少女は、少年の手を力なく握る。
しかし、その瞳は空を見つめたまま、意思が感じられない。

あなたが何度声をかけようと、一切の反応が見られない。


『……先程よりはマシですが、いつどうなってもおかしくありません。

 動かす猶予がない以上、ここで治療を続けます!
 周囲の警戒を!』


あなたは少年の指示に、周囲を見渡した。





現在位置は南北に伸びる通路の只中。
北の曲がり角よりも、大部屋の入り口の方がやや近い。
数歩離れた位置には大蜘蛛の死体が横たわっている。

大蜘蛛の近くに、あなたは光源を発見した。
松明である。
火が付けられたままのそれは、地面の草を焦がしている。
幸い燃え広がってはいないが、異臭と音はあなたにも十分に感じられるだろう。


また、あなたは警戒すべき魔物について思い浮かべた。

……だが、絞りきる事は出来ない。
今の森は、縄張りの境が酷い混乱状態にある。
どのような魔物がどこに出るか、一切予測のつけようがない。

ただし、一つの指標はある。
大蜘蛛は魔物を寄せ付けないという。
少なくとも蜘蛛の脅威を知る者は近寄らないのではないか、とあなたは感じた。

>>↓1  どうする?

・両手に石
・精力剤使用
・北側警戒重点
・魔力は温存でいつでも使えるように



あなたはまず、少年の口に精力剤を放り込んだ。
少女の状態に気を取られていたが、少年とて蜘蛛の一撃を受けたのだ。
いつ倒れてもおかしくはなく、そうなれば少女の命はまず助からない。

少年は一度目を見開いたが、すぐにあなたの行動の理由に気付いたのだろう。
感謝の篭った視線を一瞬だけあなたに向け、再び治療に集中する。


それを確認して、あなたは石を握り込み北を睨んだ。
南には蜘蛛が巣を張った大部屋があり、更には死体までがある。
魔物はそうそう来ないはずだ、と判断したのだ。

魔力はすぐには使わない。
だが、強化の一歩手前、異変があれば即座に全開で回せるよう待機させる。



>>↓1 コンマ判定 【少女の治療】

耐久 3 (少女)
魔力 4 (少年)

目標値 7


【少女の治療】

目標値 7  出目 6

成功!



少年の治療は進む。
警戒を保ったまま横目で確認すれば、
松明の光に照らされる少女の顔は徐々に苦しみから遠のいているように、あなたには思えただろう。



>>↓1 コンマ判定 【不運の回避 / ランダムエンカウント】

幸運 9
蜘蛛 5

血臭 -3
繚乱 -2
松明 -1

目標値 8


【不運の回避 / ランダムエンカウント】

目標値 8  出目 2

成功!



周囲の魔物の気配はない。
やはり大蜘蛛の恩恵によるものだろう。

何事もなく、時間は過ぎていく。


【18:45】


焦燥だけが降り積もるような一時を越えて、少年が口を開く。


『……峠は越えた、と思います』


治療が終わった訳ではなく、少年の魔法は未だ使用し続ける必要はある。
だが少なくとも、ここから移動出来るだけの猶予は生まれたという。


『判断は、任せます。
 今はとても、冷静にはなれない』



>>↓1  どうする?

蜘蛛が巣を張っていた部屋に移動する


大蜘蛛の巣への移動を、あなたは決断した。
部屋の中には燃やしていない巣がそのまま残っているだろう。
万が一魔物の襲撃があったとして、上手く使えば時間を稼げる可能性は高い。

あなたは慎重に少女を抱き上げる。
未だ、意識はないようだ。
手足はだらりと垂れたまま、一切の力が抜けている。

少女の胸に癒しの光を当て続ける少年と共に、ゆっくりと移動する。
勿論、途中で松明を回収する事も忘れない。

自分達が巣に引っ掛かってはどうしようもない。
移動の分だけは焼き払う必要があり、それには松明が最適だろう。


【19:00】



部屋の中は、縦横無尽に糸が張られていた。

あなたは、蜘蛛の糸は魔力視によって捉えられると知っている。
当然の事として魔力を可視化させたあなたは、部屋に走る青い線の数に戦慄を覚えたかも知れない。
少女が生み出した剣ならば切れるとは言えど、この中を走って蜘蛛の攻撃を避けるのは難事であるのは間違いない。

だが、そんな事は今は関係ない。
部屋の中央までの道を焼き払い、少女を横たえた。

少年は何も言わず、少女の手を固く握って治療を続けている。



>>↓1  警戒以外に行いたい事があれば、自由に行動できます。

蜘蛛の卵がないか確認するのと各通路への道までの糸を燃やしておく



あなたは二人の下を離れ、周囲の確認と糸の焼却を行う。
たった一つの手落ちが、今のあなた達には致命の一撃ともなりえるのだ。
罠の有無を調べ退路を確保する。
それが今自分がやるべき事だと、あなたは信じた。


退路の確保は何事もなく終わる。
糸は酷く火に弱く、松明をかざして歩くだけで済むのだ。

問題はその途中。

あなたは、部屋の様子を十分に観察出来ただろうか?



>>↓1 コンマ判定 【目視】

感覚 7

目標値 7

※ 近距離であるため白霧を、光源があるため暗闇を無効化しています。


【目視】

目標値 7  出目 6

成功!



あなたは部屋の中にも、また退路の先に見える通路にも、異常が見当たらない事を確信した。
罠らしき物は見当たらない。

しかし、ただ一つ。
部屋の片隅に転がる異物を発見する。
それは、ただの石である。
灰色で平べったく、表面はすべすべとしている。
この森の中でならば、どこででも見つけられるだろう。

あなたがそれに目を留めた理由は、魔力である。
どう見てもただの石でしかないというのに、濃密とまでは言えないものの、確かに魔力を帯びている。


その正体に、あなたは気付けるだろうか?



>>↓1 コンマ判定 【魔道具知識】

知識 1

目標値 1


【魔道具知識】

目標値 1  出目 7

失敗……



残念ながら、石の詳細をあなたが知る事は出来ない。
しかし、曲りなりにも魔力を帯びた物体だ。
何かに役立つ事もあるかもしれないと、荷物へと仕舞い込む。


◆ 【?石】 を獲得しました。


捨てようと思うならばいつでも出来る。
不要と判断できるまでは、持っていても良いだろう。



【19:15】


やるべき事を終え、二人の下へ戻る。

治療は未だ続いている。
少年の様子を見れば、顔を幾筋もの汗が伝っていた。



>>↓1  どうする?

少年に無理やりにでも水を飲ませ、少女には口移し
花を二本にぎらせたあと警戒を続ける


少年に水を飲ませるべきだと、あなたは感じた。
全力での治療、その負担は決して軽くはないはずだ。
少しでも少年の体力をもたせるために、水分の補給は正しい選択であるとも思える。

差し出された水筒に、少年は礼を言い口を付けた。
その間も片手は少女の胸に当てられ、光を放ち続けている。

次に、あなたは少女にも水を与えようとしたが、それは少年に止められる。
無理に飲ませようとして気道にでも入れば、負担になるとの事だ。
下手をすれば地上で溺れるなどという事態にもなりかねない。
納得し、水筒を荷に戻す以外に手はないだろう。


そうして荷を開けた時、あなたはある物を見つける。
幼い少女が祈りを籠めていた、小さな白い花だ。

なんとはなしに花を取り出したあなたは、それを……。



>>↓1  白い花二本を誰に渡しますか?

少年少女に一本ずつ
お守りがわりに


あなたは、少女に一本の花を握らせ、少年にもう一本を手渡した。
特に考えがあっての事ではない。
ただ、花売りの少女が熱心に祈っていた事を思い出し、何かの気休めになればと思ったのだ。

少年は怪訝そうに、いや、むしろ邪魔をするなといった風に眉を顰める。
その瞬間。



【魔力抵抗】

魔力 8

権能 -999 (??????)

自動失敗



ぱちん、と音を立ててあなたの意識が断線した。


◆ 友好度判定……成功


あなたが意識を取り戻すまでにかかった時間は、一瞬という言葉すら長い。
少年は花を受け取った瞬間のまま。

ただ、突然その顔が驚きに染まり、そして緩む。
不思議に思うあなたへと、少年は告げた。


『……えぇ、謝罪は受け取りました。
 そこまで自分を責めないで下さい。
 僕達も、あなたに頼りすぎていたんだと思います』


あなたが抱いていただろう自責の念は、少年へと全てが伝わったようだ。
少年はそれを真摯な謝罪と受け止め、あなたを許した。

原因は勿論、たった今手渡した白い花であるに違いない。





◆ アイテムの鑑定に成功しました、情報を開示します。


■ 伝心の白花

◆ 特殊能力

【以心伝心】

このアイテムを他者に手渡した場合、対象に対して抱いている感情が正確に伝えられる。


【19:30】


少女を見れば、表情が僅かに安らいでいるように感じられる。
恐らくは意識がないままでも、あなたの意思を受け取ったのだろう。



>>↓1 コンマ判定 【治療の進行】

耐久 3 (少女)
魔力 4 (少年)

目標値 7


【治療の進行】

目標値 7  出目 4

成功!



意思がより深く伝わるよう、あなたが少女の額に触れたその時だ。
少女の瞼がぴくりと動いた。

慌ててあなたと少年は声をかける。
応えるように目が開き、しっかりとあなた達を見つめた。
少年の治療が実を結び、ついに少女は意識を取り戻したのだ。
生死の狭間からは抜け出した、と少年も保証する。


完治した訳ではない。
少女が満足に動けるようになるまでは、まだしばらくの時間がかかるだろう。

だが、あなたか少年が手を貸せば、歩く事は可能なはずだ。



>>↓1  どうする?

素材と休憩について少年と相談


『こんな時に素材、ですか……』


少年は僅かに気分を害したようだ。
だがそれでも、あなたに答える。


『剥ぎ取るならば、全員で動くべきでしょう。
 僕達だけでは襲われた時の対処が難しいですから。
 ですが、出来ればもう少し回復を待ちたい所です。

 ……部屋の入り口付近で待つなら、死体に異変があれば分かるかも知れません。
 それでどうでしょうか?』


少年の意見は、こういった所のようだ。



>>↓1  どうする?

休息も含めて食事しよう


魔法を使い続けている少年にも、休息が必要だ。

休息し食事を取ろう。
あなたはそう提案した。


『……。

 そうですね……確かに、僕まで倒れてはどうしようもありません。

 ただ、食事は大丈夫です。
 まだお腹は減っていませんから、お先にどうぞ』


少年は少女の服の前を合わせ、胸を隠す。
そのまま寄り添うように座り、周囲に目を配りながらも休息を始めた。

少女も、今の今まで大怪我を負っていたのだ。
ある程度回復したとはいえ、恐らく物を食べるのは難しい。

やむを得ず、あなたは一人寂しく食事を始めた。。



>>↓1  堅焼きビスケット と 干し肉 のどちらを食べますか?

ビスケット


ビスケットは、取り立てて美味しい物ではない。
極一般的な穀物の風味が感じられるだけだ。
ただ、その食感は中々素晴らしい。
普段ならば、迷宮内での食事としては、それなりに楽しめたはずだ。

しかし……。

ちらりとだけ横目で二人を窺う。
少年はいつの間にか、あなたに背を向けるように姿勢を変えていた。
その手からは魔法の光が漏れている。

休息は早くも取り止め、治療に戻っていたようだ。



【20:00】



【不運の回避】

幸運 9
蜘蛛 5

繚乱 -2
松明 -1

目標値 11 (自動成功)



異常は、相変わらず何もない。
食事を終えたあなたは治療の進行具合を尋ねる。

自力で歩けるまで、まだ少しかかると思います。
そう答えた少年の顔色は、酷く悪いように感じられた。



>>↓1  どうする?

魔力譲渡を一言断ってからやってみる


このままでは、少年も無事には済まないかも知れない。
そう危惧したあなたは、魔力の譲渡が出来ないかと考えた。


【魔法知識】

知識 1

未踏 -10

目標値 -9 (自動失敗)


しかし当然、あなたはその方法を知らない。
それは少年も同じであったようだ。
そんな技法があったのか、と驚いた様子を見せている。



>>↓1  方法を知らない事を正直に告げますか?

正直に告げる。その上で、少年にこれ以上無理して欲しくないと訴える


あなたは正直に、具体的な手段は知らない、と答えた。
それでも試すだけ試したい、これ以上無理をして欲しくない、とも。



◆ 友好度判定……失敗



『……えぇ、分かりました。
 ですが、素直に休みますので、譲渡は結構です。
 失敗した時にどうなるか未知数ですから。
 ご心配、ありがとうございます』


少年はあなたの心配を受け入れ、にっこりと笑って魔法の光を収めた。
だが、何故だろうか。
その表情は普段の物とは少し違うように、あなたには感じられた。


■ 所持品一覧

 【使い慣れた双剣】 E

 【蜘蛛甲と鹿革の兜 +1】 E
 【大蜘蛛の面頬】 E
 【鉄製のネックガード +1】 E

 【使い慣れた皮鎧】 E
 【鹿革製のリュック】 E

 【大蜘蛛のガントレット】 E
 【異形の手袋】 E

 【ブーツ・オブ・ライトニング】 E

 【大型ウェストバッグ】 E


 【投石用の石 x28】

 【堅焼きビスケット x10】 ← USED
 【干し肉 x10】
 【竹製の水筒 / 75%】 ← USED
 【水袋 / 100%】

 【方位磁石 x2】
 【携帯用調理器具一式】
 【松明】 ← 使用中
 【植物油 x2】

 【地図用羊皮紙 x2】
 【描きかけの地図 / 白の森・入り口】
 【描きかけの地図 / 白の森・猿の縄張り】
 【描きかけの地図 / 白の森・最奥部への道】

 【大英雄の剣片】

 【伝心の白花 x1】 ← USED
 【?石】 ← NEW


■ パーティーの共有品

 【大蜘蛛の爪の欠片 x4】

 【木製の投石器 x2】
 【木製の投槍器】
 【木製の背負子】

 【熊肝の丸薬 x3】
 【熊骨の精力剤 x3】 ← USED


■ 預かり中

 【使い慣れたガントレット】
 【使い慣れたブーツ】

 【熊革の鎧 x3】 作成中 10日目 11:00 以降 受け取り可能


■ 所持金

 2097 Kootz


【3日目 20:15】

【松明使用中】



少女の呼吸は落ち着きを見せたようだ。
二人は顔を寄せ合い、何事かを囁き合っている。

あなたの耳はその言葉を捉えただろう。
だが、それは例の未知の言語であり、あなたが内容を理解する事は出来なかった。





あなたは二人を更に観察する。

少女の具合はそれなりに回復したようだ。
その顔から死の気配は取り払われている。
だが、血を失いすぎたのだろう。
顔は真っ白で、視線もやや定まっていない。

少年の方も過度の治療で酷いものだ。
額には脂汗が流れ、少女に負けず劣らずの顔色。
あなたが止めていなければ倒れている可能性もあっただろう。
もしくは、精力剤の力がなければ、やはり同じ結果だったに違いない。


そんな二人が囁き合っている内容は分からない。
だが少年は何かを説得しているように、少女はそれを咎めているように、あなたには思えたかも知れない。



>>↓1  どうする?

少年少女の話が落ち着いたら少女に謝る 朝まで巣に籠城貴女が丸薬を使い朝まで見張り
朝になったら帰還、を提案する


少女に謝罪をしなければならない。
そうあなたは考えた。

白い花の効力で、あなたの気持ちは伝えられているはずだ。
だが、それとこれとは別。
そもそも花の力もその理由は一切不明のままだ。
不確かな事に心を預けるというのも、おかしな話である。


あなたは話しかける機を窺い、二人の会話が途切れるのを待つ。
勿論、その間も周囲の警戒は忘れてはいないが。



◆ 不運の回避……自動成功


【21:30】


二人の話は長く続いた。
少年は時折声を荒げていたが、最終的に少女の意見が容れられたようだ。
仕方がない、とでも言うような表情で、僅かに震える指先を少年の頬に触れさせている。


……そろそろ良い頃合だろうか。


あなたは少女に近寄り、傍らに膝を付く。

近くで見れば、少年の顔色が回復してきている事に気付けるだろう。
森を覆う霧の効果だと思われる。
失われた魔力はそれなりに取り戻されたようだ。

ともかく、あなたは謝罪をしようと、口を開く。
すると、少年がそれを素早く遮った。


『大分具合も良くなったので、治療を再開しようと思います。
 すみませんが、周囲の警戒を……』

『……うぅん、私は、大丈夫だから。
 どう、したの? 何か……あった?』


あなたを遮ろうとした少年を、更に少女が遮る。
その声は未だ細く、押し殺された苦痛を嫌でも感じさせただろう。


少女の声に刺激された罪悪感、
それが命じるままに、深く頭を下げた。

過信、油断、慢心、軽視。
その代償として突き付けられた現実は余りに重く、あなたの額を土に押し付ける。


◆ 友好度判定……成功


『……。
 帰ったら、なんか奢んなさい。
 それで、いいわ。

 あんたの話に乗った時に、覚悟はしてたから』


少女はそう答え、あなたに手を差し伸べた。
その手を固く握り、和解は完了する。

血が足りないのだろう。
酷く冷たい指先の温度が、最後にあなたを苛んだ。


続く提案は、二人に受け入れられた。
元より今すぐ戻るつもりはなかったのかも知れない。


『……明け方、夜と昼の境目にしましょう。
 夕暮れ時と同じく、最も魔物が減る時間帯です』



>>↓1  見張りの間に行いたい事があれば指定できます (特になければ自動進行します)

上空を重点的に警戒する


あなたは二人から離れて、樹上の警戒を始める。
現状、最も警戒すべきは何かと言えば、エルフ達である。

彼らのこのエリアへの侵入は既に確認している。
更に、本来こちらに存在しないという事は、大蜘蛛の脅威を知らない可能性がある。
この部屋に踏み入ってくるとするならば、彼らだろう。

……と、あなたは予想していたのだが。



【5:00】



時間は何事もなく過ぎ、木々の天井から垣間見える空は白み始めた。
明け方である。


あなたは頃合と見て、二人へと歩み寄った。
それを確認し、少年が少女を揺り起こす。

一夜を通して、少年は休息と治療を繰り返していた。
その甲斐あって、少女の傷は完治している。
後は、失われた血量が戻れば何事もなく元通りになるはずだ。
少年の方も顔色は幾分か良く、最低限の魔力だけは残しているように思える。

また、真夜中に飲んだ薬の影響だろう。
不寝番による体調の悪さは、あなたには存在しない。
十分な行動が可能なはずだ。




◆ = 現在位置


少年の言が正しければ、今は魔物の脅威が最も小さい。
ある程度の安全は確保されているはずだ。



>>↓1  どうする?

貴方が少女を背負って少女に負担がかからないようなおかつ急いで帰るでいいんじゃない?


あなたは少年に荷を預け、少女を背負おうと背を向けた。
それに難色を示したのは少年であった。


『背負うなら、僕がやります。
 あなたには……いえ……』

『別にもう自分でも歩けるけど、あんたが言うなら任せるわ。
 何かあったらすぐに下ろして。
 私が乗ってちゃ邪魔になると思うし』


少年が言葉を探すように口篭っている間に、少女はあなたの肩に手を掛けた。
そのままあなたに自身を託す。

少年は口を閉じ、諦めたように息を吐いていた。




◆ = 現在位置



あなた達は部屋を出て、通路の南北を見渡した。

北には、霧で判然とはしないが大きな影が横たわっている。
夜間に物音がしなかった以上、大蜘蛛がそのままになっているはずだ。

南には、すぐに小部屋。
こちらには目に入る部分には何も見つからない。


あなたの体は万全だ。
少女の重みは、少なくとも苦にはなっていない。



>>↓1  どうする?

貴女が先頭になって少女の負担にならない程度の速さで進む


※ 状況から判断し、南へと進みます。



あなた達は慎重に、小部屋へと向かう。
背負った少女に負担をかけないよう、その足取りは常よりも遅い。

すぐに到達した入り口から、あなたは顔だけを出し、そっと窺う……。



>>↓1 コンマ判定 【目視】

感覚 7

白霧 -2

目標値 5


>>↓2 コンマ判定 【??】

感覚 7

目標値 7


【目視】

目標値 5  出目 9

失敗……


【?? → 嗅覚】

目標値 7  出目 1

クリティカル!!



クリティカル……


【4日目 5:15】



部屋の中を覗くあなたは、ある臭いを検知した。
血の臭いだ。
恐らくはしばらく前に流されたらしく、濃密な物ではない。
しかし、あなたには確かに感じられた。

源を探れば、部屋の中央辺りに赤黒い染みがある。

更にあなたは……。


◆ クリティカル効果により追加情報を自動獲得します。


北だ、と確信した。
血の持ち主は北の、大蜘蛛の死骸の方向へと向かったようだ。
通路では気付かなかったが、獣の臭いがそちらから漂っている。

……脱出の障害物は、とりあえず部屋の中には見当たらなかった。




◆ = 現在位置



あなた達は部屋の中を移動し、入り口への通路を視界に入れた。
突き当たりまでは、何もないように見える。



>>↓1  どうする?

壁をつたいながら慎重に進む


あなた達は壁伝いに通路を進む。
最初の角を曲がり、二つ目の角も曲がる。

あと一度。
次を曲がれば、長い通路の先に森の出口が待っている。



>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】

幸運 9

繚乱 -2

目標値 7


【不運の回避】

目標値 7  出目 7

かろうじて成功……



白い霧の向こうには何も見えない。
だからと言って油断など一切せず、慎重に歩を進める。



……入り口の広間に到達して、ようやくあなた達は安堵を得る事が出来た。

少女はあなたの背から降り、感謝を伝える。
そこに少年が駆け寄って、肩を支えた。

当然の事として、あなた達に余裕はない。
すぐに街へと向けて、少女に負担がかからない範囲で急ぐ事となる。


【4日目 7:30】



朝の喧騒に包まれる通りを抜け、あなた達は宿に帰還した。
すぐに少女をベッドに寝かせ、少年が寄り添う。

帰路を歩いただけで、少女の状態は再び悪化していた。
苦しげな表情を浮かべ、眠りに落ちている。

傷が開いた、などという訳ではない。
単純に血が足りないそうだ。


『……完全な回復にはしばらくかかるでしょう。
 僕の治療では、失った血までは戻りません』


少年の見立てによれば、少なくとも三日、確実を期すならば四日は必要であるという。
それまでの間、少女は安静にしておくべきだろう。



◆ 【エルフの少女】 が 【7日目 7:30】 までパーティーから離脱します。


『僕は毎日森に入らなければいけません。
 最低でも、呪いから迷宮の探索として認められる程度の行動をする必要があります。
 その間、この子を……いえ』


少年は一度声を飲み込み、そしてあなたに頭を下げる。


『その前に……迷宮の中では、すみませんでした』


それから、不在の間の少女の世話をあなたに頼み込んだ。
この状態の少女を一人残して行くなど、彼にとっては不安以外の何物でもないのだろう。
謝罪を繰り返し、何度もあなたへと懇願している。



>>↓1  どうする?

あなたも謝罪して2人のためにできることをすると伝える


少年に対し、あなたも鏡写しのように頭を下げた。
森の中、治療中に行った様々な事の意味に、気付いたのだ。

恐らくは現実逃避だったのだ。
少女が死に瀕している事を受け入れられず、常と同じような行動を取ってしまった。
それが少年の心にどのような波を起こしたか。
街に戻り冷静さを手にした今、余りにも明白だった。

心を籠めて謝罪し、そして二人のために出来る事は何でもすると誓う。


『……ありがとうございます。
 この子を、お願いします』





こうして、あなたは少年が不在の間、少女の看病をする事となった。
勿論、何か用事があるならば自由に出歩く事も出来る。
ただし、その場合失う物は何かを、あなたは頭に置いておくべきだろう。



■ 基点石

様々な魔術の目標点として利用できる石。
魔力を籠めた本人しか使用できないため、特に用途はない。


■ 所持品一覧

 【使い慣れた双剣】 E

 【蜘蛛甲と鹿革の兜 +1】 E
 【大蜘蛛の面頬】 E
 【鉄製のネックガード +1】 E

 【使い慣れた皮鎧】 E
 【鹿革製のリュック】 E

 【大蜘蛛のガントレット】 E
 【異形の手袋】 E

 【ブーツ・オブ・ライトニング】 E

 【大型ウェストバッグ】 E


 【投石用の石 x28】

 【堅焼きビスケット x10】
 【干し肉 x10】
 【竹製の水筒 / 100%】 ← 自動補給
 【水袋 / 100%】

 【方位磁石 x2】
 【携帯用調理器具一式】
 【松明】 ← 使用中
 【植物油 x2】

 【地図用羊皮紙 x2】
 【描きかけの地図 / 白の森・入り口】
 【描きかけの地図 / 白の森・猿の縄張り】
 【描きかけの地図 / 白の森・最奥部への道】

 【大英雄の剣片】

 【伝心の白花】
 【基点石】 ← NEW


■ パーティーの共有品

 【大蜘蛛の爪の欠片 x4】

 【木製の投石器 x2】
 【木製の投槍器】
 【木製の背負子】

 【熊肝の丸薬 x3】
 【熊骨の精力剤 x2】 ← USED


■ 預かり中

 【使い慣れたガントレット】
 【使い慣れたブーツ】

 【熊革の鎧 x3】 作成中 10日目 11:00 以降 受け取り可能


■ 所持金

 2097 Kootz


◆ 【基点石】 について

【リモート・ビューイング】 や 【テレポーテーション】 の目標地点として使用されるアイテムになります。
エア・カッターがこの石目掛けて軌道を変える、といった効果はありません。

あなた達のパーティーは、現在これを必要とする魔法を習得していません。

再利用するには籠められた魔力を抜き取る必要があります。
これには特殊な技術が必要になり、知っているかどうかは知識判定の結果によります。






【4日目 8:00】



和解を終えたあなた達は、今日の予定について話し合う。
そこで、少年からあなたに提案があった。


『僕はこのまま、夕刻まで残ってこの子を診ています。
 もし何か準備する事があれば、それまでにお願いします』



>>↓1  どうする?

まず少年に、何か必要なものがないか聞いておきたい


あなたはまず、看病に何が必要そうかを尋ねた。
介護をされた経験はあっても、看病はした事もされた事も乏しい。
脚を失って間もない頃にはあったはずだが、それは遠い記憶の中である。
治療に関しては専門である少年に聞くのが最も正しいはずだ。


『そうですね……ここの食堂はある程度無理を聞いて貰えます。
 貧血に良い物を用意して貰うのも、問題ないはずです。

 着替えも十分な数があります。
 体を拭く布とお湯も、貸して貰えますし。

 ……意外と、準備する事はなさそうですね』


少年は頭を掻きながら続ける。


『強いて言えば増血剤くらいでしょうか。
 ただ、これは調合が難しいらしくて、それなりに値が張ります。
 あれば有難いですが、無理にとは言いません』




『僕が必要な物……ですか?』


あなたが続けて聞くと、少年は困惑したような顔を見せた。


『いえ、特にこれと言っては……。
 物資も殆ど消費していませんし、装備も普段のままで問題ありません。
 これでも、一人で探索する事もあるんです。
 僕の心配は要りませんよ』


少年はあなたを安心させるように微笑む。
どうやら本心のようだ、とあなたは感じた。


答え終えた少年は再びベッドの横に座り、少女の額の汗を拭いている。



>>↓1  どうする?

基点石(少女が知らなかったら魔力を帯びた石)について相談
少年に大蜘蛛をもぐもぐする奴がいることを伝える
少女の看病時の細かいルールについて決める


あなた達は更に相談を続ける。

まずは森の中で拾った魔力を帯びた石。
一部の魔術の使用に必要だという、基点石について。


『……特に使い道はありませんね。
 もしリモート・ビューイングに使われていたなら、
 森の中で助けを求める事も出来たかも知れませんが、今言っても仕方ない事ですし。

 置いた人が困っているかも知れませんし、僕が戻しておきましょうか』



>>↓1  少年に基点石を渡しますか?

危険が無いようならお願いする


基点石を少年に託しながらも、あなたは注意を促す。

森の最初の小部屋で発見した血痕の事だ。
血を流した魔物は、大蜘蛛へと近付く進路を取っていたようだった。
それはつまり、今の森では蜘蛛の部屋といえど危険はあるという事だ。

少年も頷く。
縄張りの乱れは既知の事柄だが、確認し合う事が無駄である訳もない。


そして最後、看病の細かい決め事について。
少年の希望は、以下の通りのようだ。


『特に大きな負担をかけるつもりはありません。
 僕が居ない間、休息を取っている間、傍についていてくれれば、それだけで。

 あぁ、それと体を拭くのはあなたにお願いします。
 僕がやるのでは恥ずかしがって大変でしょうし』



>>↓1  ルールについて意見があれば伝える事が出来ます (伝えなくとも問題ありません)

特に伝えること無しで


特に異論はない、とあなたは伝えた。
それで話し合いは終了となる。


あなたは部屋を出て、階下へ向かう。

宿のカウンターでは店主の妻が頬杖を付いていた。
そこへ話しかけ、三日分の部屋と食事の代金を支払う。
食事は通常の物よりやや値が張ったが、少女の体を考えれば必要な出費である。


◆ 所持金 2097 → 1827 Kootz


中身を減らした財布を眺めながら、あなたは考える。
少年が言っていた増血剤についてだ。

おおよその値も聞いたが、さて購入するべきだろうか?



■ 増血剤

価格 : 500 Kootz

体内の血液を増やす効果のある薬品。
購入した場合、少女が復帰するまでの期間が一日短縮される。



>>↓1  購入しますか?

買って使って、短縮した一日で素材集め金稼ぎすればきっと元も取れよう
購入する


■ 所持品一覧

 【使い慣れた双剣】 E

 【蜘蛛甲と鹿革の兜 +1】 E
 【大蜘蛛の面頬】 E
 【鉄製のネックガード +1】 E

 【使い慣れた皮鎧】 E
 【鹿革製のリュック】 E

 【大蜘蛛のガントレット】 E
 【異形の手袋】 E

 【ブーツ・オブ・ライトニング】 E

 【大型ウェストバッグ】 E


 【投石用の石 x28】

 【堅焼きビスケット x10】
 【干し肉 x10】
 【竹製の水筒 / 100%】 ← 自動補給
 【水袋 / 100%】

 【方位磁石 x2】
 【携帯用調理器具一式】
 【松明】 ← 使用中
 【植物油 x2】

 【地図用羊皮紙 x2】
 【描きかけの地図 / 白の森・入り口】
 【描きかけの地図 / 白の森・猿の縄張り】
 【描きかけの地図 / 白の森・最奥部への道】

 【大英雄の剣片】

 【伝心の白花】
 【基点石】 ← NEW


■ パーティーの共有品

 【大蜘蛛の爪の欠片 x4】

 【木製の投石器 x2】
 【木製の投槍器】
 【木製の背負子】

 【熊肝の丸薬 x3】
 【熊骨の精力剤 x2】 ← USED

 【豪腕熊の背骨】 ← NEW


■ 預かり中

 【使い慣れたガントレット】
 【使い慣れたブーツ】

 【熊革の鎧 x3】 作成中 10日目 11:00 以降 受け取り可能


■ 所持金

 1827 Kootz


【4日目 10:30】



あなたは薬師の店を出て、購入したばかりの薬品を確かめた。
小さな小瓶の中には、鮮血を思わせる真っ赤な液体が詰まっている。
これをそのまま飲めば良いとの事だが、湧き上がる抵抗感を禁じえない。

とはいえ、飲ませないという選択肢もありえない。
間違いなく効果があるという事は専門家が保証しているのだ。
少女には我慢してもらおうと考えつつ、慎重に荷へと仕舞い込んだ。


◆ 【増血剤】 を獲得しました、宿に戻れば自動使用します。


さて、特に取り立てて準備すべき物はないと、少年は言った。

彼が森へ向かうのは夕方からのようだが、看病の手は多い分には問題ないだろう。
あなたにやるべき事がなければ宿に戻るのが良いに違いない。

また、現状を考えれば、外での長時間の行動も、気が引ける事である。



>>↓1  どうする? (行動は一度のみに制限されています)

ポーションを少年用に一つ買って、宿に戻る


◆ 所持金 1327 → 1127 Kootz

◆ 【ポーション】 を獲得しました、自動的に少年に渡されます。



あなたはふと思いつき、ポーションを追加購入した。
少年は負傷を治療できるが、傷が大きければ万が一という事も有り得る。
その時に薬による補助の有無が生死を分けるという可能性も、なくはないのだ。

あなたは買い物に満足し、宿へと戻る道を歩む。



【4日目 16:00】



少年は、ポーションを受け取った後仮眠を取り、森へと向かった。
本人の申告によれば、呪いが満足するのは恐らく深夜近くになるとの事。
夜間は宿の扉が閉ざされる事を考えれば、帰りは朝になるはずだ。

それまでの間、あなたは少女に付き添う事になる。


【4日目 19:00】



苦悶の表情で眠っていた少女が目を開いたのは、街が夜に包まれてからの事だった。

少女はまず喉の渇きを訴え、あなたから増血剤と水を受け取り飲み干した。
その際、薬品の味に文句を溢したのは致し方ない事だろう。
蓋を開けた瞬間、離れているあなたにも分かる程の生臭さが立ち上ったのだ。

何を原料にしているのかは聞かなかったが、それは正解だったように、あなたには思えた。
恐らく、知っていれば少女に飲ませる事に躊躇いを覚えたかも知れない、と。


【4日目 20:00】



部屋まで運んだ食事を二人で平らげた後、少女は口を開いた。


『それで、これからあいつと一緒に森に行くんでしょ?
 私の事はいいから、準備するといいわ。
 少しは楽になったし、自分の事は自分でやれる』


あなたが外出している間も、少女は寝ていたのだろう。
少年は何も教えずに森へ行ってしまったようだ。



>>↓1  どうする?

心配だからと無理やりにでも寝た姿勢にさせ少年と話したことを伝える


あなたは少女をベッドに寝せ、説明を始めた。

少女を一人にする訳には行かず、少年は一人で森へ入るという事。
その間、あなたが少女の傍に付いている事。
少年の帰りは、明日の朝になる事、など。

あなたの話を聞き終わり、少女は呆れたように頭を抱えた。


『あの馬鹿は……。
 もう少し自分を大事にしろってのよ。
 まぁ、あいつの事だし大丈夫だとは思うけど……。

 ……でも、そっか。
 あんたに任せられる位にはなったのね。
 あからさま過ぎて心配してたのよ。
 仲直りできて、良かった』


ああ見えて結構短気なとこあるけど、何とかよろしくお願い。

少女はそうあなたに言い、大人しく休息を取り始めた。



さて、取り立ててやるべき事はない。
体の清拭も、食事の前に済ませている。
薬を飲ませ、食事もした以上、この後は回復していくだけだろう。

そう考え安堵した途端、あなたの口から大きな欠伸が漏れた。

昨晩の徹夜の影響が出始めたのだ。
瞼を開くのも一苦労、というような眠気があなたに襲い掛かる。



>>↓1  少女と一緒に眠りますか?

少女が起き出すことがあれば目覚められるようになんとなく気に留めて寝る


あなたは眠気に逆らわず横になる事にした。
少女にも睡眠を促したが、ずっと眠り通しだったせいか難しいようだ。
それでも、具合の悪い状態で勝手に動く事はしない、何かあればあなたを起こす、と確約させた。

更に、念のためベッドを無理矢理に動かし、隣接させる。
こうしてすぐ傍で寝て、ついでに手の一つでも握っておけば、異常に気付くのは容易いはずだ。

心配するあなたに苦笑しつつも、少女は抵抗なく手を差し出した。


夜は更けていき、部屋の中には二人分の寝息だけが静かに流れている。



>>↓1 コンマ判定 【少女の体調】

耐久 3
薬効 3

目標値 6


【少女の体調】

目標値 6  出目 9

失敗……



◆ 追加判定が発生します


>>↓1 コンマ判定 【異変の察知】

感覚 7
手繋 2

熟睡 -3

目標値 6


【異変の察知】

目標値 6  出目 8

失敗……


あなたは眠り続ける。
握った手の異常に、僅かも気付かずに。



【5日目 2:00】



ふと、あなたは妙な音に目が覚めた。
重い液体がビチャビチャと、床に零れる音だ。

あなたの手は誰にも握られていない。
そしてまた、隣にベッドに人影もない。

慌てて飛び起き、少女の姿を探せば、それは部屋の扉近くに見つけられた。
へたり込むように座り、俯いている。
音はそこから響いていた。
少女の膝の間には、夕食の溶け残りが胃液と共に広がっている。


【5日目 2:30】



汚れた服と体の後始末を終え、あなたは少女をベッドに寝かせた。
謝罪を繰り返していた少女は、今は苦しげな息を立てて瞼を閉じている。

……この状態で再び眠りにつく事は、あなたにはとても出来る事ではないだろう。


【5日目 7:00】



そのまま、朝になった。
半端に終わった睡眠と、異変に気付けなかった自責の念。
二つはあなたの心身に負担をかけた事だろう。


さて、あなたはその状態で、無事に戻ってきた少年を出迎えた。

……夜間の出来事を正直に言うべきだろうか?



>>↓1  どうする?

正直に伝える


あなたは全てを正直に伝えた。
信頼を裏切って眠りに沈み、少女の不調に気付けなかった、と。

それに対する少年の返答は……しばしの無言の後の、静かな言葉だった。


『……いえ、僕も迂闊でした。
 眠っていないのは、あなたも同じだった。
 気付いていれば、出発を遅らせる事も出来たのに。

 幸い、今回は嘔吐だけで大事にならなかった。
 それで構いません』


僕が見ていますから、あなたは眠って下さい。
少年はそう促し、少女に寄り添った。

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