話者 | セリフ | 備考 |
プロデューサー | (今日は、ひなたにとって初めてのオーディション。 周囲に飲まれずうまくやれるといいんだが……) | |
ひなた | …………。 | |
プロデューサー | ひなた、さっきから難しい顔をしてるけど…… 緊張してるのか? | |
ひなた | ううん。 あ、えっと。緊張は、してるんだけども……。 | |
ひなた | …………。 | |
ひなた | あのね、(プロデューサー名)P……。 あたし、ここにいないほうがいいんでないだろうか? | |
プロデューサー | いないほうがいいって……突然、どうしたんだ? 何か問題でもあるのか? | |
ひなた | そういうわけじゃないんだけども……。会場にいる 他のアイドルの子たちが、みんな真剣な顔してて……。 | |
ひなた | 近くにいるだけで……みんなが今まで、どれだけ がんばってきたかが、伝わってくるんだわ……。 | |
ひなた | なのに、合格できるのはたったの数人しょや? なんだかあたし、申し訳なくなってきてしまって……。 | |
プロデューサー | ひなた……。 | |
プロデューサー | (気持ちの優しいひなたは、他のアイドルと 競い合う事に、気が引けてしまったようだ。でも……) | |
ひなた | みんなで仲良く合格ってわけには、 いかないのかねぇ……。 | |
プロデューサー | そうだな。合格できて喜ぶ子もいれば、 不合格になって悲しむ子もいるだろう。 | |
ひなた | うぅ……。(プロデューサー名)P。 オーディションって、厳しいんだねぇ……。 | |
プロデューサー | 確かに、厳しい世界だ。でも勝たないと、今回なら アイドルとして、歌を披露する場所がもらえないんだ。 | |
ひなた | うん……。 わかってるんだけども……。 | |
プロデューサー | それに、不合格になる事だって、大事な経験なんだ。 自分の経験、肥やしになるからな。 | |
ひなた | 大事な経験……不合格になることがかい? そうなんだろうか……。 | |
プロデューサー | ああ。だから、ひなたが合格する事で、 他の子が成長する可能性もある。遠慮なく行ってこい! | |
ひなた | うん……わかったよ、(プロデューサー名)P。 あたし、合格めざしてがんばるよぉ! | |
プロデューサー | (その後、ひなたは全力でオーディションに挑んだが、 審査の結果……不合格だった) | |
ひなた | あたしなりにがんばったけども、落ちてしまったべさ。 残念だったねぇ……。 | |
プロデューサー | (ひなたは不合格だったのに、なんだか嬉しそうだ。 もしかして、勝たなかった事に安心している……?) | |
ひなた | ねえ、(プロデューサー名)P。 今日、合格したあの子、泣いてたねぇ。 | |
プロデューサー | うん、そうだったな。今までの努力が実って、 きっと嬉しかったんだろうな。 | |
ひなた | とっても綺麗な涙だったべさ。 うれし涙って、あんなにまぶしいんだねぇ……。 | |
ひなた | あたし、あの子がとってもうらやましかったべさ。 ほんとのほんとに、おめでとうって思ったんだよぉ。 | |
ひなた | (プロデューサー名)P。 あたしも、いつか、あんな涙が流せるかなぁ? | |
プロデューサー | ああ、もちろん。 そのために、俺がいるんだからな! | |
ひなた | (プロデューサー名)P……えへへ。やっぱし、 (プロデューサー名)Pの言ったとおりだべさ。 | |
ひなた | オーディションは、勝っても負けても 肥やしになるって本当だねぇ。 | |
ひなた | いい肥やしをありがとうね、(プロデューサー名)P。 あたし、次は合格できるようにがんばるよぉ! | |
プロデューサー | (今日のひなたは、負けを悔しがっただけでなく…… アイドルとして、大切な事を学べたのだと思う) | |
プロデューサー | (ひなたなら、今日の悔しさを肥やしに、いつか 大きな果実を実らせてくれるだろう。絶対に……!) | |
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