鈴木輝昭と、千原英喜の合唱作品を掘り下げるWiki。

混声/男声合唱のための「白秋・東京雪物語

曲データ

編成SATB(+Org.orPf.)+鳴物
演奏時間約21分
忠弥ca.5'00"
夜ふる雪ca.3'20"
もしやさうではca.4'10"
柳の佐和利ca.2'30"
槍持ca.7'00"

初演データ

混声版男声版
初演日2014年3月23日2022年11月27日
初演演奏会アンサンブルエヴォリュエ第10回演奏会OSAKA MEN'S CHORUS THE 44th RECITAL
初演会場いずみホール住友生命いずみホール
初演指揮飯沼京子安井直人
初演オルガン木島美紗子岡本佐紀子
初演合唱アンサンブルエヴォリュエOSAKA MEN'S CHORUS
男声版初演は当初同年5月に予定されていたが新型コロナの影響で延期された。

作品について

北原白秋の詩集「東京景物詩」の詩に作曲。
1,3,5曲目は任意でピアノもしくはオルガン・キーボードの伴奏とソロの朗誦を伴う。鳴物はコンチキ、小太鼓、鈴。終曲にはテナーソロがある。

忠弥

夜ふる雪

もしやさうでは

柳の佐和利

槍持

作曲者コメント

白秋の詩の世界を借りて演劇的時空とし、そこに役者の立ちふるまうような曲が書いてみたくなったのである。題して東京雪物語。歌の舞台は侍の闊歩するような江戸であったり、文明開化期のハイカラな街並みやカフェであったり。いずれも背景に雪。白銀の世界に登場人物の心の色も引き立つのだ、と作曲した。
忠弥忠弥が江戸城の堀に石を投げ込み、その音で深さを測ろうとしている。名場面として歌舞伎や講談などの題材にもなっている。曲は「ちら、ちら」の雪降る擬音のWave(左→右へ音像が移動)で始まる。
夜ふる雪蛇の目傘は、割竹に油紙を張り、紋様は同心円をデザインしたもの。色彩は赤、紫、紺などなかなかカラフルである。曲はレトロな歌謡曲のような可笑しみがあるのではないだろうか。
もしやさうでは詩中の“ちんから”はグラスのぶつかるときの澄んだ音。白秋が用いると古風な語ながらモダンな感覚がある。曲は、愛憎のクラスター音塊で開始。「雪のふる日に赤い酒をも棄てて見た〜」にはアンニュイさと可憐な気分を持つ。
柳の佐和利「佐和利」とは義太夫や浄瑠璃での聞きどころ、聞かせどころの意。往年の78回転SP盤の蓄音機から流れ出て来る小唄歌謡を想像しながら作曲した。
槍持「槍持ち」は殿様の外出時に槍を持って付き従う者。曲は江戸木遣の音頭風の叙唱に始まるが、大時代的な詩に、あえてごきげんな通うピースに仕立てようと思った。ダンディー(いささか古風なコトバである)に、華やかに歌い進める。

楽譜・音源

北原白秋「東京景物詩 及其他」より5編を選出。歌の舞台は江戸時代であったり、文明開化のハイカラな町並やカフェであったり、そこに役者が立ち振る舞うような作品。
立ち読み可

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

どなたでも編集できます