JR東日本・JR北海道・IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道が運行していた寝台特急「北斗星」号で使用された車両についての非公式wikiプロジェクト

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概要

AU13クーラーは、国鉄形車両にて幅広く使われた分散式冷房装置である。
1969年から製造された12系客車で採用され*1、その後も多くの優等列車向け車両などで採用されたほか、既存の非冷房車両への搭載改造も数多く行なわれた。
能力5,500kcal/h(6.4kw/h)で、基本的に1両に対して5〜7基を車両の屋根上に搭載されている。
国鉄型の電車・気動車・客車で使用された他、私鉄の阪神電車などで使用された類似形式なども存在する。

おことわり

「AU13」という名を持つクーラーは、複数の形状が確認されている。
当然、各形状ごとに名前分けされているはずなのだが、資料や模型の製品名などを見てもその名前が統一されておらず、結局どの形状がなんという名前なのかがよくわからない。

このような理由から、当wikiにおいてこの項を作成するに至ったわけだが、今回の用途に限らず、AU13クーラーについての記録や情報を管理する場合には、なるべく「どのような形状なのか」を合わせて記録しておくことをお薦めする。*2

本項においては、北斗星・はまなすで使用されたスシ24と14系座席車に搭載していた、5種類のAU13クーラーのみを紹介する。
各クーラー形状は【A】・【B】・【C】・【D】・【E】と分類して説明してあるので、車両データページにおいてもご参照いただきたい。

なお、当wikiで取り上げるAU13クーラー搭載車は、ほぼ全て載せ替えによって形態差が生じているため、模型加工などで再現したい場合には、該当する時期についてを注意されたい。

AU13型クーラーの形態

【A】AU13E スリット形

国鉄型特急・急行形電車を中心に使用されたタイプ。クーラーの本体側面がスリット状になっている。
北斗星のスシ24では、初期のJR北海道所属車とJR東日本所属車(こちらは初期から後年まで)に使用されたほか、JR西日本所属のトワイライトエクスプレス用スシ24 3もこの形状である。*3 
Nゲージで該当する製品は、TOMIX PC-108「クーラーAU13S」、またはKATO Z04-0131「クハ153 クーラー」、Z04-8124「クモハ165 クーラーAU13E」*4である。

【B】AU13EN メッシュ形・直角

国鉄型電車・客車など幅広く使用されたタイプ。クーラー本体の側面がメッシュ状になっている。
【A】・【C】タイプと比べて、メッシュの左右とクーラー外周の天地方向の角度が直角に近い。
北斗星ではJR北海道・JR東日本共にスシ24で使用されたほか、JR北海道に所属するマヤ34 2008も2016年7月まではこのタイプを載せていた。
Nゲージで該当する製品は、TOMIX PC-102「AU13E」であり、2018年現在でも採用されている製品が多いため、分売パーツとしても入手は容易い。
また、2018年6月にはKATOからZ05-2987「クーラーAU13EN(スハ25)」*5が発売となり、こちらの安定供給も望まれる。

【C】AU13A メッシュ形・斜型

国鉄型電車・客車などで使用されたタイプ。クーラー本体側面がメッシュ状になっている。三菱電機製。
先述の【B】のタイプに比べて、メッシュの左右とクーラー外周の天地方向の角度が緩めになっている。 
北斗星ではJR北海道・JR東日本共にスシ24で使用されていたが、1両内で【B】タイプと混在した例も確認されている。
Nゲージで該当する製品は、KATO Z05-0542「5080 クーラー」*6*7だが、近年の新製品には使われておらず、2018年現在ではASSYパーツ単体での入手はやや難がある。

【D】AU13S 14系座席車タイプ

14系座席車や50系5000番台などに載せられていたタイプで、冬季の雪の侵入を防ぐために頂部にカバーが付いている。*8*9
14系座席車のクーラーは基本的に全てこの形状であり、JR北海道で晩年に【E】に換装されたものと比較して「旧型」と称することもある。
北斗星ではJR北海道所属のスシ24に後年取り付けられていた。
Nゲージで該当する製品は、TOMIX PC-400「クーラー13A」、またはKATO Z05-0280「オハ14 クーラー」である。

【E】AU13改 14系はまなす更新タイプ

JR北海道所属のはまなす用14系座席車で、2000年代後半から【D】タイプに替わって載せられていたタイプ。
旧型品の【D】と比較して、「新型」や「更新型」と称することもある。
なお、JR東日本新潟支社に所属する485系やSLばんえつ物語号用12系などに取り付けられていたタイプとは異なる。*10
北斗星用車両では、晩年のスシ24 501に1つだけ載せていた(後述)。
また、2016年7月以降のJR北海道所属のマヤ34 2008もこのクーラーを載せている。
Nゲージで該当する製品は、KATO Z05-2464「オハ14 515はまなす クーラー」であるが、パーツ単体での需要が高くいつも生産直後に完売する傾向にあるため、通常時は入手困難である。

備考

●基本的にスシ24では、1両内で複数タイプのクーラーが混在することはなかった。
 ただし、
 1.JR北海道所属車の初期、およびJR東日本所属車では後年においても、【B】・【C】タイプの混在が確認されている。
 2.スシ24 501の最晩年において、【D】タイプの中に1つだけ【E】タイプが使用されていた。*11
 
 2008年3月6日 上野駅 撮影:管理人

●14系500番台座席車は全て【D】タイプだったが、2000年代後半から【E】タイプに換装されたものが生じた。
 なお、2016年3月のはまなす廃止時まで新型【E】タイプに統一されることはなく、1両内で新旧混在する車両や全て旧型の【D】タイプだった車両も存在した。
 また、14系の一部箇所において【E】タイプで側面中央部のメッシュ箇所が銀色ではなく、クーラー全体が同一色のグレーに塗られた個体も存在する。*12

●JR北海道に所属するSL用の14系500番台には新型の【E】タイプが載せられた記録はなく、2022年現在に至るまで旧型の【D】タイプで統一されていると思われる。

●東武鉄道および大井川鐵道に譲渡された14系500番台座席車では、【B】・【D】・【E】タイプが混在するようになった。
 なお、JR北海道時代に【B】タイプを搭載した14系500番台座席車は確認されていない。

参考資料

丸ごとNゲージ!HYPER MODELING
ブルトレ新系列客車のすべて
写真集 北斗星客車コレクション
j train vol.51 2013年秋号
とれいん No.160 1988年4月号
とれいん No.177 1989年9月号
とれいん No.478 2014年10月号
鉄道ピクトリアル No.792 2007年8月号
鉄道ピクトリアル No.906 2015年8月号
鉄道ファン No.325 1988年5月号
鉄道ファン No.355 1990年11月号*13
鉄道ファン No.652 2015年8月号

wikipedia>分散式冷房装置,
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E6%95%A3%E...> 2017年1月19日閲覧
通販サイト テックステーション
<https://www.tec-station.jp/shop/Top.do> 2017年1月19日閲覧
ホビーセンターカトー東京 Twitter
<https://twitter.com/katoshoptokyo/status/765045532...> 2017年1月20日閲覧
モデルあい子。モデルアイコン公式。Twitter
<https://twitter.com/komumodel/status/1286658871910...> 2020年7月25日閲覧
<https://twitter.com/komumodel/status/1286663185450...> 2020年7月25日閲覧

糸目今日子 Twitter
<https://twitter.com/itome100028/status/12916951268...> 2020年8月7日閲覧
あいうえおちゃん Twitter(上記ツイートリプライ)
<https://twitter.com/aiueochanaiueo/status/12917010...> 2020年8月7日閲覧
黄金獅子(こがねしし) Twitter(同上)
<https://twitter.com/versailles306/status/129169917...> 2020年8月7日閲覧

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