最終更新: vulcan_k_0 2019年08月07日(水) 09:30:29履歴
大西つねき氏の書籍レビューに信用創造の部分は記載が間違っているとの指摘がなされており、最初、これがどういうことかが理解できませんでした。我々が学んだ信用創造の原理は大西つねきの述べている信用創造の原理と同じだったからです。
レビューした人の頭がおかしいのかな?と思いつつ、その方のレビューは、その指摘以外は非常にクレバーな印象であったことからしっくりこない違和感を感じていました。
望月夜氏のMMT概説(note)を読んで我々が学んだ信用創造の原理はおとぎ話の類たったことを理解しました。そうはいっても大西つねき氏の主張の中核が揺らぐわけではないことも理解しました。
つまり、信用創造は銀行員が融資を決定し借り手の口座に融資額を入力したときに行われるという理解は正しいこと、間違っているのは信用創造に関する誤解をベースに構築された貨幣常数理論であることです。
つまり、信用創造に関するおとぎ話自体は害のない勘違いであり、銀行員が信用を創造しているという本質自体は正しいわけです。対して、おとぎ話に立脚した貨幣常数理論は明らかに間違った理論だということが言えると思います。
自分はもともと信託銀行員で、最初の2年ほどは融資営業をしていました。その後、年金資金の運用セクションに異動となり、クオンツと呼ばれる統計を駆使した運用アルゴリズムを開発する特殊部隊に配属し、とても楽しかったのですが、株の売買で儲けを出すことが国家に貢献しているのだろうかと、ふと我に返って直接的に国家に貢献しているという実感を求めて飛び出したのですが、銀行マンが通貨を発行しているという考えを知っていたら、違う道を歩んでいたかもしれません。
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