←
あなたが立ち上がり、剣を鞘に収めるのとほぼ同時に、二人はあなたの下へ駆け寄ってきた。
倒れる獣をちらりと見た後、すぐに部屋内の警戒に移る。
死した獣の顔は、頭部の骨が尽く砕け、奇怪な形に変形している。
だが何とか、熊のそれであるとあなたは確信した。
高速での奇襲の最中では観察できなかったが、落ち着いて見れば間違いない。
首に剣を振り下ろした際の異常な抵抗も、魔術師の語った特徴と一致している。
>>↓1 どうする?
周囲警戒に熊が殴りつけていたものを観察
【14:30】
警戒を二人に任せ、あなたは地面を調べる。
熊の死体の周囲、執拗に殴りつけられた箇所は、酷く陥没している。
もしブーツの魔力を用いず、通常の接近戦を仕掛けていたならば、足を取られた事は間違いない。
あなたは自身の判断を振り返り、選択は正しかったと安堵した。
殴り掘られた地面の穴の中、そこには原型を留めない何かがある。
恐らくは動物だろう。
粉々になった骨や肉の欠片から、それだけは確かだ。
武器や防具らしき物は見当たらない事から、人間ではないと思われる。
他の穴、合計四つのそれらからも、似たような痕跡が見つかった。
一つの穴にある残骸は少ない。
小型の生物なのか、あるいは熊の腕力によって四つに引きちぎられたのか。
いずれも損傷は酷い。
残骸の正体を探るには、それなりの時間がかかるだろう。
>>↓1 どうする?
少女に索敵を任せて少年と分担して観察する
熊は、本来このエリアには立ち入らないはずだと、あなたは知っている。
少年と魔術師の情報によるものだ。
それが何故か移動してきてしまった理由は、恐らくこの残骸にあるはずだ。
あなたと少年は、分担して穴の中を調査する。
指先で摘める程度にまで分解され、半ば土に埋もれた欠片を選り分ける。
気の遠くなるような作業である。
穴の中に充満する濃密な死臭も、あなたの意思に爪を立てるようだった。
>>↓1 コンマ判定 【時間短縮 / あなた】
意思 3
目標値 3
>>↓2 コンマ判定 【時間短縮 / 少年】
意思 8
目標値 8
【時間短縮 / あなた】
目標値 3 出目 4
失敗……
【時間短縮 / 少年】
目標値 8 出目 9
失敗……
あなた達の作業は遅々として進まない。
ひたすらに血と肉と骨に向き合う。
神経に鑢をかけるような時間は、酷く長々と続いた。
【16:00】
もう無理だ、諦めてしまおうか。
そんな考えが頭を支配し始めた頃、ようやくあなたは一つの、しかし十分な手がかりを発見した。
土を掘り返して発見した物は、半分に千切れた、先端の尖った耳だった。
かなり巨大であり、千切れる前はあなたの頭程もあっただろうと予想される。
あなたは、それの持ち主に心当たりがある。
森の北に棲むはずのエルフ達。
裸の猿に似た異形の彼らは、これに良く似た耳をもっていたはずだ。
発見に気付いた少年が、一つの仮説を立てる。
あなた達がエルフの縄張りを脱出した時、そこには明確な異物が存在していた。
異物に遭遇していないために、正体までは分からない。
だがもし、弱体化したエルフ達を縄張りから追い立てる事が出来る程の生物であったならば?
追われたエルフ達は西へ逃げたのかも知れない、と少年は語る。
一度西へ逃げ、回復を待とうとしたのかも知れない、と。
そこには既存の魔物達が居る。
当然争いになっただろう。
そうしてエルフ達は熊と戦い敗北し、必死に逃げるもこの部屋で捕まった。
これは少年の仮説に過ぎない。
だがもし正解ならば、既に縄張りは滅茶苦茶に入り乱れている可能性が高い。
情報は確度を損なっていると判断すべきだろう。
少なくとも、熊がありえない地点に出現した事だけは、変えようのない事実なのだ。
倒れた熊の顔を良く良く観察すれば、あなたが刻んだ覚えのない傷が、鼻先に見つかった。
鋭い刃物で一閃されたような傷跡からは、ほんの僅かに魔力の残滓が感じられる。
エルフは、これを刻んでしまったために付け狙われたのだろうか。
>>↓1 どうする?
熊の胆を摘出しよう
調査を終えたあなた達は、次に熊の解体に取り掛かった。
第一の狙いは胆……つまり肝臓である。
魔術師は、この熊の肝臓には強い薬効があると言っていた。
しかるべき所に持ち込めば、高い値がつくとも。
食べて良し、売って良し、間違いのない部位である。
問題は、内蔵を取り出すのだから当然腹を割らなければならない点だ。
死してもなお、熊の毛と皮は刃を阻む。
少女から借り受けた魔力製の短剣をもってしても、作業は容易ではなかった。
◆ 情報源が 【食道楽の魔術師】 のため、判定に自動成功します。
◆ 【豪腕熊の肝臓】 を獲得しました。
汗だくになったあなたの前で、陰部から鳩尾までを切り開かれた熊が、その赤黒い内臓を晒している。
あなたの腕の中にはずしりと重い、両手でも余るほど巨大な肝臓。
食材の完璧な摘出法を教えてくれた魔術師に感謝すべきだろう。
それは一つの瑕もなく、間違いなく最高の状態だと、あなた達にも判断できた。
【16:45】
あなたは更に魔術師の言葉を思い出す。
熊の肝臓は、殺害から半日以内に食すべきだという。
また、売り払うならば三日以内が良いとも。
どちらにするにしても、時間の猶予は問題ないだろう。
>>↓1 どうする?
熊の死骸から他に利用出来るものがないかな
と言っても毛皮くらいだろうけど、それについて2人とも相談したい
あなた達は、他に何が価値を持つかを相談し合う。
折角仕留めた大物である。
肝臓だけで済ませるというのも勿体無い話だ。
『まず考えられるのは、毛皮でしょうね。
あなたの一撃を受け止めるなんて尋常な強度ではありません。
防具に加工できれば、心強いかと思います。
……その割に、街の店で見た事がないのが気になりますが』
『爪はだめそうね、案外短いわ。
短剣にするにも足りなさそう。
後は……骨とか?
あんたにかかれば粉々みたいだけど、滅茶苦茶硬いわよ、これ。
何に使えるか、ってのは全然思いつかないけど』
二人が思いついたのは、この位のようだ。
また、あなたは魔術師の言葉を思い出す。
熊の可食部が持つ、その効果の詳細である。
【豪腕熊の肝臓】
状態異常 【腹痛】 の発生を抑制する。
また、状態異常 【朦朧】 の内、物理的被害を原因とする物の発生を抑制する。
【豪腕熊の肉】
状態異常 【腹痛】 【疲労】 の発生を抑制する。
>>↓1 どうする?
全部持って帰ろうとこころみる
判断が難しい?
それなら話は簡単だ。
全て持って帰れば良い。
……誰もが、こいつは馬鹿だ、と確信するその考えが、あなたの結論だった。
【重量物の運搬】
筋力 9
過重 -12 (体重÷50)
目標値 -3 (自動失敗)
あなたは馬鹿です。
あんたは馬鹿だわ。
異口同音に責め立てる声が、熊に潰されるあなたに届いた。
だが、やってやれなくはない、とあなたは感じた。
フィジカル・ブーストを全力で使用すれば、莫大な時間はかかるだろうが、持ち帰る事が出来るかも知れない。
ただし、それでも熊を完全に持ち上げる事は出来ない。
巨大な体の大半は地面を擦る事になり、品質が落ちる可能性はあるだろう。
>>↓1 どうする?
腕、脚の骨、毛皮を4分の3ほど持ち、肉を持てるだけ持っていく
ブースト筋力は6
【17:15】
熊の下から這い出たあなたは、流石に反省する。
地面から背中までで、人の背丈と同じだけあるのだ。
とてもではないが困難極まる。
再びの相談の結果、無難に熊を解体し、骨と毛皮、余裕が残れば肉を持っていく事とした。
少女が作り出した短剣を持ち、あなたと少年は解体に取り掛かる。
残った少女は周囲の警戒である。
今は夕刻。
活動している魔物は少ないはずだが、絶対ではない。
当然の備えと言えた。
>>↓1 コンマ判定 【時間短縮】
筋力 9
武器 3 (魔力製の短剣)
耐物 -9 (75%軽減)
目標値 3
【時間短縮】
目標値 3 出目 8
失敗……
あなた達は汗と血に塗れながら、必死に解体を行う。
しかし、熊の強靭さの前に、業物の短剣すら悲鳴を上げている。
本当に腕や足から骨を取り出すなど可能なのか。
そんな疑問が湧き上がるのを抑える事は、どのような精神の持ち主だろうと不可能事に違いない。
【18:30】
肉を切る音だけが響く中、時間は無慈悲に流れていく。
……夜になった。
魔物達が身を潜める時は過ぎ去ったのだ。
流れる血の臭いを嗅ぎつけた獣が、闇に紛れていないなどと、今や誰にも保証できない。
>>↓1 コンマ判定 【不運の回避 / ランダムエンカウント】
幸運 9
血臭 -3
目標値 6
【不運の回避 / ランダムエンカウント】
目標値 6 出目 8
失敗……
◆ 追加判定が発生します。
>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】
幸運 9
繚乱 -2
目標値 7
【不運の回避】
目標値 7 出目 1
クリティカル!!
突然、警戒を続けていた少女が声を上げた。
あなた達が作業の手を止めて確認すれば、何者かの足音がするという。
当然、解体など続けている場合ではない。
すぐさま武器を抜き、いつ襲われても良いように身構える。
……が、それはすぐに無用の物と判断された。
部屋に踏み入ってきたのは、魔物ではなかった。
霧の向こうには、明かりを持つ二足歩行の姿がある。
人間だ。
その相手は、害意がない事を告げながら、あなた達に近付く。
現れたのは……。
1) 立派な鎧に身を包む、水筒を譲ってくれた戦士の男だ。
2) 不自然なほど軽装の、杖を持った長身の女だ。
3) 大斧を担いだ背の低い、長い髭を生やした男だ。
>>↓1 選択して下さい。
3
現れたのは、背の低い男だった。
しかし、それは体格に劣っているという訳ではない。
腕は丸太のように太く、腹は樽のように分厚い。
筋肉の塊。
そう呼んで間違いのない体である。
背に負った大斧も、問題なく振るえるに違いない。
『おう、お前さんがた。
こんだけ血の臭いが流れるまで何やっとんだ。
狼共の良い餌だぞ』
男は咎めるように低い声で言う。
それに対し反発したのは、少女であった。
『……あんたの体臭よかマシよ。
第一、狼風情が私達の相手になる訳ないでしょ。
とろっくさいどっかの連中と違ってね』
あなたは驚きに目を剥く。
どう好意的に解釈しても……いや、そもそもそんな事は不可能だ。
明確に罵倒以外の何物でもない。
男の怒りを予想し、慌てて謝罪を口にしようとする。
しかし、その前に男は笑って答えた。
『ははは、小娘が言いよる。
ま、そんな事はどうでもいいわい。
見たとこ熊の解体だな。
随分と手際悪い事やっとるじゃないか。
どれ、いっちょコツでも教えてやるか』
ズカズカと歩み寄った男は、あなたの手から短剣を奪い、熊へと突き立てる。
そして、効率の良い解体法を説明しつつ、実演した。
あなたの目が正しければ、男の力はあなた程ではない。
だというのに、熊の腕は見る見るうちに切り開かれ、頑丈な骨を露わにする。
『ほれ、こんなもんだ。
やり方は分かったな?
ワシは仲間を待たせとるからもう行くぞ。
お前さん方もさっさと終わらせて、ここを離れるこった。
……ん?
そういやあ、なんでここに熊なんぞおるんだ?』
◆ 豪腕熊の解体終了までの時間が短縮されます。
■ 大斧を担いだ戦士
◆ 特殊能力
【素材知識】
このキャラクターは、武器や防具の素材に精通している。
素材の持つ価値や利用法、解体や採掘のコツを把握している。
一部アイテムの知識判定と、獲得のための時間短縮判定に自動成功する。
【19:30】
魔物の縄張りが混乱しているかも知れない。
という情報を、コツのお礼に受け取った男は上機嫌で去っていく。
それを盛大な舌打ちで見送った少女は、珍しく少年に耳を引っ張られていた。
さて、背の低い男のお陰で、熊の解体は完了した。
腕と脚の骨の内、特に頑丈そうな物。
剥ぎ取り折り畳んだ毛皮。
そして、持てるだけの肉。
十分な収穫であると、あなた達は満足した事だろう。
◆ 獲得物一覧
【豪腕熊の肝臓】
【豪腕熊の腕骨 x2】
【豪腕熊の脚骨 x2】
【豪腕熊の毛皮 / 75%】
【豪腕熊の肉 x3】
肉と肝臓を荷物に詰め込み、毛皮を二人に託す。
そしてあなたは全身の筋肉を強化し、長く重い骨を持ち上げた。
熊本体の重みには遠いが、それでも凄まじい重量である。
しかし、耐えられない程ではない。
あなたは試しに数歩歩き、それを確信した。
街に帰る頃には疲労困憊は確実だが、持ち帰る事自体は可能なはずだ。
【19:30】
◆ = 現在位置
森に漂う霧のお陰で、戦闘で消費された魔力は十分に回復している。
魔力喪失の心配は、少なくとも迷宮内ではありえないだろう。
勿論、このまままっすぐに街へ向かうならば、の話だが。
>>↓1 どうする?
まっすぐ帰ろう
これだけの大荷物を持って探索を続けるなどありえない。
あなた達は即時帰還を満場一致で決定した。
今現在居る大部屋から町へ戻るルートは二つ。
選んだのは……。
1) 北から出て通路を進む。
2) 南から出て小部屋を経由する。
>>↓1
北から行こう
【19:45】
最も荷物を持ち、即座の対応が難しいあなたを中心に、通路を進む。
最初の分かれ道は、当然東へ。
そのまま足を止める事なく、順調に二つ目の分かれ道に差し掛かる。
ところで、あなた達はつい先程まで熊の解体を行っていた。
血と脂に塗れて、である。
言うまでもないが、周囲には血の香りが振り撒かれているに違いない。
>>↓1 コンマ判定 【不運の回避 / ランダムエンカウント】
幸運 9
血臭 -3
目標値 6
【不運の回避 / ランダムエンカウント】
目標値 6 出目 5
成功!
【20:00】
道程は今の所、何の問題もない。
小部屋を通り過ぎ、曲がる通路へと踏み込む。
出口は目と鼻の先。
緩みかける心を引き締め直し、あなた達は警戒を続ける。
>>↓1 コンマ判定 【不運の回避 / ランダムエンカウント】
幸運 9
血臭 -3
目標値 6
【不運の回避 / ランダムエンカウント】
目標値 6 出目 6
かろうじて成功……
少女が忙しなく耳を動かし、あなたと少年を急かす。
どうやら、何かの音を捉えたようだ。
未だ距離は遠く、完全に臭いを捕捉された訳ではなさそうだ。
しかし、近くに危険が迫っている事は間違いない。
あなたは更に力を振り絞り、懸命に足を速める。
そうして、入り口の広間に到達し、あなた達は安堵の笑みを交わしあった。
担いでいた骨を一度下ろし、重荷のために痛みを発する腕をほぐす。
ここから先は安全が保証されている。
全ての障害は、結局あなた達に追いつく事は出来なかったのだ。
■ ステータスが更新されます
【女性 / 19歳】
【筋力】 9 【耐久】 7
【敏捷】 1 【感覚】 7
【知識】 1 【意志】 3
【魔力】 8 【幸運】 9
【魔法剣士】
低難度の魔力行使が確実に成功する
物理攻撃時、魔力を消費する事で威力を増加させるコマンドを任意で使用可能
【探索目的】
迷宮の主の撃破
■ 所持品一覧
【使い慣れた双剣】 E
【蜘蛛甲と鹿革の兜 +1】 E
【大蜘蛛の面頬】 E
【鉄製のネックガード +1】 E
【使い慣れた皮鎧】 E
【鹿革製のリュック】 E
【大蜘蛛のガントレット】 E
【異形の手袋】 E
【ブーツ・オブ・ライトニング】 E
【大型ウェストバッグ】 E
【投石用の石 x28】
【堅焼きビスケット x11】
【干し肉 x10】
【?水筒 / 100%】
【水袋 / 100%】
【ポーション x3】
【方位磁石 x2】
【携帯用調理器具一式】
【松明】
【植物油 x2】
【地図用羊皮紙 x2】
【描きかけの地図 / 白の森・入り口】
【描きかけの地図 / 白の森・猿の縄張り】
【描きかけの地図 / 白の森・最奥部への道】
【大英雄の剣片】
■ パーティーの共有品
【大蜘蛛の爪の欠片 x4】
【木製の投石器 x2】
【木製の投槍器】
【豪腕熊の肝臓】 ← NEW
【豪腕熊の腕骨 x2】 ← NEW
【豪腕熊の脚骨 x2】 ← NEW
【豪腕熊の毛皮 / 75%】 ← NEW
【豪腕熊の肉 x3】 ← NEW
■ 預かり中
【使い慣れたガントレット】
【使い慣れたブーツ】
■ 所持金
480 Kootz
※ アイテムの持ち帰り鑑定に成功しました、情報が開示されます。
■ 豪腕熊の肝臓
価値 : A-
高い価値を持つ臓器。
そのまま食べても胃腸を整え、視界の揺らぎを防ぐ効果を持つが、加工する事で効果を増す。
加工後の薬は主に視覚に効能があり、一時的ではあるが劇的に視力を向上させる事が出来る。
極めて大きな需要があるが、それに対して供給は余りにも少ない。
完全な状態で摘出されているため、価値が上昇している。
■ 豪腕熊の腕骨
価値 : C+
太く長く重く、そして骨としては異常な硬度を誇る。
多少の加工を施す事で、鈍器として使用できる。
ただし、補修が出来ず、メンテナンスも難しいため、需要はほぼない。
大抵の場合は薬剤の素材として扱われ、男性向けの精力剤に加工される。
同種の薬の中では頭一つ抜けた効果を持ち、需要が高い。
■ 豪腕熊の脚骨
価値 : C+
太く強固な骨。
主に薬剤の素材として扱われ、男性向けの精力剤に加工される。
同種の薬の中では頭一つ抜けた効果を持ち、需要が高い。
■ 豪腕熊の毛皮
価値 : B
驚異的な防御性能を誇る、生物の物だとは信じ難い毛皮。
しかし、その強靭さが災いし、加工は極めて困難。
完成品の需要は高く、店に並んでいる事は殆どない。
■ 豪腕熊の肉
価値 : C
肉ではあるが、そのまま食べられる事は殆どない。
専ら薬剤の素材として扱われ、男性向けの精力剤に加工される。
高い効果を持つが、骨を素材とする物よりも一段落ちる。
【22:15】
あなた達は重く圧し掛かる荷の量にウンザリとしながらも、何とか街へと帰還した。
最も負担が大きいのは、勿論あなたである。
迷宮を出てからは脚の骨を二人に持ってもらったとは言え、それでも常人の背負える量ではない。
街の灯が見え始めた辺りで魔力が尽き、身体強化が扱えなくなってからは特に酷い物だった。
門をくぐる時には、情けなく脚が震えていたほどだ。
さて、現在は深夜である。
確かに、領主の尽力によって通りには灯りが点されている。
だが、だからといってこのような時間に出歩く者は少なく、必然的に開いている店などそうそうない。
>>↓1 どうする?
まずは魔道具店で骨売ろう(開いてなかったらごめんなさい)
【22:45】
手持ちの戦利品の中で、最も大きく重いのは、四本の骨である。
まずはこれをどうにかしよう、とあなた達は考えた。
向かう先は魔道具店。
魔道具店といえば錬金術師、錬金術師といえば薬品。
薬の素材である骨を売り捌くには最適なのではないか。
そういった判断である。
が、あなた達は、店の前で肩を落とす事になった。
扉は堅く閉ざされ、閉店中を示す札が無慈悲に揺れている。
……店は、住居と一体化したタイプの物である。
あなた達が望むなら、扉を叩いて大声を上げ、店主を無理に起こす事も可能ではあろう。
>>↓1 どうする?
食い道楽探しに酒場へ
扉を叩こうと手を振り上げた少女を、あなたは止めた。
無理に起こして売却を持ちかけた所で、相手の心象は最悪そのものだろう。
良い結果になるとは、とても思えなかった。
あなた達は骨の処分を一旦諦め、肉をどうにかしようと話し合った。
迷宮の魔物の例に漏れず、熊の肉もまた足が早い。
明日の朝には、素材としてはともかく、食用には厳しい状態になっているだろう。
一度地獄の苦しみを経験しているあなたは、特にそれに警戒している。
そういう事で、あなたは酒場へ向かう事を提案した。
あわよくば食道楽の魔術師が居れば、何か良い知恵を貰える可能性もある。
提案は二人にも受け入れられ、あなた達は重い足を引き摺り、酒場を目指す。
>>↓1 コンマ判定 【街の様子】
感覚 7
目標値 7
【街の様子】
目標値 7 出目 8
失敗……
あなた達はろくに通りを観察する余裕もなく歩き、酒場に到着した。
どうか、魔術師がここに居ますように。
そう祈りつつ、扉を開ける。
……残念ながら、祈りは届かなかったようだ。
店は開いており、人影も少しはあるが、その中にあの陰気な変人の姿はない。
また、昼間は毎回見かけた戦士の男も見当たらない。
どうやら昼夜で客層が違うようだ。
>>↓1 どうする?
酒場のマスターに商談してみる
【23:15】
『熊の肉?
……明日の朝までですか。
ふぅむ、少々難しいですね』
白髪白髭の紳士然とした酒場の主は、買取に難色を示した。
期限を気にしているようだが、それも致し方のない所である。
保存の利かない魔物の肉など、その場で売り捌ける保証がなければそうそう手の出る物ではない。
『申し訳ありませんが、買取はお断りさせて下さい。
勿論、今食べて行かれるのでしたら、調理させて頂くのは構いませんが』
>>↓1 コンマ判定 【幸運な出来事】
幸運 9
目標値 9
【幸運な出来事】
目標値 9 出目 7
成功!
そこへ、酒場の席の一つから、突然声が割り込んだ。
『おう、あの豪腕熊の肉か?
いいじゃねぇか、俺が買い取るぜ。
何せこの後お楽しみだからよ!』
いかにも粗野、といった声の主に振り向けば、娼婦を侍らせる大柄な男がそこに居た。
女の肩に手を回して胸を鷲掴み、口元をニヤニヤと歪めている。
相当な金を持っていると一目で分かる。
着ている服は上等な仕立てで、とてもではないが庶民に手の出る類ではない。
しかしそれは余りに男の雰囲気とそぐわない。
この男にはもっとボロボロの、それこそゴミ山から拾ってきたような使い古しの服こそが似合うだろう。
あなたはその男に見覚えがあった。
以前もこの酒場で娼婦を連れていた、ハンマーを武器とする冒険者である。
粗野な男は、肉の塊三つに合わせて 【4000 Kootz】 の値を付けた。
更に、交渉したいなら幾らでも付き合う、とも言っている。
>>↓1 どうする?
なら試しに軽く吹っ掛けてみる
あなたは交渉に臨む事にした。
戦利品は高く売れるに越した事はない。
交渉を受け付ける、と相手が言っている以上、やってみる価値はあるはずだ。
あなた達の中で、最もこういった事に長けていそうなのは、少年である。
少年は自発的に粗野な男の前に出て、口を開いたが……。
『あぁ?
野郎は引っ込んでろ。
突っ込む穴もねぇ奴が俺の前に立ってんじゃねぇよ』
男は突如不機嫌になり、少年を睨む。
どうやらあなたか、もしくは少女との交渉以外は難しそうだ。
>>↓1 誰が幾らふっかける?
貴女
2個で4000
1個を今みんなで食おう
少年の代わりにあなたが前に出る。
まずは試しに、少々吹っ掛けてみる事とした。
三個で4000の所を、二個で4000。
これはどうか、と様子を見る。
『おう、それなら三枚でいいぜ。
顔を晒してから三枚脱いだらその値で買ってやるよ』
粗野な男は、最高のジョークを言ったとばかりに胸を張り大笑いする。
嫉妬の演技を見せる娼婦をおざなりに宥め、ニヤニヤとあなたを見つめた。
あなたも当然気付いただろう。
この男は言葉とは裏腹に、真っ当な交渉などやる気がないのだ。
>>↓1 どうする?
断ってかえる
どう考えても論外であった。
この様子では、4000Kootzの値も適正かどうかは大いに疑問だ。
あなた達は無言で男に背を向け、酒場を後にする。
背に投げかけられた下品な言葉に、少女が怒鳴り返した所で、扉は激しい音と共に閉まった。
【23:30】
通りに出たあなた達は、怒りを撒き散らす少女を何とか落ち着かせた。
結局、酒場でも荷物は減らなかった。
重荷は徐々に体感重量を増していく。
>>↓1 どうする?
帰ろう
宿の主人を三日連続で叩き起こすのは忍びない
いやもう寝てるか?
あなた達は、すごすごと宿へ向かう。
荷物は何一つ減ってはいないが、宿の主人を三日連続で叩き起こすのは忍びない。
それに、余りに厄介な客だと思われてしまえば、宿泊を断られる可能性もあるかも知れないのだ。
【0:00】
が、無情にも宿の扉は既に閉ざされていた。
あなた達はその前で途方に暮れる。
……三度目、これで三度目である。
宿の主人が気分を害するのを恐れず、扉を叩くべきか。
それとも、この時間でも開いている奇特な宿を探すべきか。
あなた達三人は、そっと視線で相談し合う。
>>↓1 どうする?
開いてそうな連れ込み宿でも探す
『背に腹は変えられません。
……連れ込み宿を探しましょう。
踏み入った事はありませんが、裏通りにならあるはずです』
少年は苦虫を噛み潰したように言う。
少女もまた、嫌々ながらも仕方なし、という顔で頷く。
そしてあなたは……。
はて、連れ込み宿とは普通の宿とは何か違うのだろうか、と首を傾げた。
男女の経験など皆無であり、世間にも疎いあなたには、それが何を目的とした宿なのか理解不能であったのだ。
ともあれ、宿に当てがあるならば是非もない。
あなた達は少年を先頭に、裏通りを目指す。
裏通りは、夜の街の中で一際明るく照らされていた。
あちこちでかがり火が点され、表にはなかった人通りがこの時間でも十分にある。
開いている店も多い。
何やら怪しげな物を並べる異様な雰囲気の雑貨店。
耳が痛むような馬鹿笑いが通りまで響く酒場。
薄着の女性が店先で手招く館。
他にもこまごまとした謎の店が夜を彩っている。
そんな中に点在する連れ込み宿は、至極あっさりと見つかった。
三人で一部屋を借りたいと告げると、店主は無言で部屋の鍵を放って寄越す。
こうして、あなた達はようやく無事に宿に辿り付けた。
【0:30】
【所持金 480 → 430 Kootz】
荷物を降ろし、疲れからベッドに倒れこむあなたを、二人は妙な顔で見つめた。
何故そんな顔で見られるのか。
疑問に思うあなただが、二人は顔を見合わせたまま、答えなかった。
>>↓1 もう寝ますか?
寝る
大きなベッドの中央に横たわるあなたを、少女はぐいぐいと隅に押しやった。
そうして空いたスペースに少女が、あなたとは逆の隅に少年が収まる。
何故ベッドが一つしかないのか。
などと眠りかけの頭で考えたが、あなたが答えに至る事は当然ない。
変な事したらぶん殴るわよ、という少女の物騒な声を耳にしたのを最後に、あなたの意識は眠りの世界へ旅立った。
【8:30】
鎧戸の隙間から差し込む朝日によって、あなたは目を覚ました。
隣を見れば、二人は向かい合ったまま未だ眠っている。
互いの片手は緩く繋がれ、あなたに二人の仲の良さを教えてくれていた。
>>↓1 どうする?
一人で売りに行く
良く眠っているのを起こすのも忍びない。
あなたは音を立てないようにベッドを降りた。
荷の全てを一人で持つのは難しいが、幾らかでも売っておけば時間の節約になるだろう。
枕元に書置きを残し、荷を確認する。
あなたが持って行く物は……。
1) 腕の骨
2) 脚の骨
3) 肝臓
4) 肉
5) 毛皮
>>↓1 どれにする? (三個まで選択可能)
1、3
あなたは腕の骨と肝臓を持って行く事にした。
骨には何の変化も見当たらない。
対して、肝臓の方は変色が発生している。
魔術師によれば、素材としての品質には問題ないが、食すのは危険だという話だ。
食物の恐ろしさを嫌と言う程知ったあなたである。
頼まれたとしても食べる事はありえない。
静かに部屋を出て、鍵を閉める。
そのまま階を下り、店主へと事情を説明して通りに出た。
昨晩の喧騒はすっかり消え、裏通りは静まり返っている。
やはり、ここは夜にしか輝かないようだ。
【3日目 8:45】
さて、あなたの荷には、豪腕熊の腕骨と肝臓がある。
どこに向かうべきだろうか?
>>↓1 どうする?
薬屋で
あなたはまず、薬屋へ向かう。
熊の肝臓は加工する事で高価な薬になるという。
この選択は極自然な事であった。
【9:15】
冒険者向けの店が並ぶ区画。
そこを歩けば、目当ての店はすぐに見つかった。
何せ、酷い臭いである。
恐らくは薬草なのだろうが、緑の匂いも凝縮すれば悪臭と大差はないらしい。
眉をしかめながら、あなたは店へと踏み入る。
『あら、いらっしゃい。
こんな早くに何がご入用かしら?』
カウンターから声を掛けたのは、若々しい細身の女性であった。
薬師である事は明白だ。
その指先や、羽織ったローブのあちこちに草の汁らしき染みが見て取れる。
これに値を付けて欲しい。
あなたはそう薬師に答え、カウンターの上に肝臓と骨を乗せた。
薬師は目を丸くし、肝臓を眺める。
『……へぇ、凄いじゃない。
ここまで完璧な状態の物はそう見ないわ。
腕が良いのね』
一頻りあなたを賞賛した後、女性は買値を提示した。
■ 豪腕熊の腕骨
売却 : 1800 Kootz / 一本当たり
加工 : 360 Kootz / 一本当たり
◆ 加工後の薬
【熊骨の精力剤】
豪腕熊の腕骨一本につき、五個獲得可能。
6時間だけ、状態異常 【朦朧】 【疲労】 【衰弱】 に耐性を与える。
また、服用者が男性の場合、追加効果が発生する。
■ 豪腕熊の肝臓
売却 : 7500 Kootz
加工 : 1500 Kootz
◆ 加工後の薬
【熊肝の丸薬】
豪腕熊の肝臓一個につき、三個獲得可能。
1時間だけ、服用者の視力を劇的に引き上げる。
目視判定にプラス補正を与え、更に 【暗闇】 【距離】 などのマイナス補正を無効化する。
ただし、物理的な障害物によるマイナス補正は打ち消す事が出来ない。
あなたは悩みつつ、店の中を見渡した。
並んでいる薬は多岐に渡る。
胃痛、頭痛、解熱剤といった極普通の品から、
精力剤、媚薬、惚れ薬、などといった怪しげな物までだ。
薬の形状も液体から軟膏、丸薬と多種多様。
乱雑という言葉が実に良く似合う。
あなたも使用した事のあるポーションの隣に、鼠を殺すための薬品が並ぶような混沌振りなのだ。
また、あなたは薬師の背後の棚に並ぶ、薬の素材だろう物も発見した。
乾燥させた薬草類が大半だが、中には萎れた臓器や、透き通る鉱石も散見される。
あなたは提示された条件を前に、頭を働かせた。
>>↓1 どうする?
仲間と相談させてくれと言って引いたあとに少年少女よんで魔法具店にもいってみる
あなたは悩みに悩んだ結果、やはり一人で結論するのは難しいと判断した。
世間知らずが一人でどうにかするなど、無謀だったのかも知れない。
そう若干落ち込みながら、仲間と相談すると告げて荷と肝臓を回収する。
薬師は無理に止める事はせず、ひらひらと手を振ってあなたを見送った。
【9:45】
宿の前であなたと鉢合わせた少女は、眦を釣り上げてあなたを問い詰めた。
今回は問題なく全員揃っているのに、一人で先走るとは何事か、と。
援護を求めて少年を見るも、ニッコリと微笑んだまま何も言わない。
結局、少女の怒りはあなたが何も売らずに戻ってきた事を教え、頭を下げるまで続いたのだった。
【10:15】
さて、所変わって魔道具店である。
店主の老婆は、あなた達が持ち込んだ骨や肉、臓器をじろじろと眺め、口を開く。
『……なんで腕やら脚やら取ってきとんだい、あんたら。
こんなとこからじゃ、ろくな量作れやしないよ。
次からは背骨にしな。
薬の材料にするなら、あそこが一番上等だ』
バラせるから嵩張らないしね。
という老婆の助言は、あなた達に昨日の苦労を思い出させ、その肩を随分と重くしてくれた。
鑑定を終えた老婆は、あなた達に買取額などを提示した。
『言っとくけど、うちは魔力の入ってないもんは専門外だよ。
次からはこういうもんは薬屋に持ち込みな』
■ 豪腕熊の腕骨
売却 : 1800 Kootz / 一本当たり
加工 : 360 Kootz / 一本当たり
◆ 加工後の薬
【熊骨の精力剤】
豪腕熊の腕骨一本につき、五個獲得可能。
6時間だけ、状態異常 【朦朧】 【疲労】 【衰弱】 に耐性を与える。
また、服用者が男性の場合、追加効果が発生する。
■ 豪腕熊の脚骨
売却 : 1800 Kootz / 一本当たり
加工 : 360 Kootz / 一本当たり
◆ 加工後の薬
【熊骨の精力剤】
豪腕熊の脚骨一本につき、五個獲得可能。
6時間だけ、状態異常 【朦朧】 【疲労】 【衰弱】 に耐性を与える。
また、服用者が男性の場合、追加効果が発生する。
■ 豪腕熊の肝臓
売却 : 7500 Kootz
加工 : 1500 Kootz
◆ 加工後の薬
【熊肝の丸薬】
豪腕熊の肝臓一個につき、三個獲得可能。
1時間だけ、服用者の視力を劇的に引き上げる。
目視判定にプラス補正を与え、更に 【暗闇】 【距離】 などのマイナス補正を無効化する。
ただし、物理的な障害物によるマイナス補正は打ち消す事が出来ない。
■ 豪腕熊の肉
売却 : 1400 Kootz / 一個当たり
加工 : 280 Kootz / 一個当たり
◆ 加工後の薬
【熊の精力剤】
豪腕熊の肉一個につき、三個獲得可能。
3時間だけ、状態異常 【朦朧】 【疲労】 【衰弱】 に耐性を与える。
また、服用者が男性の場合、追加効果が発生する。
あなた達は条件を頭に入れ、三人で顔を突き合わせて相談する。
>>↓1 どうする?
売却はしない
老婆に腕のいい薬屋について聞いてみる
できれば複数のお店を
売却を取り止め、荷を仕舞い込みながら、老婆へと尋ねる。
腕の良い薬師を知らないか、と。
老婆は少し考え込んだ後、答える。
『教えるのは構わないけどね。
あんたらはそれを高く売りたいのかい?
それとも、質の良い薬が欲しいのかい?』
>>↓1 どちら?
質の高い薬とは?と聞く
『下手にあちこちの店を回って質の悪い薬を掴まされる、なんて馬鹿らしいだろう?
そういう意味さ。
うちより高い品質の薬を作れる店なんぞ、知らんよ。
並ぶのならあるがね。
同じ通りの、薬草臭い店を尋ねな。
あそこの店主は若いけど、良い腕をしてるよ。』
>>↓1 どうする?
戻りました。
再開していきます。
>>↓1 どうする?
肝臓腕骨一つずつ残して売却
加工もやってくれるなら肝臓と腕骨の加工もここで
【豪腕熊の腕骨】
【豪腕熊の脚骨 x2】
【豪腕熊の肉 x3】
を売却しました。
◆ 所持金 430 → 10030 Kootz
【豪腕熊の腕骨】
【豪腕熊の肝臓】
の加工を依頼します。
◆ 所持金 10030 → 8170 Kootz
『仕方ない、久しぶりにやってやるかね。
あぁ、あんた、ちょっと骨割るの手伝っていきな。
こんな婆さんに専門外の事やらせるんだ。
手間賃の内だよ、いいね?』
【3日目 10:45】
あなた達は老婆の手伝いを終えた。
砕かれた骨は鍋で煮込まれ、獣の脂独特の臭気を放っている。
老婆の話では、薬はすぐに出来る物ではないが、日を跨ぐ程でもないらしい。
また迷宮に向かう前に顔を出せば良いだろう。
◆ 3日目 14:00 以降に街に居た場合、自動獲得します
>>↓1 どうする?
防具屋に行く
昨日の戦利品の内、残るは毛皮のみとなった。
これを加工するにしろ、売却するにしろ、防具屋が適しているはずだ。
あなた達はそう考え、足を運んだ。
【11:00】
扉をくぐった瞬間に起こったのは、毎度の事である。
職人の少年があなたに駆け寄り、その手を握ったのだ。
まだ青い腫れが引かない顔に満面の笑みを浮かべ、あなたを歓迎する。
あなたの仲間である二人はそれを意外そうに見た後、良く似た悪戯な顔をする。
『あんたも隅に置けないわね。
ちゃっかり男捕まえてるなんてさ』
職人の少年は顔を真っ赤に染め、まだそこまでの関係では、と返す。
だが、その反応こそが異端の少年が待ち望んだ物だったらしい。
『まだ、という事はこれからそうなる予定なんですね。
良い事です。
僕は全力で応援しますよ』
慌てる職人を前にした彼は、実に楽しそうな笑顔であった。
さて、それはともかく毛皮である。
職人の少年が親方を呼び、査定が行われる。
『厄介な代物持ち込みやがったな。
こいつの加工は人手も時間もかかる。
悪いが、持ち込みでもそう安くはしてやれねぇぞ。
仕上がりも……そうだな、七日は見ておけ』
■ 豪腕熊の毛皮
売却 : 3000 Kootz / 25%につき
加工 : 2000 Kootz / 25%につき
※ 加工後の防具性能 (この値に、防具の基本性能が加算される)
防御補正 : 2
回避補正 : 0
◆ 特殊能力
【耐性 : 万能】
このアイテムは、あらゆる種類の最終的なダメージを50%軽減する。
>>↓1 どうする?
熊毛皮を防具3つ分加工してもらう
あなた達は毛皮を全て加工し、防具を三つ作成する事とした。
その内訳は……。
>>↓1 装備者と防護部位の組み合わせを三つ、指定して下さい。
毛皮75%しかないんだから3つ分しか出来ないんじゃないかな
注文は革鎧を三人分。
問題なく作成出来る量だとの事だ。
【豪腕熊の毛皮 / 75%】
の加工を依頼します。
◆ 所持金 8170 → 2170 Kootz
■ 豪腕熊革の革鎧
防御補正 3
回避補正 0
◆ 特殊能力
【耐性 : 万能】
このアイテムは、あらゆる種類の最終的なダメージを50%軽減する。
『よし、代金は丁度だな。
おう、お前ら!
お客さん方の寸法、きっちり測っとけ!』
◆ 10日目 11:00 以降に街に居た場合、自動獲得します
【3日目 11:30】
【所持金 2170 Kootz】
胴体の様々な寸法を測り終え、あなた達は解放された。
あなたや少年は特に問題なかったが、他人を敬遠しがちな少女には辛い時間だったようだ。
疲れたような顔で溜め息を吐いている。
>>↓1 どうする?
昼飯がてら酒場へ
と、その時、あなたの腹から小さな音が聞こえた。
考えてみれば、今日は朝から何も口にしていない。
二人もそれは同じであるらしく、酒場で食事をしようという提案は即座に可決された。
【12:00】
【所持金 2170 → 2150 Kootz】
あなた達は相変わらずの美味を堪能しながら、周囲を観察した。
店内には見慣れた二つの顔がある。
水筒の戦士と、食道楽の魔術師だ。
それぞれいつも通り一人きり。
戦士は杯の中の酒を、魔術師は豆料理を、じっと眺めている。
他の客の姿は、今の所ない。
>>↓1 どうする?
水筒の戦士に話しかける
話題は水筒の素材についてどこで手に入れたのかを
あなたは二人を残して席を立ち、屈強な戦士に声を掛けた。
荷物の中には、今も彼から譲って貰った水筒が入っている。
改めて礼の一つも伝えておこうと考えたのだ。
『ん……?
いや、すまない、どこかで会っただろうか?』
男は怪訝そうにあなたに問う。
忘れられていたかと残念に思いかけたあなたは、水筒を貰った時はフードを被っていた事に気付く。
その点について説明し、礼を伝えると、男は思い出したようだ。
『あぁ、あの時の。
構わん。
以前に言った通り、十分に予備のある物だ。
気にする必要はない』
ところで、あなたには一つ気になっている事があった。
水筒の素材である。
それなりの硬さを持ちながら鉱石ではなく、植物のような質感のそれ。
あなたはともかく、鑑定士すらも知らない素材の正体とは一体何なのか。
試しに聞いてみれば、男は特に隠す様子もなく、あっさりと答えた。
『あれは、タケ……という物で出来ているらしい。
私も実物を見た事はないが、節を幾つも連ねて真っ直ぐに天に伸びる植物だという話だ。
以前に、知り合いから大量に譲られてな。
東方の国では一般的な物のようだ』
■ 鑑定成功 ?水筒 → 竹製の水筒
『もし気に入ったのなら幾つか譲っても良い。
眠らせていても勿体無いばかりだからな』
男はやはり相変わらずのお人好し加減だ。
代金を取ろうなどという気は僅かすらもないらしい。
>>↓1 どうする?
せっかくだから2つ程お礼言ってもらう
くれると言うなら貰っておこう。
そう判断したあなたは、ありがたく申し出を受ける事にした。
『ん、そうか。
こちらとしても助かる。
場所ばかり取ってしまってな』
男は手を上げ、紳士風の店主を呼び寄せる。
『水筒の予備を二つ、持って来てくれ。
聞いていたかも知れないが、彼女に譲る事にする』
店主は恭しく頭を下げて承諾し、店の裏手へと回っていった。
程なくして戻ってきたその手には二つの竹。
◆ 【竹製の水筒 / 100% x2】 を獲得しました。
【12:15】
『さて、少し早いが今日はもう休もうと思っている。
他に何か用がなければ、私は行くが?』
>>↓1 どうする?
お礼と、戦士さんの進行具合はどうですか?と
訊ねる
あなたは竹について再度礼を言い、質問を投げかけた。
男の迷宮攻略、その進行状況についてである。
『……正直、全く進んでいないな。
私の目的は迷宮自体の攻略ではなく、一体の魔物の討伐だ。
だが、未だにまともな傷の一つも付けられていない。
砕かれた装備がただ増えるだけだ』
男の言葉に、あなたは初対面の時を思い出す。
あの時、男は割られた兜を片手に抱えていた。
恐らく敗北の帰りだったのだろう。
『そうだ、地図は持っているか?
奴の塒を記しておこう。
……極めて危険度の高い魔物だ、近寄らないよう気を付けろ』
◆ 地図情報が更新されます
■ 屈強な戦士
【探索目的】
豪腕熊変異種の討伐
【12:30】
男は念入りに、決して近付くな、と忠告を繰り返し、酒場の奥へと消えた。