フランス機では1916年1月の
ニューポール 11に搭載されるのですが、このドイツの新型機は
西部戦線上空で猛威を振るい、あまりの強さに連合軍側に「フォッカーの懲罰」などと言われて恐れられました。このころから多数機撃墜者の
エース(撃墜王)が登場します。
マンガ
キャンディ♥キャンディで登場する戦闘機は、ステアは「スパッドS.VII」でドイツ軍の
凄腕ハーディは「フォッカーD.VII」のようです。どちらも第一次世界大戦の代表的な名機です。
マンガでは敵機を撃つことができなかったステアの性格を、当時の風潮であった空の
騎士道風エピソードを使い描いています。当時は
少女マンガらしからぬ空中戦シーンと、ステアが敵を撃てないシーン、敵でありながらステアが撃たれた時のドイツ軍パイロットのハーディの表情が印象的でした。
原作はマンガとは違っていたらしいです。
マンガのように誰だかわからない人に撃たれて死ぬのではなく、敵の凄腕パイロットと対戦して、気を許したときに、そのパイロットに撃たれて死ぬことになっていたそうです。
キャンディではステアに割けるコマはわずかだったので、戦争の過酷さとステアのステキな甘さ(戦争のすさまじさ(凄まじさ)を理解しながらも、どこか人間的に甘い−やさしさ)の方を書きたかったとか。(※『まんが原作者インタビューズ』より)
個人対個人の空の戦いは1915年までで(ステアが戦死したころ)、1916年からは大規模な組織対組織の戦いに変貌していきました。
フランス軍では、エースを集めた「
コウノトリ大隊」、アメリカ人パイロットで編成された「
ラファイエット飛行隊」などが活躍します。(中立宣言しているにもかかわらず、アメリカ人の飛行隊が戦っていることに対してドイツは中立違反と抗議している)
ドイツ軍ではガンダムの
シャアのモデルとも言われている撃墜王
リヒトホーフェン率いる「リヒトホーフェン・サーカス」が活躍。
前線パイロットの平均寿命は数週間と短かったのですが、それでもパイロットにあこがれて志願するものが後を絶たなかったようです。