【12:30】


男は念入りに、決して近付くな、と忠告を繰り返し、酒場の奥へと消えた。



>>↓1  どうする?

特に思い浮かばないから少年少女にやりたいこと聞こう
新調したい武器とかある?


『あんたも結構ちゃっかりしてるわよね。
 職人捕まえたり、水筒貰ったり。
 なんか意外だわ』


感心したように言う少女に、あなたは問いかけた。
何か街中でやりたい事や新調したい装備はないか、と。

あなた自身がやるべき事は、特に思い浮かばなかったのだ。
だが勿論パーティーである以上、あなたが予定の全てを決める必要はない。
二人の意見に従うのも良いだろう。


『僕は特にありませんね。
 武器は……使う機会がありませんでしたけど、短剣がありますし。
 防具も熊革で良いでしょう』

『私も今ので良いかな……。
 補充も必要ないし。
 薬が出来上がるまでそれぞれ自由行動でどう?』


少女は別れて適当に時間を潰す事を提案した。
とはいえ、どうしてもそうしたい、という雰囲気は感じられない。
あなたに異論があれば、引き止める事は容易いだろう。



>>↓1  どうする?

せっかくだし、一人でぶらつく


『そ、じゃあこっちは適当にぶらついてくるわ。
 時間になったら店の前で落ち合いましょ』


あなたは提案を承諾した。
少女は少年の手を引き、酒場を出て行く。

さて、あなたは完全な自由時間を手に入れた。
何をやるにも、どこへ訪れるも、止める者は誰も居ない。



>>↓1  どこへ行く? (区画単位でも店単位でも、あるいは運任せでブラついても構いません)


あなたは再び防具屋を訪れた。
注文内容に少し手を加えたかったためである。


『他の鎧の強化に……?
 いや、そりゃあ構わねぇけどよ。
 良い結果になるとは思えんぞ。
 他のもんと一緒にするには、こいつの革は分厚すぎる』



■ 熊革と鉄の鎧

防御補正 : 4
回避補正 : -1

【耐性 : 万能】

このアイテムは、あらゆる種類の最終的なダメージを50%軽減する。

【過剰重層】

このアイテムを装備している限り、様々な敏捷判定にマイナス補正を受ける。



『他のもんでも、大体こんな風になるだろうな。
 それでも良いなら、店に並べてる鎧から好きに選んでくれ』



>>↓1  どうする?

鹿皮の鎧をみる


あなたは返答を一旦保留して、店内に目を向ける。
見るべきは当然、鎧だ。



■ 革製の鎧

価格 : 700 Kootz

防御補正 : 1
回避補正 : 1


■ 緋色鹿革製の鎧

価格 : 1000 Kootz

防御補正 : 2
回避補正 : 1


■ 鉄製の鎧

価格 : 800 Kootz

防御補正 : 2
回避補正 : 0


■ 魔鉄製の鎧

価格 : 1700 Kootz

防御補正 : 3
回避補正 : 1


■ 大蜘蛛の鎧

価格 : 3200 Kootz

防御補正 : 4
回避補正 : 0


【所持金 2150 Kootz】



どうやら、現在並んでいるのはこれで全てのようだ。
あなたが望むなら、これらを熊革と組み合わせる事も出来る。
勿論、敏捷性と防御能力を引き換える事になるだろうが。



>>↓1  どうする?

鹿皮に付けた場合を見たい


『いやぁ、革同士でも辛いもんがあるぞ。
 薄くすれば折角の耐性がなくなっちまうし……』



■ 熊と鹿の革鎧

強化費用 : 1000 Kootz

防御補正 : 4
回避補正 : 0

【耐性 : 万能】

このアイテムは、あらゆる種類の最終的なダメージを50%軽減する。

【過剰重層】

このアイテムを装備している限り、様々な敏捷判定にマイナス補正を受ける。

>>↓1  どうする?

出ていき神殿へ
買うとしても相談必須


即断できる事ではなさそうだ。
あなたは一旦保留する事とした。


『おう、構わんぞ。
 そうだな、明後日までなら変更は受け付けられる。
 それ以降の変更だと、追加料金を貰う事になるから気をつけろ』





【3日目 12:45】



防具屋を出たあなたは、ふと思い立って神殿を探した。
特に理由はない。
強いて言えば、少年の事で頭の片隅に引っかかる物があったのかも知れない。

道行く人に尋ねれば、場所はすぐに判明した。
何せ、街の中心部近くにあるのだ。
あそこだよ、と指差された先を見れば、連なる屋根の向こうに尖塔が見える。
あなたは街人に礼を言い、歩を進める。


神殿は酷く豪奢であった。
壁には黄金の装飾が輝き、宝石で彩られた窓が煌いていた。
神殿前の広場には精緻な彫刻が施された噴水が置かれ、周囲を一流の職人が手を入れただろう木々が取り囲む。

どこの街でも神殿はこうなのか、とあなたは嘆息した。
足の治療のために金貨の山を求めた彼ららしい、と。


神殿の門は誰にでも開かれている。
ただし、彼らに何かを求めるならば、代価は他の何よりも高くつくだろう。



>>↓1  どうする?

どんな人がいて何をやってるか観察


あなたは噴水の縁に腰掛けて、周囲の観察を始めた。

神殿へ向かう人々は、それなりに多い。
彼らの奉る神は、迷宮を生むとされている。
今のこの街が迷宮の産物に拠って生かされている以上、それに祈るのは当然の成り行きである。

神殿の門をくぐる者は、大半が供物を手にしている。
神の教えの一つだ。

対価なしに、何かを受け取ってはならない。
名誉を求めるならば試練を。
幸福を求めるならば努力を。
加護を求めるならば供物を。
神殿と、そして神は、常に何かを求め続ける。

最も分かりやすいその例が、あなたの視界の中で展開される。


『おお、これは酷い。
 骨を折ってしまわれましたか。
 えぇ、しかしご安心下さい、綺麗に治して差し上げましょう。

 対価は……そうですね、これならば 【20000 Kootz】 で治療を行いますよ』


怪我人に呼ばれて出てきたふくよかな司祭が、笑顔で信徒へと告げていた。


【13:15】



信徒は泣き縋り慈悲を求めたが、司祭が折れる事はなかった。
対価を支払えない男は、折れた腕を抱えて、唇を噛み締めながら神殿を後にする。

その光景の気分の悪さに、あなたは吐き気を覚えたかも知れない。



>>↓1  どうする?

行っていない場所の街の探索@人気がない所は避ける


こんな所にもう用は無い。

あなたはそう考え、立ち上がる。
悪くなってしまった気分を立て直すために、足の向くままに歩き始めた。
人気のない場所は避けつつ、未だ見ていない場所を目指す。



>>↓1 コンマ判定 【幸運な出来事】

幸運 9

目標値 9


【幸運な出来事】

目標値 9  出目 6

成功!



適当に街中を歩くあなたは、人で賑わう区画を発見した。
市場である。

冒険者向けではなく、街の住人達が日頃活用する場なのだろう。
肉や野菜といった食料品が並び、威勢の良い呼び込みを響かせている。
乾燥させた草や小さな実を売るのは、恐らく香辛料を専門とする行商人か。
また、屋台も所狭しと置かれ、何かが焼ける香ばしい匂いを流している。


『お姉さんお姉さん、お花はいかがですか?』


市場を見て歩くあなたに声をかけたのは、幼い少女だった。
小さな手で籠を持ち、その中から取り出した白い花を差し出している。



>>↓1  【白い花】 を 【1 Kootz】 で購入しますか?

三つ買う


あなたは三枚の硬貨を渡し、三本の花を購入した。
少女は喜び、笑顔であなたに感謝を告げる。


そしてそのまま何を思ったのか、手を合わせて祈りを捧げ始めた。



>>↓1 コンマ判定 【?????】

幸運 7 (花売りの少女)

目標値 7


【?????】

目標値 7  出目 7

かろうじて成功……



少女の祈りは長い。
目を固く瞑ったまま、時折唸るような声を出している。

一体これは何なのか、どうすれば良いのか。
あなたの心中が困惑に支配されかけた頃、少女は手を解いた。


『えへへ、時間かかっちゃってごめんね!
 お買い上げありがとうございました!』


少女は再びあなたに感謝し、次の客を探して駆けていった。

残されるあなたの手には、三本の花。
何となくではあるが、花は瑞々しさを増しているように、あなたには思えた。



◆ 所持金 2150 → 2147 Kootz

◆ 【?白い花 x3】 を獲得しました。


【13:30】



花を仕舞い、あなたは周囲を見渡した。
ここは市場である。
探索に直接役立つような物は無いだろうが、何か求める物があれば探すのも良い。
また、特に得る物は無いと判断し、二人と合流する予定の店へ向かうのも自由だ。



>>↓1  どうする?

もっと荷物を運ぶために背負子がないか持ってる人いないか探す


あなたは市場の商品ではなく、商品を運び入れるための道具を探した。
背負子である。
それはそこら中に置かれ、簡単に見つけられる。

その中の一つ、商品を売り切ったのだろう空っぽの物を発見し、購入を持ちかけた。


『こんなもんならすぐ作れるし、別に構わないよ』



■ 【木製の背負子】

価格 : 50 Kootz

荷物を括りつけて背負うための道具。
特殊な能力は持たない。



>>↓1  購入しますか?

まぁやすいし
買おう


◆ 所持金 2147 → 2097 Kootz

◆ 【木製の背負子】 を獲得しました。



あなたは背負子を実際に背負ってみる。
背中を一杯に覆う程の大きさで、それなりにしっかりとした作りのようだ。
余程の重量物でない限り、問題なく乗せられるだろう。


買い物を終えたあなたは、そろそろ良い時間である事に気付いた。
二人を待たせる訳にはいかない。
市場を後にし、待ち合わせの魔道具店へと向かう。


【14:00】



店の前には、既に二人が立っていた。
とはいえ、長く待たせてしまった様子はない。


『薬はこっちで受け取っておいたわ。
 はいこれ』


少女は薬を手渡してくる。
小さな木の入れ物に入ったそれは、どれも丸薬のようだ。
もし容器が砕かれ散らばったとしても、拾い集めるのは難しくないだろう。


◆ 【熊骨の精力剤 x5】 【熊肝の丸薬 x3】 を獲得しました。


『さて、それでは迷宮に行きませんか?
 僕の事情もありますし、余裕を持って入っておきたいんです』


少年はそう提案した。

昨日あなた達が迷宮を出たのは夜の事である。
あなたが望むなら、もうしばらく街で活動する事も出来るだろう。
また、二人だけを迷宮に向かわせ、一人残る事も可能ではある。



>>↓1  どうする?

行こう


特に異論は無い。
あなた達は荷物を確認し合い、出発する。

また、背負子は少年が背負う事になった。
あなたは既にリュックを装備しており、少女は取り得である身軽さを損なう事を避けたのだ。
当然の消去法である。



【15:30】



入り口前の広間に辿り付く。
そこから見える森は、いつも通りの様子に見える。

しかし、あなた達は既に、魔物達の縄張りが混乱状態にあると知っている。
いつどこで、何が現れるかは、既に予測の付けようがない。

最大限に高めた警戒心を供に、あなた達は迷宮へと踏み入っていく。






>>↓1  どうする?

先ずは熊回収かな


まずは熊の死体を回収しようとあなた達は頷きあった。
取りきれなかった素材が、未だ残されている可能性もある。
資金はどれだけあっても困る事は無いのだ。

少女は自発的にあなたの前に出て、耳を動かしながら進む。
曲がる通路を道なりに、まずは最初の小部屋へと向かって。



>>↓1 コンマ判定 【目視】

感覚 7

白霧 -2

目標値 5


【目視】

目標値 5  出目 8

失敗……



何事もなく進めたのは、入り口の手前の角までだった。
少女は立ち止まり、恐らく鹿だとあなたに教える。
数は三。
僅かな音の差異から、オスが一体居る、とも。



>>↓1  どうする?

投石準備して様子見


あなたは荷物から石を取り出し、いつでも投擲出来るよう準備した。
そのまま角からちらりと顔だけ出し、鹿の様子を窺う。



>>↓1 コンマ判定 【魔物の行動変化】

幸運 9

目標値 9


【魔物の行動変化】

目標値 9  出目 10

ファンブル!!


追加判定が発生します。


>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】

幸運 9

繚乱 -2

目標値 7


【不運の回避】

目標値 7  出目 7

かろうじて成功……



霧の向こう、白く霞む小部屋の中に、突如別の色が混ざった。
それは真紅。
鹿らしき影の首から、鮮血が噴き出したのだ。

更に、一つだけに留まらない。
もう二つ、液体がぶちまけられ、獣が倒れる音が響く。

あなたが様子を見ている間に、何か異物がやって来たのだ。



>>↓1  どうする?

慎重に隠れて様子を伺う


あなたは様子見を続ける。
襲撃者の正体は不明。
今行動を起こすのは、得策とは思えなかった。

身を隠すあなた達の前で、血を失った鹿が息絶える。
それを確認できてから数分経っただろうか。

……未だ、何の動きもない。

もう少し待つべきか。
それとも動くべきか。

あなた達は視線だけで相談し合う。



>>↓1  どうする?

極力音を立てずに覗く


音と気配を殺し、あなたはじっと待機を続ける。
顔を小部屋に向けたまま、壁に体を預けてだ。

その甲斐はあった。
あなたの目の前で、樹上から六つの影が降りてくる。

皺だらけで毛のない、肌色の皮膚。
水死体のように膨らんだ頭。
そして特徴的に過ぎる大耳。

……エルフ達だと、あなたは確信した。
縄張りは、予想通り破られていたのだ。
本来ありえないはずの入り口付近での邂逅が、何よりの証左であった。

彼らは鹿から距離を取ったまま、小石を投げつけて確実な死を確認している。



>>↓1  どうする?

とりあえず隠れて観察


あなた達は更に観察を続ける。

エルフ達は、鹿の死を確認すると、その死体を二人がかりで持ち上げ、樹上へと消えた。
少女に振り向き、音の行方を確認する。

指で示された方向は、北西。
途中で止まる事なく、真っ直ぐに消えていったという。


直近の危険は消えた。
鹿は死に、エルフは去り、道を塞ぐものは何もない。


【16:15】


>>↓1  どうする?

熊の元へ


障害がないならば、当初の予定通りに行動すべきである。
幸い、エルフ達が向かった先は、熊の死体がある大部屋ではない。

あなた達は小部屋を抜け、西を目指した。





分かれ道に差し掛かり、あなた達は考える。
大部屋へ向かうために通る道は、西と南、どちらにすべきだろうか?

少女は、どちらからも音はしないと告げている。



>>↓1  どうする?

西


【16:30】


あなた達は西の通路を通り、大部屋へと至った。
ここまでは何の異常もなかった。
魔物が道を塞いでいる事もなく、部屋の入り口をあっさりとくぐる。

問題は、熊の死体自体にあった。
丸裸、という言葉が相応しいだろう。
残されていた毛皮の全てが奪い去られている。

また、骨にも幾つか抜けがあるようだ。
オマケとばかりに内臓も全てが消え、明らかに食い散らかされた跡が分かる。

あなた達はがっくりと肩を落とす。
素材が残されているかも知れないという希望は、今潰えた。
死体から獲得できる戦利品は、僅かだろう。



>>↓1  どうする?

皮無いか残念 骨と爪回収


それでも何もないよりはマシだ、とあなた達は熊に近付いた。

とりあえず、骨を回収しようと試みる。
と、そこで少年が不自然な点に気が付いた。

背骨の大部分が残っている。
それはおかしい、と言う。
普通に考えて、通りすがりの冒険者が持っていくならば、価値の高い背骨が優先されるはずだ。
それなのに、失われているのは太く大きな部位ばかりである。

とはいえ、昨日のあなた達のように価値ある部位を知らなかっただけという可能性も勿論ある。
背骨が回収できるならば、大きな問題ではないと、あなたは違和感を隅に押し退けた。


◆ 【豪腕熊の背骨 x3】 を獲得しました。


【17:00】


次にあなたは爪も確認したが、こちらは無くなっていた。

作業を終えて、あなたは天を見上げる。
木々の向こうは赤みを帯び始めていた。
魔物達が活動を控える、夕暮れ時の到来である。



>>↓1  どうする?

止めて朝を待つ


ここで朝を待とう。
あなたはそう提案した。
だが、即座に反対意見が上がる。


『ここで、ですか?
 それはちょっと危険なような……。
 熊の死臭に惹かれて何が寄ってくるか分かりませんよ。

 まぁ、熊も大蜘蛛と同じ、迷宮の強者のはずです。
 同じように魔物に接近を忌避させる効果がないとも限りませんけど』



>>↓1  どうする?

ならまだ倒してない蜘蛛の部屋に行こう


あなた達は地図を広げた。

迷宮で安全な休息を求めるならば、大蜘蛛の部屋が良いとあなたは知っている。
そして、大蜘蛛が巣を張る部屋に心当たりもあった。
最初の小部屋のすぐ北。

意思を確認し合い、あなた達は大部屋を目指した。


【17:30】



◆ = 現在位置



行きと同じ道を通り、何事もなく大部屋に到達した。
入り口を確認すれば、そこには間違いなく蜘蛛の糸がある。



>>↓1  どうする?

目視と魔力視、音で部屋内部の様子を探る
蜘蛛以外が居ないとも、食事中とも限らない


蜘蛛の糸は、間違いなく目の前にある。
だが、部屋の中に居るのが蜘蛛だけという保証はない。

あなた達は念には念を入れ、確実な確認を試みる。


>>↓1 コンマ判定 【目視】

感覚 7

白霧 -2

目標値 5


>>↓2 コンマ判定 【魔力視】

感覚 7

白霧 -4

目標値 3


【目視】

目標値 5  出目 6

失敗……


【魔力視】

目標値 3  出目 7

失敗……



しかし、目で確認出来る情報は何もなかった。

耳で探っていた少女は首を振る。
音は何もしないようだ。
少なくとも戦闘が行われていたり、食事の真っ最中である、などという事はなさそうである。



>>↓1  どうする?

松明の火で蜘蛛を挑発できるか相談


『えぇ、松明で十分でしょう。
 前回はこの子が変に無茶しただけですからね。
 糸に火を付ければ、蜘蛛は間違いなく飛んできます』

『おびき出して待ち伏せするなら、誘導するのは私がやるわ。
 私の足なら一番確実なはずよ』


二人は問題ないはずだと太鼓判を押してくれた。
後は、あなたの決断一つである。



>>↓1  どうする?

それでいこう


大まかな作戦は決定された。
以前と同じ、凶暴化させた大蜘蛛を、あなたが受け止めて仕留める。

最後に決めるべき事は、待ち伏せの位置だ。
現在位置から北側の通路か、それとも南の小部屋か。

通路の利点は、その狭さだ。
あなたが倒れない限り、後方に庇う二人に被害は出ないだろう。
しかし、もし危機に陥ったとして、手助けを行う余地は殆どない。

小部屋はその逆である。
何かあれば、二人は即座にあなたを助ける事が出来る。
代償は、確実な保証が得られない二人の安全だ。



>>↓1  どうする?

通路で


何よりも優先すべきは仲間の安全。
大蜘蛛は一度倒しており、防具は強化されている。
問題はないはずだと、あなたは信じた。


【17:45】


燃える松明が音を立て、木が燃える独特の臭気を放つ。
それを片手に持った少女が、部屋の入り口であなたへ振り返り頷く。
炎に照らされる顔は、森を包み始めた闇の中で、良く目立った。



>>↓1  自由に戦闘準備を行えます。

耐久全振りブーストとフラッシュ支援要請


ギチギチと、あなたのみが捉えられる音と共に、肉体が鎧と化す。
肌は鉄となり、肉は束ねられた鋼に置き換わる。
骨に至っては既にミスリルにも等しいだろう。

準備は整った。
手の内に小さな光を点す少年を背に、あなたは拳を握り締める。


少女が松明を部屋に近付け、そして戦闘が始まった。

大部屋の中から、明確な憎悪の気配を伴った絶叫が上がる。
続くのは、大剣を地面に振り下ろしたかのような轟音。
それが幾つも連続し、大蜘蛛がこちらに駆けてきているのだとあなたに伝えてくる。



>>↓1 コンマ判定 【敏捷対抗】

基準値 5

敏捷 8
距離 3

敏捷 -7 (大蜘蛛)

目標値 9


【敏捷対抗】

目標値 9  出目 6

成功!



『ほら、こっちよデカブツ!』


松明を振り回して挑発する少女が通路を駆け、あなたの背後へ抜ける。
入れ替わるように、大部屋から巨大な蜘蛛が飛び出した。

大岩のような腹部。
馬上槍じみた長さの脚。
黒々とした八つの瞳。
焼け焦げていた前回とは違い、全てが無傷のまま健在だ。

大蜘蛛は少女への憎悪を燃やしたまま、障害物たるあなたへと猛烈な速度で近付いてくる。

距離はあるが、敵も速い。
荷から何かを取り出す余裕など、ある訳もないだろう。



>>↓1  どうする?

ガントレットで防御


あなたは両腕を前に出し、防御に備えた。
接近された後の攻撃を十全に受け止めるためにだ。

地面を強く踏み締め、決して後ろに押される事のないように。

走る大蜘蛛は瞬く間にあなたを射程距離に捉えた。
鋭い爪が光る脚を、あなたの左肩から右腰までを切り裂くべく、袈裟切りに振り下ろされる!



>>↓1 コンマ判定 【物理的被害の軽減】

耐久 15
装備 4

目標値 19


【物理的被害の軽減】

目標値 19  出目 7

差 12



豪速で迫る蜘蛛の爪。
それをあなたは、ガントレットで弾き受け流した。
手には僅かの痺れもない。
衝撃は完全に防がれ、何の被害も生まなかったのだ。

爪の脅威をくぐりぬけ、あなたは一歩を詰める。


◆ 敏捷対抗 自動失敗


だがそこが限度だった。
大蜘蛛は、攻撃が防がれた事を何とも思っておらず、一切の動揺を起こしていない。
真っ当な生物ならば発生するはずの隙は、怒りに囚われるこの化け物には存在しないのだ。

一撃で倒れないならば二撃を放つまでと、次は右から、あなたの胴を薙ぐように脚が迫る。



>>↓1  どう対処する?

薙ぐ足を掴んで掴んだまま床なり何なりにたたきつけようと試みる


何とかして隙を作らなければ、急所に拳を叩き込む事も出来ない。
一か八か、迫る脚を掴んで体勢を崩そうと試みる。

脚は正確にあなたの胴を狙う。
それに合わせ、半ば叩きつけるように両手を振り下ろした。



>>↓1 コンマ判定 【筋力対抗】

基準値 5

筋力 9 (あなた)

筋力 -12 (大蜘蛛)

目標値 2


【筋力対抗】

目標値 2  出目 5

失敗……



しかし、あなたの豪腕を持ってしても、怒れる大蜘蛛を御す事は出来なかった。
馬上槍のごとき脚は、揺らぐ事もなく胴へと吸い込まれる。



>>↓1 コンマ判定 【物理的被害の軽減】

耐久 15
装備 1

目標値 16


【物理的被害の軽減】

目標値 16  出目 4

差 12



あなたに致命的な被害はない。
腹を裂こうとする斬撃には耐え切った。

だが、大蜘蛛の真の狙いは、そこではなかった。
あなたが命を落とすかどうかは、今のこの怪物にとって何の興味もない。
あるのはただ一つ。
自身の巣を燃やした少女をいかにして殺すか、それだけである。

邪魔な障害物を除去できるならば、それは死でも良いし、そして力任せに押し退ける事でも勿論良いのだ。



>>↓1 コンマ判定 【筋力対抗】

基準値 5

筋力 9 (あなた)

筋力 -12 (大蜘蛛)

目標値 2


【筋力対抗】

目標値 2  出目 8

失敗……



大蜘蛛の脚は、あっさりとあなたを弾き飛ばした。
通路の壁に叩きつけられながら、あなたは急激に沸き起こる焦燥を自覚した。

道が、完全に空いている。

最早怪物を止める障害物は何もない。
後方に庇っていた二人に、大蜘蛛の脅威が迫る。



その瞬間、少年は即座に行動した。
事前に準備していた光球。
それが凄まじい勢いで膨張し、通路の闇を払い、世界を白く染め上げる!


―――ところで、あなたは覚えているだろうか。




大蜘蛛との前回の戦いにおいての事だ。
振り下ろされた脚を、双剣をもって斬り飛ばした時、この生物がどのような反応をしたか。

何も反応しなかったのだ。

凶暴化した大蜘蛛は、脚を飛ばされた程度では一切の動揺を起こさない。
ならば、光で目を潰された場合はどうなるか?

答えは、あなたの眼前で今まさに展開されていた。



大蜘蛛の目は一時的に潰された。
しかし、攻撃を止める理由にはなりえない。
見えないならば空間の全てを潰せば良いと短絡的に、大岩じみた体を叩き付けんと突進する。

光は効果を上げなかった。
ただ仲間の視界を塞ぎ、攻撃をより避けにくい物へと変更しただけである。



>>↓1  どうする?

雷速で正面に回り込んで顔面に双剣魔力撃


最早考えている暇などなかった。
衝動が命じるまま、ブーツに宿る精霊の加護を起動させる。

一瞬後にあなたが立つのは、大蜘蛛の眼前。
突如出現した除去したはずの障害にも気を止めないその顔に、全力で双剣を振り下ろす!



>>↓1  魔力撃の威力を決定して下さい

魔力撃最大で


>>↓1 コンマ判定 【双剣の一撃】

筋力 9
武器 1
魔撃 8
急所 3

目標値 21


>>↓2 コンマ判定 【物理的被害の軽減】

耐久 15
防具 1

目標値 16


【双剣の一撃】

目標値 21  出目 8

差 13


【物理的被害の軽減】

目標値 16  出目 4

差 12



あなたの剣は、以前と全く同じ結果を引き出した。
即ち、頭部の切り飛ばし。
頭を失った大蜘蛛は、その生命活動を終わらせるはずだ。

しかし、それは即座に動きを止めるという訳ではない。
慣性の働くまま、その巨体はあなたを弾き飛ばして通路を進む。

少女の放った暴風が幾分かその勢いを減じさせるも、巨体を完全に押し留める事は不可能だ。

魔力によって強化されたあなたには、傷の一つもない。
だが果たして、あなたの仲間達は無事に済むだろうか?



>>↓1 コンマ判定 【物理的被害の軽減 / 少年】

耐久 5
防具 2

目標値 7


>>↓2 コンマ判定 【物理的被害の軽減 / 少女】

耐久 3
防具 2

目標値 5


【物理的被害の軽減 / 少年】

目標値 7  出目 9

失敗……


【物理的被害の軽減 / 少女】

目標値 5  出目 8

失敗……


大蜘蛛の体は、あなた達を巻き込んで進む。
転がり続けるあなたには、最早天も地も分からない。

既に死した蜘蛛は、やがて止まる。
仲間の無事を祈り、顔を上げたあなたが見た物は。



体を守る防具が変形し、口から大量の血を溢す少女と。
その隣に寄り添うように倒れる、少年の姿だった。



>>↓1 コンマ判定 【気絶抵抗 / 少年】

耐久 5

目標値 5


【気絶抵抗 / 少年】

目標値 5  出目 2

成功!


■ 所持品一覧

 【使い慣れた双剣】 E

 【蜘蛛甲と鹿革の兜 +1】 E
 【大蜘蛛の面頬】 E
 【鉄製のネックガード +1】 E

 【使い慣れた皮鎧】 E
 【鹿革製のリュック】 E

 【大蜘蛛のガントレット】 E
 【異形の手袋】 E

 【ブーツ・オブ・ライトニング】 E

 【大型ウェストバッグ】 E


 【投石用の石 x28】

 【堅焼きビスケット x11】
 【干し肉 x10】
 【竹製の水筒 / 100%】
 【水袋 / 100%】

 【ポーション x3】

 【方位磁石 x2】
 【携帯用調理器具一式】
 【松明】
 【植物油 x2】

 【地図用羊皮紙 x2】
 【描きかけの地図 / 白の森・入り口】
 【描きかけの地図 / 白の森・猿の縄張り】
 【描きかけの地図 / 白の森・最奥部への道】

 【大英雄の剣片】

 【?白い花 x3】


■ パーティーの共有品

 【大蜘蛛の爪の欠片 x4】

 【木製の投石器 x2】
 【木製の投槍器】
 【木製の背負子】 ← NEW

 【熊肝の丸薬 x3】 ← NEW
 【熊骨の精力剤 x5】 ← NEW


■ 預かり中

 【使い慣れたガントレット】
 【使い慣れたブーツ】

 【熊革の鎧 x3】 作成中 10日目 11:00 以降 受け取り可能


■ 所持金

 2097 Kootz


真っ赤な血溜まりは、刻々と広がって行く。
明確に死を予感させる痙攣を伴い、目を見開いたままの少女の口から。

……死んだ?
死んでしまったのか?
たった一つのミスで、こんなにも簡単に、殺してしまったのか?

湧き上がり責め立てる自分自身の思考に、あなたが狂気に囚われかけたその時。
倒れ付す少年の指が、ぴくりと動いた。

瞬間、あなたはその希望に縋り付いた。
半ば這うように駆け寄り、少年を抱き起こす。

苦しげに咳き込む少年は、少女を指差し、指示する。


『鎧……。
 鎧を、外してください。
 早く!』


少年は朦朧としながらも、自身の体を支えてられている。
あなたは返事をする暇も惜しんで少女の革鎧に手をかけ、双剣を用いて切り裂いた。


鎧と服を剥ぎ取った下には、惨状が広がっていた。
素人目にもはっきりと分かるほど、死の手前に少女は立っている。
胸部は形と色を変え、人間の体だとは容易に理解できない。

少年は即座に手を伸ばし、淡い光を放って治療を始める。
……だが、その顔は焦燥に満ちている。



>>↓1 コンマ判定 【延命 / ライト・キュア・ウーンズ】

耐久 3 (少女)
魔力 4 (少年)

目標値 7


【延命 / ライト・キュア・ウーンズ】

目標値 7  出目 8

失敗……



少年の必死の魔法により、少女の胸は僅かずつ癒されている。
だが、その速度は余りにも遅い。

少女の瞳から急速に光が失われていく。
既に、少女の死はすぐそこにある。
もしあなたが何かを試みるならば、これが最後の機会だろう。



>>↓1  どうする?

朦朧と衰弱にも効果あるんだよな
ポーションかけるだけかけるから
精力剤口の中で噛んで水含んで口移し


あなたは荷物を引っ繰り返してポーションを取り出した。
何もせず見てなどいられる訳がない。
全てのポーションを躊躇なく、少女の胸へとぶち撒ける。

更に、散らばった荷の内、一つの木箱が目に入る。

熊の骨を素材とした精力剤だ。
その効能は、肉体の活性化。
勿論、治療に効果があるとは聞いていない。
それでも、どれ程僅かな可能性だろうと、何もしないよりずっと良い。

震える指先を必死に抑え、丸薬を一つ取り出す。
そして、渾身の力を籠めて噛み砕き、水を含む。

少女は意識がない。
ならば飲み込ませる方法はただ一つ。

あなたは少女の顎を持ち上げ、口から口へと薬を流し込んだ。


少女の喉は、血に埋められている。
薬は口内に留まったまま、流れようとしない。
だが、それで十分だった。
薬師の魔力によって吸収を促されたそれは、瞬く間に少女の体内へと取り込まれる。


……あなたに出来る事は、全て行った。
後は、祈るのみである。



>>↓1 コンマ判定 【延命 / ライト・キュア・ウーンズ】

耐久 3 (少女)
魔力 4 (少年)
活性 1 (熊骨の精力剤 / 非正規用途)
薬効 1 (ポーション)

目標値 9


【延命 / ライト・キュア・ウーンズ】

目標値 9  出目 7

成功!



ごぽり、と少女の喉から音が響いた。
死の闇に飲まれかけていた瞳が光を宿す。
幾度か口から鮮血が飛び散り、開いた気道からか細い息が吐き出される。

明確な希望だった。
少女はまだ、命を繋いでいる。


少女は、少年の手を力なく握る。
しかし、その瞳は空を見つめたまま、意思が感じられない。

あなたが何度声をかけようと、一切の反応が見られない。


『……先程よりはマシですが、いつどうなってもおかしくありません。

 動かす猶予がない以上、ここで治療を続けます!
 周囲の警戒を!』





【18:15】



あなたは少年の指示に、周囲を見渡した。





現在位置は南北に伸びる通路の只中。
北の曲がり角よりも、大部屋の入り口の方がやや近い。
数歩離れた位置には大蜘蛛の死体が横たわっている。

大蜘蛛の近くに、あなたは光源を発見した。
松明である。
火が付けられたままのそれは、地面の草を焦がしている。
幸い燃え広がってはいないが、異臭と音はあなたにも十分に感じられるだろう。


また、あなたは警戒すべき魔物について思い浮かべた。

……だが、絞りきる事は出来ない。
今の森は、縄張りの境が酷い混乱状態にある。
どのような魔物がどこに出るか、一切予測のつけようがない。

ただし、一つの指標はある。
大蜘蛛は魔物を寄せ付けないという。
少なくとも蜘蛛の脅威を知る者は近寄らないのではないか、とあなたは感じた。


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