寄付・広告・投資の要素を取り入れた概念であるHonorable Givingについて解説しています。

似ているものからHonorable Givingを理解する


寺・神社への寄進・奉賛


奈良県 春日大社の奉賛者一覧

社寺の事業への奉賛者が、その金額に応じて順に並べられている。
Honorable Givingに当てはめて考えると、社寺は文化や信仰を守るパフォーマー、奉賛者はそれに賛同する名誉に与るスポンサーとみなすことができる。
Honorable Givingは、このような奉賛者・寄進者の掲示をオンライン上に移植する試みである。

AKB48総選挙

人気アイドルグループ「AKB48」は、AKB48総選挙と称したCD販促イベントを行っている。
CDには1枚1票の投票券がついており、購入者は自分の応援するメンバーに投票を行うことができる。
このイベントに際し、一部の熱狂的なファンが多数の投票券を欲して大量のCDを購入するという現象が発生している。
「曲を聞く」という目的ではなく「応援する」という目的のためにCDを購入しているファンがいるのである。
現状においてCD購入を通じて行われている特定のアイドル・アーティストへの応援は、Honorable Givingを通じて行うほうが無駄が少ない。

レディオヘッドの「好きな金額で」

イギリスのロックバンド「レディオヘッド」は、アルバムのダウンロードの際にリスナーが任意の金額を支払えるようにしたことで話題になった。
Honorable Givingでも任意の金額を支払うことができるが、こちらはいつでも何度でも払うことができる。
さらにリスナーの憧れるアーティストのホームページなどに自分の広告を載せることができるとなれば、より多くの金額を払うことへのインセンティブが発生する。

ニコニ広告

動画ポータルサイト「ニコニコ動画」では、特定の動画の再生数を増やすための課金が存在する。
視聴者がある動画の再生数を増やし、その動画のアップロード者を応援する仕組みである。
広告掲載の為に支払われた料金は、全額運営の売上となる。
もしもHonorable Givingのように広告料がアップロード者に支払われる仕組みであれば、視聴者が課金を行うインセンティブは大幅に強化される。
また、高い品質の動画の作成者や、今は有料コンテンツの販促PRのみを行っている同人グループが、無料コンテンツの提供によって直接収入を得ることが出来る可能性がある。

マイクロファンディング

サービス化されたHonorable Givingは、「Grow!」や「Campfire」などと同じマイクロファンディングに分類されると思われる。
大きな違いと挙げるとすれば、既存のマイクロファンディングが何かをつくるための資金集めに焦点を当てているのに対し、Honorable Givingはつくった何かへの報酬に焦点を当てている。
資金集めためのマイクロファンディングに対して、報酬のためのHonorable Givingはマイクロインカムと呼ぶことができるのではないだろうか。
「つくるのに○○円必要」というマイクロファンディングが労働価値寄りなのに対して、「○○円払いたい」というマイクロインカムは効用価値寄りであり、後者のほうが自由市場により適している可能性がある。

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