主要な作品の冊子内の一定のページ(通常は一冊の1/3まで)の使用制限を課されて出版を許される漫画の出版形式をバックアップと呼ぶ。後に人気が出れば「独立して」1冊丸々を使って出版することを許される場合もあるし、ハードカバー本などの豪華な装丁のグラフィック・ノベル形式で新作画や追加ストーリーを加えて再出版されることもある。
もちろん主要な物語の「保険」の意味合いが大きい為、人気が出ないとそのまま頁が無くなり(欧米ではオムニバス・マガジン、或いはアンソロジー・コミック・マガジンと理解されている、日本では月刊や週刊の少年・青年漫画雑誌などでよくある情況である。)事実上の打ち切りということも起こり得る。
21世紀に入り、そのような保険としての意味合いではなく、当初より出版社が最も成功させたい主要な作品(フラグシップ・シリーズ)に最初から同居させる形で企画し、タイアップを本来の目的として、シリーズ全巻でコンパニオン・タイトルをきちんと完結させる形態も現れてきた。
これらを、上記の不安定な「バックアップ・ストーリー」の形態で区分することはその趣旨からして好ましくない為、出版社によってはこの形態を「コンパニオン・ストーリー」(実際にはクロスオーバーはしないが、その出版社内で「
共に売上げを支えあう」という意味で、いわゆる演劇でいう友情出演に近いニュアンスで使用される。)と呼称することが増えてきた。
「第1号火星基地」の作品形態に於いては、本来はファンジン(同人誌)等で西暦2012年現在で過去27年間描かれ(日本版で云えば30年間)続けてきた、「本編で描かれないリサ(日本版の早瀬未沙)と
カール・ライバー【 Karl Riber 】(日本版のライバー・フォン・フリューリンク【Riber von Fruhling】との関係」を2010年時点のプロ作家が描く意味と商業的な効果を判断した結果であると米国
ファンダム界では推定されている。
コンパニオン・ストーリー「第1号火星基地」【Mars Base 1】では、
リサ・ハイエス【Lisa Hayes】の初恋の人「
カール・ライバー」【Karl Riber】の地球でのリサとの逢瀬と火星基地での勤務とその最期を詳しく描く。