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一般通過きのこマンの小説



※当SSでは、ダルクくんが生まれつきふたなりの女の子という設定です。
 ご留意の上、読んでいただけましたら幸いです。



「へぇ……なかなかやるじゃない」

 私の名はフロイライン。
 このヴァンパイアの館の令嬢にして主よ。

 目の前にいる坊やは、魔力の流れから察するに闇霊使い。
 闇の魔力を持つ私にとっては天敵だけれど、単純な力量と経験で覆せる程度の力。

 そう思っていたのだけれど……。

「まさか闇の呪縛とデモンズ・チェーンの二重掛けなんてね」

 じゃらり、と鎖で箕巻きにされては、身動きも取れない。

「観念して。オレはアンタを、隷属さえできればそれでいい」
「あらぁ。熱烈なプロポーズね。でも、もうちょっと女性は丁寧に扱わないと嫌われちゃうわよ」
「うん。重々承知しているよ」

 どこまでも飄々とした坊やだこと。
 でも顔は凄く好みなのよね。
 ただの無力な坊やだったら、食べちゃいたいぐらいに。

「さて、はじめるよ」

 そう言って、坊やがしゅるりと衣服を脱ぐ。
 霊使いによる使役といえば、やっぱり性交による儀式よね。

 ……っておかしいわ!?

「なんで坊やに、おっぱいが付いているのかしら?」
「……よく間違えられる。慣れた」

 坊やだと思ったらお嬢ちゃんだったなんて。
 それにしても男の子の方も付いてて……その上立派。

 にしてもおっきいわね。
 私も自信はあるけど、この子はそれ以上に……。

「……じろじろ見ないで」
「あら。ごめんなさいね」
「そっちにはオレを眺めてる余裕なんてないはずだけど?」

 言葉と共に、ずいっと怒張を眼前に突きつけられる。
 不死者として永い生涯だけれど、こんな唆るのは見たことないわ。
 正直に言えば、すぐさま齧り付いてしまいたいくらいに。

 だけどそれは、ヴァンパイアとしての誇りが許さない。

「随分と舐められたものね。霊術による使役の本質は、絆でしょう?」

 性交に頼らずとも、霊術によってモンスターを使役することは可能だわ。
 ただしそれは、縁(えにし)によって双方が結ばれていた場合。
 絆をより早く、深く結ぶためにも、霊使いが性交という形を取っているのは知っている。

「簡単に屈するとは思わないことね。
 お嬢様(フロイライン)と舐められていても、私は孤高なヴァンパイアなのだから」

 この血において、他者を眷属に染めることは許しても、他者に傅くことは許されない。
 鎖を解く機会を、伺い続けるだけだ。

「ふぅん……」
「随分とすまし顔ね。坊やの貴方だったら好きだけど、お嬢ちゃんの貴女がしても微妙だわ」

 そのおちんちんは確かに立派で魅力的だけれど。
 あいにく私にそっちのケはないわ。

「……闇霊術−『欲』」
「!? これは……っ」

 一瞬、魔力励起で『欲』の魔法陣が現れたが、すぐさま消滅する。
 私たちには何の変化も起きていない。

「驚かせないで。何も起きていないじゃない」
「そうだね。とりあえず、オレの質問に答えて」
「まぁ、それぐらいだったらいいわよ」

 思考の時間稼ぎにもなるしね。

「それじゃあ、オレのおちんちんを見てどう思う?」

 すごく立派よね。すぐにでも齧り付きたいわ。
 でも、そんな正直に言えばこの子は調子に乗るだろう。
 ……ひとまず嘘を言うか。

「すごく立派よね。すぐにでも齧り付きたいわ……!?」
「効果はある、みたいだね」

「何をしたの?」
「ちょっと悪戯をね」

 言うやいなや、お嬢ちゃんは私の服をはだけさせ……愛撫を始めた。
 ……っ。意外と上手いじゃないの。

「どう?気持ちいい?」
「いがいとっ……上手いのねっ……」
「そう……よかった」

 女の子同士だからか……かなり丁寧に前戯をしてくれている。
 それにしてもさっきから、上手く気持ちをごまかせない。

「んあっ……な、なにをしたのっ」
「闇霊術でね、少し素直になってもらった」
「吸血鬼に姦計なんて……ああっ……。
 あんた……使役失敗したら死ぬわよ」
「気に入ってもらえるよう、頑張るよ」

 そう言いながら、お嬢ちゃんは攻めを続ける。

「あっ……! そこっ……!」
「ここ、好きなんだ」

 陰核を弄り始めた彼女は、私の反応に気をよくしたのか、集中的に攻めてきた。
 撫でるだけでなく、指先で潰してみたり、軽くつねってみたり。

「ゆび、いれるね」
「んあああっ……」

 私の反応は正確に、お嬢ちゃんに自分の弱点を伝えてしまう。
 膣内だけでなく、胸への愛撫も的確だ。

「だめっ……このままじゃ……」
「いいよ、イって」
「イきたくない……誇りに賭けても……」

 維持になって必死に快感を抑える。
 するとボソリと、お嬢ちゃんが呟いた。

「かわいい……」

 お嬢ちゃん本人も意識していなかったであろう、思わず零れた一言だろう。
 だけどだからこそ本心が籠っていて。
 限界に近づいていた私には、その本音は毒のようだった。

「イっ……。……っ❤❤❤❤❤」

 達してしまった。
 そのままだとイったと言葉にしてしましそうなので、唇を噛んで堪えた。
 それでも、私の膣は正直に、ぷしゅっ!ぷしゅっ!と潮を吹きだしていた。

「……っ」

 痙攣が止まらない。
 ここまで、深い絶頂に至ったことはなかった。
 自分の指で慰めた時も、ヒトの雄を張形代わりにした時も。

「よかった、わよ……」

 ぷい、と視線を逸らして答える。
 吸血鬼としては、人に手籠めにされるのは不本意だけど。
 闇霊術によって素直な感情しかアウトプットできない以上、そうとしか答えられなかった。

「そっか」

 そういうと、お嬢ちゃんは私を、姫でも抱くように抱える。
 鎖はいつの間にか、ほぼ消えていた。
 左足首にじゃらり、と鎖片が付いているあたり、霊的には拘束されたままなのだろうけど。

「寝室は、どっちかな?」
「乙女の寝床を暴くつもり?」

 ジト目で一睨みすると、バツが悪そうに視線を逸らした。

「あのまま床でシてると、キミに傷つけちゃいそうで……」

 気まずそうにそう告げた。
 寝室への侵入を咎めたり、女の子に傷つかないよう気遣ったり。
 どうやらお嬢ちゃんは意外と、乙女っぽい思考みたいね。

「あっちよ」

 ぶっきらぼうに、寝室に指差しした。
 客間に案内することもできたはずだけれど。
 何故だか私は自分の寝室に案内していた。

「……すごいね」
「ベッドは、そこよ」

 驚嘆を飲む息遣いが聞こえた。
 少し呆けているようだったので、天蓋付きのベッドへ案内する。
 そこに私たちは、ぽすんと腰掛けた。

「続き、しよっか」

 そういうと、お嬢ちゃんは私を抱きすくめた。

「んんっ……あうっ……」

 再び始まる、丹念な前戯。
 相変わらずこちらを気遣うような、それでいてこちらを深く快感に染めてくれる。

 そんな中、視界の端では無視できないモノが映り込んでいる。
 お嬢ちゃんの、それはそれは雄々しく張り詰めた剛直。

 今なお磨くように愛撫され続けてる私の身体よりも、ビクビクと物欲しそうに震えている。
 先走りに濡れた穂先。
 発散できない苛立ちを現す、浮きだった血管。
 精の増産で僅かばかり膨らみ、シワひとつない玉袋。

 私が敵である以上、欲望のままに手篭めにしてしまえばいいのに。
 目の前のお嬢ちゃんは、今なお私を気遣っている。

「どう……?気持ちいい?」

 優しげな表情で、そう言ってくる。
 口の端が苦しそうに、僅かばかり歪んでいるというのに。

「あんた、我慢してるんじゃないの?」

 図星を突かれたように、お嬢ちゃんが止まる。
 私は苛立っていたのだ。
 強者であれば、力のままに欲を満たせばいい。
 それが私たち吸血鬼の、あるべき姿だ。

 それなのに、曲がりなりにも私を捕え、あろうことか慈しみを与えようとする目の前の少女。
 私とは正反対の姿勢を持つお嬢ちゃんに、私は苛立っていた。

 衝動的に、私はお嬢ちゃんの股座に顔を近づけた。

「わわっ」

 不意を突かれた動揺か、お嬢ちゃんは処理が追いついてない。
 その隙を付いて、私はその剛直に口付けした。

「ひゃっ!?」

 女の子っぽい、甲高い声。
 雄に触れてその不釣り合いな反応が返ったため、思わずクスリと笑ってしまう。
 彼女の返事を待たず、私は手淫を始めた。

「だ、だめだよフロイライン……っ」

 抵抗する声。
 溶岩のような熱。
 蛇のような脈打ち。

 尽くせば肉棒は正直な反応を返してくれる。
 それなのにこちらを労るように雄への奉仕を断る姿が、とても弄らしかった。

「ふふっ。こういうのは、どうかしら」

 お嬢ちゃんほどではないけれど、張りに自信のある私の胸。
 それでお嬢ちゃんの欲望を、優しく包んだ。

「ひゃあん!? そ、それだめぇ!?」

 脈打つ肉棒と連動するように、お嬢ちゃんの身体も震える。
 だけどお嬢ちゃんの肥大化した欲望はとても大きくて……私の胸にすら収まらない。

「ちゅっ……れるっ……」
「やぁんっ!? き、きたないよぉ……っ!」

 お嬢ちゃんを無視して、私は目の前の欲望に尽くし続ける。
 先程の愛撫で、気持ち良くしてもらった分を返すように。

「……っ!……っっ!!」

 我慢するように、抑えを効かせるお嬢ちゃん。
 反比例するように、彼女の震えは大きくなっていく。

「だ……だめっ……。女の子をっ……好き勝手、汚すなんてっ……」

 理由の一端が、不意に溢れた。
 やはり感じていたように、この子は雄の欲望をぶつけるのに拒否感があったようで。
 こんな雄々しいのに、今までの永い生で会った誰よりも乙女っぽいその反応に。

「かわいい……」

 思わず、そう呟いていた。

「っ……!ぁぅっ……!❤❤❤❤❤」

 お嬢ちゃんから、白濁の欲望が吐き出される。
 生臭く生命の熱を持つその奔流は、かつて浴びてきた返り血を思い出させる。

 けれど今まで浴びたそのどれよりも。
 心地よく、あの子の欲望は染み込んできた。

「はぁっ……はぁっ……」

 荒げた息を整えるお嬢ちゃん。
 鼻腔を衝く精臭が、射精の射精の凄まじさを物語っている。

 にも拘わらず、お嬢ちゃんの逸物はガチガチのまま。
 びくびくと物欲しそうに震えながら、びゅぐりと尿道に残った精液を未だ吐き出している。

「どう……?気持ち良かったかしら」

 答えを聞かなくても、肉棒の様子を見れば分かる。
 だというのに、ぷいっと、お嬢ちゃんは赤面したまま視線を逸らした。

「私は貴女に素直を強要されてるのに、だんまりは酷いんじゃないかしら?」
「あっ……」
「正直に、なってみなさい」

 お嬢ちゃんを抱きすくめながら、気持ちを促す。
 そこから返ってきたお嬢ちゃんの返答は、とてもか細くて。

「わから、ないんだ」
「分からないっていうのは?」

 そこからお嬢ちゃんは、自分の生い立ちについて話し始めた。

 闇霊使いの長子として、男として振る舞うように育てられてきたこと。
 霊使いの友達から、自然と女子として仲間の輪に入れられていること。

 幼い頃は、どちらに何も感じなかった。
 だが、成長するにつれて、双方に苦いものを感じていた。

「両方ついているせいかな。どっちの性として扱われるのも、苦手なんだ」

 男としてのロールを一族から託されるのも。
 女としての羨望を周りから受けるのも。

 だから曖昧に、誤魔化すようにした。
 女子としての視線を集めないように男として振る舞い。
 でも男としての欲望を発露するのは嫌で、女の子には自分がしてほしいように優しく。

 そんなどっちつかずを繰り返すうちに、少しずつ自分も嫌いになり始めて。

「ははっ……変だよね。こういうの」
「そうね……変わってると思うわ」

「でも、私はそのうえで。貴女は素敵だと思うわ」

 とびきり驚いたような表情。
 確かにお嬢ちゃんの振る舞い方は、どっちつかずかもしれない。

 でも、自分のしたいことを、曲げずに貫いている。
 一族の仕来りも、女の子を大切にすることも、彼女がしたいからしていることだ。
 ここまでをお嬢ちゃんに伝えて、ようやく気付いた。

 自分を貫く。
 それができるから、お嬢ちゃんは強かったのだと。

「ねぇ」

 そう私に問いかけるお嬢ちゃんの声は、涙声だった。
 ようやく、素直な気持ちを見せてくれた。

 胸が高まるが、それを親愛を表現していいかは私には分からなかった。
 何故なら、私にとってこれは初めての感情だったから。

「オレと、契約してくれませんか?」
「ええ。良いわよ」
「自己紹介、遅くなっちゃったけど……。オレは闇霊使い、ダルクです。
 これから、よろしくね」
「私はヴァンパイア・フロイライン。貴女の、眷属よ」

 お嬢ちゃん……いえ、ダルクの方から優しく、唇を交わしてくれた。

「こっ……この体制でするの?」
「あらぁ? 素直になってくれたと思ったのに、うぶい反応ね」
「でっ、でもぉ」

 契りを交わすため、私たちは再び交わろうとしていた。
 にも拘わらず、後背位でしたいという私の提案に、ダルクは尻込みしていて。

 どうやらやはり、欲望のままをぶつけることには未だ抵抗感があるようで。

「大丈夫よ。貴女になら、何をされてもいいから」

 秘裂を広げながら、そう伝える。
 ダルクがごくりと生唾を飲む音を、私は聞き逃さなかった。

「い、いれるよ。フロイライン」
「ええ……きて」

 ばちゅん!と腰を差し込んできた。
 そこからの彼女の抽挿は、激しくて。

「ああんっ……いいわぁっ……」
「なかっ……うねってっ……!」

 雄としての欲を初めて自覚した反動か。
 貪欲に、我欲のままに、腰を振っていた。

 それは彼女に求められているようで。
 もっと答えたくなってしまう。

「いいのよっ……!もっと、遠慮なくしてっ……!」
「……っ! い、いいのっ!?」
「ええっ……もちろんよっ……」

 さらに最奥へと、おちんちんが挿入される。
 ダルクの大きな欲は、私の深い膣壁だけでは満足せず。

 その穂先で、私の子宮口を突いた。

「ああっ……! おくっ……! いいわぁ……!」
「フロイっ……フロイフロイ……っ」

 先ほどよりもリズミカルに、腰を打ち付ける。
 さらには私のことを、相性で呼ぶ始末だ。

「あんっ……! むねっ……!」
「きもちよくなって……フロイっ……」

 ピストンの速度を緩めず、胸への愛撫を始める。
 先ほどとは違い、力強く少しだけ乱暴な攻めだけど。
 私に気持ち良くなってほしいという暖かさを感じる。

 ダルクらしい、優しい心の表れだった。

「フロイ……でるっ……!だしていいっ……?」
「ええっ……もちろんよっ……」

 膣出しの確認するダルクに、思わず苦笑してしまう。
 眷属に気を遣う必要なんてないのに。

 本当に……良い子ね。

「ああ……っ!ふろいっ……すっ……❤❤❤❤❤」
「だるくっ……❤だるくだるくっ……❤❤❤❤❤」

 自分の中に、彼女の欲望が満ちていくようで。
 それは吸血よりも深い、充足感を齎した。

「……っ!……っ。」
「はぁっ……はぁっ……」

 射精を一心に受けているその時間は、今までの不死の長命より永く。
 私のくびれたお腹も、わずかばかり膨らんでいた。

 しかし刹那のため、終わりを迎えた。
 そこからどちらからということもなく、自然に口づけを交わしていた。
 その接吻は、契りの前よりも甘く、深い味わいだった。

 彼女との契約は、無事交わされた。
 だというのに。

「ここはまだ……ガチガチね」
「ご、ごめん……」
「謝ることないわよ」

 再び苦笑する。
 こういうなかなか素直になれないところは、相変わらずダルクらしい。

「だから、もう一回していいかな」

 にも拘わらず、意外に素直な言葉に驚いた。
 それでも顔はかなり真っ赤で、視線はこちらに合っていない。

 まるで緊張ながらに告白する、初恋をした子のようだ。

「ええ……いいわよ」

 了承すると、私たちはまた自然と、唇を触れさせていた。



 時は経ち、ヴァンパイアの館。
 かつての館の主であるフロイラインは再びここを訪れていた。
 彼女の主人である、ダルクを引き連れて。

「懐かしいわね。ここ」
「……うん。昨日のことのように、思い出せるけど」

 あれ以来、ダルクは霊使いの里へフロイラインを連れて戻っていた。
 そして闇霊使いとして、彼女と共に目覚ましい活躍をした。

 その一方で、彼女らは幾度となく肌を重ねた。
 主従の契約関係をより深めるため、という建前すらなく。
 お互い、繋がりを求めているから繋がる。

 そういった日々を折り重ねる以上、二人が今日結ばれたのは、必然と言える。

「タキシード姿、素敵だったわよ」
「キミのドレス姿も」

 今では普段着に戻っているが、式のお互いの服装を褒めそやす。
 周囲からの祝福は、ダルクにとって今までの頑張りやフロイラインとの関係が認められたようで、この上なく嬉しかった。
 ……光霊使いの幼馴染からの視線は、痛かったけれど。

「他の女の子のこと、考えてたでしょ?」
「……」
「もう。仕方のない旦那様ね」

 そう苦笑して、フロイラインはダルクに口づけする。
 ダルクも自然と、それを受け入れる。

「行こうか。フロイ」
「ええ」

 二人が向かったのは、フロイラインの寝室。
 絆が初めて繋がった、あの部屋だ。

 そして二人は服を脱ぐ……のではなく、着替える。
 衣擦れの音が止んだ後、そこにいたのは純白のドレスを纏った、二人だった。

「ふふっ。ウェディングドレスを着たかったなら、素直に言えばよかったのに」
「し、仕方ないでしょ。オレにだって跡取りとしての体裁があるんだから」

 ダルクは恥ずかし気に視線を逸らす。
 フロイラインと契約して以来、ダルクは少し自分に素直になっていた。

 その結果、女性らしい服装も時々着るようになっていた。
 もっとも男っぽい服装が嫌いな訳ではなく、普段はボーイッシュな服装で過ごしている。

 それでもウェディングドレスだけは、ダルクにとっても特別な憧れがあったようだ。

「フロイ……本当に綺麗」
「貴女もよ。ダルク」

 再びキスを交わし、二人の間に唾液のアーチがかかる。
 白無垢を互いに纏った二人が見つめあう様は、実に幻想的であった。

 そして純白の中に潜んだ、欲望が鎌首を擡げた。

「ふふっ。準備万端ね」
「フロイが、素敵だから」
「ありがとう。嬉しいわ」

 フリルの多いスカートですら隠せないほど、怒張が苛立っている。
 ダルクの表情こそ平静を保っているが、雌を欲してびくびくと震えている。

「それに、準備万端なのは私も一緒だから」

 フロイラインがカーテシーの出で立ちで己のスカートを捲りあげる。
 通常のカーテシーより、高く。
 そして露呈した鼠径部には下着すら纏っておらず……濡れそぼっていた。

「……っ! ベッド、いこっか」

 ぎしり、と軋む音。
 純白を纏った二人の体は、自然と重なっていた。
 吸血鬼の秘裂に、霊術師の欲望が充てがわれる。

「入れる、よ」
「ええ、来て。ダルク……お嬢ちゃん」

 ずぷり、と剛直が挿入される。

「ああっ……いいわっ……」
「フロイっ……フロイ……っ」

 リズミカルかつ、高速で肌を打ち合う音が鳴る。
 その合間を埋めるように、淫靡な水音。
 ロマンティックかつ情熱的な求めあいは、一つの音楽となっていた。

「お嬢ちゃん……もっとっ……もっと……っ」
「フロイっ……すきだよっ……すきっ……」

 より深く互いを求め、二人は抱きすくめあう。
 必然的に、二人の繋がりはより深くなっていく。

「でるよっ……フロイっ……!でるっ……!」
「ちょうだいっ……!ダルクのっ……お嬢ちゃんのっ……!」

 射精の直前、フロイラインは自分の足をダルクの腰へと回す。
 ダルクも求めに応え、届く限界まで剛直を叩きつける。

 欲望が、白く膨張した。

「ふろいっ……❤❤❤ ふろいふろいっ……❤❤❤」
「ああっ……❤❤❤ いっぱいっ……❤❤❤ あっつい……❤❤❤」

 破裂した欲望は余すことなく、フロイラインの最奥へと注がれる。
 普段以上の興奮に、止めどなく白濁が垂れ流される。
 だというのに、一滴すら零さないのは、吸血鬼としての貪欲さの現われか。

 ずるり、と逸物が引き抜かれる。
 しかしその硬度は衰えることなく、次の発散を待ち侘びている。

「……今夜は、寝かせないかも」
「望むところ、よ」

 夜はまだ永い。
 この晩は、二人にとって不死よりも永い時間になるだろう。



「……はぁっ……はぁっ」
「……あぁん❤」

 二人はあれから獣のように交わり、一夜を明かした。
 汗ばんだお互いのドレスは、肌に張り付き淫靡に透けている。
 その上からやらしく、純白を白濁が覆い隠している。
 せっかくの結納衣装だというのに、激しいまぐわいで傷んでしまっている。

 そしてフロイラインのお腹は注がれた欲で大きく膨らみ……まるで臨月のようだ。
 愛おし気に、彼女は自分のお腹を撫でる。

「ダルクとの子……できていると良いわね」

 孤高の生き方が存在そのものに刻まれている吸血鬼の受精率は、著しく低い。
 霊使いとしての全霊を以てしても難しいかもしれない。

「大丈夫。オレが、フロイを幸せにするから」

 彼女の言葉は力強かった。
 言葉と共に、フロイラインは抱き寄せられる。

 ダルクから伝わる、優しい温もり。
 それと同じ温度が、自身のお腹にある。

 この人となら、誰かと一緒の幸せを知ることができる。
 孤高であったはずの彼女は、そういう気持ちになることができた。

「ええ。私も、貴女と共にいるわ」

 フロイラインは自然と、ダルクへ口づけをしていた。
 そしてダルクの全てを労うように、彼女の欲望へも。

「これからもよろしくね。ダルク」

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