もうとするような動きをみせたあと、ついに力尽きた。

今にもはずれそうであった狐面が彼女の死が合図であったかのようにとれ、
幼さの残る顔を苦痛にゆがませたものが時雨丸に眼前に飛び込んできた。
そのくの一の形相を冷たい眼でジッと見下ろす時雨丸。
何を思ったか、腕を押さえ込んでいた左手で重力には逆らえず横にながれた大きな乳房を揉み、そしてこねくりまわした。
「このような、格好で……、乳を放り出した程度で男を誑かそうというのが甘いのだ。
 忍としては二流、三流よ。貴様らのやった所業、地獄で悔いろ」
答えの返ってこないつぶやきを言い終わるやいなや立ち上がり、次の獲物を求め歩き出した。

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