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2010年9月16日に国内販売が開始された仏Parrot製のラジコンヘリ。


Parrotのアンリ・セドゥCEOが考えるAR.Droneの世界観について
AR.Droneが誕生するきっかけは、今から4年前にまでさかのぼる。iPhoneが登場していなかった当時、同社は携帯電話で操作できるラジコンカーを開発していた。通信にはBluetoothを利用。AR.Droneの特徴である、ラジコン本体のカメラ映像を携帯電話に届けるというアイデアも、この時に実現していた。

このラジコンカーは製品として完成したものの、セドゥ氏は製品に「面白みが足りない」と感じ、販売を断念した。そして、次に思い立ったのが、ラジコンカーの発想を“空飛ぶ何か”に応用すること。同時に、「カメラ機能を使ってもっと面白いことができる」と自問自答した結果、ARゲームの発想が生まれた。

AR.Droneと連動したARゲームを成立させるために、ラジコン本体には画像認識機能が組み込まれている。オレンジや青、黄色などの色で構成された専用のカラーマーカーがフロントカメラに写ると、AR.Droneはそれを認識する。そして、例えばマーカーの場所にモンスターのCGを描画して、AR.Droneを操作しながらiPhoneの画面上でモンスターを攻撃するといったシューティングゲームが楽しめるという。また、2機のAR.Droneにマーカーを貼り付ければ、AR.Drone同士の対戦ゲームも可能だ。

ARゲームでは、ユーザーは時にラジコンを目視したり、iPhoneに送られるコックピット映像に集中したりと、一風変わったゲーム操作を味わうことになる。「飛行機の操縦では、計器と景色の両方を確認する。時には、計器のみを見て飛行することもある。AR.Droneの操作は、それと同じ」(セドゥ氏)

そして、こうした操作を容易にするのが、優れた機体の自動制御機能だ。姿勢制御には、加速度センサーやジャイロセンサーからの情報に加え、機体底部に設けた垂直カメラの映像を活用している。AR.Droneを開発する上で、「機体の安定したホバリングを実現することが最も難しかった」とセドゥ氏は振り返る。

「操縦者の視点に立ち返ってあるべき姿勢制御を模索した。機体の姿勢が不安定になると、何をすべきかの判断が難しくなる。そして、こうした問題に直面したとき、例えば子供ならiPhoneから手を離すと考えた。我々は、操縦者が手を離した瞬間、機体自身が自らを安定させることに集中するよう、機体を開発した」(セドゥ氏)

実際、AR.Droneの安定したホバリングは目を見張るものがあり、多少の風ではその場を動かず、浮いている機体を手で上下に揺さぶってみても、その場に粘り着いているかのような抵抗感がある。セドゥ氏は、「ソフトウェアに強みを持つ企業だからこそできる自動制御」と、製品の仕上がりに自信を持っている。
ITメディア

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